ユニバ 56
東洋自 55
点差はわずか1点。
観客は興奮状態を保ったまま、
最後のピリオドを待っている。
木暮 「いやあ、凄い試合だなあ」
彩子 「みんな大活躍ですね」
晴子、グッと両コブシを握りしめる。
「スゴイわ、お兄ちゃんも宮城さんも
三井さんも、、そして桜木君も!!」
天崎 「最後の凄かったなあ、桜木さん」
荒石 「ああ、あのスリーが止められるとはな」
天崎 「何食ったら、ああなるんだ?」
荒石、腕組み。
「まあ、お前が今からそれを食ったところで
花道みたいにデカくなるわけじゃないけどな」
天崎 「…!」
(なんでそんなことをイチイチ言うんだ…!!)
ズーーーーーン
荒石 (あ、効いてる)
館内の大型モニターには、
3rdクォーターのハイライト映像。
その映像を確認しながら
ここまでの戦況を実況席が振り返る。
《第3クォーター、先手を取ったのは東洋でした。
ベテラン勢の巧みなプレイでリードを奪います》
塚本の解説。
《このへんは、完全に東洋の時間でしたね。
キャリアの差を見せるようなゲーム展開でした。
特に序盤は、このピリオドから入った与野君の
活躍が目立ちましたねえ》
そして、ハイライト映像は、
三井のプレイに移る。
道谷、興奮実況スタート。
《しかし、ここから三井の出番でした!
得意のアウトサイドシュートから、
ファウルをもらっての3点プレイまで、
すべてのシュートを決め、一気に同点へ!》
塚本、興奮解説。
《これはちょっと止めようがなかったですね。
ユニバ全体としても、河田弟のブロックだったり
藤真君のアシストだったり、絶好調でしたし。
それにしても『三井タイム』は恐ろしい!!》
道谷《しかし終盤、桜木のブロックもありました》
塚本《いやあ、あれはビックリしましたね!!》
道谷《『三井タイム』はあそこで切れましたか?》
塚本《いや、まだあると期待したいですね!!》
道谷《須藤さんは、いかがでしたか?》
須藤、少し苦笑い気味に。
《私も外角のシュートは得意な方なのですが、
あの三井君の決め方はちょっと異常ですね。
あと、会場全体を味方にしていくところは、
森尾選手のような華やかさも感じました》
道谷《須藤さんをして「異常」と言わしめる?》
須藤《ええ、それだけのプレイでしたよ》
塚本が入ってくる。
《いやいや、須藤君も負けてないでしょ》
これには須藤、虚を突かれた。
《え…!? いやあ、なんというか…》
道谷、笑顔で、
《実況席も盛り上がったところで、
いよいよラスト、第4クォーターへ移ります!》
須藤(すごいパスだな、予測できなかった…)
そして
「さああーー、来た来たああーーー!!!」
「ラスト10分、勝負の第4クォーター!!!」
両軍のメンバーがコートに入ってくる。
東洋自動車
PG/1.棟川公紀(178cm/70kg/32歳)
SG/9.森尾毅彦(190cm/77kg/29歳)
SF/22.C・オズボーン(201cm/100kg/29歳)
PF/99.桜木花道(198cm/98kg/19歳)
CF/10.R・デビッドソン(203cm/105kg/28歳)
ユニバーシアード日本代表
PG/4.牧 紳一(186cm/85kg/深体大4年)
SG/9.三井 寿(186cm/71kg/拓翼大4年)
SF/15.沢北栄治(191cm/86kg/G・ワシントン大2年)
PF/6.河田雅史(200cm/98kg/深体大4年)
C/13.森重 寛(208cm/110kg/青学大2年)
両軍ともスターティング・ラインナップに
少しだけ変化を加えたカタチの布陣。
観衆は、このピリオドにも
三井寿がいることに対して大喜び。
「おおおおーーー!! 三井だ!!!!」
「まだ三井タイムは終わってないぜ!!!」
「「「 三っちゃあああーーーーん!!! 」」」
桜木 「ぬ?」
「三井!! もう一度見せろ!!!」
「桜木に負けるなーー!!!」
三井、手を腰に当て眉間にシワ。
「ったく、勝手なもんだぜ、観客は…」
桜木 「……。」
(プロとして、この状況は変えねば)
弥生 「ちょっとマッチアップも読めないわね」
彦一 「桜木さんは三井さんにつくんやろか…」
町田 「俺は違う組み合わせが楽しみだけどな」
弥生、ニコリ。
「そうね、私もそれを見てみたいわ」
3人の視線の先には、森重寛。
4thクォーターは、
東洋自ボールからスタート。
ハーフライン外に、森尾が立つ。
レフェリーからボールを受け取る。
その森尾の前には、三井。
おそらくこのスローインを受け取るのは
司令塔の棟川。
棟川の前には、牧。
オズボーンの横には、沢北、
デビッドソンの横には、河田雅、
そして、桜木の横には、森重。
彦一 「来た!!!!!!」
町田 「桜木vs森重!!!!」
弥生 「唐沢監督も演出家ね!」
ユニバベンチ・唐沢、ニコリ。
「みんな未来にプロになるメンバーだ。
こうやってお客さんの期待に応えるのが
プロの仕事だろうからな」
陸川、ニコリ。
「予行演習ですか、味なコトしますね」
唐沢 「それと…」
陸川 「…?」
唐沢、腕組み。
「あの桜木、どうにも一筋縄にはいかない。
こちらも怪物をぶつける必要がある」
『ビビーーーーーーー!!!!!!!』
4thクォーター、スタート。
ビッ!!!
