今回は、バスケです。
といっても、NBAではございません。
国内の名勝負を取り上げさせていただきます。
Bリーグの前身のさらに前身になりますかね、
JBLスーパーリーグの2003年のファイナル。
いまから15年も前の話になります。
前述のとおり、Bリーグはもちろんながら、
NBLもbjリーグもなかった時代です。
まだバスケが完全な企業スポーツだった時、
自らを「オジサン軍団」と称するチームが
バスケ界に旋風を巻き起こしました。
物凄いドラマがそこにはありました。
主役となるそのチームの名は、
アイシン・シーホース。
いまのシーホース三河です。
アイシンは、
かつてはリーグの中堅どころのチームでしたが、
鈴木監督のもとに、居場所を失った男達が集まり
一躍トップに躍り出ることになります。
ノンフィクション小説やテレビドラマの
題材にもなったストーリーです。
「ミスター・バスケットボール」と呼ばれ、
いすゞ自動車の黄金時代を支えた、
日本最高の司令塔、佐古賢一。
「精密機械」とまでいわれたシュート力と
タフなディフェンスを武器に、野武士のような
眼差しでコートに立つ男、後藤正規。
「エリちゃん」の愛称で親しまれ、
日本をこよなく愛した、アメリカ生まれの
屈強なフォワード、エリック・マッカーサー。
名門・能代工業でガードとして活躍、
サイズのハンデをものともせずコートを駆け回る、
小さな体に大きなハートを持った男、佐藤信長。
かつての王者・熊谷組の中心選手として活躍し、
日本人初のプロプレイヤーとなった、
長身のオールラウンダー、外山英明。
みんなベテラン選手です。
そして、居場所を失ってアイシンに来た選手です。
さらに言うと、外山英明は一度引退しており
当時はバスケットコートから離れていた男。
企業スポーツの悲しい宿命ですね。
会社の都合によって、チーム(部)が解散したり、
スター選手へのギャラが支払えなくなったり、
様々な理由により、実力ある多くのプレイヤーが
バスケが出来ない状態に陥っていました。
そんな状態の男たちに声を掛けたのが
(あるいは選手側から掛けられたことも)、
当時のアイシン、現シーホース三河の
ヘッドコーチ・鈴木貴美一氏でした。
かくして、
さまざまな事情・出来事を経て、
一度死んだ身からここに集った男たちは、
しかし、ベテランの経験と知性、
なにより溢れる情熱で闘い、
レギュラーシーズンで1位を獲得。
そしてプレイオフも勝ち上がっていき、
ついにはファイナルにまで辿り着きます。
そこで待ち構えるは、
前年度王者・トヨタ自動車アルバルク。
現在のアルバルク東京。
オジサン軍団と同じベテランであり、
日本のエースシューターである折茂武彦を軸に、
学生時代からエリート街道を歩んできた若手と
有能な外国人選手がバランス良く配置された
リーグ最強チームです。
※折茂さん、まだ現役選手なんだよね。
信じられない人だよね、コレマジで。
スーパーリーグ決勝は、2戦先勝方式なんですが
この1戦目が歴史に残る死闘となったんです。
さすがファイナルだけに、
役者もそろっています。
アイシンには、前述のベテラン勢のほか、
のちに日本人・桜木ジェイアールとなる
JR・ヘンダーソンの若き日の姿が。
トヨタには、前述の折茂のほか、
大学得点王であり、前年度新人王の渡邊拓馬、
元NBA選手のチャールズ・オバノン、
御存知、能代工の小納兄弟の兄、真樹らが。
っと、
トヨタにはもう一人ビッグネームがいますが、
それはちょっと後で。
ゲームは、まさに一進一退の攻防。
白熱のシーソーゲームで進んでいきます。
アイシンのスタメン平均年齢は34歳、
対するトヨタは27歳、
アスリート的能力では圧倒的にトヨタが上です。
しかしアイシンのベテラン勢は経験を武器に
互角以上の戦いを繰り広げます。
その死闘により会場は熱気に包まれていました。
そして、会場の熱気にはもう一つの理由も。
このゲームでは、日本中のファンが注目する
マッチアップが実現していたのです。
当時の日本最高の司令塔だった佐古賢一、
彼とマッチアップしたのは、なんと、
