NBAファイナル2019、
ここ数年「絶対王者」的に君臨する
GS.ウォリアーズに立ち向かっているのは、
初のファイナルとなるトロント・ラプターズ。
アメリカ本国ではなく、
隣国のカナダを本拠地とするチームが、
いま世界一に王手をかけています。
※アナタがこの記事が読む時間によっては、
もしかしたら優勝しているかも…!!??
いや〜、ラプターズがファイナルに来る日が、
やってくるとはなあ。
わしはこのチームが誕生した時のことも
よく覚えているので、彼らのファイナル進出は、
なかなか「しみじみ」来るものがあります。
最初は新興チームで全然パッとしなくてね。
リーグ下位の常連でしたよ。
あまり派手なプレイヤーもいなかったし、
そもそも米国ではなくカナダの球団だし、
正直、不人気チームの一つだったと思います。
そう、あの選手が入団するまでは。
今回取り上げるのは、
ヴィンス・カーター。
本拠地とそのプレイにちなみ
「エア・カナダ」という異名を得た名選手。
今期ファイナリスト、トロント・ラプターズの
歴史のなかで、絶対に外せない選手でしょう。
さて、このカーターですが、
彼もまた、このコラムで何人か出てきた
「ネクスト・ジョーダン」の1人です。
出身がジョーダンと同じノースカロライナ大、
つまりジョーダンの直接の後輩ということに。
そして、身長もジョーダンと同じ198cm、
そしてそして、
得意なプレイは「スラムダンク」。
そう、このスラムダンクが、凄かった!!!
彼がプロデビューしたのは1998年なので、
日本人の多くが「スラムダンク」という言葉を
知っています(理由は不要ですよね?)。
えらいド迫力でぶち込むダンクのことだよね、と。
晴子さんがそう言っていたよ、と(笑)。
「で、実際、スラムダンクって
どんなダンクなんだろう?」
という問いに、100点満点の回答を示した男
といっていいんじゃないでしょうか。
個人的には、史上ナンバーワンですね、
彼のスラムダンクは。
それまでも、ドミニク・ウィルキンス、
ラリー・ジョンソン、このコラムでも紹介した
ショーン・ケンプ、そして勿論ジョーダンと
迫力満点のダンクを見せる選手はいましたが、
そのいずれよりもカーターのダンクには、
エンタテインメント性がありました。
※ドクター・Jはちょっと記憶の範囲外
見る者をいつも意識していたんでしょうね。
試合中でも、たびたびウィンドミルや360度を
見せてくれる選手でしたから。
バケモノ度でいえばケンプの方が上でしょう、
華やかさではジョーダンを凌ぐ者はいない、
破壊力ではドミニクのダンクが最高かもしれない、
でも、面白さ、っていうとヘンだけど
一番「もう一度見たくなる」のは、やっぱり
カーターだったんじゃないかなあ。
繰り返しになるけど、ホントのホントに
エンタテインメント性満載だったから。
そんな彼は、オールスターゲーム(2000年)の
スラムダンクコンテストでも勿論優勝しました。
このコンテンスト、「高い」とか「速い」だけじゃ
全然優勝できなくて、アスリート能力と共に
「発想力」的なものも大いに要求されます。
普通に凄いダンクを決めただけじゃ
誰も喜んでくれないんですよ。
で、目隠ししたり、側転したり(あれは笑った)
あの手この手をみんな考えてくるんだけど、
当時でも、もうネタは出しつくされた感があり、
さてどうする? なハナシだったんだけど、
そんななかで、
カーターは割りと正面突破だったんですよね。
「俺は誰よりも高く跳べる!」
「俺は誰よりも浮いていられる!」
「俺にアイデアは要らない」
とばかりに、高く跳び、長く浮き、
強烈なインパクトのダンクを連発。
満点を取った3本は全部凄かったなあ。
※個人的には肘でリングにぶら下がったやつ
が好きです(エルボー・ハングと言うらしい)。
そして、
彼は当然のように五輪代表(2000年シドニー)にも
選ばれるのですが(背番号はジョーダンと同じ9)、
その舞台でもまた、とんでもないダンクシュートを
披露してくれます。
人呼んで、「人間越えダンク」。
シドニーで行われたこの五輪、
フランス代表との一戦で、彼は歴史に残る
スーパープレイを見せてくれました。
相手のパスが乱れ、カーターの前に来る。
ハーフラインあたりでキャッチしたカーター、
リングへ一直線に突き進む。
眼前には、218センチの相手センター。
カーター、どうやって彼をかわすのかと
思ったら、なんとこのビッグマンを
「飛び越えて」ダンク!!!
