フィニッシュが吉田麻也というのも、その予感のなかにあった。
つくづく思う。「経験」は本当に大きな力なんだと。
ジーコジャパンの頃から、なにかと日本代表というチームは、
ギリギリの逆転、あるいは同点に縁がある。しかも公式戦で。
覚えているだろう。
2004年アジア杯、
中澤が最後の最後にボンバーヘッドを決めたバーレーン戦。
決勝の中国戦は、ロスタイムに玉田がトドメを刺した。
準決勝も決勝もロスタイムに日本はゴールを奪った。
ドイツW杯アジア1次予選、
ロスタイムに久保が最後に決めたオマーン戦(そういえば埼玉だった)。
同じくドイツ大会のアジア最終予選、
終了間際にジョーカー・大黒が決めた北朝鮮戦(これも埼玉!!)。
同じく最終予選、
あの無観客試合の北朝鮮戦で、やはり大黒が89分にトドメの一撃!
ドイツの舞台への切符もロスタイム弾で、もぎ取ったのだった。
記憶に新しい試合もある。
そう、あのドラマチックな優勝を果たしたアジア杯だ。
緒戦のヨルダン戦、吉田が同点ヘッドを突き刺したのは92分だった。
準々決勝・カタール戦のラスト、伊野波が決めたのは89分。
※逆に準決勝の韓国戦のようにロスタイムにやられた試合もある
もっと遡れば、Jリーグ誕生後の日本代表は、ロスタイムに
ゴールを奪われた「ドーハの悲劇」から始まっている。
そういえば、史上初のW杯出場を決めたのも、延長後半残り2分で
岡野が決めたゴールデンゴールだった。
最後の最後に何かが起きるのはもはや歴史と言ってもいい。
日本代表はそういうチームなんだ。
果たして、今回のW杯予選も、やはりロスタイム弾でスタート。
日本は、ある意味日本らしく初戦を獲った。
結果が全てともいわれる公式戦。まずは勝ったことを喜ぼう。
彼らはブラジルに向けて勝ち点3の好スタートを切った。
それにしても、本当に最後に何かが起こるチームだ。
選手が変わっても監督が変わっても、その歴史は変わらない。
岡ちゃんだろうが、ジーコだろうが、ザックだろうが、
日本代表は最後に何かを起こす。あるいは起こされる。
これはケッコー大きい。
「あの時もラストで追いついた」「あの時だって最後に逆転した」
という記憶がいまの代表選手の中にあるんだから。
何度もそれを起こしたチームと、そうじゃないチームでは
「最後まで諦めるな」の意味が全然違うと思う。
日本は本気で最後まで諦めない。
逆もしかりだ。「最後に追いつかれたことがある」から
最後まで油断しないでいてくれるはずだ(きっと!)。
だから予感はあった。
吉田という予感もちょっぴりあった。
やっぱり、あのヨルダン戦の記憶があったから。
そして決めた。
凄い決め方だった。文字通りこじ開けたといっていい。
ボクシングに例えれば、貝のようにガードを固めた相手を
ガードの上から殴り続け、相手の手が折れるまで殴り続け
最後の最後、ガードが崩れたところに渾身のストレート、
そんな決勝弾だった。残り3分の猛攻は本当に圧巻だった。
ともあれまずは1勝、長い道のりのスタートである。
そして、今日はさっそく第2戦。
うん、最後に何かを起こしてもいいけど、
もっと普通に勝ってもいいよ(笑)。
がんばれ、日本!

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W杯アジア3次予選 日本ギリギリの白星スタート へのコメント一覧
ここを1位で通過する事は大きな意味を持ちます。
全勝は簡単では無いでしょうが、是非達成して欲しい。頑張れ日本!
また劇的な幕切れになりそう。
マイクに期待してます。
北朝鮮が昔の日本代表にかぶって見えた
後半は足が止まって波状攻撃を受けるところが特に・・・
この一勝は大きいわ
というか諦めない精神が強いのか…
他国(やクラブチーム)を見ると残り5分で2点差とかだと諦めモードのチームが多いような気がします
日本は残り3分で3点差だとしても全力でプレーしそうですよね?
あと北朝鮮
予想以上にフェアでこれから強くなっていくんじゃないかと思わされました
その点、韓国や中国は…
記憶違いだったらごめんなさい(>_<)