当ブログコンテンツの無断転用はご遠慮ください
このエントリーをはてなブックマークに追加        
  • 2006年02月02日23:15

スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(42)

残り時間2分50秒

神奈川 91
秋田   93


秋田の攻撃。


ボールは深津。

河田の前には牧が張り付いている。

沢北が、目で深津にボールを要求する。


ボールは沢北へ。

「沢北!!」

「ここ一本はやっぱり沢北だ!!」


流川が目を光らせる。 「抜かせん」


沢北、ゆっくりとドリブルを始める。


ダム

ダム

ダム


そして、一気にトップギヤへ!




ダム!



流川を抜いた。



「行った!!!」

「沢北!!」




気づいた時にはゴール下。


慌てて牧がヘルプに入る。


が、間に合わない。




ザシュ!!




レイアップを沈めて点差は再び4点に。


「おおおーーーーーー!!!!!すげえカットイン!!」

「これが沢北だ!!!」




「もう負けるわけにはいかねえ…」 沢北の目に力がみなぎる。



「負けられねえんだ…」



**************************沢北の回想**********************************


「何を考えているんだ、沢北」

山王工業高校の職員室。教頭が声を荒げている。

廊下では、沢北の父・哲治が室内の様子を伺っている。


「向こうの学校の手続きは終わってるんだ。ウチの休学届けも受理されているんだぞ」


沢北が返す。
「分かってます。でも…」


教頭は堂本に視線を向ける。
「堂本君、どういうことだ。アメリカに行ったと思ったら、いつの間にか
帰ってきている。聞けば、まだ日本にいたいと言う…。 堂本君、
キミはどう考えているんだ?」


堂本は複雑な表情。
「沢北本人の思いを尊重したいとは思いますが…。
アメリカのバスケに挑戦したいんじゃなかったのか。沢北」

沢北が答える。
「それは今でも変わりません。でも、それは日本でやり残したことが
ないと思ってたから…」




「全てを成し遂げてからアメリカに行きたい、か?」



背後から声。



沢北、堂本、教頭が振り返る。


声の主は校長だった。


「堂本校長…」


※山王の校長の名は堂本(バスケ部監督の堂本とは血のつながりはないが)。
そして、堂本校長は元バスケ部監督。彼がバスケ部を率いていた15年の間で
最強といわれた代の山王のエースは、現監督の堂本五郎だった。


「沢北君。やらなければならないことが残っているんだな?」


沢北が答える。 「はい」


堂本五郎が聞く。 「流川か?」


沢北が続ける。
「インターハイを制して、アメリカに行くつもりでした。
日本にはもう相手がいないと思っていた。深津さんと河田さんしか…。
でも僕たちは負けた…」


しばしの沈黙。




静寂を破ったのは堂本校長だった。


「はっはっは。分かった、分かった! 沢北、好きなようにやりなさい。
話は私がつけておこう」


沢北が安堵の表情を浮かべる。 「校長先生…」


「ただし、だ」


堂本校長が続ける。
「再び日本一になって、アメリカに挑戦すると約束しなさい。
君は日本の希望なんだ。チャレンジを断念することは許されない」


沢北、まっすぐな目で返事をする。
「わかりました」



廊下では父・哲治が笑顔を浮かべていた。


*****************************************************************************



「…………もう2度と負けられねえ!!」



ディフェンスに戻る沢北の背中を見ながら、堂本が笑っている。

「沢北…。
留学延期は正解だったかもしれないな。再び流川と戦う舞台を得られた。
そして、仙道という新しいライバルも発見できた。まだ日本に2人の相手がいたんだ。
あっと、もうひとりいるかな…」





「ヘックショイ!!!」

観客席の桜木がくしゃみ。




神奈川の攻撃。


流川がボールを持っている。




ダム!!




沢北を抜いた。


「おおおおーーーーーー!!!!今度は流川のドライブだ!!!」

「速い!!!!」


ザシュ!!


再び2点差に。



流川と沢北、視線を合わせる。


沢北が笑った。 「おもしれえ!」


流川がつぶやいた。 「オレが勝つ」





残り時間2分20秒



神奈川 93
秋田   95



続く


このエントリーをはてなブックマークに追加        






スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(42) へのコメント一覧

  1. 1.
    • このコメントは削除されました
    • 2006年02月02日 23:22
    このコメントは削除されました
  2. 2.
    • 春二番
    • 2006年02月03日 00:16
    OKです!!


    早速読ましていただきました。

    そこまで忠実にするとは・・・
    確かモデルの能代工業も、
    「走るバスケ」で能代工業バスケ部を作りあげたのは元監督の校長(現在は辞めていますが)。
    そのバスケ部を引き継いだ教え子の現監督。
    名前は両者とも「加藤」。

    素晴らしいです!!!最高です!!!
    マニアにはたまりません!!!
    続き楽しみにしています。
  3. 3.
    • 編集者・K
    • 2006年02月03日 01:03
    おっと!春二番様よくご存知ですねえ!!

    「なんで名前が一緒なの?」とか突っ込まれるかと
    思っていたのに、とっくにご存知でありましたか!

