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  • 2018年09月19日17:53

嗚呼、NBA名選手/アキーム・オラジュワン

バスケットボール日本代表、強い、強い!

韓国との強化試合から八村塁が、
そしてW杯予選カザフスタン戦から渡邊雄太が、
チームに加わり、高さと勢いが倍増した日本は
無敗街道、破竹の快進撃を続けています。

その日本のキーマンである渡邊雄太が
メンフィス・グリズリーズと契約したことは
大変大きな話題となっていますよね。

彼はサマーリーグで契約を勝ち取ったわけですが、
NBAチーム入団の本道といえば、やはりドラフト。


ということで、
今回はNBAドラフトをキッカケに
ひとり偉大なる選手を取り上げたいと思います。


いまから30年以上も前の話です。

1984年のNBAドラフトで、のちに「神」と呼ばれる
バスケ史上最高の選手が指名を受けました。

はい、言うまでもないですね。
マイケル・ジョーダンです。

学生時代からスーパースターとして知られ、
ノースカロライナ大を全米王者に導いた彼は
当然ながらドラフト全体1位で指名され…

てはいない、
というのは、ちょっと有名な話。


ジョーダンは全体3位でシカゴ・ブルズに指名され
同球団に入団することになります。

あのジョーダンが3位指名??

じゃあ誰なんですか、ジョーダンよりも先に
指名された選手っていうのは。


それが今回紹介する、アキーム・オラジュワン。


ニックネームは「ドリーム」。

ナイジェリア出身の長身選手で、
NBA史上最高のセンターは誰か、
という議論になると100%名前が挙がる、
至高の名選手です。


いや、その議論、
わしのようなオジサンのバスケファンは

「“最強”については意見が割れるが
“最高”ならば、オラジュワン一択」

「シャックも凄かったが、でもオラジュワン。
ハワード? ガソル? 話にならん」

と言いたがるのがほとんど。


とにかく、絶大なインパクトを残した
センタープレイヤーだったのです。


※注
チェンバレンやジャバーは全盛期が昔過ぎて
議論の対象外です。ゴメンナサイ



わしが彼を初めて見たのは、1990年代、
時はブルズ王朝真っ只中。


ジョーダン、マジック、アイザイア・トーマス、
前回紹介したクライド・ドレクスラーなど、
優秀なガードプレイヤーを擁するチームが
ファイナルに勝ち進むのが常だった時期でした。

ジョーダンという絶対的存在があったため、
当時のNBA入門的な書籍では、
シューティングガードを「花形ポジション」として
紹介するものが多かったと記憶しています。

