いつもの3人が冬の公園を歩いている。
中村 「うわあ、街はもう完全にクリスマスムードですねえ」
弥生 「そうね。周りを見てもカップルだらけだわ」
町田 「普通の高校生にとっては、今はクリスマスシーズンなんだよな」
そう、クリスマスイブを翌日に控えた国民の休日であるこの日は、
普通の高校生にとっては、クリスマスの一部といえるかもしれない。
一般的には恋人、大切な異性との時間を過ごす日とされているだろう。
弥生 「でも、この日から戦いが始まる子もいるのよね」
3人が歩いている場所は、東京都渋谷区千駄ヶ谷。
向かう先は、東京体育館。
中村 「さあ、冬の決戦が始まるぞ!」
町田 「ああ、いよいよだな!」
体育館正面玄関の大きな看板には、決戦の名が記されている。
「全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会」
全国からこの地に男子50・女子50の計100チームが集結した。
日本一強い高校バスケチームを決定するために、である。
「自分がマークすることになる相手を特にチェックするんだ。
ベンチメンバーもしっかり確認だぞ!」
「ハイ!!」
観客席、湘北高校キャプテン・宮城リョータが部員に指示を出す。
シード校である湘北は、大会初日である今日は出番なし。
1回戦のゲームを確認し、明日に備える日となる。
晴子 「長崎代表の島波学園と新潟代表の金山商業ですね」
彩子 「このゲームの勝者が明日のウチの相手よ」
ゲームは、金山商業のリードで進んでいった。
1stクォーター終了
金山 21
島波 11
宮城 「金山商業、なかなかいいチームだな。攻守のバランスが抜群だ」
天崎 「ミスも少ないですね。手堅いチームってやつですか」
荒石 「神奈川でいえば、翔陽タイプってとこかな」
宮城 「そうだな」
(ウチが苦手なタイプだな…)
桜木 「フン、相手がどんなタイプだろうが関係ナシ。俺たちは俺たちだ」
天崎 「桜木さん」
荒石 「フッ、頭悪いなりにイイコトいうじゃねえか、まあその通りだぜ」
桜木 「ダンコ、勝つ!」
彩子 「あら…」
晴子 「憎まれ口が出てもケンカが始まらない」
(それはいいことだけど)
彩子、ニコリ。 「みんな既に戦闘モードってとこかしら?」
宮城、ニヤリ。 「へへっ、頼もしいことだぜ」
『ビビーーーーーーーーーーー!!!!!!!』
前半終了
金山 40
島波 23
宮城 「どうやら金山が上がってくる可能性が高そうだな」
天崎 「はい、崩れそうな気配はなかったですね」
その時
「オオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
宮城 「ん!?」
別コートから歓声が。
彩子 「何かあったのかしら?」
桜木、ニヤリ。 「さては!」
ガタッ!
席を立ちあがり、歓声の上がったコートのほうへ走り出す。
宮城 「花道…!!」
荒石 「何だ何だ、いきなり!?」
桜木、まさに興奮を抑えられないといった表情。
思わず両手にも力が入る。
グッ!!
(テメエの仕業だな、ガイジン!!)
金山×島波同様、そのコートもハーフタイム中。
つまり、次のゲームに出場する2校の練習時間である。
桜木 「いた! やはり!!」
そこに、沖縄代表・屋良城高校の姿があった。
ひときわ注目を集めているのは、ゴール下に立つビッグマン、
フレデリック・カマラ。
周囲がざわついている。
「すげえダンクだったぞ、アイツ…」
「あれがフレッド・インパクトと言われた、沖縄のカマラか」
「さすがに日本人とは質が違うぜ。あれが黒人の身体能力か」
桜木 「………。」
「あれが、カマラか」
「…?」 桜木、振り返る。
声の主は、北野坂高校の2年生センター・樋口。
桜木 「おお、お前はテナガザル…!!」
樋口 「ハハハ、久しぶりに会うたのにサル呼ばわりかいな」
桜木 「なぜココに? ウチの試合を観に来たのか?」
樋口 「なんでやねん。出場や、出場。ウチは兵庫代表で出るんや」
桜木 「兵庫? お前ら神戸じゃなかったのか!?」
樋口 「もうええわ…」 (コイツ、こんなにアホやったんか…)
「おい、花道!!」
「ん?」 桜木、樋口、同時に振り返る。
宮城たちがやってきた。
「お前、いきなり走り出して、何かあったのかよ」
樋口 「あ、湘北のキャプテンさん」
宮城 「おう、お前は神戸の北野坂の」
桜木 「それがいまは神戸じゃなくて兵庫らしいぞ」
宮城 「そ、そうなのか!! 色々あったんだな…」
荒石 「………。」 (おいおい…)
樋口 (恐るべしやな、湘北高校…)
「っと、アホなハナシをしとる場合やないわ」
樋口、コートに目を向ける。
桜木・宮城 (アホなハナシ…!!?)
