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  • 2015年05月22日23:35

嗚呼、名勝負(2) ユーロ2004準々決勝 イングランド×ポルトガル

もうみんな忘れているかもしれない企画、「嗚呼、名勝負」。

いやあ、第1回を書いたところで止まってたからね(笑)。
ダイエットで初日だけ頑張ってギブアップした的なアレに似とるね。

その伝説の(?)初回はコチラです(動画もあるわよ♪)


イカン、イカン。もっと痩せないと…、じゃねえや、始めたもんは
ちゃんと続けないと、ってことでスゲー時間空いちゃいましたが、
第2回に参りたいと思います。

今回、ピックアップしたいのは、ユーロ2004の準々決勝です。

ポルトガル・リスボンにて行われた、イングランド×ポルトガルの一戦。
まさに「両軍ともに死力を尽くした」という言葉がピッタリの
戦いだったのではないでしょうか。


名勝負その2
ユーロ2004準々決勝
イングランド×ポルトガル


この年のユーロは、アップセットの多い大会でしたね。

グループリーグで、スペイン、ドイツ、イタリアが脱落し
(まあ、ユーロだとこういうことも多いかもしれんけど)、
下馬評とは全く違う形で大会が進み、なんと最終的に
優勝を果たしたのはギリシャでしたから。

というなか、重圧をはねのけて期待通りに勝ち上がったのが、
今回の記事の主役でもある、開催国のポルトガルだったと思います。

※わしは勿論この大会でもオランダを応援していたのですが、
 準決勝でそのポルトガルに敗れてゲームセットでした
 (それ以上に、GLでチェコに大逆転負けした時がショックだったけど)


90年代から2000年代前半までのポルトガルといえば、
ご存知「ゴールデン・エイジ」と呼ばれた豪華メンバーが特徴ですよね。

ルイ・コスタ、フィーゴ、フェルナンド・コウト、パウロ・ソウザ、
ジョアン・ピントなどなど、89年・91年のワールドユースを連覇した際の
選手たちです。凄い顔ぶれですな、ホントに。

が、その後、彼らはユーロもW杯も獲れませんでした。
W杯なんて2002年まで大陸予選も突破できませんでしたからね。
その2002年の日韓W杯も、GLでアメリカ、韓国に敗れて敗退と、
結果を残すことができませんでした。

そして、このタイミングで、ゴールデン・エイジのメンバーの多くは
現役を退いてしまいます。若い時代に世界を制した男たちの悲しい引退でした。

残ったメンバーは、フィーゴ、ルイ・コスタ、フェルナンド・コウトの3人。
代表の主軸はデコを筆頭とするFCポルト勢に移っていたなか、
ゴールデン・エイジのラストチャンスとなったのが、このユーロ2004です。
しかも開催地は自国・ポルトガル。まさに最後の大舞台でした。


そのゴールデン・エイジ最後の大会で、ポルトガルは1人のスーパースターを
誕生させることになります。

その名は、クリスチアーノ・ロナウド。

今じゃ知らない人を探すほうが難しいくらいの世界最高のスター選手ですが、
この時はちょうどグイグイとその知名度と存在感を上げていた頃。
彼の代表デビューが2003年の8月ですから、このユーロ2004は、
まだ代表デビューから1年も経っていない時期ということになります。


この、ゴールデン・エイジの最後と、未来のスーパースターの誕生期が
重なった大会で、ポルトガルは快進撃を見せ、決勝にまで進みます。

その道のりの中、最もタフな、そして熱いゲームが、
準々決勝のイングランド戦だったのではないでしょうか。

優勝候補同士の戦いは、PK戦にまでもつれ込む「死闘」となりました。


先制はイングランド。

相手のミスを突いたマイケル・オーウェンがグリンと回りながら
アクロバティックに決めました。背番号10による、開始3分の先制弾です。

これ、凄かったよなあ。
技術とスピードとセンスと嗅覚が全部絡むゴールだったわ。


で、
そこからイングランドは得意の(?)守備固めに入ります。
体を張って、守る、守る。

当時の中盤は、ベッカム、スコールズ、ランパード、ジェラード。
超強力な4人ですよね。黄金の中盤といって問題ない構成です。
それだけに、なぜこの面子でこのサッカーなんだ、と思うような展開。

ただ、体の張りっぷりはハンパなかった記憶があります。
ゴツゴツと体がぶつかり合うタフなゲームです
(最終的に両軍合わせて6枚のイエローカードが出ました)。

イングランドは途中でルーニーが怪我で退いたこともあり、
いよいよ守備モードに拍車がかかります。

このイングランドの強固な守備を、ポルトガルは崩すことができません。


当時、結構な深夜帯の放送で、残業になっていたわしは会社のテレビで
仲間数人と一緒にこの試合を観ていたのですが、迫力はありつつも、
なかなか得点のニオイがしてきません。

そして、この展開は後半に入っても変わりませんでした。
やばい、眠くなる。もう午前5時とかだし

「これ、このまま1‐0で終わりそうだな…」

「多分、そうなるな…」

「仕事に戻るか」 「そうだな」

※会社に居るんだから仕事しろよ!!(笑)


