(リメイクの経緯はコチラ)
(元記事はコチラ)
神奈川 10
大阪 2
『ビビーーーーーーーーーー!!!!』
大阪、タイムアウト。
「神奈川、強い!!!!」
「大阪はたまらずタイムだ!!!!」
神奈川ベンチ、
高頭監督が手を叩く。
「よーし、よしよし、上出来だ!!
完全にこっちの流れになっているぞ。
このまま手を緩めずに攻め続けろ!」
上々の出だしに、
ベンチの雰囲気は良好。
一方の大阪ベンチは、
焦りと苛立ちが漂う。
息の荒い岸本。
「あの12番、調子こきよって…!!
アイツが仙道やな。土屋、マーク代われ。
ワイがアイツをマークしたる」
土屋、冷静に返す。
「まあ一旦落ち着け、岸本。
ただ、このままじゃマズイのは確かや。
やり方を変えたほうがええかもな」
南が聞く。
「どうするつもりや、土屋。
まさか、速攻やめる言うんか?」
土屋が返す。
「いや、テンポはこのままでええ。
ただ、もっと向こうの穴を突かなアカン。
12番(仙道)と15番(流川)のトコから
攻めるのはやめたほうがええやろ。
13番(福田)のトコから攻める方が得策や」
岸本、ニヤリ。
「ワイを中心に攻めるいうことか。
よう分わかっとるやないけ、土屋」
土屋 「いや、違う」
岸本 「…?」
土屋、続ける。
「岸本がオレにスクリーンをかけるんや
マークをスイッチさせて、13番がオレに
つくようにしてくれ。オレが勝負する」
ガタッ!!!
「なんやと……!!?」
岸本、立ち上がる。
「ワイには任せられん言うんか、土屋!!」
土屋 「話は最後まで聞け」
岸本 「……。」
土屋も立ち上がる。
「オレのマークを緩くさせるだけや。
あくまでもフィニッシャーは、南、岸本、
お前らや。オレのパスに合わせるんや」
南 「………。」
岸本 「フン…!」
しぶしぶながら、納得の顔。
「ケッ。大物ぶりやがって。
ええパス出さんとタダじゃおかんぞ。
しゃあない、一旦言うこと聞いたるわ。
ただし、仙道はワイがマークするで」
『ビビーーーーーーーー!!!!!!』
タイムアウトが明けた。
両軍、コートに戻ってくる。
「さあ、試合再開だ!!!」
「大阪は巻き返せるか!!?」
高砂のフリースローから再開。
ザシュッ!!
落ち着いて決める。
神奈川 11
大阪 2
牧が手を叩く。
「よーし!! ナイッシュ、高砂!」
神奈川のリードは9点に広がった。
続く、大阪の攻撃。
土屋がボールを運ぶ。
「さあ、一本!!」
土屋のマークは仙道。
腰を落とし、ピッタリとついている。
そこに、
「土屋!」
キュキュッ!!!
岸本が仙道にスクリーンを仕掛ける。
仙道 (…!?)
「スイッチ!!」
仙道の合図で、土屋に対する
ディフェンスが福田に代わる。
土屋 (よし…!!)
ダム!!!!
瞬間、土屋がドライブを仕掛けた。
福田 「……!!!」
「4番が行ったああーー!!!!」
「土屋、速い!!!!」
福田、抜かれる。
キュキュッ!!!
流川がヘルプに出る。
土屋 (狙い通り!!)
ビッ!!!
待ってましたとばかりに、
土屋は外で待つ南にパスを出す。
南 「よし!!」
ノーマークからのスリーポイントシュート。
ザシュ!!!
神奈川 11
大阪 5
見事に沈める。
大阪ベンチ、ガッツポーズ。
「っしゃあああああーーーーー!!!
「さすがや、南!!!」
「おお!! 5番(南)スリー来た!!」
「4番(土屋)も、ナイスパスだったぞ!!
