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  • 2006年06月17日18:48

W杯8日目


死のグループは意外にも第2節で終止符が打たれた。

突破したのは、アルゼンチンとオランダ。戦前の下馬評どおり。

ただ、その勝ち上がり方は全く対照的である。




アルゼンチン 6−0 セルビア・モンテネグロ


セルモンはバッティングピッチャーのようだった。アルゼンチンの練習台かのよう。
テベス、メッシといった新しいコマを試す絶好の機会を与えてくれた。

心を折ったのは、やはりあの連続パスからのカンビアッソだろうか。

セルモンのようなチームは、先に2点を取られてしまうと苦しい。
1点差なら、まだまだ望みはつながる。カウンターのチャンスが何回か来るはずである。
だからオランダ戦では、最後まで反撃のカウンターは繰り出していたのだ。

だが、アルゼンチンはそんな優しいチームじゃなかった。
なにもさせずに2点、3点と立て続けに奪った。前半でノックアウト。


今思えば、わしの応援するオランダが、アルゼンチンと同じグループで
よかったと思う。もう彼らとは決勝まで会うことはない。

D組、A組、B組あたりのチームがいま震えているところだろうか。

元々アルゼンチンは優勝候補だった。だが、前評判よりさらに強かった。




オランダ 2−1 コートジボワール


コートジボワールは、アルゼンチン戦と同じ展開で戦うことになった。

第1節…セットプレイからクレスポが先制点
第2節…直接FKでファン・ペルシーが先制点

第1節…オフサイドギリギリのサビオラの追加点
第2節…オフサイドギリギリのファン・ニステルローイの追加点


そしてコートジボワールは、どちらの試合でも1点返した。
どちらの試合も終盤は押し込んで、攻めて、攻めて、攻めまくった。
だが、同点には追いつけなかった。

経験の差が出た。

アルゼンチンとオランダは、正念場で 「したたか」だった。

汚いファウルも時には使い、キープ力のある選手になるべくボールを預けて時間を使い、
相手をイラつかせる効果もある、無意味な大きなクリアを時折盛り込む。

結局、アフリカの新興勢力は、能力的に全くひけを取っていないにも関わらず消えた。
欧州&南米のビッグネームが生き残った。




メキシコ 0−0 アンゴラ

アンゴラのGKに神が降りてきた。よくぞあれだけのピンチを切り抜けたものだ。

メキシコは連携がよく、小気味良いサッカーを展開する好チームだが
最後の最後の場面で今ひとつ迫力に欠ける。

アルゼンチンやイタリアなら、この試合は1点を無理やり奪っただろう。
そういう最後の詰めがある。最後のワンプレーに馬力がある。

ボルヘッティが戻ってくれば、だいぶ代わるだろうから、彼の早い復帰が
待たれるところだ。




というわけで、C組の突破国が決まった。


アルゼンチンは文句なしの勝ちあがりだろう。

だが、オランダには疑問符が付く。


今大会のオランダは一体どうしてしまったのだろう。


「攻めてこそオランダ」「つまらなくなってしまった」「昔はもっと美しかった」

とか、そういうことを言いたいのではない。

そう言った方が「通」っぽいだろうが(笑)。「オレは20年オランダ見てんだ」みたいな。
わしは別に「通」じゃなくていい。


弱くなっているのだ。

予選の時と違う。さらに言えば、本大会直前のオーストラリア戦とも違う。


第1節でロッベンがあれだけ活躍したのに、この日は主にファン・ペルシーを基点に
攻撃を仕掛けた。ロッベンはほとんど目立ってない。

両サイドバックは全然上がってこなかった。そのせいで攻撃の厚みがイマイチだった。

ロングボールが多かった。ひたすら左右前方に大きく蹴っていた。
そして半分以上がオフサイドとなり、チャンスを不意にしていた。

ボールを保持し、試合を支配しながら展開するという、いつものオランダの
ゲームが全く見られなかったのだ。攻撃を創造するはずの中盤は守備しかしていない。

ファン・ニステルローイをあんなに簡単に下げるのも、疑問だ。

出てきたのがセントラルMFのランツァートというのは、もっと疑問。

これはかなり危険な交代だった。執念で守りきったから良かったものの……。





わざとか?




