バスケ大好き、編集者・Kでっす!!
もうパラリンピックの車いすバスケから
目が離せない状態であります!!!
(今日12時半から放送ですよ〜)
てことで、パラリンピックがアツいなか、
先のオリンピックのほうも先日に続いて、
ちょっと振り返りを、と。
※先日書いたのはコチラ。たくさんコメント
いただきました。ありがとうございました。
↓
先日は、チームにフィーチャーしましたが、
今回はわりと「個」のほうで。
タイトルの通り「キャンセルする力」
について語ってみようかと。
「何それ?」ってなる方、多いかしら。
はい、バスケの会話の中ではあまり聞きなれない
言葉かもしれません。
というのもコレ、サッカー指導者・解説者の
中西哲生さん(Jリーグ時代は名古屋グランパス
&川崎フロンターレで活躍)の言葉なので。
中西哲生さんといえば、中村俊輔をはじめ
数多の有名選手を指導したことでも知られる、
名指導者中の名指導者です。
最近では、あの久保建英選手の指導を
したことでも有名ですよね。
その中西さんが、いろんな記事や動画にて、
キャンセル力の重要性を訴えています。
以前、五輪男子サッカー日本代表の記事にて
こんなことを書きました。
「練習の時点では日本人は世界一上手い」
「だが試合ではそれを発揮できていない」
※因みにコチラの記事です
↓
これもまた中西哲生さんが出てきたネット上の
会話だったのですが、そのポイントのひとつが
この「キャンセル力」とのことなのです。
それがあれば、練習時の世界屈指の技術を
試合の中でも発揮できるようになるのだと。
ザックリ言うと、
「最初から “こうなったらこうする” とは決めず、
そこで起きたことに対してキャンセルを繰り返し
最善のプレイを最終的に選択すること」
のような感じでして、これが出来るか出来ないか
( = そういう考え方をするかしないか)で、
プレイの精度は圧倒的に変わるということです。
なるほど!! と思ったんですよね。
というのも、ミニバスの子供たちに対して、
逆の効果を実感したことがありまして。
小学生の子供って「こうしよう」というのを予め
決めさせたほうが、プレイの実現性が高くなると
思うんですよね。
わしもそう伝えたことがあります。
「まだ咄嗟には出来ないから、ボールを持った時に
こういうプレイをしようと決めてからやってみろ」
これがですね、ものすごく上手く行くんです。
覚えたてのプレイをさせるときなんて、なおさら。
たとえば、基本的なプレイのひとつである
ステップイン・シュートなどがそう。
あれは、ドリブルに対してディフェンスが来た時に
フェイクとステップワークで相手をグイっとかわす
プレイで、小学校低学年のゲームだとメチャクチャ
強力だったりするのですが、
これをディフェンスが来てからその場で選択できる
選手って、小さな子供だとほとんどいなくて、
わしはよく先に「そうするつもりでドリブルしろ」
と言っておくんですよね。そうすると成功する。
覚えたてのプレイは、これが効果大なんです。
ただし、大きな弱点があって、
それが「想定通りにならなかったとき」。
もうね、パニックですよ、子供(笑)。
相手ディフェンスをステップでかわそうと思ったら
相手が出てこなかった、なんてとき。
ディフェンスがいないんですから、そのまま
レイアップすれば終わりなのに、これができない。
なぜなら、先にやること決めちゃってるから。
※ということで、この「予め決める」は、
高学年の子には言わないようにしてます(苦笑)
では、もしも先に、というか常時、
「違うことが起きたらキャンセルする」
「そこで新しい選択肢を即座に選ぶ」
と決めていたら。
そういう姿勢を常に持っていたら、
これはプレイ中のマインドとして、大きな大きな
違いが生まれると思うんですよね。
「その場その場で判断するなんて、
一流レベルならば当たり前のことだろ」
と言われそうですが、プロの上位レベルでも
意外とそうではないらしいのですよ。
分かりやすいのが、
「ブロックショットを浴びるとき」です。
これ、もしかしたら、プレイのキャンセルが
できなかった結果かもしれませんので。
※全部がそうじゃないけど、この例は絶対ある
中西哲生さん曰く、ギリギリのギリギリまで
キャンセルの可能性を頭に入れておくのが
ポイントだそうです。
それはもう、サッカーで言えば、あと数センチで
ボールを蹴る、そのインパクトの直前まで。
その話を聞いたとき、わしは遠藤保仁の
コロコロPKを思い出しました。
※コロコロPK自体は説明不要ですよね?
