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  • 2019年05月28日18:22

嗚呼、NBA名選手/ジョン・ストックトン

どーも!!

NBAドラフトで日本人が指名されるその日が
楽しみで楽しみで仕方がない、編集者・Kです。

一部では「八村とウルブスは相思相愛?」
なんていう報道も出回っていますね。

おいおいおい、
わしの大好きなデリック・ローズと八村が
同じチームになるかもしれないって…!?

そいつぁすげえや! ドキがムネムネだぜ!


出だしから微妙に滑ったところで、

さてさて、その八村塁は米国・ゴンザガ大で
大活躍したことでNBAへの道を切り拓こうと
しているわけですが、

「ゴンザガ大」って言ったら、なにはともあれ
この人でしょう。この人しかいないでしょう。

てことで、NBA名選手コラム
今回はゴンザガ大出身の選手をピックアップ。

※若干強引に本題に繋ぎました!!!


なんなら「ゴンザガ大を有名にした人」と
いってもいいかもしれないですね。


元ユタ・ジャズの名ポイントガード、
ジョン・ストックトン、その人です。




「 ゴンザガ大のストックトンか?
ストックトン大のゴンザガか?」


いまから35年前、1984年のNBAドラフトの際、
こんなジョークが米国で流行しました。

ユタ・ジャズが1巡目16位で
ゴンザガ大のストックトンを指名した時、
多くの人間が、

「ストックトンって誰?」
「ゴンザガ大って何処?」

となり、
上記のようなジョークが誕生したのです。


そのくらい、選手も大学も無名だったんですね。

このジョークは結構有名で、
日本でのNBA放送でも、度々アナウンサーが、
「学生時代は無名選手で、ドラフトの際は
こんなジョークが……」なんていうマメ知識を
視聴者に提供してくれたものです。


因みに、この年のドラフトは
「最も好プレイヤーが揃った年」とも言われており、
ジョーダン、オラジュワン、バークレーといった
のちのスーパースターが上位指名を受けています。


まさか、この名前も出身校も無名だった
ジョン・ストックトンも、そのスーパースターの
仲間入りを果たすことになるとは、この時は誰も
予想できなかったことでしょう。


その無名選手、ストックトンですが、
わしは彼をこう表現したい。


世界一“地味にスゴイ”選手である、と。


※少し前の石原さとみさん主演の
ドラマのタイトルからパクリました(笑)


まあ、雰囲気的には地味な人でしたよ。


身長は6フィート1インチ(約185cm)、
NBAの世界では当然小柄な部類に属し、

黒髪の白人で特に筋骨隆々でもない(体重80kg)、
ウエストブルック的な身体能力オバケでもない、

髪型もそのへんのお父さん的な素朴な感じで、
スキンヘッドでも編み込みでも何でもない、
セットすらしてない七三分け的なスタイル、

試合中に笑顔を見せることはほとんどないし、
ガッツポーズすらほとんど披露しない。


プレイも同様です。

マジックのような派手なパスをするわけでも、
アイザイアのような超絶テクを見せるわけでも、
カリーのようなアウトサイド爆撃機なわけでも、
ありません。

そういう派手さはどこにもありません。


彼はごくごくシンプルに、
正確にゲームを作り、正確にドリブルし、
正確にパスを送り、正確にシュートし、
正確にディフェンスをする、
そして怪我をしない、

そういう選手なのです。


ただ、全ての精度がハイレベルであり、
全くといっていいほどミスをせず、

そうしてコツコツ積み上げた数字は、
最終的に途方もない記録を残すことになります。


通算アシスト数:15806(NBA史上1位)
通算スティール数:3265(NBA史上1位)
通算FG%.515(NBAガード史上4位)
平均アシスト最高記録14.5(NBA史上1位)
シーズンアシスト王9回(NBA史上1位)
シーズンアシスト最高記録:1164(NBA史上1位)


