明日から始まる、我々のプロジェクトの話をさせていただきます。
少々長い話になりますが、ちょっとだけ時間をください。
以前チラッと話した東北を応援するプロジェクトの話です。
3月11日以降、エンタメ・メディア業界に身を置く者として、
東北のためにできることをずっと考えていました。
我々は、仮設住宅を建てたり、怪我人や病人を救護したり、
重機を用いて街を修復したりといった、被災地に対する
直接的な支援活動はできません。
できないということは、ないのかもしれないけど、
そこにはそこのプロがいます。この震災のあとの日本で、
我々が最も貢献できることではありません。
では我々には、何もやれることがないのか。
「みんなにエンタメ情報を届ける」ことが仕事の
エンタメ・メディア企業には東北の応援はできないのか。
いや、きっと役に立てることがあるはず。
そして、ひとつの案が持ち上がりました。
その案について、我々は東北の声を聞くことにしました。
彼らが望まないことをやったって意味がない。
自分たちの「やりたい」のためにやるわけじゃないのだから。
だから声を聞きました。
我々のプロジェクトに、東北の皆さんが賛同してくれました。
「是非ともやってくれ」という声をいただきました。
我々にできることは、東北のみんなが望むことだということが分かりました。
我々にできること。
それは「日本のみんなに東北へ行ってもらうこと」。
この夏、東北の地に足を運び、
旨いものを食べ、祭りや花火に参加し、観光地を回り、買物をし、
東北への経済貢献をみんなでしよう。そして、勿論ボランティアも。
直接的な支援はできなくとも、みんなにそのメッセージを
送ることはできる。この夏の東北の情報を、東北の声を、
みんなに届けることはできる。我々はメディア企業だから。
雑誌を刊行してメッセージを届けよう。
WEBサイトを立ち上げてメッセージを届けよう。
そして、雑誌の売上の一部は、東北応援企画に使わせてもらおう。
それを具体化するべく、5月のある日、我々は東北へ行きました。
東北現地の編集プロダクションを訪ねました。
今回の媒体は、彼らと一緒に作らねばならないと思ったのです。
それはもちろん、彼らが現地の情報を誰よりも知っているから、
そして、彼らに仕事を依頼することもまた、東北応援だから。
相当にタイトなスケジュールであるにもかかわらず、
みんなが力を貸してくれることになりました。
是非やらせてくれと、逆にお願いされることもありました。
東北の夏祭りの実行委員を訪ねました。
東北への観光誘致をテーマとした我々のプロジェクトを話しました。
我々が提出した企画書を手にとった彼らに
「僕たちの願いはこれなんですよ、本当に。頼みますよ」と、
頭を下げられました。我々のプロジェクトに期待してくれている方が
ここにいる。この東北の地にいる。涙が出そうになりました。
ボランティア活動に精力的に取り組んでいるライターを訪ねました。
我々は、この夏みんなに東北に行ってもらおうと思っている。
その軸は観光だけれど、ボランティアだってやってもらいたい。
「ちょっとでもいい。本格的な手伝いはできなくたっていい。
でも1人でも多くの人に来てほしい」という声をいただきました。
そして、お会したみんなにこう言われました。
「被災地を見てきてください」と。
仙台のホテルに宿泊し、
翌日、我々は沿岸部へ向かうことにしました。
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東北のためにできること (前) へのコメント一覧
震災の事をテレビであまり放送しなくなり周囲の話題にも出て来なくなってます。
しかしまだ4ヶ月しか過ぎてません。
まだまだ復旧出来ずに生活に不自由している人はたくさんいるはずです。
今一度あの日の事を思い出し東北の現状を知る事が大切だと思います。