森尾のスローイン、棟川が受け取る。
棟川、一本指を立てる。
「さあ一本、行こう!!!!!!」
道谷《始まりました!!!》
塚本《見どころ満載ですよ、ラスト10分!!》
東洋自は、勝負の4thクォーターで
本来のエースセンター・杉山ではなく、
ここまでいい流れを作り続けている桜木が
コートに立っている。
その桜木の勝負から、
このピリオドは幕を開けた。
「来た!!! コーナーで桜木!!!」
「アイツが1対1を仕掛ける形だ!!!」
コーナー付近でボールを持つ桜木。
そこに対峙する、森重。
荒石 「おっと、いきなり来たか!!」
天崎 「桜木さんと森重さんの勝負!!」
荒石 「お前にとっちゃ、どっちも先輩か」
天崎 「そうなんだよ、ワクワクするよ!」
(どっちにも負けてほしくないなあ…)
道谷がこの対決を説明。
《この二人は高校時代に何度も対決しています。
また、ともに全国制覇のキャリアを持っています》
塚本の解説。
《この二人の勝負は面白かったですよねえ。
大学での再戦がないので寂しいと思っていたら
こういう舞台で、対決が実現するとは》
道谷《注目の1対1です!!!》
桜木、完全に1対1を仕掛ける構え。
森重以外のユニバディフェンスは特に動きなし。
塚本《これは、森重君に任せますね!》
桜木 「行くぞ、デカ坊主」
森重 「いいよ」
ダム!!!!!
桜木、発進。
「行ったあああーーーーーー!!!!!!!」
キュキュッ!!!
森重、動く。
宮城 「お!」
赤木 「…!!」
赤木や三井が見せた、大きく下がる動きではなく
横をついていく形を選択。
宮城 (そう来たか!)
赤木 (それで桜木を止められるのか…!?)
止められなかった。
桜木、ワンドリブルからの
1歩、2歩で、森重の横を抜き去る。
荒石 「抜いた!!!」
天崎 「おおおおおーーーー!!!」
バス!!!!!
桜木、レイアップを決める。
ユニバ 56
東洋自 57
「決まったああああーーーーーー!!!!!」
「桜木が1対1を制した!!!!」
「やはりあのスピードには、さすがの森重も
ついていけないか!!!!」
道谷《スピードでは、やはり桜木でしょうか!》
塚本《今のを見る限り、そうかもしれませんね!》
桜木、ガッツポーズ。
「っしゃあああーーーーーー!!!!!」
バチン!! バチン!!!
外国人コンビとハイタッチ。
「Yeah!!!!!」
桜木 「ヤーー!!」
荒石 「まずは花道が1本獲ったか」
天崎 「なんで引かなかったんだ、森重さん…」
荒石 「ああ、何かあるぜ、あれは」
天崎 「………。」
東洋自が4thクォーター最初の攻撃で逆転。
そして、続くユニバの攻撃。
道谷、東洋自ディフェンスを確認。
《牧には棟川、三井には森尾がつきます。
沢北にはオズボーン、河田兄にデビッドソン、
そして……》
「おおおおお!! こっちも一緒だ!!!」
「攻守でこのマッチアップ!!!!」
道谷《森重には、桜木です!!!》
彦一 「待ってましたああーー!!!!」
弥生 「宇野監督もニクイわね!」
宇野 「さあ、桜木、やってみろ」
杉山 (森重は本物だぞ、桜木)
森重、
ローポストで場所を獲りに行く。
ゴールに背を向け、桜木を背負う体勢。
「おおお、真っ向勝負のゴール下!!」
「森重はパワー勝負に行くぞ!!」
棟川が声をかける。
「桜木、ディナイだ!! お前のスピードで
森重へのボールを遮断しろ!!」
ギン!!
桜木 「断る!」
棟川 「…!!?」
森尾 「桜木……」
桜木の目が光る。
「コイツはさっきスピード勝負を受けた。
俺がパワー勝負から逃げるわけにはイカン」
森重 「……。」
棟川 (桜木……)
牧、ニコリ。 「そういう奴ですよね」
棟川 「ったく、しょうがない…」
三井 「っし、牧、行くぜ」
三井から牧へボールが渡る。
牧 「っし、一本行こう!!」
4thクォーター、
まずは、桜木がスピードで森重から一本先取。
そして、今度は森重がパワーで桜木に挑む。
続く
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(846) へのコメント一覧
森重との因縁の対決、既に次週が楽しみです!!
パワー勝負ならまだ森重かもしれないけど花道がどこまで対抗できるか楽しみですね!