当時まだルーキーだった、田臥勇太。
※ルーキーの田臥は出ずっぱりではないので、
もちろん他の選手がマッチアップする時間も
ありますが
オジサン軍団の司令塔と、
若き才能の象徴ともいえる田臥の勝負、
これで盛り上がらないファンはいませんよね。
はたして
シーソーゲームは最後までもつれます。
そして、残り30秒、
アイシン2点リードで迎えたラストシーン。
ここで魅せたのが、22歳の田臥でした。
鋭いドライブで切り込み、
ディフェンスの佐古をフェイクでかわして
ステップインからのバンクショット。
会場全員が立ち上がるスーパープレイ。
日本の司令塔・佐古は、
若きエース・田臥のスピードの前に
得点を許してしまいました。
この値千金の同点弾で、ゲームは延長へ。
延長もやはり一進一退。
慌ただしくリードが入れ替わる死闘に。
この勝負、
最後はやはり、佐古と折茂でした。
残り10秒、佐古のフリースローで3点差。
迎えたラストシーン、トヨタのボール、
折茂のスリーポイントが2度リングに嫌われ
85-82で、アイシン勝利。激闘に終止符。
さらにこの死闘を制した勢いで第二戦も獲り、
アイシンは日本の頂点に立つのです。
いやあ、
ドラマだと思うんですよねえ。
居場所を失ったオジサン軍団が
リーグを制してファイナルに駆け上がり、
若き前年王者・トヨタと激突。
しかもそこにはルーキーイヤーの
田臥勇太がいるという。
オジサン達の最後の相手が若き田臥って
どんな出来過ぎたストーリーだよ、と。
んでまた、この田臥の一撃で
延長戦にもつれ込む死闘になるだなんて、
ホント、こんなシナリオありえないよねえ。
漫画や映画でこんなストーリー描いたら
「こんなコテコテの展開あるかーい」って
みんな言うんじゃないかしら?(笑)
でもこれリアルだから。
ホントにそうなったんだから。
うーん、ドラマチック!!!!
が、
わし的には、このドラマって
ここで終わってなくて、
さらに未来に繋がっていると思っててさ。
記念すべき日本バスケのプロ化元年、
Bリーグ初年度(2016-17年)の
ファイナルを、皆さん覚えていますか?
2003年のあのファイナルの時に
ルーキープレイヤーとして
ベテラン軍団と戦った田臥勇太が、
この14年後、今度は自分がベテランとなり、
プロ化元年のファイナルの舞台に立ち、
そして、ルーキーの時に逃した優勝の栄冠を、
このBリーグ元年のファイナルで
勝ち取るわけですよ。
すげえわ、すげえ。
何回でもいうわ、ドラマだわ、ドラマ。
日本のバスケにはこんなドラマが
たくさんあるんですよねえ。
最高だわマジで。
久々に叫びます!
i love basketball!!!!!!
熱狂の2003年ファイナル。
折茂さん、若くて超カッコいい!
田臥くん、この時点でもう凄い!
そして、ベテラン軍団、サイコー!
↓
|



嗚呼、名勝負(8) JBLスーパーリーグ2003FINAL アイシン×トヨタ 第1戦 へのコメント一覧
当時中学生で、ファイナル初戦はよ〜く覚えてます!!
後藤さんのいぶし銀な仕事ぶりに興奮してました!!!
いや〜懐かしい♫
おじさん軍団の快挙(≧∇≦)
今でもオリモさん頑張っているのを見ると勇気が湧きます 。
田臥さんも、もうおじさん軍団ですもんね〜(T_T)
私も、もうジャンプシュートもままならないし、3Pも届かないですが、ネットをくぐる音を聞くと、現役当時の想いがよみがえります。
バスケ最高ー🏀
第一話目からの読者としてはのんびりでも書いてくれている
今のスタイルで十分良いです
スラムダンクの続きだけだとつまらん
昔はみんなで展開を予想したりしてたんですよ
湘北が勝つ!とかね Kさんは必ず裏をついてくるわけですよ
最近で言えば10投勝負も須形君が10本目で外すって声が多かった
Kさんはちゃんと9本目で外してくるわけですよww
そういう楽しみ方もオススメです☆
でも自分以上にわかってる人、ここにいた。
少し泣けた
あの頃想って少し寂しくなった
そして八村や渡邊に受け継がれていってる日本バスケが嬉しい😃