まだまだあるのですが、もう十分に
とんでもない記録保持者であることは
伝わったでしょうから、このへんで切り上げます。

彼は、NBA史上最も多くアシストを記録し、
最も多くスティールを記録した男です。
この時点で、もう異常ですよね(マジで)。


昔、ちょうど92年ドリームチーム絡みで
NBAの話題が盛り上がっていた時、
専門誌でこんな記事を見たことがあります。

「マジック・ジョンソンはバスケの世界を変えた
史上最も偉大なガードだが、そのスーパースターの
一番大切な記録を、素朴な青年が破ろうとしている」


NBAを人気競技に持ち上げた最大の功績者とされ、
史上最高のPGの1人に数えられるマジックは、
ストックトンが登場するまでは通算アシスト数の
記録保持者でもありました。

華やかなスーパープレイの数々だけでなく、
数字の上でも彼は特別なスターだったんですよね。

が、そのマジックの偉大な記録を、
この小さくて地味なガードが超えようとしている、
それをある種「事件」的に報道したのでした。


通算15,000超アシストってホントに
とんでもない記録なんですよ。

歴代2位のジェイソン・キッドが11,842で、
通算10,000を超えている選手は、他に
マーク・ジャクソン、マジック、ナッシュの
3人しかいないんですから。

これはチェンバレンの「1試合100点」と並び
二度と破られない記録になりそうな予感です。


彼がかくも多くの数字を作った理由は、
皆さんもご存知のことでしょう。

稀代のスコアラー、カール・マローンが
同じチームにいたということが大きいですね。

この偉大なフォワードはストックトンのパスを
ことどとく得点に繋げてくれましたから。

※アシストというのは「得点に繋がるパス」
ですから、いいパスを何本送っても、受け手が
スコアを記録しなければ、アシストは増えません


そして、それは逆も然りでして、
マローンがNBA歴代2位となる通算36,928得点を
記録できたのも、彼に正確無比なパスを
送り続けてくれるストックトンがいたことが
最大のポイントになるでしょうから。


「バスケットボールの基本は2対2」という
指導者は多いです。2対2の精度を高めるのが
オフェンスを成功させる秘訣だという理論。

ストックトンとマローンを見れば、
なるほど頷けるものかもしれません。


NBAの放送を見てて、何度

「ストックトンからマローン!!!!」

「ストックトン、ストックトン、
そして、最後はマローン!!!」

こういう実況を聴いたことか。



ホント、ふっつーーの、ごくごくふっつーの
ピック&ロールなんですよ。やってることは。

マローンが、ストックトンのディフェンスに
スクリーンをかけ、ストックトンがドリブル、

そのあと、開いたマローンにパスをするか、
ストックトンが自分で行くか、

基本、これだけです。


ただ、まあこれが止められないのですよ。
わかっちゃいるけど止められない。


ある程度目が肥えたいま、映像で見てみると、
やっぱり凄いんですよ。

ほんの一瞬、わずかコンマ何秒でしょうが、
パスのタイミングを絶妙にコントロール
している感じがあります。

ディフェンスが反応しづらい完璧な「間」で
プレイしている感じがあるんですよね。

※ゴメン、次元が違い過ぎるから
わしは「〜している感じ」としか言えん(笑)。


それを生むのは、彼の「決定力」かなと。


ここまでアシストのハナシばかりしてきましたが、
この人、自分で点を獲りに行く時の恐ろしさも
天下一品なんですよ。

大事な一本をものすっごい確率で決めるんです。

昔、波紋を呼んだ(笑)わしの記事でも
そのことは書かせてもらいました。
⇒ご参照「PGというポジション」


これまで述べてきたように、とにかく地味な
雰囲気の選手なんで、勝手にみんなが
「黒子に徹するポイントガード」のような
イメージを持ってしまっているのですが
(特にリアルタイムで映像を見ていない方は)、

