このコーナー、書いてて楽しいなあ(笑)。
わし、いわゆる「懐古厨」ってヤツだから、
昔のハナシするの大好きなんですよね。
※同年代の方はわりとみんなそうかも?
若い方は、「伝説」をリアルタイムで観た男の
思い出話を堪能していただければ、と
ということで、今回も行ってみましょう、
「嗚呼、名選手」のコーナー。
これまで、
オラジュワン(94・95年)、ドレクスラー(95年)と
ヒューストン・ロケッツで優勝を経験した選手を
書かせてもらいましたが、
上記の期間にロケッツで優勝に貢献し、
その後、他のチームでも優勝を経験し、
計3チームでトータル7度の王座に輝いたという、
とても珍しいキャリアを持つ選手がいます。
ロバート・オーリー。
彼は、16年のキャリア(92-93 〜 07-08)のうち、
半分近くにあたる7年を優勝チームで過ごしています。
逆の言い方をすると、92-93シーズン以降の16年のうち
7年は「オーリーがいるチームが優勝した」ということ。
彼が移籍すると、そのチームが優勝するという。
彼がいるチームはいつも強かったわけで、
その証拠の一つに、プレイオフ出場試合回数は、
ジョーダンやジャバーを超え、歴代最多だったりします。
そんなことから、
「優勝請負人」と呼ばれた名プレイヤーです。
が、
「オーリーって、何が凄かったんですか?」
と言われると、これがなかなか回答に困ってしまいます。
208cmと上背は結構ありましたが、
シャックやダンカンといったガチのインサイド選手に
比べるとちょっと物足りない。
平均リバウンドはキャリア最高で7.5ですから
ゴール下で滅法強かったわけではありません。
一方、アウトサイドシュートも得意なのですが、
レジー・ミラーやレイ・アレンのような
「ピュア・シューター」でもありませんし、
ノヴィツキーやストヤコビッチのように
「長身の名シューター」というほどに決めまくった
わけでもありません。
そもそもスコアリングについては、
最も多かった年でシーズン平均12.0点で、
96-97シーズン以降は一度も平均二ケタを
マークしておらず、凄く目立つ存在ではないのです。
点取り屋でもなければ、リバウンダーでもない、
勿論このサイズですからガード選手でもなく、
アシスト数も大して多くはないです。
かといって、守備の達人というわけでもない。
じゃあ何? と。
何が凄くて「嗚呼、名選手」なの? と。
「これ、もしかして、渡り歩いたチームが
たまたま全部強くて、棚ぼたで7回優勝っていう、
とても運のいい選手ってこと?」
という声が聞こえてきそうですが、
いやいや、とんでもない。
彼は間違いなく全チームで主力として活躍し、
計7度の優勝にしっかりと貢献しました。
オーリーがいなかったら優勝できていないシーズンも
絶対にあるはずです。そのくらい彼は偉大です。
じゃあ、何なんだ、と(しつこいな、この問答:笑)。
はい、
説明が難しいのですが、
ヒトコトで言ってしまうと
「勝負ドコロに異常に強い」
ってことでしょうかね。
あのねえ、
ホントに「異常」なんですよ。
土壇場のシーンでの強さたるや。
大事な一本の決定力たるや。
ちょいと眠そうな顔で、なんならボーっとした
雰囲気もあり、いつも飄々としている彼ですが、
拮抗したゲームの終盤、
いわゆる「クラッチタイム」となると、
途端に「世界一怖い男」に変身します。
大事なゲームでビッグショットを決め続ける
この優勝請負人には、こんなニックネームもあります。
ビッグショット・ロブーーー
振り返ってみましょう。
ロケッツ時代は、
長身オールラウンダーの若手の一人でした。
オラジュワンという最強センターがゴール下にいて、
94-95年シーズンにはドレクスラーまで加入、
脇にはマリオ・エリーやサム・キャセール、
ケニー・スミス、オーティス・ソープなど
ひと癖もふた癖もある名脇役が揃ったこのチームで
彼はそこまで個性的な選手ではありませんでした。
この時は、若手の好プレイヤーのなかの一人。
といいつつ、数字やプレイの華やかさでは、
むしろこの時のほうが説明しやすいですかね。
1試合平均で10点以上獲っていたし、
派手なダンクやダブルクラッチも決めていましたし。
で、ときおり、
相手にとっては凄くイヤ〜なタイミングで
アウトサイドシュートを決めていた感じです。
「なーんか、いいトコで決めるなあ、コイツ」
っていう。
若いのに、もう「いぶし銀」っていう(笑)。
で、キャリア中盤以降は、
得点力や身体能力や派手なプレーは目立たなくなり、
「いいトコで決める」の部分が
猛烈にクローズアップされ始めます。
期待の若手、ロバート・オーリーから
終盤の仕事人、ビッグショット・ロブに
クラスチェンジを果たすのです。
レイカーズ時代、
シャックとコービーに相手マークが集中する中、
最後の最後に、この人が現れ、
「しまったあああーーーーーー!!!
オーリーを忘れてたーーーーー!!!」
となる場面多数。
こうなると、
相手はもう放っておくわけにはいかない。
勝負ドコロのシーンで、
ゴール下のシャックを徹底マークだ!
そして外のコービーにも厳重注意!!
レイカーズはこの二人が軸だぞ!!
と言いつつ、
ちょっと待って、
この時間のオーリーって
その二人より怖くないすか? って。
よし!!