    そうです。能代のバスケを築いたのは、先代の
    加藤監督(後に加藤校長に)でした。
    その教え子だったのが現監督の加藤三彦氏です。
    加藤三彦氏がいた能代は「最強説」のある
    素晴らしいチームでした。

    今は田臥時代が最強といわれていますが、
    沢北たちの山王が史上最強といわれているのと
    バッチリ合うんですよね。

    完璧だ!!!!!

    ※しかし春二番さん、詳しいなああああ
  4. 4.
    • 部長
    • 2006年02月03日 12:50
    ディープな話になってきたな

    試合結果はわからないが、仮に神奈川が勝ったら流川がアメリカ行っちゃうの?
  5. 5.
    • 編集者・K
    • 2006年02月03日 17:30
    部長。

    流川かあ。どうしよっかなあ。考えておきます。


    ※今日、友人に言われて気づいたのだが、
    もしかして、皆様は「スラムダンクの目次」のところを
    ブックマークしているのではないかな?
    できればトップページをブックマークしていただきたい。
    (一番上の「Kの部屋」のところをクリックすれば
    トップページに行けます)
    スラムダンクの新しい話を書いても、目次を更新し忘れる
    ことがあるんですよ…(スンマセン)。

    トップページは最新記事から順に載るので
    スラムダンクの新しい話がすぐに見られます。

    できれば皆様トップページをブックマークして下さい。
    よろしくお願いいたします
  6. 6.
    こんにちは
    かなりの内容の濃さですね。
    単行本だったらもう2巻ぐらい、いってますよ!
    ところで桜木の怪我の回復具合はどのくらいまでいっているんですかね?
  7. 7.
    • 編集者・K
    • 2006年02月03日 18:21
    ヴィセント様

    たしかに漫画なら2冊分くらいにはなってるでしょうね。
    ブログは絵がないから、少なく見えるけど。

    桜木は冬の選抜から復帰かな?

  8. 8.
    • 編集者・K
    • 2006年02月03日 22:04
    なんか今日はコメントが少ねえなあ。
    あまり読みに来てないか?
    寂しいぞおおおおお!!
  9. 9.
    • トミ
    • 2006年02月03日 23:05
    • 5
    今日一気に最初から読みました。これからは一日の楽しみになっちゃいます。早く続きが読みたい〜
  10. 10.
    • 編集者・K
    • 2006年02月03日 23:17
    トミさま

    最近流行のイッキ読みですね(笑)。

    続きは実はもう書いてます。

    明日の午前1時ごろ(あと2時間くらいか?)に
    アップするように予約していますので。

    お楽しみに。

    ※毎日更新しないとブログポイントが下がるので
    明日の更新になるように12時をまたいだアップに
    しているんです。すぐ読めなくてゴメンなさい。
  11. 11.
    • けい
    • 2006年02月04日 10:53
    • 5
    俺も昨日から一気読みしてしまったよ。      スラダンの世界が忠実に描かれていてもしや井上氏が作っているんぢゃ?ぐらいの世界観でやばい!    沢北の回想は忠実だし!またスラダン最初から読んでこのブログを読むかなぁ♪
  12. 12.
    • 編集者・K
    • 2006年02月04日 18:02
    けい様。

    コメントありがとうございます。
    キャラクターの台詞にはいつも気を遣っています。
    実在する漫画の続編なので
    「そんなの言わねえよ」とか思われたら
    アウツですからね。がんばります
  13. 13.
    • 2006年02月04日 20:57
    沢北と流川には、できればずっと日本にいて永遠の
    ライバルであって欲しい・・・・・。
  14. 14.
    • 編集者・K
    • 2006年02月04日 21:13
    類さま

    流川の永遠のライバルは沢北でOKですか?
    もっとふさわしい男が一人いると思いませんか?
  15. 15.
    • アムロ
    • 2007年09月15日 22:31
    • 5
    そう・∀・
    桜木がいるじゃないか!
  16. 16.
    • なみちです!リョーちんです!ひさしです!三人合わせてパフュームです�
    • 2010年11月09日 23:50
    赤木が初めて買った週間バスケットボールの表紙の選手は堂本監督の後輩ですね?
  17. 17.
    • Monroe
    • 2019年09月09日 08:39
    • 4
    Great article! That is the kind of information that are meaht
    to bee shared across the web. Disgrace on Google for no longer positioning this put up upper!
    Come on over and visit my ssite . Thanks =)




コメントする(このブログのコメントをRSSフィードで購読することができます)

スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(42) にコメントする
絵文字
K-twitter K-facebook
Twitterボタン [henshusya_k]
編集者・Kのtwitterアカウントです。皆様お気軽にフォローしてくださいませ。
facebookボタン [k.no.heya]
Kの部屋のFacebookページです。皆様お気軽に「いいね!」してくださいませ。
LINE読者登録
小説、始めました!
新たなチャレンジ、動いております!
是非ご覧ください!( 執筆の経緯はコチラ)


最新記事
月別アーカイブ
カテゴリー
最新コメント
PROFILE
編集者・K / 編集者・K
雑誌・WEB編集の仕事をしているKと申します。「スポーツ」「TVゲーム」「少年漫画」「お笑い番組」「マカロニグラタン」をこよなく愛するオジサンです
  編集者・Kにメッセージ>>>>>Mail to K
  編集者・Kとtwitter>>>>>>>henshusya_k
  編集者・Kとfacebook>>>>>>Kの部屋
ACCESS
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

スポンサードリンク

トップに戻る