彼は、GKを最後まで見続けて、まさに蹴る直前に
コースを決める、というのが有名ですが、
とあるインタビューで同じことを言ってました。
彼もまた「あと数センチ」というときまで、
どこに蹴るか決めていないらしいんです。
つまり、
キャンセルの可能性をラスト0コンマ数秒
まで残しているということですね。
おそらくですが、
「選択肢を予め複数頭に入れておく」のと
「キャンセルする可能性を持っておく」のは
ちょっと違うんだろうな、と感じています。
バスケにおいて、
「ここはドリブル勝負、相手が出てきたらこう、
あるいは、もしこうなった場合はこう」
みたいに、複数のパターンを持っておくのは
一流クラスなら当たり前でしょうが、
それは複数のパターンがあれど、
結局のところ「先に決めている」わけなので。
それと「キャンセルする」というのは、
また違うのだろうと。
※うーん、言葉で表現するのが難しい…!!
そういえば、似たような話をこれまで
様々なシーンで見聞きしてきたんですよ。
※そのときはキャンセル力なんていう考え方が
なかったから、自分のアタマでまだ整理できて
いなかったのですが。
たとえば「自分をコントロールできる範囲での
トップスピードを知っておくこと」とか。
この「自分をコントロールできる速度」って、
以前からわしも気にしていたのですが、
中西さんのキャンセル力の話を知ってから、
いろいろ点と点がつながった感じがあるんです。
そう、本当の本気の最高速度でプレイすると、
キャンセルできないんですよね。
意外や意外、代表レベルでもありますよ。
全速力プレイからジャンプした後に、
その後のプレイの選択肢を失ってしまうことって。
※着地したらトラベリングですからね
これはキャンセル力に通ずることだろうなと。
で、
こうやって書きながら、
過去の記事とまさに繋がったことがひとつ。
これです。
一度読んでいただけるとありがたいのですが、
この記事で「レブロンは2回プレイしている」
ということを述べました。
↓
これって、
まさにキャンセル力(の極致)では、と。
そうえいば上記記事のようなプレイをする選手、
アメリカには多いかもしれません。
驚異的身体能力があってこそなせる業の部分も
あるのかもしれないけど…。
五輪のような世界大会で、日本と海外列強を
比較した時に「判断のスピードが違う気がする」
という声はよく聞きます。
それもまた、キャンセル力の差なのかも、と。
いま、凄く気になり始めているんです。
もしかしたら、このキャンセルの意識って、
海外列強との差を埋めるために、メチャクチャ
重要なんじゃないかって、思い始めています。
なぜならば、
「キャンセルは悪いこと」という意識が
猛烈に強い民族だと思うから、日本人って。
競技中の局面局面のキャンセルって、
まさに「ドタキャン」ですから。
何をこじつけを…、という声が聴こえそうですが、
いや、あながちバカにできない。
こういう国民性から紐解くことって、実際重要で。
技術や戦術の進化は日々続いていますが、
こういう「思考」の熟練もまた重要ですよね。
ふぅ…、
なんか難しいこと書いたから
ちょっと疲れたわい(笑)。
そんなこんなで、
五輪を振り返る記事、その2でした。
その3もあるかもしれません、そのときはまた
よろしくメカゴジラ!!!!
ではでは。

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五輪バスケを振り返る(2) 〜「キャンセルする力」について〜 へのコメント一覧
レブロンの2回プレイの件、興味深かったです
また国民性との関係性についても「キャンセル力」はある意味「逃げの選択」になる事も日本人の国民性がネガティブに作用してしまう原因かなと思いました。「キャンセル力」では塞がれた道に対してその道は止めて別の道へ行く事をすぐに判断するのでネガティブな表現をすると「すぐ諦める」という事になります。国民性として塞がれた道を諦める事よりもその道を「どうにかして突破する」を大事にする考え方を重視する考え方である事は「キャンセル力」を阻害してしまう要因かもしれません。
本当にそれです!
