ユニバーシアード開幕まであと2週間。
代表チームは最後の合宿に入っていた。
ダム!!! キュキュッ!!!
「へい、コッチ!!!」
「ハイハイハイ、空いてる!!!」
バス!!!!
「オッケーーイ!!!!!」
1か月前の「リアル対ドリーム」を戦った12人が、
来たるべき決戦に向けて汗を流している。
唐沢監督、陸川副監督とも、
その仕上がりには手応えを感じている様子。
唐沢 「表情もいい、コンディションもいい」
陸川 「いい大会になりそうですね」
今回のユニバーシアードは出場16チームを
4つのリーグ(今大会では「プール」と呼ばれる)
に分けて、1次リーグを実施。
各組の上位2チーム(計8チーム)が
決勝トーナメントに進み優勝を争う形式。
開催国の日本はプールAに入っている。
プールA
日本、ドイツ、ノルウェー、ナイジェリア
プールB
アメリカ、クロアチア、オーストラリア、チェコ
プールC
アルゼンチン、ロシア、セルビア、ポーランド
プールD
スペイン、カナダ、イタリア、ウクライナ
優勝候補は、当然ながら
「ドリームチーム・ジュニア」ことアメリカ代表。
日本は1次リーグを首位で突破すれば、
おそらくアメリカとは決勝まで当たらない。
欧州、アフリカの強豪が入る楽でないグループだが、
なんとか1位で決勝トーナメントに進みたい。
彦一 「厳しい組み合わせや…、開催国なのに」
弥生 「中でも最大の敵はドイツね、間違いなく」
週刊バスケットボール編集部では、
編集部員が改めて組み合わせを確認している。
彦一 「リーグ最終戦が最大の敵か」
日本の試合順は、
1戦目…ノルウェー
2戦目…ナイジェリア
3戦目…ドイツ
中村 「ドイツは本当に強敵ですよ。特に…」
(なんか久々に喋った気がする…)
彦一 「ディック・ノイバウアーやな!」
中村 (喋らせてよ…!!)
弥生、資料を確認。
「210cmの長身ながら、どこからでも点を獲れる
幅広いオフェンスエリアを持ち、ドイツ国内では
10年にひとりの逸材と呼ばれているわ」
彦一が頷く。
「既にスペインやイタリアのプロチームから
声がかかっとるという噂や。エントリーすれば
NBAドラフトでも1巡目上位は堅いやろなあ」
中村 「ノルウェーはとにかくデカイとの評判」
弥生 「センターは218cmもあるらしいわよ」
彦一 「あの美紀男君よりも全然大きい…」
弥生 「ナイジェリアだけは謎なのよね…」
中村 「なかなか情報が出てきませんよね」
彦一、腕組み。
「勝手な想像やけど、とんでもない身体能力の
集合体のようなチームなんやろか…」
弥生、頷く。
「サッカーの代表チームなんかを見ると
そういうイメージはあるわね、確かに」
中村、眉間にシワ。
「10年にひとりの逸材がいるドイツ、
超大型チームのノルウェー、
そして、謎のチーム、ナイジェリア、
さすが世界大会、凄いリーグだなあ…」
「分かりやすくていいじゃないか」
ユニバ代表の合宿所、
改めて組み合わせを確認している牧紳一。
「強力なスーパーエースがいるチーム、
サイズのチーム、身体能力のチーム、
それぞれ個性が分かりやすくて助かる」
宮城 「簡単に言うなあ、牧サンよ」
三井 「なんかキツそうなリーグだぞ、コレ」
そこに沢北。
「それでも、1位で突破すればアメリカとは
決勝まで当たらないのは、ラッキーだ」
宮城・三井 「…!?」
牧 「ほう、それほどに違うものか、アメリカは」
沢北 「違います」
「……!!!???」
沢北の鋭いひと言に、一同息を呑む。
赤木が入る。
「近年、他国との差は縮まっていると聞くが?」
沢北 「それは、事実だと思います。でも…」
牧 「でも?」
沢北 「ドリームチーム・ジュニアは別です」
一同 「……!!!?」
沢北が続ける。
「今回は、ただの学生代表じゃありません。
アイツらは歴代のユニバーシアード代表の中でも
最強ともいわれる面子なんです」
一同 「歴代最強…」
牧 「それは困ったな」
宮城 「なに笑ってんだよ」
牧 「やり甲斐がありすぎる」
宮城 「おお…」
三井 「言うじゃねえか、キャプテン」
赤木 「ああ、牧の言う通りだ」
藤真、ニコリ。
「おいおい、今からそんな先のことを考えても
しょうがないぜ。まずは1次リーグ突破だ。
ドイツ、ノルウェー、ナイジェリア、
この3チームを倒すことが第一の目標だ」
牧 「ああ、そうだな」
赤木 「うむ」
(相変わらず、監督のようなことを言う男だ)
唐沢 「さあ、そろそろ練習再開かな」
陸川 「議論もいいが、体を動かそうか」
牧 「おっと…」
選手一同、コートに戻る。
唐沢 「よし、今日もアレをやるぞ」
「ハイ!!!!!」
ザシュ!!!