まさか、
右でも左でもなく、上にかわすとは…。
記事下に動画を貼っているので、
是非ご覧を(ホントに飛び越えたのよ)。
いやあ、なんて凄いダンカーなんだ。
史上最高と呼んで、差支えナシだわ。
さてさて、
そんなダンクアーティストのカーターですが、
彼は意外や意外、この手のタイプの選手では
非常に息の長いキャリアを歩みます。
※まだ引退してないんだよね、確か?
(凄いよ、ホント!!!)
抜群のアスリート能力を武器にする選手って
身体能力がピークを過ぎたり、怪我したりすると
中堅以下に落ちることも少なくないのですが
(ショーン・ケンプなんかまさにその典型)、
カーターは見事なスタイルチェンジにより、
長年にわたってリーグの名選手として
活躍し続けます。
ド派手なダンクのイメージが先行しつつ、
実は外角のシュートが上手かったんですよね。
そして、強い心臓も持っていたんです。
そういえば、
さながら「アイバーソンの大冒険」だった
2001年プレイオフの東地区セミファイナル、
カーターは「ダンカー」としてだけでなく
「シューター」としてもチームを引っ張り、
アイバーソンと共に、あのドラマチックな死闘の
主役となりました。
当時既にリーグ最高のスーパースターだった
アイバーソンに、キャリア3年目のカーターが
真っ向勝負で立ち向かう様には驚きましたよ。
まさか、素材の強さとダンクだけじゃなく、
ここまで勝負強く、ゲームを牽引できるまでの
男だったとは…、と。
最終的に第7戦で敗れるのですが(1点差!)、
あの劇的なゲームを経て、カーターは
「凄いダンクの若手」から「真のスター選手」、
そう「ネクスト・ジョーダン」のひとりに
躍り出た、と思っています。
ってことで、若いうちから、
身体能力以外でも凄さを見せていたんですよ。
特に外角のシュートが上手かったのは、
のちのキャリアにかなり効いてきます。
ベテランの域に入ってからは、
土壇場で頼れるシューターというイメージの
ほうがむしろ強いでしょう。
マブスにいた頃なんて完全にそうでしたよね。
マブスのエースは御存知ノヴィツキーですから、
カーターは脇役になります。その脇役の範囲で
アウトサイド中心にでいい仕事をした印象です。
2010年以降くらいからNBAを見始めた方は
「カーターは昔最強のスラムダンカーだった」
って聞くと、ビックリするかもしれませんね
(そりゃねえか、有名だもんな、あのダンク)。
ということで、
長年にわたり、NBAの舞台で活躍する
カーターですが、
でもまあ、やっぱりダンクでしょう。
カーターと言ったら「スラムダンク」です。
アリ・ウープ、ウィンドミル、
トマホーク、360度、ダブルクラッチ、
レッグスルー、エルボー・ハング、
そして、人間越え、
あのダンクの数々、忘れられないなあ。
いまファイナルの舞台に立っている
トロント・ラプターズ、
このチームの最初のスーパースターは、
歴史に残るダンク・アーティストです。
是非、彼の若き日のダンク、見てください。
ではでは。
跳んでるねえ、回ってるねえ!!
叩きつけてるねえ!!ベスト10
↓
人間が人間を飛び越えた瞬間!!
(五輪映像はこのまま再生できないので、
クリックした後「youtubeで見る」を
押してください)
↓
伝説のスラムダンクコンテスト!!
↓

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嗚呼、NBA名選手/ヴィンス・カーター へのコメント一覧
カーターのダンクはエグかったっす!
そして今だに現役でプレーを続けていますからねー!
来年も現役を続ける表明が出ましたよ。
ただし、最近のはやりの通り、来年で終わりだ!って発言もしてます。
チーム決まってないですが、早く決まる問ですね。
私はアトランタ在住なのでホークスが再契約しげくれて、八村くんが来たらいいなと夢見てます。
いま調べ直したらフランスだった…!!
恥ずかしい!!
それくらいヴィンサニティのダンクは、衝撃的でカッコ良かった!もちろんヴィンサニティポーズも!!!
オフェンス的にはかなり強力なディオでしたね〜
正直キャリア初期の姿からはここまで息の長い名選手になるとは予想もつきませんでした。
あと一年で見られなくなるのは今からもう寂しいですね…
あのシクサーズとの第7戦に勝ってたらどうなってたのかな、、なんて妄想します。
個人的にはゴール下へのビハインドバックパスも好きです。
私個人的には、全盛期の時のジョシュ・スミスのトマホークダンクが好きでしたね。
スティールからの速攻でのレブロン・ジェームスのダンクもかっこよすぎます。
昔、ボードがガラス(?)の時のシャックがボードを壊すダンクも、衝撃でしたけど。
ダブルクラッチでダンクとかありえない!
ダンクなら今までで一番です。
今後ザイオンウィリアムソンが魅せてくれるダンクも楽しみです。
マグレディとのカズンコンビのダンク、キッドとの
結局それが長い現役生活につながってますよね。