オーリーもチェックしろ!!
となるのですが、
でも、やられるんです。
最も有名なのは、
02年プレイオフの西カンファレンス・ファイナル、
LA.レイカーズ × サクラメント・キングスの、
第4戦のラストプレーでしょうね。
最後の最後、
あと数秒ってところで
レイカーズはコービーで勝負を賭けるんです。
が、このコービーのドライブを
キングスは執念で止めます。
さらに、コボレ球からゴール下シュートを狙う
怪物・シャックをも止めます。
「終わりだあああーーーー!!」とばかりに
キングスのセンター、ディバッツが
大きくこのボールを叩き、外に弾き出したら、
よりによって、そこに、
オーリーがいるんですよーーー!!!
もう相手からしたら
「なんでそこにーーーー!!?」
「んなの読めねえーー!!!」ですし、
ボールを弾きだしたディバッツも
「ちょ!!待てよ!!」ですよ。
外してくれーーー!!!!
という、ファンの思い虚しく、
オーリーはこのスリーポイントを
見事に、美しく、ブザー・ビーターで
沈めてみせます。
館内が大騒ぎの中、
シュートを決めた腕を背中側に回し、
「ふっふーーん、決めちゃった♪」的に
目を瞑っているオーリー。
オラジュワンが行ったと思ったら、
横からサッと現れたオーリーが
パスを受け取って決める、
コービーが突っ込んだと思ったら
外で待っていたオーリーが
パスを受け取って決める、
ジノビリが外から狙うと思ったら、
横にいたオーリーが
パスを受け取って決める、
ホント、エースプレイヤーたちの陰に隠れ、
ここぞというところでサッと現れて
決める男でしたね。
コボレ球までオーリーのところに行くし(笑)。
この勝負強さ、決定力、
なによりチャンスを引き込むチカラ、
歴代の所属チームにおいて、
優勝に欠かせない最強のピースの
ひとつだったと思いますよ。
最後の最後に、何かを起こす男、
ビッグショット・ロブ、
優勝するために生まれてきた男ともいえる、
名選手でした。
ビッグショット・ロブのダイジェスト映像。
有名なクラッチショットは大体入ってるかな。
↓
|



嗚呼、NBA名選手/ロバート・オーリー へのコメント一覧
書いてくれて本当に嬉しいです!
ってくらい僕もオーリー大好きです。
スパーズ時代のピストンズ戦の左手のダンクとか
『おいおいおい、今まで寝てたクセに、ここでそれやっちゃうかよ?笑』
みたいな活躍っぷり。
昔北原さんが解説で
『趣味のようにリングを取る男』
と紹介してたのを凄く印象深く覚えています。
最近あんまり見ないけど、引退後はステイプルズセンターにいつも来てたのも印象的でした。
記者:2点差で負けている状況で、3ポイントを狙うのは何故ですか?
オーリー:早く帰りたいから
キングス戦の逆転3を決めた記者会見で
ディバッツ:あんなシュートはマグレだ。
オーリー:何度も決めてきた。新聞見ろ。
一度は決めて言ってみたいですね。
2002年の西カンファレンスファイナル第4戦での勝利インタビューで残り時間を一切気にせずに落ち着いて打つことが大事と言っていたので、勝負所で心が乱れないのが数字には表れない彼の強さなんだと感じました。
ロバート・オーリーいいですね。
もし、私が監督なら笑、歴代のNBA選手の中でも、ベンチに置いておきたい選手の1人です。
デリック・フィッシャーとリック・フォックス含め、途中、レイカーズベンチから出てきたときは、なぜかシャック&コービー以上に魅力を感じていたのを記憶してます。
クラッチタイムのシュートだけかと思えば、大舞台でコートに出さえすれば相手にとってなにかしらの嫌な動きをする選手に最終的になってましたね(笑)
少ないシュートチャンスのスリーも決めてたし
、本当嫌な選手ですね
2Kでチームに加えたい選手の1人でした
ロバート オーリーを取り上げるセンスに脱帽です。一番好きでした。
私にとって、上手さやプレイでなく、結果から好きになった、
珍しいプレイヤーでした。
ロバート・オーリーを持ってくる当たりさすがKさんと思ってしまいました。
私の友人中でのオーリーの呼び名は『試合を決定付ける男』でしたよ。
レイカーズ・キングス戦はキングスを応援していたので、あのブザービーターは激烈ショックでした。
コービー・シャックを防いだ後だったので余計にでした。
また名勝負楽しみにしています!
もうすぐアクセス7777777777ですね⭐️
1995年に記録したファイナル7スティールは未だに破られてません。
1995-96シーズンには40点取った試合があります。
あと、ピストンズにトレードされなくて良かったです。
普段は読むだけなのですが、オーリーのことが好きすぎて、ついついコメントさせていただきました!!
オーリーの大ファンなので、取り上げもらって、すごく嬉しいです!
ありがとうございます!!
2000年のファイナルからNBAを見始めたので、オーリーの数々の伝説はリアルタイムで見てましたが、中でも印象的なのは、
・2000年のWCF GAME4のブザービーター
・2005年のFinal
→ピストンズのファンでしたが、オーリーが活躍すると喜んでいた笑
です。
後は、たしか娘さんが大変な病気で、「その病気に比べれば、自分がバスケをできることは嬉しいこと。だから、試合中のどんなプレッシャーも楽しんでいる」(ニュアンスは記憶が曖昧)という記事がすごく印象に残っています!!