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  • 2008年10月13日19:48

嗚呼、NBA(91〜92シーズン)

NBAファイナル92

カードは、シカゴ・ブルズvsポートランド・トレイルブレイザーズ。


この2チームは、開幕前からファイナルを争うと言われていた、
いうなれば東西の「2強」だった。


そして、それはこの2チームの両エースの存在によるところが大きい。

東の筆頭、シカゴ・ブルズにマイケル・ジョーダンがいれば、
西の王者、ポートランド・トレイルブレイザーズには、
クライド・ドレクスラーがいる。



ジョーダンとドレクスラー。

92年当時、NBAで最も優秀なプレイヤーと、その次に優秀な
プレイヤーと表現されることもあった、ベストな二人であった。

因みに、最も優秀という言葉がジョーダンのほうを指しているのは
言うまでもない。


当時発売された、雑誌「月刊バスケットボール」のバルセロナ五輪
増刊号には、こんなことが書かれている。


――ジャンプ力に関しては、全盛期の筋力を失っている
ジョーダンをドレクスラーが上回っている



ジョーダンのニックネームは、ご存知「エア」。

自らのシグニチャーモデル・シューズの名前にも使われている
このニックネームは、彼のまさに空を飛ぶかのような様を表す
言葉である。


対するドレクスラーに冠された愛称は「グライド」。

日本語で言えば「滑空」。飛行機形の乗り物「グライダー」の
動詞形といえば分かりやすいだろうか。
「クライド」という彼のファーストネームと引っ掛けられた、
いかにも打ってつけのニックネームである。

ドレクスラーのジャンプはまさに「グライド」と呼ぶに相応しい、
優雅なものであった。

ジョーダンが「高く」跳ぶ選手の頂点であったとするならば、
ドレクスラーは、最も「遠く」跳ぶことができる選手。

最高地点から高度を落とさず、地面と平行に跳ぶようなジャンプは
グライダーそのものであり、リングまで届くとは到底思えない
地点から跳び、ダンクを叩き込むこともしばしばだった。


同じシューティング・ガードを自分のポジションとし、
互いにドリームチームに選ばれた二人であり、
最も長い間空中にいられるとされた二人が、ファイナルで激突。


各メディアはこぞって「エアVSグライド」という見出しを設け
この大一番を煽った。


ところで、この両チームは、共にバックコートに優秀な選手を
抱えるチームである。

シカゴは、ジョーダン&ピッペン。

言うまでもない世界最強のコンビである。シカゴにとっては
2番・3番がチームのストロングポイントであった。


そして、ポートランドの武器は、ドレクスラーとテリー・ポーター。

テリー・ポーターは、外角のシュートが得意で、非常にクレバーなPG。
191僂函当時にしては大柄な体躯を持ち、ペネトレイトやパスも巧い。

PGらしいPGを置かず、アウトサイドシューターを一番の位置に置く
シカゴに比べ、このポジションはポートランドの方が勝っていた。


共に2番にエースを置くところは共通。

違いは、両チームのナンバー2にあたる選手である。

シカゴは3番に、ポートランドは1番に置いている。

つまり、1番はポートランドに分があり、
3番はシカゴに分があるといえる。


そして、フロントラインはというと、実に対照的。

シカゴのゴール下を担当する、グラント&カートライトは
どちらかといえば技術の選手。

対する、ポートランドの「ボードの番人」たち、
バック・ウイリアムズ、ケビン・ダックワース、ジェロム・カーシーは、
揃いも揃ってインサイドのパワフルな肉弾戦を好むタフな面子である。

3番のカーシーは、技術やスピードではスコッティ・ピッペンに
及ぶべくもないが、溢れるガッツでオフェンスリバウンドを
頑張り、ファウルも厭わないラフなプレーが持ち味。

