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  • 2019年12月04日18:43

ミニバス指導のハナシ 〜褒めることも難しい〜

どーも、

久々に登場、指導者・Kです。


12月に入るとミニバスクラブは
各種カップ戦と共に
クリスマス会やら忘年会やら
バスケ以外の活動でも大忙しであります
(全部楽しいんですけどね)。


さてさて今日は、
先日SNSでバズった、とあるママさんの、
「子供と餃子を作った時のハナシ」の
ツイートから要素をパクり(出た…!!)、
こんな話をさせていただこうかと。


何を褒めてモチベーションを引き上げるか、
というハナシです。


子供と向き合う指導者という活動には、
褒める時と叱るときがあるものです。

一般的には「褒めて伸ばすほうが良い」と
言われており、それはわしもその通りだと
思っておりますが、まあ全部褒めるなんて
なかなか無理ですし、褒めることって、
それはそれで難しいものなんですよね。


でね、最近改めて思うんですが、
やっぱり子供って、褒められたいんですよ、
当たり前ですけど。

厳密にはちょっと意味が違うけど
「北風と太陽」的なものを感じる場面に
何度も遭遇したことがあります。

そういうことを経て、
わしなりのテクニックのようなものも
ちょっと身に着いてきたかなと思っていて。


例えばですね、

誰もが大嫌いなフットワークトレーニング
(「スラムダンク」で魚住がゲロ吐いたやつね)、

あんなの、みんなどうにかしてサボろうと
するわけですよ。そりゃまあ辛いですからね。

自分も元バスケ部ですから気持ちはわかります
(ていうか、みんな分かるよね、絶対に:笑)。


そのフットワーク練習で
こんな例がありました。

下級生(4年生以下)の練習にて。

大きく膝を曲げて真上にジャンプしながら
コートの向こうまで徐々に進む練習で、
「なるべく前方向にジャンプして、
早くゴールしちゃおうとする子」がいた時。

昔のわしは、そうする子に、
「おいおい、それじゃ練習になんねーよ、
もっと回数やったほうが鍛えられるんだぞ」
みたいに声をかけていました。

これは完全に「北風」型ですよね。


最近のわしの手法は、ちゃんとやる子に
「お前何回跳んだ? 〇〇回? スゲーじゃん」
と声をかけるというもの。
大きな声で周りにも聞こえるようにね。

これを続けると、次からは「俺〇〇回ーー!」
みたいな自慢大会が始まるのですが、
ともあれ、みんなちゃんとやるんですよ。

これは、ある種「太陽」型といえるでしょう。
それで奏功したというハナシです。


あるいはこんな例。

今度は上級生。

6年生と5年生が一緒に
とある練習をやっています。

素早く動くことが大事な練習なのですが、
どうにも互いにスピードがイマイチです。
特に6年生が物足りない。


昔のわしは
「6年、それじゃ遅いよ、もっと速く。
ヘタしたら5年のほうが速いじゃん」
みたいに言っていました。

これは6年に「北風」を吹き付け、
5年を「太陽」で照らしたカタチです。


もしくはシンプルに
「おお、5年は速いな」と褒める手法。
これだと6年に「北風」は向けていません。

下級生相手に実施した「ジャンプ回数を褒める」
パターンに似ている、つまり「太陽」作戦です。


いずれにしても、
自分としては「5年に負けてられっか」的に
6年生が燃え上がることを期待したものであり、
下級生の練習で上手くいった例もあるので、
いい感じに対抗心を煽っているつもりでした。

が、残念ながら、上手くいきませんでした。


いまのわしは、こうです。

「まずは6年から。5年に見本を見せたいから、
一回本気でやってみせてあげて」

まあ当然メチャクチャ速くやるんですよ。
先輩風ってやつが働きますから(笑)。

で、次はこう言います。

「オッケー、5年もこのくらい速くやってくれ」


これね、
言葉上では「このくらい速くやってくれ」と
焚きつけた対象は5年生になるのですが、
結果的に、6年生が最初の見本のとき以上に
メチャクチャ速くやってくれるんですよ。