が、
バスケといえば、ビッグマンがカギを握るのは
今も昔も変わりません。やはりセンターは大事。

そして、この時代はセンタープレイヤーが
非常に充実していたときでもありました。



――世界三大センター


こんな言葉が当時のNBAの世界にありました。

パトリック・ユーイング、
デビッド・ロビンソン、
そして、アキーム・オラジュワン。

この3人はリーグを代表するスーパーセンターとして
大きな存在感を放っていました。

※この3人にブラッド・ドアティーを加えて
「四大センター」と呼ぶときもアリ


この中で先に一般的に広く知られたのは、
ユーイングとロビンソンでした。

なぜなら
この二人は92年バルセロナ五輪の米国代表、
つまり「初代・ドリームチーム」に
選出されていたからです。

わしも最初に名前とプレイを覚えた
名センターはこの二人でした。


が、とあるとき、
NBAの放送で、3大センター最後の一人、
オラジュワンのプレーを目の当たりにします。


「なにこれ!!!???」


猛烈にビックリしたことをよく覚えています。


自分がアタマの中に持っていた
センターのプレイスタイルとは
全く違うことをやる選手だったからです。


センターといえば、体が大きくて、
筋骨隆々で、ゴール下の勝負に強く、
スピードや技術よりも「パワー」が持ち味。

パワフルなダンクシュートで相手を蹴散らし、
リバウンドを根こそぎもぎ取る。

漫画「スラムダンク」のゴリ。

それが中学生時のわしのセンター像。

※実際「スラムダンク」の連載が始まったのも
わしが中学生の時だったし


その上で、
ユーイングはミドルシュートが上手いし、
ロビンソンは機動力が抜群で、

なるほど、
ビッグマンながらこういうことも出来るのが
名センターなんだな、と思っていた時期。


が、
オラジュワンは違いました。


確かに体は大きく、パワーもあります。

が、だからといって、彼はその体躯を生かして
ゴリゴリ体をぶつけあう勝負をするのではなく、

見たこともないステップワークを刻み、
ディフェンスをかわし、あるいは置き去りにし、
華麗にシュートを決めるのです。

で、ディフェンス時には
あろうことかガードプレイヤーを相手に
平面ディフェンスで上回りスティールを決める。

「え? これがセンターのプレイなの?」
「ゴール下でこんな戦い方があるの??」


あんな選手、あんなプレイを見たのは
初めてだったのです。

ゴール下ではこういうプレイもあるんだ、と、
自分の中のバスケットボールの教科書が
刷新された瞬間でした。


センターのスーパープレイ集映像で、
ダンクのシーンがほとんど出てこない選手なんて、
歴史上この人だけじゃないでしょうか。

※いや、豪快なダンクも沢山決めた人なんですよ。
でも、そんなのがどうでもいいくらい、
そのステップワークが美しすぎたんです


他の追随を許さない美しいムーブ、

その名も「ドリーム・シェイク」。


右に左に体を動かし、フェイクをかけまくり、
優雅に相手をかわして決める。

オラジュワンの動きに翻弄され、
ディフェンスはすぐにバランスを崩し、
そしてポンポン跳んでしまう。


当時、日本中のバスケ部員が
真似をしたんじゃないでしょうか。


あのステップワーク、
いまでは特段ビックリするような
動き方じゃないかもしれませんが、
なにしろ20年以上前の話です。


というか、ああいうプレーを「発明」したのが
アキーム・オラジュワンなんじゃないかしら。

本当に当時のバスケの世界では
革新的なプレースタイルだったんですから。

その証拠に、彼に教えを乞う選手は
いまでも後を絶ちません。

ハワードやレブロンも、ステップワークを
教えてもらうためにオラジュワンを
訪ねているんですよね。


そらわしらも真似しますよ。

彼のプレーを見たことあるバスケ部員は
こぞって「オラジュワンごっこ」
「ドリームシェイク」ごっこですよ。



そのドリームシェイクを武器に、
彼は、ジョーダン不在時のNBAを
2度制します。

1994年ファイナル、1995年ファイナル、
共に絶対的エースとしての優勝です。


※前述の三大センターの中で、
「自分がスーパーエースとして」NBAを
制したのは、オラジュワンだけです。


その後、シャキール・オニールという
またまたNBAの歴史を変える
とてつもないセンターが現れるのですが、

そのシャックとオラジュワンは、
1995年のファイナルで戦っています。


まだシャックは若手時代(プロ3年目)。

規格外のサイズと桁外れの身体能力を武器に
ゴール下で大暴れを続け(時にはゴールを破壊)、

当たり前のように新人王を獲得し、
その後3年目にして早くもファイナルにまで
たどり着くことになるのですが、

いざ、そのファイナルの舞台で
オラジュワンと対峙したら、

0勝4敗の「スイープ」で敗退してしまいます。
ある時間帯は、チンチンにされてもしまい。


よく覚えています。

あのファイナル、
ベンチに座るヒューストン・ロケッツの
ヘッドコーチ、ルディ・トムジャノビッチは
こんな指示を出すんです。


「オラジュワンに回せ!!」
「シャックは手も足も出ないはずだ!!」


相手にシャックがいて、こんな指示普通出しません。


他チームのあらゆる監督が、

いかにシャックから離れた位置で勝負をするか、
シャックにファウルをさせてコートから追い出すか、
ゴール下の勝負に持ち込ませないようにするか、

そういったことを考えていたなか、
ヒューストン・ロケッツは違ったのです。


オラジュワンで勝負しろ、と。


いかに、彼が優れた選手で信頼されていたか
よく分かる話ですよね。


いやあ、
とにかく、とんでもないセンターでした。

ドリームシェイク、ホントにビックリしました。
あんなに何度もプレイを見たいと思ったセンター、
他にはなかなかないんじゃないかなあ。

ジョーダンやコビー、レブロンといった
バックコートプレイヤーが持つ華やかさを
7フッターのセンターが持っていたという、
極めて稀有な例だったと思います。


アキーム・オラジュワン、
皆さんも是非彼のプレーを見てください。

20年以上も前の映像でありながら
いまなおその優雅さを感じることが
出来ると思いますよ。


NBA公式の動画もアリ
※ダンクのシーンはほとんどないよー(笑






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嗚呼、NBA名選手/アキーム・オラジュワン へのコメント一覧