ザシュ!!!
ザシュ!!!
唐沢監督が、「アレ」という練習が始まった。
次々にシュートがリングに吸い込まれていく。
陸川 「この作戦が上手くいくか否か」
唐沢 「結果は神のみぞ知るところだ」
そのころ、東洋自動車では ―――
森尾 「もうすぐ開幕だな、ユニバーシアード」
杉山 「楽しみですね、史上最強世代の活躍」
桜木、腕組み。
「フン、何が史上最強だ、俺たちに負けたクセに」
森尾 「まあ、こっちには天才がいたからな」
桜木 「…?」
今度は腰に手をあてる。
桜木 「まあ、そうだな。しょうがない」
そこに棟川が入る。
「ユニバの話題もいいが、俺たちは俺たちで
大事なことが控えているんだぞ」
杉山 「そうですね、もう2か月切りましたね」
森尾 「大事な開幕ゲームを任されましたし」
「Bリーグ」と名付けられたプロリーグ、
開幕戦の舞台に、彼らは立つことになった。
優勝候補筆頭であり、先日のユニバ代表との
ゲームでも一躍有名になったこのチームは、
当然ながら、大きな注目を集めている。
桜木、ギラリ!!!!
「初代チャンピオンは俺たちがいただく」
そして、あのチームは ―――
清田 「天皇杯でプロに殴り込みっすよ!!」
グッと握りコブシ。
仙道 「気合い入ってるな、信長」
清田 「当たり前っすよ、センさん」
福田 「プロチームはオレ達が倒す」
清田 「そのとーっり!!!」
一ノ瀬 「もちろんです」
天皇杯・皇后杯
全日本総合バスケットボール選手権大会、
プロアマ問わず、
全国の予選を勝ち抜いたチームが戦う
この大会を、彼らは勝負の場と捉えていた。
下剋上は、起きないわけではない。
過去には大学チームが制したことがあり、
牧たち深体大も前回はベスト4に進出している。
高校チームが大学や社会人に挑むような
新鮮なカードが実現した例もある。
今回も深体大、青学大などの大学勢は
上位候補に挙げられており、
仙道率いる、この横浜ドリームスも
台風の目となる可能性十分である。
清田、ニヤリ。
「次の天皇杯を制するのは、
俺たち、横浜ドリームスだ」
そしてアメリカ ―――
カマラ 「日本は話題満載だね、ルカワ」
流川 「フン、どうだか」
(負けんじゃねーぞ)
9月からゴンザガ大でチームメイトとなる
ふたりも、日本のバスケ界に期待を膨らませる。
あの高校も ――
須形 「インターハイ、絶対に優勝するぞ」
松坂 「最強の先輩たちと練習したんだからな」
上原 「あの人たちのためにも負けられない」
日の丸を背負って世界大会に挑む者、
ついに誕生するプロリーグに燃える者、
そのプロリーグに挑戦状を叩きつける者、
海を超え、本場アメリカで戦う者、
高校日本一を目指す者、
それぞれの戦いが始まろうとしてる。
続く
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(873) へのコメント一覧
土曜日が待ち遠しい!
長らくKさんのスラムダンクの続き
読まさせていただいてます。
ユニバにプロにアメリカ、そして高校とそれぞれの勝負のときが近づいてきてる...
どの勝負も想像するだけでワクワクしてます♪
次の回も楽しみに待ってます!
天皇杯
横浜フリューゲルスを連想してしまう
のチームの登場ですね!
天皇杯、Bリーグ、ユニバーシアード、
インターハイ、色んな大会で色んな選手達が
躍動するところを!!楽しみに待ってます!
こっからどうなるのか気になる!
このワクワクする展開!何これ!
牧のキャプテンシーと藤真の監督ぶりが頼もしい!
近い将来の夢が持てる展開を期待してます。
どの戦いもワクワクするものばかり❣️
さて、K様のお話はどの戦いから始まるのでしょうか❣️
流川とカマラは、やはりチームメイトに❗
横浜ドリームの仙道さんのプレーも見てみたいですが❣️
こんなに面白そうな試合が盛りだくさんなのか!
あと、ダークノビツキーっぽい人が出てきた。
NBAの将来のMVPプレーヤーだからやばそうだな。
楽しみです!練方に、なってますー!
っと、次の展開が読めない終わり方ですね笑
楽しみです!!