樋口 「カマラのプレーを見とかなあかん」
宮城 「カマラ…!!?」
(そうか、さっきの歓声は…)
屋良城高校・背番号11、フレデリック・カマラ。
2メートル近い長身に、いかにもしなやかさを感じさせる
スラッとした肉体。そして、長い手足。
樋口 (もしかしてワイより長いんちゃうか…!!?)
そして、次のプレーで一同度肝を抜かれることになる。
ダム!!!!
スリーポイントラインの外からカマラがディフェンスを抜く。
「……!!!???」
抜いた次の瞬間、1歩、2歩とステップを踏み、
そして
ドガアアアアアアーーーーーーーー!!!!!!!
桜木 「……!!!!」
樋口 「……!!!!」
宮城 「な、なんだと……」
(いまのスピード、そして動き……)
樋口 「アイツ、センターやないんか…!!?」
荒石 「そういうことかよ……」
(言われてみりゃ、センタープレイヤーだったら
そこまで飛びぬけてデカいわけじゃないからな…)
フレッド・インパクト、東京上陸。
続く
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(724) へのコメント一覧
1番get!
引き続きお体に気をつけて更新お願いします!
花道との対戦が楽しみ(*^^*)
花道頑張れー
選抜がどんな結果になっていくのか、今から妄想が止まりませんね〜
カマラのところが、
北野坂高校・背番号11ってなってますよ〜
変わったチームやね
これからも頑張ってください
僭越ですが、文中、カマラが、『北の坂高校11番 』になってました。多分『屋良城高校』ですよね。
自分、神戸市民なんで、一瞬喜んじゃいましたが。
リョーチンそこまでかいな…未来の明大生なのにw
新潟は好きなので、湘北相手に良い戦いをして欲しいです!
花道対カマラの対決が楽しみです(^ ^)
兵庫と神戸笑いました。神奈川と横浜、愛知と豊田、石川と金沢……。
平面でも強いのは、フレッドだけじゃないぜ!
フレッドインパクト。楽しみです!
樋口がこの会場にいるってことは、カマラと当たるかも知れないね( ̄□ ̄;)!!
そして優勝は名朋(・ε・`*)ノ
o(^▽^)o♪
久しぶりの
花道.リョーチン.樋口くんと
荒石で
なんかホッコリ(o^^o)♪
2学期の期末テストはやっぱり、赤木家での勉強合宿で乗りきったんですかね。
まあ花道でも十分だろうけど
知らなくて、前回に変なコメントをしてすみませんでした。m(_ _)m
今後の展開、楽しみにしております。
桜木との瞬発力対決、見ものですね
それよりもまずは初戦勝たねば!
リョーちんたち3年生の最後の戦い、問題児軍団の大暴れに期待してます!
頑張れ花道!頑張れ湘北!
優勝という最高の形でリョーちんたちが引退を迎えれますように…
やっぱり赤点軍団ww
花道のバネも黒人には負けてないと思いますw
フリースローラインからダンクできる花道だしww
頑張れ花道!
この後の続きが楽しみです(^^)
カマラはやはりFWなんですかね?
俺が赤点取るのは受かったのギリだったから。
洋平が赤取るのは、実は俺達に付き合ってわざとなのも知ってる。
他2名は、俺と変わらん。
花道が受かったのは、受験のとき俺の前の席だったから。
いつも追試で生き残ってるのが不思議なくらいだ。
りょーちんがどうやって受かったのかはしらん。
来年明大行くって噂は多分ガセだろ。
あ、推薦か?
そんなところも好きですけどね笑
追試のときに勉強した知識もすぐに忘れてるのだろうか…( ̄▽ ̄)
つまり、「黒人呼んで来れた高校が強い」ってな風潮。
確かに純正日本人チームは能代始め苦戦してますが、やはりどこかが「扉をあける」ことが出来ると思います。ファンがそれを信じずに誰が信じるのかって、ね。
バスケ協会は国内のスポーツ団体の中でも、どう擁護してもクソ中のクソですが、プレイヤー達は素晴らしいと思うので。