  1. 1.
    • さらぶれ
    • 2018年09月19日 18:44
    • 5
    今もバリバリ使われているステップばかりですね!
    当時は、スピンムーブとかをトラベリングじゃね?とか言ってましたが、いわゆる0ステップが公に認められて、ミニバスプレイヤーもやってますね。
  2. 2.
    • ひろき
    • 2018年09月19日 22:07
    Kさんと同世代(1つ下)の自分ですが、「あれ、俺が書いたのかな?」と思うくらい同じ記憶です(笑)
  3. 3.
    • 元祖たっく
    • 2018年09月20日 03:07
    ロビンソンのディフェンスに対しレイアップのフェイクからゴール逆方向にピボット、そこからジャンプシュートのフェイクをかけてゴールに向かってレイアップ。あのプレイは今でもはっきり覚えてます。
  4. 4.
    • パデュー
    • 2018年09月20日 13:54
    オラジュワン懐かしいですね!
    ほんと既成のセンターってポジションの概念をぶっ壊した偉大な名選手だと思います。
    ヒューストン黄金期でしたもんね。
    そしてその数年後に、ドレクスラー、ピッペン、バークレーとバルセロナ組がヒューストンに集まりませんでしたっけ?(笑)

    記憶違いだったらすみません(笑)
  5. 5.
    • Lee
    • 2018年09月20日 19:42
    • 5
    懐かしい!!!!!!!
    Kさん、次回はピッペンでお願いします!!!!
  6. 6.
    • さく
    • 2018年09月20日 19:44
    • 5
    懐かしー!
    当時小学生でしたが衝撃を受けたのを覚えてます。自分は身長が伸びなかったですが、フォワードとしても参考にできるステップが山ほどありますよね!
  7. 7.
    • fuzisan14go
    • 2018年09月21日 09:02
    • 5
    懐かしいですね。1992年にジャパンゲームで来日しましたね、当時は今はなきシアトルとの開幕戦でした。ケンプもペイトンもマクミランもパーキンス、スミス、やマックスフェル、ソープなども来てました。ドリームシェイクを披露し始めたのはこの頃でした。このシーズン前にアキームは契約問題がこじれて日本に来ないかもと言われていましたが無事に来てくれたことを覚えてます。今でも覚えてるのが94年のwestカンファレスセミファイナルのファニックス戦。圧倒的にサンズが有利だったのに第7戦、ノータイムの時間帯にアキームのパスを確かバーノンマックスフェルが3pを沈めてヒューストンが114−113で勝ったと記憶しています。バークレーが毎年引退宣言をはじめるきっかけとなった試合でした。
  8. 8.
    • カリーム
    • 2018年09月21日 19:46
    Kさんの1つ下ですが、自分はジャバーが最高だと思っています。
    中学の時のチームメイトがジャバー信者で良くビデオを見せられました。
    センターだった自分はフックシュートを練習させられましたねぇ。

    まぁお陰で試合で楽できましたけど。
  9. 9.
    • たこみ
    • 2018年09月22日 03:28
    • 5
    本当にこういう記事を書いてくれる人がいて嬉し過ぎです、というか脱帽します。
    体調にだけは気をつけて続けて欲しいです!
    できれば、アイバーソンあたりも書いて頂けると…笑
  10. 10.
    • レジナルドウェイン
    • 2018年09月24日 11:02
    • 1
    今も昔もって。ハワード、ガソルって。時が止まりすぎ。今はストレッチ5になるかラジコンになるかに成り下がったポジションです。
  11. 11.
    • zaku1970
    • 2018年09月24日 14:41
    • 5
    記録が見つからないんだけども、オラジュワンってヒューストン大学時代にドレクスラーと日本にきてるんですよね。
  12. 13.
    • 神様
    • 2018年09月24日 16:12
    >レジナルドウェイン

    まあオラジュワンのこと知らないからって、そんなにムキになるなよ。みっともないよ
  13. 14.
    • いけだ
    • 2018年10月08日 18:25
    • 5
    ステップワーク最高です!

    私もそちらで勝負するプレイヤーでしたけど、シュートが下手で相手に読まれてました中

    身長差10センチまではゴール下はステップワークでオフェンスは勝負できます!

    最後は気持ちですけど笑笑

    自分は誰にも負けん!!だという気持ちがあれば20センチひっくり返せます!経験談です笑笑
  14. 15.
    • スイスの秘密兵器
    • 2018年10月16日 08:22
    13いけださん> 切れがあればNBAの世界では35cm差を完封したロドマンってのがいてだなwwwオフェンスだったらラリージョンソンも身長差克服するのうまかったな バークレーは参考にならんから除外www
  15. 16.
    • J
    • 2018年11月07日 12:27
    • 5
    オラジュワンは、ドリームシェイクとともにブロックショット。
    ベストセンターは、間違いなくオラジュワンだと思います。




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