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  • 2020年09月08日13:05

嗚呼、名勝負(16) G1クライマックス1995決勝 武藤×橋本

どーも!!

消化しきれていない夏季休暇をどこで取ろうか
ちょいと悩み中の男、編集者・Kでっす!

※「もっと休暇クレ!!」と思う年もあれば
「こんなに消化できねえよ」と困る年もある


さてさて、今日は夏季休暇の話題から
プロレスの「夏」の話題に飛んでみましょう
(毎度毎度、相変わらず強引な展開である)。

プロレスファンにとって、夏といえば、
やっぱり新日の「G1クライマックス」ですよね
(因みに冬といえば、世界最強タッグ)。


ずっと全日派だったわしも、夏の大一番といえば
「G1」というイメージを持っています。
学生時代は毎年これが楽しみでございました。

※曲もカッコよかったなあ(当時のやつ)。




夏の風物詩・G1、
さまざまな名勝負があったわけですが、
わしが思い出として推したいのは1995年です。


個人的に、この年が最も
「そうなって欲しいとみんなが思う形で進んで
みんなが大満足だった大会」
だったと思うのですよ。

なので、決勝戦の試合も素晴らしかったですが、
この年はそれよりも「大会全体」として、
一番良かったって思っていましてね。


なにかとG1って、予想外の展開が起きるもので、
皆の思い通りに進まない大会じゃないですか。
優勝候補があっさり負けちゃったり、
ベテランがまさかの奇跡の復活を遂げたり。

それが魅力といえば魅力かもしれないんだけど、
何度か「そう!!コレが見たかった!」という
大会になることもありまして、そのなかでも
一番が95年だったかなあ、って思うんですよね。

※と言いつつ、わしはまあ2000年くらいから
あまり観てないんだけど…


さてさて、その1995年ですが、もうこの年は
間違いなく「武藤と橋本」でした。
誰もが望む決勝がこのふたりだったのです。

G1に滅法強い「夏男」蝶野もいいし、
当時飛ぶ鳥を落とす勢いだった天山もいいし、
まさかの外国人の制覇もいいかもしれんけど、

でもまあ、この年は武藤&橋本でしょう。

うーん、たぶん100人中95人くらいが
そう思っていたんじゃないかな(勝手な予想)。


てことは、イコール
「みんながそう思うから、そうはならないよなあ」
とも思っていたわけで。

いや、そういうもんだし、G1ってさ。


さてさて、
この大会はA、B、ふたつのブロックでリーグ戦を
行った後、各リーグの上位2名ずつ、計4名で
決勝トーナメントを実施して優勝を決めるという
レギュレーションになっておりました。

A組:橋本、ノートン、健介、天山
B組:武藤、蝶野、フレアー、越中

なんとなく、A組がパワーファイターたちで
B組に技巧派が集まった感じの組み合わせですね。


この組み合わせを見た瞬間、
みんなが武藤と橋本の決勝を望んだのですが、
当時とてもイヤなジンクスがありましてね。

「IWGP王者はG1を制覇できない」っていう。

で、当時の王者は武藤だったんです。

あー、これだよ、これ。やっぱり武藤と橋本の
決勝にはならないんじゃないか、っていうさ。


んで、初日にいきなり武藤が負けちゃうし。
あろうことか、越中に。

ええええーーーー!!? ですよ。
こんな展開っすか? って。

※いや、越中は素晴らしいプロレスラーだけど
あのときの武藤とは全然比べらんないからさ。


試合後、武藤は「IWGP王者は優勝できないなんて
俺はそんなジンクス信じてないぞ」と吠えますが、
もう嫌な予感プンプンですよ。

4試合のリーグ戦だもん。勝ち残るラインは
1敗まで、2敗でアウトって思うじゃないですか。
そう思うと、夏男・蝶野と、偉人・フレアーが
めちゃくちゃ不気味で、越中戦って、この中じゃ
最も「落とせない」と思うじゃないですか。

でも、負けちゃうんだもん…。


二日目には橋本も1敗(健介戦)しちゃうのですが、
こっちはまあイケるかなと思ってました。
初日に一番厄介なノートンに勝ってたから。

台風の目だった天山はちょっと怖かったけど
当時の橋本は天山とは相性が良かったし。


てな具合で進んでいくのですが、

武藤はその後、難敵フレアーと蝶野を破り、
橋本も他の試合はしっかりすべて勝利をおさめ、
無事、ともに1位抜け出決勝トーナメントに
進出します(あー、良かった!!)。


はたして、準決勝のカードはこうなりました。

武藤(A1位)× ノートン(B2位)
橋本(B1位)× 蝶野(A2位)


これがまたイヤな予感だらけの組み合わせですよ。

当時の武藤って、ノートンとの相性が
メチャクチャ悪かったんですよね。要は「天敵」。
もうとにかく勝てない。「どうしてもあのパワーに
最後は負ける」って本人も言っていたくらいに。