さっきの仙道みたいだ!!」
思わず感心の彦一。
「土屋さん…、さすがや。
ノーマークの味方を見つけるんがウマい。
やっぱり仙道さんと同じタイプの選手や」
うなずく牧。
「確かにいい選手だな。
あれは福田じゃ止められんだろう」
続く、神奈川の攻撃。
岸本 「オラァ! 来てみいや、仙道!!」
仙道のマークは岸本。
タイムアウト時の会話通り、
ムリヤリ土屋と代わった模様。
仙道 (コイツか…。彦一が言ってたのは)
腰のあたりにボールを構え、
1on1の体勢。
彦一 「行ったれ、仙道さん!!!」
が、
その時、
バッシイイイ!!!!
後方から土屋がボールを叩いた。
仙道 「……!!?」
彦一 「土屋さん…!!」
「おおーーーーっと、ここで土屋!!」
「仙道がボールを失った…!!!」
岸本 「っしゃあ!!!」
コボレ球を拾い、一気に走る。
ダム!!!
マークは福田。
岸本 「お前は相手にならん!!どけ!!」
キュキュッ!!!
単純なフェイントで、福田を抜く。
福田 「……!!!」
牧 (あっさり…)
流川、再びカバーに出る。
「2度も簡単に抜かせんな、どあほう!」
岸本 「これも読み通りや!」
ビッ!!!!
南へパス。
「また南だ!!!」
「スリー、来るか!!!?」
キュキュッ!!
しかし、仙道がすかさずチェックに入る。
南 「…!!」
「おおおっと、仙道速い!!」
「これは読んでいたか!!?」
彦一 「当たり前や!!!」
ビッ!!!
南、今度は中へボールを放り込む。
そこに走り込んでいたのは土屋。
ダム!!!
ボールをキャッチし、
ゴール下へ切れ込む。
高砂が体を寄せてチェックに入るが、
土屋は強引にゴールにねじ込んだ。
バス!!!
神奈川 11
大阪 7
大阪応援席、一斉にガッツポーズ。
「よーーーしゃあああ!! ええぞ土屋!!」
「おいおいおい、今のファウルちゃうんか!?
バスカンやで、バスカン!!!」
タイムアウト明けから、
大阪が点差を一気に5点縮めた。
神奈川のリードは4点となった。
大阪は落ち着きを取り戻した。
速い展開と、土屋を中心とした
セットオフェンスを織り交ぜた、
バランスのいい攻撃を展開する。
一方、神奈川のペースも落ちない。
大阪は流川、仙道を止められず、
神奈川の攻撃をシャットアウトできない。
こうして、点の奪い合いが続いた。
だが、
流れは徐々に大阪に傾いていた。
福田の場所から神奈川のディフェンスが
崩されているからである。
気づけば点差はわずか2点に。
神奈川 31
大阪 29
「おお、あれよあれよと…!!!」
「大阪が射程圏に捕えたぞ!!」
神奈川ベンチの高頭、
牧に声をかける。
「福田のところから徐々に崩されているな。
このまま行くと大阪に持っていかれかねん。
今はまだ浮き彫りになっていないがな」
牧、うなずく。
「確かに…。
守備を強化した方がいいかもしれませんね」
高頭が立ち上がった。
「よし! 長谷川、行くぞ」
神奈川の守備のジョーカー、
長谷川に声がかかった。
花形、ニコリ。
「一志、見せ場だぞ」
長谷川 「ああ」
シューズの紐を結び直した。
続く
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(11) リメイク版 へのコメント一覧
サンキュー、キッシ
国体編懐かしっすねー。
こういうオールスター的なのが
Kの部屋の醍醐味でした。
いま本編が代表編になって
この頃の興奮が甦ってきてるっす。
なるほど〜。
リメイク版は、内(心の声)と外(立ち上がる描写など)の両面が強化されて、実際に漫画を読んでいるかの如く、よりハッキリと、頭に絵が浮かびますね。
さて、守備のジョーカーの長谷川の出番🤗
ミッチーを追いつめた守備をここでも期待です。
20点取らないように笑笑
前後の話を見ても岸本の一人称はオレですので