ワクワクがとまらん!!!
なんか、最終回の前っぽいんだけど、そうでないことを切に願います。
流川の負けんじゃねーぞがいいですね〜
このシーンはこんなことを考えながら書いた。とか、実はこのタイミングでこんなことを考えてたけどボツにした…とかとか。
シュート精度で勝負してほしいです。
そのために桜木のいないインサイドが鍵になりそうです。
いつも、楽しく読ませて頂いてます😀
次は、どこから話が始まるのか❓
楽しみで仕方ないです‼️
いつも楽しみに読んでおります。
世界が相手の展開。
目まぐるしい展開で次が早く読みたいです
ワクワクが止まりません!!!
ユニバーシアードの試合見てみたい…
まだまだ物語が続きそうでとても楽しみです!
平日更新あるかな、と覗いてみたらビンゴ!
流川君が登場してくれて嬉しいです。しかも心の中で応援?していましたね。流川君らしい^^
流川君たちがユニバと対戦することあると盛り上がりそうですね。
次回も楽しみにしています。
最高です!
そして桜木、仙道、流川、須形達も、それぞれのモノを背負い、頑張って欲しいです!
いろいろな戦いが気になります。体調も心配ですが今のの週2回ペースで読めるのを楽しみに毎日のぞいてます。
体調に気をつけてこれからも熱い話を週2で読めるのを楽しみにしてます。
ますます世界が広がりますね!まだまだまだまだたくさんのゲームが読めそうで楽しみでなりません!
Kさん体に気をつけて無理せずこれからもよろしくお願いします🙏
いつも楽しみに読ませていただいてます。
学生時代からだから10年くらい。
あっとゆう間だったな、、、
しかもコメント早めかな…
どのネタでも楽しみすぎる。はやく読みたい!
いつも、ありがとうございます。
違うよ
インターハイ、世界大会、プロどれも楽しみな戦いですね。
流川くんが負けんじゃねーぞって思いを馳せる所良いですね。
仙道やフクちゃん達も楽しみです✨
次回更新、楽しみにしてます‼️
嬉しいけど、Kさんあんま無理しないで!
嬉しいけど!!
A代表と学生選抜では強い国が微妙に違うしそもそも現実とは強豪国が違ったりするんだろうけど。
リアルでもアメリカに無謀なチャレンジして猿vs超人っぽい、えぐい試合で惨敗だったし完全に無理ゲーっしょw
ストックトン前は、ストックトン大のゴンザガか、ゴンザガ大のストックトンか、なんて言われていたのに
でもでも、とにかく楽しみですね〜
それがあったから始まったブログだろうし今度kさんに同じことされたら立ち直れないです
まだまだ続くことを期待しています!!
青葉大?が普通に青学になってる?
あ、でもいいのか?
個人的には
やっぱり花道がいる
プロリーグ見たいけど
今は
ユニバーシアードだろうな❗
実は私もそう思ってました!
おらぁわくわくすっぞ!
それも激アツ!
あああっと、そのとーっり!!
僕は逆にジンをカミって読んでしまった場面もありましたw
そして牧の強い意志、桜木から勇気をもらった須形たち、みんな頑張れ!
というのが容易に想像できる!現実との融合がたまらんです!
今回の記事は、色々と話題満載。
この中で、一番読みたいものを挙げるとすれば、「横浜ドリームス」絡みの試合なんだけど。
いきなりその話になってしまうと、ユニバーシアードやBリーグの開幕戦がすっ飛んでしまうので、悩ましいですね。
あとは、山王の樽瀬(弟)は、今、何処で、何をしているのか?
フレデリック・カマラみたいに、再登場することを期待しています。
うるせーよ
花道が出て活躍しないからね。花道が活躍した回のコメは凄いからみんなも期待してるちゅう事かな?
ホントに
この話は
もういいかげん
読者の心を
鷲掴みにしすぎじゃありませんか?
どこが不完全燃焼?
あれはあれで
みんなホント勝手だよね。
当時は、学生がプロに勝ったらおかしいとか言ってたのに、今度はこういう意見が出る。
以前みたいに〇〇編とかかな、それともここ最近みたいに並行してか。
楽しみだ―。
次回も楽しみにしてます!
出たって。たかがブログに何求めてんの?
優等生くん
まさに、世界を獲る、、といった感じですね。
ぜひそれお願いしたいですね〜
構成力が凄すぎると感じてますが、ライブ感でやってるのもあるのでしょうね。
いやでも期待は高まります!!
個人的には、松坂・上原のの並びにニヤリとしてしまいます。
くだらねー
1000回も押すなよ(笑)
笑顔が止まりません。本当に更新がまちどおしい
季節の変わり目だけにお体 ご自愛ください
ユニバってアジア枠ってないんですか?