ストックトンは決してパスに徹する裏方では
ないんですよね。


こちら(外部サイト/英語)に生涯スタッツが
載っていますが、かなり点獲ってますからね。

1試合平均で15点くらい獲るプレイヤーなんです。
同じチームにマローンがいながら、ですよ。
世界一アシストが多い選手ながら、ですよ。


特に勝負の時間、いわゆる「クラッチタイム」は
マローン以上に怖い存在になります。

猛烈にプレッシャーがかかる場面でも、
彼はやっぱりいつも通り正確に決めるので。
その精神力たるやジョーダン級といっても
過言ではないんじゃないかなあ。


わしは根本的に「点を獲れる選手が優秀」と
思っている男でして(ポジションに関わらず)、

「自分で点を獲る選手より、パスをして周りを
活かす選手の方がいいガード」という
論調があまり好きじゃないのですが、

このストックトンの実績は、わしの考えを
説明する際によく使わせてもらっています。


あのピック&ロールの異常なまでの成功率は
ストックトン自身の強烈な決定力が大きな要因に
なっているのは間違いないと思うんです。

彼を空けたら決めてしまうんですから、
対応せざるを得ない。でもマローンを空けても
パスを通されてやっぱり決められる。

だからこそ、あの2対2が決まるんだと思うんです
(わりと当たり前の考え方ですが)。


でもね、
やっぱり決め方も地味なんです(笑)。

普通に外角シュートを撃つか、
普通にレイアップを決めるか、
基本的にこの2種類ですから。

アクロバティックなダブルクラッチとか、
低身長ながら豪快に決めるダンクとか、
物凄い距離のスリーポイントとか、
タフな形からねじ込むフェイダウェイとか、

そういうのはないですから。

普通のシュートを外さない、
これが彼の得点の積み上げ方ですよ。


無駄なことせず、ミスもせず、
自身の得点力をバックヤードに持ちながら
味方に正確なパスを配給し続ける、

素晴らしいポイントガードです。



そんな彼のハイライトを挙げるとするならば、
二つありまして、


97年プレイオフ・西地区決勝(GAME6)、
初のファイナル進出を決めるブザービーター

あの寡黙なストックトンが
はじめて感情を解き放った瞬間、






98年ファイナル(ジョーダンとの決戦・二度目)、
GAME1のオーバータイム、

クラッチタイムの強さを見せる、
勝負を決めるワンハンドジャンパー






やっぱり彼自身が決めたシーンになるかなあ。
凄い勝負強さだったから。


実は、地味な風貌とは裏腹に、
裏ではコソコソと肘をぶち込んだり
ダーティなことをやっているらしいですが
(デニス・ロッドマンらの証言によると)、


それも含めて、彼はやっぱり
「地味に凄い」の頂点なんじゃないかな、と。


よくありがちな
「玄人ならクオリティの高さが分かる」
「素人には分からないだろうが、実は凄い」
みたいなハナシじゃなくて、

しっかり数字の実績もあるし、
上記ムービーのように、勝負を決める
ビッグプレイも何度も記録しているから、

ちゃんと「地味に凄い」ことが分かる点でも、
彼は素晴らしい選手ですよね。


以上、ジョン・ストックトンのお話でした。


最後に贈る映像は、
やっぱりマローンとのピック&ロールで!
オーソドックスながら、止められないんです!
(3本目のパスなんかマジで絶妙だと思う)








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嗚呼、NBA名選手/ジョン・ストックトン へのコメント一覧

  1. 1.
    • 往年のファン
    • 2019年05月28日 18:33
    まさに古き良きピックアンドロールですねえ。
    この二人は局長と配達員なんて言われてましたよね笑。
  2. 2.
    • ちゃりだー
    • 2019年05月28日 19:13
    そのギャグ、15年じゃなく35年前だぜ、Kさん💦
    1984年💦
  3. 3.
    • 編集者・K
    • 2019年05月28日 19:22
    >>2
    ありゃ!
    何をどうして間違ったんだろう…
  4. 4.
    • 13番
    • 2019年05月28日 20:56
    まさにキングオブピックアンドロールですね
    バスケット経験者なら一度は教えこまれたはずw

  5. 5.
    • dicek
    • 2019年05月29日 00:51
    ストックトン、98年当時ミーハーだった自分はやはりスター軍団のブルズのファンだったので、なんでこんな地味なおじさんにジョーダンやクーコッチ、カーが抑えられるのか、嫌な存在でした!笑
  6. 6.
    • 裏ではした
    • 2019年05月29日 08:37
    • 5
    真面目なおじさんみたいな風貌で、実はえげつなかったようですね笑
    今は風貌通りの地味な生活をしているらしいですが。
  7. 7.
    • 名古屋の監督
    • 2019年05月29日 12:19
    彼の右肩からほおられるシュートは当時度胆を抜かれましたね。