チームではユニバを応援したい…
ん〜複雑です…
桜木VS河田(兄)
桜木VS赤木
桜木VS三井
桜木VS森重
この展開は最高ですね!
本当にどちらが勝つのかわからないので続きが楽しみです。
なんか、スゲー展開ですね。
勝負所で爆発力のある三井と桜木を続行!
ミッチーは爆発力もあるし神と同等では?
桜木VS森重非常に楽しみです!
森重と花道のインサイドコンビ見てみたいですね🎵
素人だけど注目の対決です!
いつもありがとうございますです!
(判りませんが)将来的に本場でも大丈夫そうですね。
…勝負を避けられまくってきた森重は、真っ向勝負してくる桜木を強く意識しているからこそ引いて守らなかったんでしょうね。
二人の勝負、楽しみにしてます。
ところで、
Year…イヤー。年。
Yeah‼︎なのでは?…
黒人相手との練習でさらに強くなった花道なら森重とやり合えるような気もするが…。
でもユニバに勝って欲しいような…。
複雑!!!!
正解です!
呼応した牧もどんな顔で言ったか
目に浮かびます
多分 文面のそとで
神 ニコリ
佐渡 ほう
てのがあったかも
ゴリはどう思ったのかな
空想が無限に広がっていきます
本当に楽しすぎます。いつもお疲れ様です
ジョジョといい、花道といい、
『断る』
が格好良過ぎる。
※どっちが、先に相手を止めるか、楽しみです
いよいよ、花道vs森重!
もう楽しみしかない(//∇//)
新旧神奈川MVPコンビだ!
花道、今度はデカ坊主と勝負‼️
楽しみです。
にしても…花道~棟川さんに…「断る!」…と😅
恐いもの知らず…と言うか、花道らしい…と言うか(笑)
神に代わると思ったのに、これはこれで熱い。
それとも、誰にも見せてないモノを見せてくれるのか?
この勝負が一番見たかった!!
ちなみに、
東洋自がリードを3点に広げた。
とありますが、1点差で東洋自が負けていたので、逆転ですよね!
リード開いてないっす逆転っす(^^;
得点が三点リードではなく逆転して一点のリードではないでしょうか?
逆転!!
自分の中での
ユニバスタメンは
このメンツでした
同じく!
あーもうたまらん😂
ここで桜木VS森重きましたか!
さらに成長してる2人の対決は見ものですねー✨
この対決も見たかった!
これが一番自然で感動しました!
高校時代の森重は監督の影響かスポーツマンらしからぬ所がありましたよね。
スピード勝負にあえて挑む姿がバスケットマンとしても人間としても成長した様に見えます。
花道VS森重
外国人選手と切磋琢磨してる花道なら、もう森重にパワーで負けることもないのかな。それとも森重が更にパワーアップしてて花道は素直に敗けを認めて自分の持ち味で勝負に挑むのかな?と妄想が止まらない(o^O^o)
対森重楽しみです!
Kさん感謝しかない!
二人とも日本代表に入ってほしいから、どちらかが圧倒される展開は誰も望んでいないような、、
んだけど、
んだけど、だからこその裏切りがあるんだろうと思うんだけど、でも負けると思えない…
ダンコ桜木…久しぶりに待ってたぜぇ‼️
っす
クライマックス近いのかな?と思うけど流川はどこで出してくるのか。この三人のストーリーのKさんなりの結末を楽しみにしてます!!
読者の期待を裏切らなさすぎ(´ω`)
だから森重が勝って、4クオーター残り数分で花道が止めるパターンが望ましいですね(  ̄▽ ̄)
おそらくこの会場に流川がきてると予想
流川来てて欲しいけど、ユニバ蹴ったんですよ。花道がいないから…
ポジション争いの大事な時に観戦しに来る様ならNBAではやって行けないかと…
きっと中継とかニュースとか新聞とか見ながら花道頑張れって思いながら流川はもっと練習頑張ってるのかなと…。
森重は、横幅もあるので、直線的なカットインの場合、抜く際は大きく回るか大体は森重の身体に接触してのカットインとなる為、桜木はそこまでスピードを出すことができない。
その為、抜かれても周りがヘルプいきやすいし、森重が桜木のスピードに慣れれば、森重もディフェンスできてくるはず。
逆に下がって守ると、桜木にスピードを出させる形になる為、ヘルプもそう簡単にいけないし、桜木にはミドルシュートもあるので、下がる方が守るのはキツい。
くっつく形で接触させ、桜木の体力を消耗させることで、終盤この守りの意味がでてくるかも。
最高です!
オフでも日本には帰らねーよドあほー
BSもあまり普及していない時代だろうし(今は楽天オンリーですが)
外国に住んでいる人が、日本の番組を見るのは、困難だったのかもしれませんね。
だから、日本での試合に興味があるなら、
流川も会場に来ているはず・・・。
流川が、彼らの成長ぶりを、どう見るのか知りたいですね。
特に終生のライバルを。
でも、
ストーリー的には、
もちろん流川が会場に来ていても面白いでしょうし、
来ていなくても、面白いでしょうね。
Kさんの筆やいかに!
楽しみですね〜