バック・ウィリアムズやケビンダックワースは、グラントのような
完成されたインサイドプレイヤーではないが、カーシー同様
タフなプレーでゴール下を戦う。


それは、東地区準決勝でシカゴを苦しめたニューヨーク・ニックスの
ような面子であった。

※パトリック・ユーイングのようなスーパーセンターはいないが


インサイドは、技術や経験ではシカゴ、パワーとガッツなら
ポートランド、といったところだろうか。


さらにベンチに目を向けると、これはポートランドに軍配が上がる。

ポートランドのシックスマンのクリフォード・ロビンソンは、
208cmの長身に加え、スリーも撃てる広いシュートレンジを持ち、
PG以外ならどこでもできるといわれる、まさに控えの切り札。

さらにベテランガードで“ファイナル請負人”とも呼ばれる
ダニー・エインジも控えており、シカゴのベンチを完全に
上回る充実の陣営だった。



果たして戦前の評価は、

司令塔……ポートランド
フォワード……シカゴ
フロントライン……互角
ベンチメンバー……ポートランド

といった具合であった。


これだけ見ると、ポートランドが有利である。
ならば、ポートランドが勝つのか?

いや、そうとは言い切れない。

なぜなら上記の比較にはひとつ項目が抜けているからだ。


「エース」という項目が。


ジョーダンとドレクスラー。

このファイナルは、やはり彼らの勝負となるのであった。




続く


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嗚呼、NBA(91〜92シーズン) へのコメント一覧

  1. 1.
    • クーコッチ
    • 2008年10月13日 20:05
    Kさんの記事は毎回楽しく読ませてもらってます。


    なんてゆーか読者を引き込ませるような記事なんで、かなり更新が楽しみです!



    クーコッチ出てこないかなーw
  2. 2.
    • てっつ
    • 2008年10月13日 20:07
    なるほど
  3. 3.
    • アドミラル・ロビンソン
    • 2008年10月13日 20:12
    • 5
    グライドは本当にグライドだった!このシーズンかなり好きなんで楽しみです。
    個人的にジョーダンの全盛期はここだったと思ってます
  4. 4.
    ちょっと、スラムダンク読んでくる
  5. 5.
    • 炉名ぁ
    • 2008年10月13日 21:33
    • 5
    でもやっぱジョーダンはすごいよ・・・・(今日DVD見た)
  6. 6.
    • 達哉
    • 2008年10月13日 23:06
    • 2
    Kさんよりも年取ってる自分なんで、とっても懐く思われる記事でした。この頃のエースを支える脇役たちは、ほんとにキャラクターある名プレーヤーが揃ってましたね。ダックワースは今年44歳の若さで他界してしまい残念です。
  7. 7.
    • ひかる
    • 2008年10月14日 00:09
    昨日ちょうどこのシリーズを1から読み直した所でした
    グッドタイミング
  8. 8.
    • Ryo
    • 2008年10月14日 00:12
    これを携帯でみるとね…。


    …。
  9. 9.
    ゴール下が強いチームは好きですね。

    ジョーダンにはアタックをしかけたらいい。
    ドレクスラーもそうよね。
    ポートランドが温かった♪♪
  10. 10.
    • シーク
    • 2008年10月14日 00:33
    • 4
    ブレイザーズには後にピッペン行きましたっけ・・・?
    この企画も大好きです↑
  11. 11.
    • たけし
    • 2008年10月14日 01:02
    >Ryoさん

    何かあったの?普通にケータイで見れますよ。

  12. 12.
    • たかし
    • 2008年10月14日 03:43
    続きっ!!!
    気になる終り方が憎いワラ
  13. 13.
    • ハスキー
    • 2008年10月14日 18:43
    続きドキドキです。
    NBA無知ですがKさんの分かりやすくておもしろいです♪
    続き楽しみにしてます(*^^*)
  14. 14.
    • リュウ
    • 2008年10月14日 23:16
    • 5
    初コメです☆マジでおもしろいっす。
  15. 16.
    • HISS
    • 2008年10月16日 12:15
    同じく初コメントですが。


    続くかよ!!!
  16. 17.
    • デコポン
    • 2008年11月16日 09:46
    Kさんにバスケの戦術について語ってもらいたい。フォーメーションや色々…。




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