あまりにもおかしい。

第1節はロッベン、第2節はファン・ペルシー。ボールを預ける選手が代わった。
明らかに攻撃の方法を変えてきている。走る選手を第1節と代えてきたのだ。

ファン・ニステルローイを2戦続けて引っ込めた。点をとった第2節でも引っ込めた。
そこまで疲弊しているようには見えなかったが(膝を冷やしていたが、痛めたか?)。

相手が完全に前がかりになった終盤になっても、裏を取って一気に走れる
ライアン・バベルというコマを投入しない(ヘイティンガの怪我のせいもあるが)。
フランスが終盤にジブリル・シセを投入するような交代がないのだ。


コートジボワールは確かに強かったが、あそこまで押し込まれるほど
オランダは弱体化してしまったのか。そんなことはないと思う。

むしろ自ら、あの展開を望んだかのように守りに徹していた。

ただ、あの展開でオランダが逃げ切ったのは驚きだ。あれは彼らが負ける展開だった。
ファン・バステンは課題を出したのか? 「この1点を守って勝ってみろ」と。
選手はそれに応えたのか? そんな疑問が湧くほど、この試合はおかしかった。


クロンカンプやマドゥーロのような攻撃のセンスに優れた選手に出番は来ず、
本来CBであるハイティンガをSBに回すような守備に重点を置いた構成が目立つ。


不気味だ。


最終節のアルゼンチン戦は完全な消化試合となったため、1試合休みのボーナスを
もらったようなものだ。さらに言うと、セルモン戦もコート戦も、どう考えても
全力を尽くして攻め抜いていない。都合3試合サボったようなもんだ。


わしは、ライターの戸塚啓さんの言葉が思い出した。

「死のグループは、GLを突破するのが容易くないのが、怖いだけじゃない。
ここで力を使いきって、決勝トーナメントを勝ちあがれなくなるのが怖いんだ」

C組は最終節まで死闘が繰り広げられると言われてきた。なんとか突破しても
ファイナルまでの4戦を勝ち抜く体力は残らない、という予想だったんだ。

だが、結果は違った。

オランダは攻撃サッカーを封印して、サボりながら突破してしまった。


ファン・ニステルローイは休養充分だ。

ファン・デル・ファールトも元気が有り余っている。

ロッベンとファン・ペルシーは、この2試合で走りまくる役をチェンジした。


決勝トーナメントを戦い抜く体力は、全然残っているだろう。



わしは、この日のオランダに失望しながらも 

「ひょっとしたら、全ては優勝への布石なのでは?」 と淡い期待も抱いている。


決勝トーナメントから、強いオランダが返って来るかもしれない


あの試合だけでオランダを見限る気にはならない


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W杯8日目 へのコメント一覧

  1. 1.
    • 2006年06月17日 20:01
    ワールドカップもぃいですがたまにゎスラダンの続き書いて!!
  2. 2.
    • 春二番
    • 2006年06月17日 21:22
    いや〜、見事な虐殺ショーでした。

    GLで虐殺劇(5点差以上)をしてGL突破した国は、ここ2大会ほど優勝できてないんですよね〜・・・。

    98年、オランダ5−0韓国(4位)
    02年、ドイツ8−0サウジ(準優勝)
    06年、アルヘン6−0セルモン(??)