動いたのは選手交代からでした。
もう試合時間は残り15分というところ。

ポルトガルはフィーゴに代えてポスティガ投入。
これにより、ゴールデン・エイジがフィールドからいなくなりました。

終わった、ゴールデン・エイジがいま…、

と、思ったら、ルイ・コスタが登場。交代はミゲル。
DFを削ってMF投入。ポルトガルが1点をもぎ取るべく動き始めます。

これが当たりました。
83分、ポスティガのヘッドがネットを揺らしたのです。


「おおおおおーーーーーーーーー!!!!!!!」

「ポルトガル、追いついた!!!!!」

仕事に戻ろうとしていた直後にこれです。眠気吹っ飛びました。
観戦モード、再開です。そして、試合の方は、延長戦突入です。


この試合は、ここからが凄かった。

息を吹き返したポルトガルが勇猛果敢に攻め込みます。
もう押せ押せです。イングランドは必死の守備。

デコやクリスチアーノ・ロナウドといった、新世代の選手たちが躍動します。
そのなかで、ゴールデン・エイジのルイ・コスタも奮闘。


そして、

この戦いのハイライトがやってきます。

延長後半5分でした。


ただ1人ピッチに立つ、ゴールデン・エイジ、ルイ・コスタが
ドリブルで1人で駆け上がり、スーパーミドルを叩きこむのです。


「うおおおおおおーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

そこにいた者全員が、テレビの前で叫びました。


そして、WOWOWのアナウンサーも叫びました。

『マヌエル・ルイ・コスターーーーー!!!!!!!
ゴールデン・エイジの最後の意地ーーーーー!!!!!!!!』


震えました。


なんという劇的な展開。

最後の舞台で、ルイ・コスタが決めたのです。


が、
これで終わらないから、死闘。もう、超・死闘。


延長後半10分のコーナーキック。
ランパードが切れ味鋭いターンから同点弾をぶち込みます。

また絶叫です。

「来たあああああーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」

「すげええ!!! すげえぞ、この試合!!!!!!」


90分で1対1、延長も1対1、120分を終えてスコアは2-2。
決着つかずPK戦へ。

さらに、PK戦も5人を終えて決着つかずサドンデス突入
(ベッカムとルイ・コスタが外すという…)。


とにかく終わりません。死闘はもつれにもつれます。


そして、最後のドラマ。

ポルトガルGK・リカルドが魅せます。

理由は分かりませんが、なぜか7人目のキッカーと対峙した際に
グローブを外し、素手に。気合いの表れでしょうか。

で、止めちゃうんです。素手だったからかどうかは分かりませんが。

すっげええ雄たけびを上げるリカルドは、次のキッカーを自ら担当。
本当に興奮してたんでしょうね。「俺が決めて終わらせる!!」と。

そんな興奮MAXのリカルドが自ら決めて試合終了。


こうして死闘に終止符が打たれました。



まあ、しかし観る側も疲れるような凄い試合でしたわ。

ゴールデン・エイジ、最後の意地。男の生き様を見せてもらいました。


名勝負でしたな、本当に。



ということで、死闘の動画、貼っておきます。※実況の声ナシ




「ゴールデン・エイジの最後の意地ーーー!!!」を聴きたい方はコチラ







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嗚呼、名勝負(2) ユーロ2004準々決勝 イングランド×ポルトガル へのコメント一覧

  1. 1.
    • Lee
    • 2015年05月22日 23:51
    • 4
    いつも楽しく読ませてもらってます。今年マクラーレン•ホンダが復活したので、セナプロ対決も取り上げて下さい!
  2. 2.
    • kjn
    • 2015年05月23日 02:00
    名勝負企画良いですね!
    高校バスケなんかも取り上げてもらえると嬉しいです!
    特に女子高校バスケが好きです!
  3. 3.
    • cze10
    • 2015年05月23日 02:48
    いつも楽しい記事ありがとうございます!
    懐かしい試合を取り上げてるのが素晴らしいです!あの大会は全体を通してジャイアントキリングが多々あり、生涯、忘れられないものですよね!
  4. 4.
    • イルガスカス大好き
    • 2015年05月23日 04:34
    俺はユーロ2000の ポルトガルのほうがハアハア
    パウロソウザさえまともなら・・・
  5. 5.
    • どんたこす
    • 2015年05月23日 07:46
    あの頃のロナウドはまだぺーぺーで必死に守備に戻ってPK献上してたなぁw
    あの大会はルーニーやオランダの84年世代の台頭も印象的だったし、チェコはビッグタイトルを狙える最後のチャンスだったと思う
  6. 6.
    • 名無しさん
    • 2015年05月23日 23:13
    このカードならユーロ2000の方が印象に残ってますな
    GLの試合でしたけど互いのチームの特徴がよく出てて
    良い対比でした
  7. 7.
    • ビジャ
    • 2015年05月26日 09:59
    いや〜たまりません(^^)

    この大会ポルトガルは初戦と決勝で2回ギリシャに負けてるんですよね。CR7がまだ碧かった頃w

    あとグループBだったと思うんですけど、イングランドvsフランスもしびれました!ベッカムPK失敗(当時マンUのチームメートのバルデスが止める)、アディッショナルタイムにジダン2ゴール☆




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