んで、橋本の相手は、夏男でしょ。
予選リーグで蝶野は武藤に負けてるからさ。
なんかさ、ひとつの大会の間に(特にG1で)
あの蝶野が、武藤にも橋本にも負けるってのが
ちょっとありえない気もしちゃってさ。


これ、都合よくどっちも勝って決勝ってのは
さすがにないんじゃないかと思い始めるのです。


が、この準決勝、

武藤と橋本の「主役」二人は、
このうえなく、超絶に頼もしかったのです。


武藤は、勝てない相手に月面水爆をブチかまし、
橋本は、最も夏に怖い男をDDTで一蹴。


特に橋本の方はメチャクチャ強かった。

「夏男?知るか!武藤が決勝で待ってるんだ。
邪魔だ、どけ」とばかりに蝶野を圧倒
(マジで圧倒的な勝ち方だった記憶がある)。

確か試合後マイクで「武藤、決勝で待ってるぞ!」
的なことを言ったんじゃなかったかなあ。

もうお客さん大喜びですよ。

「うおおおおーー!! このカードになった!」
「この決勝戦を待っていた!!!」


何と表現すればいいのかなあ。

大相撲でいえば、貴ノ花と曙が
無敗同士で千秋楽で直接対決を迎える、みたいな。

サッカーでいえば、スペインリーグ最終節が
バルサ×レアルで「勝ったほうが優勝」みたいな。

バスケでいえば、ジョーダンとマジックが
ファイナルで戦う、みたいな。


あの時は、この決勝が観たくて観たくて
しょうがなかったんだから。

「頼むからふたりとも負けないでくれ」
「予期せぬ出来事は起きないでくれ」
って思ってたのよ。

IWGP王者は勝てないというジンクスが怖かった。
夏に強い蝶野の存在が怖かった。
勢いに乗っていた天山が怖かった。
百戦錬磨のリック・フレアーが怖かった。

でも、それらを全部跳ねのけて、
主役である武藤と橋本は決勝に進んでくれた。


そして決勝。


もう入場から凄かった。

武藤コール、橋本コール、ともに轟音。


あくまでも勝手な想像ですが、
この時、贔屓の選手にコールするんじゃなく、
どっちの入場のときも同様にコールした客が
多かったんじゃないかなあ、と思っています。

どっちかに勝ってほしいというよりも
なんだか「最高の決勝を見せてくれ」という
雰囲気のほうが大きかった気がするんですよね。

そういうカードでしたから。


結果、この試合は、武藤が制します。
初めてIWGP王者がG1を制した歴史的1日でした。

そして武藤は、この数か月後に、
プロレス界の主役に躍り出ることになるんですね。


皆さんご存知の、アレですよ、アレ。
もちろん記事でも書いております。




みんなが望むカードになって、武藤が優勝して、
過去最高のG1のひとつに数えられる
大会だったなじゃないかなあ、あの年は。

うん、武藤vs橋本っていうより、
最高の大会としてこのコラムに書きたかった、
そんな1995年G1でございました。


てなわけで今日はこのへんで。

ではでは。


いやあ、暑い夏だったなあ。




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嗚呼、名勝負(16) G1クライマックス1995決勝 武藤×橋本 へのコメント一覧

  1. 1.
    • コジコジ
    • 2020年09月08日 13:58
    武藤が越中に負けた試合よく覚えています!
    IWGP王者による初の優勝が武藤でしたね。
    その後のUインター戦も含めてこの年は武藤が文句なしのMVP!
  2. 2.
    • ケロー
    • 2020年09月08日 17:43
    Kさんの文章、臨場感半端ねぇっす❗
    私は83年頃〜18年までプロレス見てなかったので、三銃士の話とか参考になり楽しいです❗

    昨日、永島オヤジYOUTUBEでRGがベストバウトと言ってた96年12月大阪府立の橋本vs馳見て熱くなってました
    今の時代より地味な気もするけど、熱さや真剣勝負感やヒリヒリ感は圧倒的に昔の方が凄くて、誰か名勝負教えて❗って思ってた所でした

    95年G1優勝決定戦、今日帰って見てみます❗
  3. 3.
    • 阪神ファン
    • 2020年09月08日 23:54
    Kさん
    サイコーす
    橋本好きの自分には残念な試合でしたが、あの頃の新日本はホントよかったですよね。
    でもG1の参加メンバー8人でしたね。今もそのくらいの人数に選抜してやったらいいのにって思っちゃいました
  4. 4.
    • あお
    • 2020年09月09日 21:09
    越中は三銃士には勝ち星もらってんですよねー
    逆に健介には寝てるんですよね
  5. 5.
    • 編集者・K
    • 2020年09月12日 18:09
    皆さん、コメントありがとうございます。
    この試合、記念試合のようなものを除くと、「Hold out」がかかった最後のビッグマッチだったかも?
    色々感慨深いバトルなのですよ、わしにとって。




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