    C組って決勝T1回戦も含めて死のグループですね・・・。メキシコかポルトガルやもんね〜。

    波乱がまだない・・・。頼むから明日の午前4時〜6時の間は、マモノは現れないで下さい。
  3. 3.
    • ュ♂
    • 2006年06月17日 22:04
    • 5
    Kさんお久しぶりです!!ュ♂です((w´艸`))
    僕は実はアルゼンチンファンなんですよ!!だから昨日はテレビの前で熱狂してました(●´∀`●)笑
    それにしてもメッシはすごいですよね〜!!アルゼンチン史上最年少出場に最年少得点ですよ☆
    オランダ戦は本気でやりませんよね…多分。本気のアルゼンチン対オランダが観てみたいです(´・ω・`)
  4. 4.
    • なべ
    • 2006年06月17日 23:08
    いやーアルヘン強いですね! テベスもメッシも調整でも結果はだしますもん。2点目はベストゴールです!

    しかしコートジボワールはここで消えるよなチームじゃないですねー。
    ゾコラ、Y・トゥーレはホントに楽しみな選手です。
    ドロクバはW杯が終わっちゃいました(泣)

    守り切るオランダはらしくないですよね。
    まあ決勝トーナメントで分かることです。
  5. 5.
    • キョウ
    • 2006年06月18日 04:43
    おはようございます。

    アルゼンチンは容赦ないですね。何点とっても更に得点を狙う、王者の戦いって奴でした。まぁ、メッシとテベスが期待されて登場したわけで、結果を出したいと思ったからだとも思います。

    さて、オランダ。確かに、見てておかしいと感じる戦いですね。「普段のオランダじゃない。」なんて事は言いません。WCを優勝するために新しい戦い方をするのも立派な戦略です。本当の戦いは決勝トーナメントから、と考えてるかもしれませんしね。
    何はともあれ、一番効率が良いチームの一つだと思います。

    さっきチェコvsガーナの試合が終わりましたが、この事はまた今度の記事に書きますw(どうも時間がずれてしまいますねw)
  6. 6.
    • かんぱち
    • 2006年06月18日 05:23
    メキシコおしかったのにー!
    結局引き分けに終わってしまった・・・。
    こうなったら次の試合の勝利に期待です!
  7. 7.
    • darson
    • 2006年06月18日 10:14
    K様サッカー解説非常に深い上に分かり易く勉強になります。
    期間中たくさん解説して知らない情報を教えて下さい。
    K様のおっしゃる通りオランダは決勝まで余力十二分ですね。決勝の戦い方に注目してみますね。
    アルゼンチンもメッシ、アイマールもベンチスタート。層厚いんですねぇ…
    もっと長く見たいと思う選手がたくさんいるのですが…。
    余談ですがノビツキーはW杯のせいで寝不足でしょうか…?
  8. 8.
    • 編集者・K
    • 2006年06月19日 20:43
    あ 様

    スイマセン! 書きました!!
  9. 9.
    • 編集者・K
    • 2006年06月19日 20:44
    春二番 さま

    逆に、苦しんだイタリアが決勝行ったりしてね。

    勝負は難しいですなあ。

    アルゼンチンは調子が良すぎるのか、地力が高いのか。
    決勝Tから真価が問われるでしょうね
  10. 10.
    • 編集者・K
    • 2006年06月19日 20:46
    ュ♂ さま

    本気のアルゼンチンVSオランダ?

    決勝で見られるかもしれないですよ。

    でも、そうなったらコートジボワールは本当にかわいそう。
    優勝国と準優勝国のブロックに入れられたなんて…
  11. 11.
    • 編集者・K
    • 2006年06月19日 20:46
    なべ 様

    オランダがあのまま終わるわけないですよ。
    これから正体を現します。私は信じてます
  12. 12.
    • 編集者・K
    • 2006年06月19日 20:47
    キョウさま

    本当に、オランダは効率よく進めてますよ。

    明らかに手を抜いていますからね。

    これから怖いですよおお
  13. 13.
    • 編集者・K
    • 2006年06月19日 20:48
    かんぱち様

    メキシコは最後勝たないと、1回戦がアルゼンチンに
    なる可能性が高いですからね。

    結構面白い最終節になるんじゃないでしょうか
  14. 14.
    • 編集者・K
    • 2006年06月19日 20:49
    darson さま

    ノビツキーはサッカー好きなのかなあ…。

    謎ですね




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