車椅子バスケ男子がアメリカに僅差で銀、女子バスケもアメリカに次いで銀、男子バスケも強豪国に劣ることなく戦えた…あれ?いつの間にか日本ってバスケ強豪国?
フェイクに引っかかったのに超反応でブロックされる、一体どこからヘルプにきたんだ!?っていうくらいの場所から飛んでこられたらもうダメですし、
サイズや身体能力に圧倒的な差があったらギリギリまで引きつけてから飛んでも間に合うのでフェイクに引っかかりにくいですし。
そっからパスコースが空いてるかどうかなどの一瞬の判断力はセンスかなって思いますし、現実問題難しい気がしますね。
メッシのドリブルは最たる例でしょうか。相手に当たってもそのボールを自らコントロールする。しかも何度も超高速で。あれはとんでもないキャンセルを脳内で繰り返しながらやっていってるんだなと。
初心者・・・ひたすら自分の画面だけ見て、得意な形の連鎖を組むのに精一杯
中級者・・・様々な連鎖の形を組むことができるが、敵の速攻、催促への対応が的確にできない
上級者・・・敵がいま何連鎖組んでるかを把握して自分の連鎖の型を選び、的確に対応、敵に隙あらば速攻で潰す
上級者同士のぷよぷよの試合面白いよ!見てね!
あのタイミングでワンフェイク入れたのは驚きました。
ととらえました。
経営者や盲目的な恋に落ちた人にも読んでほしい内容(笑)
メッシ等ロベカルもそうですが常人では許されないプレイも彼らなら許されます。
多分その領域は知らない世界なので知りませんが多分彼らは傲慢に自分の実力を信じてたぶんいていい加減なんだと思います。ただそのプレイを続けた。メッシのドリブルなんて普通は許されないでしょうし。無謀すぎます。それが成功し続けたからこそもしくは汚名返上してきたからこそ今の彼らになれたのかなと。
例えば牧のペネトレイトは武器ですが幅を広げるか愚直にやり通すのかも気になります。
僕はサッカーをしてきたので一瞬の綻びを産むためなら愚直にやり通します。
そこがバスケとサッカーの競技の違いかもしれません。
教えるのは大変ですが強いチームを作るのと凄い選手を1人育てるのは多分相反する部分があると思います。
ですが、全てのスポーツ所詮「遊び」なので子供の発想を第一でいけたらいいなと思います
ありがとうございます!
こういうことを考えるのが好きなんです!
おおお、なるほど!!
確かに「諦める」と捉えるとネガティブですね。
ニュアンス的には「切り替える」なので、
ちょっと違う言葉のほうが伝わりやすいのかもしれませんね。
※でも「キャンセル」って分かりやすくてイイんだよなあ。
申し訳ありませんでした。
申し訳ありませんでした。
そうですねえ。
ただ、実は身体能力も大して変わらないということも
分かり始めていますから、諦めたくはないですね。
※もちろん差はありますが、一般的に思われているほどの差じゃないらしいので。
はい、そういうイメージだと思います。
そういう思考がプレイ精度を上げるのだと。
はい、そんな感じだと思いますよ。
「落ち着いてプレイする」とひとことで片付けがちですが、
もうすこし分解すると、こういうことなんだろうなと。
お! そうかも!!
そうですね。
リセットとか、様々な表現ありますね。
サッカーとバスケの違いは頭に入れなきゃな、とは思います。
サッカーはミスの頻度が高く、バスケは低いので。
これは、人間の体の中で最も器用な「手」を使うか否かの大きな差です。
町田選手のドライブからのパスかそのままレイアップからのダブルクラッチとかもですよね。
正にあれだと思います。ただレブロンと比較しちゃうと日本人は誰も真似出来なさそうですけどね。
身長、体重、スピード、パワー、センス、技術、全てを兼ね備えてる男ですから。
各人に出来る範囲でのキャンセル力は絶対必要だと思います。