絶対にPK戦だと思った。
ドイツという国は本当にしぶとい、と痛感していた時だった。
実は、しぶとかったのはイタリアだった。
ドイツ 0−2 イタリア
序盤からいい攻め合いになった。
ついこの間までの両国のイメージからは、想像もつかないゲームだった。
ボールが速い。そして正確。つまらないミスがなく、両国のレベルの高さを
示す美しい展開だった。
ただ、アルゼンチン戦同様、ドイツの方が「頑張っている」感じはあった。
総合的な戦力は、やはりイタリアの方が一枚上だったようだ。
ただ、攻め合いとは言っても、リスクを冒しての攻撃とまではいかなかったか。
そこまで人数をかけて前がかりになることもなく、「負けない範囲」内で
互いに攻めたという感じ。
GKが互いに優秀であることも手伝って、なかなか点が入らない。
特にレーマンだ。
ドイツのディフェンスラインは、テストマッチで日本に破られたことからも
分かるように、素晴らしく洗練されているわけではない。
何度もイタリアに裏をとられていた。オフサイドになることも多かったが。
そのたびに、レーマンがスペースを消していた。彼のタイミングの良い飛び出しがなければ、
ドイツは速い段階で失点していたかもしれない。
お互い得点を奪えないまま、時間は過ぎていった。
ヒーローになったのは、サイドバックのグロッソだった。
オーストラリア戦、ロスタイムのPKを奪った、グロッソである。
決勝トーナメントに入り、2度目の大仕事。
トドメの一撃となったデル・ピエロのゴールはオマケのようなもので、勝負を決めたのは
グロッソのあのゴールだろう。
ただし、もう一度決めろ、と言われてもあれは無理だろう。
マグレとまでは言わないが、あれはそういうゴールだったと思う。
※デル・ピエロの方は、同じ場面がもう一度くれば、同様に決めるだろうが
ここで思うのだが、今大会はサイドバックの攻撃が、かなり試合を
左右していないだろうか。
開幕戦、ドイツ大量得点の口火は、ラーンの見事なミドルシュートだった。
大躍進のエクアドルは、デラクルスの突破が大きな武器だった。
アルゼンチンのソリンは、FWよりも前でハイクロスに飛び込むシーンが目立った。
ポルトガルのミゲルは、攻守共に大車輪の活躍。大乱戦のオランダ戦は、彼をMVPに
してもよいくらいの働きだった。
イタリアは決勝トーナメントに入ってから、グロッソ、ザンブロッタという
両サイドバックが貴重な得点を挙げている。
サニョルの縦への突破なくして、フランスの爆発はなかったはずだ。
逆にサイドバックの効果的な攻めがなかったチームは、持ち味を発揮できずに
終わっている場合が多い。
ブラジルで、一番の批判の的となっているのはカフーだそうだ。
オランダは、ファン・ブロンクホルストがバルサで見せるような攻撃参加を
披露してくれれば、ロッベンと共に相手をズタズタにできたはずだ。
これらは今大会の大きな要素かもしれない。
今日のフランスVSポルトガル。
ジダンやアンリ、ビエイラ、そしてデコ、フィーゴ、ロナウド。このへんのメンバーに
注目が集まっているが、もしかしたらサイドバックが試合を決めるかもしれない。
特に、サニョルとミゲルだ。
この2人の右サイドバックからは目を離さない方がいいだろう。

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W杯日22目 へのコメント一覧
俺もPK戦だと思いました。PK戦はイタリアはあまりいい記憶がないのでよかった・・・。
しかも2大会連続で開催国に負けていたので・・・。
原田泰造似のグロッソのスーパーゴールほんとよかった・・・。来シーズンインテルでも魅せてくれ!!あと早くサインしてね。
デルピエーロのいわゆる「デルピエーロ・ゾーン」は、弧を描くようなビューティフルゴールでしたね!!
あ〜、ほんとうれしい・・・
そして今夜はフランス勝ってくれぃ!!
三都主。
劇的だったようで。
とりあえずカンナバーロは全盛期並の凄味がありますね!今大会の活躍振りはすごいですよ!改めて感服します。・・・アジャラのが好きなんすけど。
しかしネスタはW杯入ると毎回こうですね。決勝はどうなんでしょうか?