で、それを目指す5年も速くなったので
一石二鳥というね。


まあ、分かりますよね。
上記のように声を掛けたら
6年生がノリノリになったという、この感情。


繰り返しますが、
子供は絶対に褒められたいものです
(いや、大人だってそうですよね)。

この構造は、上手く活用するべきなんです。

ただ、ちゃんとやれていない時にも
手放しで褒めるわけにはいかないので、
どうこの「褒める」ということを活用するかは、
ある種のテクニックになってくると思います。


下級生(4年生)に対しては、
「出来ている子を分かりやすく褒める」ことで
他の子にも「褒められたい=頑張る」という
構図を促して上手くいきました。

でも、上級生(6年生)はそれじゃダメだった。
5年生を褒めても6年生は頑張らなかった。

ちょっと腹が立つんでしょうね(笑)。
「なんだよ、あっちばかり褒めやがって」
「はいはい、5年生さんは凄いですねーー」
みたいになる子もいる。

わずか2学年といえども、6年生と4年生って
ホント全然違いますから。


叱るのも難しいですが、
褒めるのも難しいんですよ。

誰かを褒める行為って、
褒められなかった子にとっては、
「自分はダメだと言われた」と
捉えることもできるものでして。

誰かを「太陽」で照らすと、
他の子に勝手に「北風」が
吹いてしまうという…。


そこで「ナニクソ!」と奮起するか、
それとも「ケッ!」と不貞腐れるのかは
人によります。

前者のほうがピュアな感情ですよね。
「僕もコーチに褒められたい。だから頑張ろう」
っていうことですから。

やっぱり、よりピュアなのは下級生で、
どうやら上級生のほうが不貞腐れるらしい、
ということが分かったんです。


もちろん、逆の例もありますよ。
ピュアな上級生、素直じゃない下級生、
いるでしょう、人間それぞれですから。

それは個人個人のパーソナリティにもよるし、
各団体の雰囲気にもよると思います。

だから、わしの例がすべて上手くいくとは
いえません。カスタマイズ必須です。


でも、よーく見ていれば分かるものです。

子供にとって嬉しいコト、嬉しくないコト、
そしてそれは共通しない、ということ。


難しいけど、やり甲斐ありますから。

自分の言葉で
子供たちのバイオリズムが上がった時、
試合の場面ではなくとも、指導者としては、
ガッツポーズの瞬間ですから。


餃子の作り方でバズったツイートを
眺めつつ、自分でも指導の時の心がけを
思い出した次第でした。


日々勉強ですな。

i love basketball!!!!


ではでは。


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ミニバス指導のハナシ 〜褒めることも難しい〜 へのコメント一覧

  1. 1.
    • ふう
    • 2019年12月04日 20:12
    永遠の❓テーマですよね、指導する、叱る褒める注意する。難しい🤨良かれと思っても相手の受け取り方次第で真逆になる事も💦社会人になって大分経ちますが、頭痛い事多し😞バスケ部時代も、指導者からとも又違い、後輩を指導する、同級生を指導する、他校生を指導する、色々ありましたが今思うと反省することありますね。又自分が指導された時の、あれは嫌だった、あの説明は良かった、と何十年も経つのに覚えてる事もありますし。Kさんの様に試行錯誤して色々思案してくださるコーチに恵まれた子供達は幸せですネ❣️
  2. 2.
    • りま
    • 2019年12月04日 22:20
    • 5
    なるほどー
    確かにその通りだと思います!
    私も子供の頃はそうだったなー

    ただ、たまに来るコーチとかだと何言われても嫌だったなー
    上手いな→えっ別にそんなこと無いし
    お手本見せて→ぃゃ何コーチ気取ってんの?
    みたいな。
    毎回練習に来てくれてるコーチで、自分の事を見てくれているんだという信頼が大事なんでしょーかねー
  3. 3.
    • 8ton
    • 2019年12月04日 22:23
    いつもブログ楽しく読ませていただいております。

    本家のスラムダンクの続きはもちろんですが、指導者としてのKさんの話も「はっ!」とさせられる事が多く、勉強させていただいております。

    自分自身は指導者でもなんでもなく、2児(4歳男と2歳女)の父親なんですが、今回のお話は親としてとても良いヒントを頂いたと思っております。
    自分は正に「北風型」だなと痛感させられました。
    どうしても周りの子供と比べてしまう傾向があります。
    と、言うよりかは周りの親よりもしっかり指導して(しつけて?)ますよとアピールしたがっている自分がいるのだと思います。全然子供の気持ちを考えていませんでした(特にお兄ちゃんの)

    子供のモチベーションを上げて自らやる気や自信をもって動けるように、言葉をかけたり、時には見守ったりしていこうと思いました。

    バスケと全く関係ない個人的な話を長々と失礼いたしました💦
    これからも応援しております!
  4. 4.
    • がく
    • 2019年12月05日 10:25
    • 5
    いつもKの部屋楽しく読ませてもらっています(^-^)
    今回は指導の話みたいですが、自分も誉めるってことがとても苦手です。あまり誉められてきたことがないってのもあると思いますが、自分の場合はまず負けることが嫌だったので出来ないことは乗り越えてきました。
    今の子供たちは何か競争心や負けず嫌いな心が物足りない気がします。色々な子供がいますが中々本物の人物はお目にかかれませんね…
  5. 5.
    • 俺ん家のレンジ
    • 2019年12月05日 12:59
    おぉーっ久々の指導者Kですね。
    自分も一応指導者の端くれです。
    自分の場合は、
    先ず、チャレンジしたことをメッチャ大きい声で褒めます。
    (結果が失敗だったとしても)
    その後にもう一歩足らなかったことをアドバイスします。
    そしたらたいていもう一回チャレンジして今度は成功します。
    その瞬間の選手の笑顔がたまりません。
    (たぶん自分もメッチャ笑顔です)

    叱るときは、色々ありますが、自分の経験上
    ここぞの場面で
    「俺は、出来ん子には言わんよ」って最後に伝えます。
    これ、結構効きます。
    (教育上、指導上正しいかはわかりませんが)
    「自分は、コーチに認めてもらってる」って感じてる気がします。
    (実際に認めてるからこそですけどね)

    地域が遠く離れているので実際にKさんのチームに
    お会いすることはたぶん叶いませんが
    (ご実家の近所の県です)
    これからも指導者K頑張ってください。
    (ブログを通して応援しています。)

    長文失礼しました。
  6. 6.
    • ぶてふ
    • 2019年12月06日 21:48
    • 5
    ベースに承認(お前をいつも見てるぞ!)があるかないかで、不貞腐れるかどうか、の傾向が出てくる気がします。
  7. 7.
    • えいち
    • 2019年12月09日 12:35
    社会人にも通用しますよね。
    誰だって褒められたいし、怒られたくない。




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