    ≪何故それが入る????≫

    みたいな感じで・・・笑

    時が経過して私のチームにも190センチ近い身長でありながらシューターで右の腰あたりから3Pを打つ選手が加入したのですが、まーこれがよく入る。

    フックやフローターシュートしかりですが、昔はなかった・・・というかメジャーじゃなかったシュートが台頭しているバスケ界を見ると、自分の体の真ん中からじゃない、右・・・や逆の手の外側から投げられる3Pとかがそのうち出てきそうですね。

    その時に・・・

    そのシュートを最初に放ったのは何を隠そうジョン・ストックトンなのである!!

    ってなったら胸アツですね(^^)
  8. 8.
    • zaku
    • 2019年05月29日 22:33
    • 5
    当時のJAZZのピックアンドロールは誰が見ても止められないオフェンスでしたね。ただ、オフェンスと同じくらいディフェンスの評価も高い選手ですよね。でも「実は世界一ダーティーな選手」ということもよく言われていましたね。個人的にはダーティーな部分も含めて本当にすごい選手だったと思います。
  9. 9.
    • 阪神ファン
    • 2019年05月30日 13:00
    キターーー
    大好きなんす。ストックトン。
    Kさんと同じ歳の私ですが、中学校くらいのときにみた
    ドリームチームの中で、ひときわ地味な彼がいました。
    そこから興味を持ち、ジャズを好きになり、マローンとの
    コンビにマジ絶叫したのを思い出しました。
    まさかストックトンをKさんに紹介してもらえる日がくるなんて
    マジうれしかったっす
  10. 10.
    • パデュー
    • 2019年05月31日 10:01
    ストックトン、マローンが揃ってオールスターMVPとった年もなかったかなぁ?
    ピック&ロールはジャズの試合を見て覚えろ、と言われてたし(笑)
    あと速攻も凄かったですよね!
    マローンもう走ってるの?みたいな。
    で、それにことごとくフィードするストックトン(笑)
    ホナセックとのバックコートは最強ならぬ、最恐だと思いながら当時見てたの思い出しました。
  11. 11.
    • 47歳現役
    • 2019年05月31日 20:40
    さすがストックトンの巻、次のスラダンの続きに食われてコメントも少なめなあたりが地味な感じでいいですね。僕は大好きでした。定かじゃないんですが、ストックトンからホナセックにツーバンのパスが通ってシュートを決めたような記憶があるんですが、意図したツーバンなのか、違うのかわかんないけど、スゴイなパスだと思いした。
  12. 12.
    • イルガスカス大好き
    • 2019年06月03日 08:33
    こいつら程反復練習の効果を実感する選手はいない。まるでコートの木目すら目印にしてそうだ。
  13. 13.
    • yunbo
    • 2019年06月03日 11:15
    僕は88年に中1でバスケ部に入って、89年にユタにホームステイしてるんですが、それもあってストックトンには思い入れがすごくあります。電気スタンドにアメリカで買ってきたジャズのステッカー貼ってました(笑)。
    でもマローンじゃなくてストックトン、もしくはストックトン&マローンなんですよね。
    一番好きな選手です。当時連載中だったスラムダンクでも、誰がストックトンかなとか思ったもんです。あと、試合を見てると、ストックトンとマローンのメイトを超えた友情にも思いを馳せてしまうんですよね。今も仲良かったりしたらいいなあ。
  14. 14.
    • なお
    • 2019年06月04日 18:30
    • 5
    初めまして。
    ストックトンが大好きで彼の著書まで買ったので、取り上げてくれて嬉しいです。

    ところで、通算10000アシストはナッシュも越えてます。(他にもいたかも)
  15. 15.
    • 編集者・K
    • 2019年06月04日 18:35
    >>14
    いま調べたらそうでした!(わしが見たデータが古かった!!)
    お知らせ、ありがとう!!




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