3回戦・第1試合
1stクォーター 終了
深体大 25
専翔大 19
最初の10分を終えて6点差。
観る者が「早撃ち」と評する専翔大のプランは
しかし成果を出し、関東王者・深体大を相手に
大きなリードを許さない。
宮城 「似てるかも、あの試合に…」
荒石 「ん?」
宮城 「横浜ネッツとのゲームだよ」
天皇杯2回戦・横浜ネッツ×専翔大学のゲーム、
B1クラブを相手に専翔大は、103-105という
大接戦を演じて見せた。
その際のゲームプランは、ハイスコアゲーム。
まさにこの試合と似ていた。
彼らは大味な展開に持ち込むことによって、
相手の高さの優位性を消したのだった。
荒石 「そういや、そうだったな」
赤木、腕組み。
「となると、リードは深体大だが、想定通りに
ゲームを進めているのは、専翔大ということか」
花形、頷く。
「なんとなく不気味だな。専翔大には深津が
いるだけに、何かをしでかしそうな気がする…」
木暮 「わかるよ…」
赤木 「次の10分、どうなるか」
専翔大ベンチ、深津が声をかける。
「第1クォーターはある程度上手く行った。
さあ、ここからだピョン」
「オウ!!!!!」
御子柴 「よし、頼んだぜ、深津」
深津 「やるだけやってみるピニョン」
菊地 (ここで新型語尾…!)
『ビビーーーーーーーーーーー!!!!!!!』
2ndクォーター、
明利大陣営が言う「不気味」な深津が、
「守備」で仕掛けた。
キュキュッ!!
河田雅がローポスト付近1対1の体勢に。
そこにタイミングよくゴール下に飛び込む、牧。
「おおおーーーーっと!!!!」
ビッ!!
河田雅からボールが入る。
牧、スピードに乗ってワンハンドジャンパー。
バス!!!!!
「決まったあああーーーーー!!!!!」
「ナイス連係!!!!」
が、次の瞬間、
『ピピーーーーッ!!!!!』
「……!!!!!!」
牧 「……!!?」
レフェリーがコブシを突き出す。
『オフェンス!!!!』
コートに倒れている深津がニコリ。
「っし」
御子柴 「深津!!!!」
渡邊 「さすが!!!」
御子柴 (ホントにやりやがるからな、コイツ)
『ファウル!! 深体大4番(牧)!!!!』
『専翔大ボール!!』
牧 「チッ…」
(狙ってやがったか…)
「おおおおおーーーーーーー!!!!!!」
「深津!!!!!!」
「深体大、第2クォーター最初の攻撃は失敗!!」
宮城 「出たよ、出たよ…」
赤木 「さっそくか」
2ndクォーター 20秒
深体大 25
専翔大 19
点差は変わらないまま、専翔大の攻撃。
諸星 「クソ…、厄介な野郎だぜ…」
河田雅 「切り替えよう、ディフェンスだ」
牧、手を叩く。
「よし、ディフェンス!!!」
「オウ!!!!」
彦一 「これを決めたら4点差、あるいは3点差」
弥生 「もう無いに等しい差ね」
町田 「よくこの戦力差で肉薄するもんだ」
(B1クラブとやり合ったのも伊達じゃねえな…)
続く専翔大の攻撃。
ダム、ダム……。
1stクォーターとは一転、深津はゆっくりと
相手陣内に向かっていく。
「おっと…!!? リズムが変わったか…!?」
「今度はじっくり行くぞ!!」
そして深津は、ボールを保持したまま、
右45度から1対1の体勢に。
「な……!!!?」
「1on1…!!? 深津が…!!!?」
牧 「…!?」
ダム、ダム、ダム…。
深津、ドリブルをしながら仕掛けの
タイミングを窺う。
伊達翔 「牧さんを止めた直後に、今度は1対1」
三井 「イヤらしい仕掛けだぜ…」
(だが、1対1で勝機があるのか…?)
深体大ベンチから声が飛ぶ。
「牧さん、ディフェンス!!!!」
「大丈夫だ、抜かれるわけがねえ!!」
深津 「勝負だピョン」
牧 (面白い、止めてやる)
ダム、ダム、
ダム、ダム……。
ギラ!!!
深津の目が光る。
牧 (来る…!!!!)
ダム!!!!!
深津、仕掛ける。
キュキュッ!!!
牧、このドリブルを止める。
深体大ベンチ、ガッツポーズ。
「よーーーーーっし!!!!!!!」
「当然だ!! 牧さんが抜かれるか!!!」
河田雅 「……!!!」
(違う…!! 抜きに来たんじゃない…!!)
深津、不十分な体勢からストップ。
そして、ジャンプショットの体勢に。
「……!!!?」
「撃つのか…!!!!?」
牧 (させるか!!)
ブロックに跳ぶ。
河田雅 「牧……!!!!!」
『ピピーーーーーーーッ!!!!』
牧 「……!!!!」
レフェリーのホイッスル。
『ファウル、深体大4番(牧)!!!』
『ツーショット!!!!』
「おお……!!!」
「おおおおおーーーーーーーー!!!!!!」
会場、爆発。
「深津、ファウルゲット!!!!!」
「牧、立て続けのファウル…!!!!!」
「深津がやったああああーーーーーー!!!!」
深津のシュートに対してブロックに跳んだ牧、
深津はそこに絶妙のタイミングで体をぶつけ、
ファウルを得た。
深津 「よし」
御子柴 「す、すげえ……」
菊地 「味方ながら恐ろしいですね…」
そして、ブザーが鳴る。
『ビビーーーーーーーー!!!!!!!!』
『交代、深体大!!!!』
牧、ベンチに下がる。
2年生ガード、梅嵜が入る。
「あああああーーーー!! 牧が交代!!!」
「深津がコートから追い出した!!!!」
宮城 「おお……」
三井 「なんて奴だ……」
荒石 「全部、計算づくかよ…」
宮城 「あのテイクチャージから…」
赤木、腕組み。
「出だしの1本で牧のオフェンスファウルを誘い、
次のオフェンスで、敢えての1対1を挑む」
花形が続く。
「当然、取り返したい牧は厳しい守備に出る。
そして、再びファウルを誘う、と…」
宮城、眉間にシワ。
「まさか、あの冷静な牧のオッサンが…。
天皇杯でもファウルトラブルで苦しんだんだ。
この試合、ファウルには気を付けてはいたはず。
それが、ここでまた2つもやっちまうかよ」
赤木 「この駆け引きは、深津が上回ったか」
荒石 「俺は嫌いじゃないぜ、ああいうプレイ」
(最初のテイクチャージが成功しねえと、その後の
プランが成り立たねえっていう、超ギャンブルな
作戦じゃねえかよ、痺れるぜ…)
藤真 「牧……」
神 「……。」
深体大ベンチ、唐沢。
「どうした、お前らしくもない」
牧 「すみません…」
大野 (牧…)
唐沢、腕組み。
「天皇杯以降、深津の支配力が格段に向上している。
お前が日本の司令塔を目指すうえでも、避けては
通れない強力なライバルになるぞ」
牧 「分かってます」
唐沢、ニコリ。
「まあいい、必要な休憩だと思って休んでいろ。
勝負の時間帯はもうしばらく後だろうからな」
(おそらく牧のなかにも深津に対する勝負の
気持ちがあるのだろう。いまはその熱がミスに
繋がったが、もし奏功したなら…)
ザシュ!!!
ザシュ!!!
深津は、ファウルで得たフリースローを
しっかり2本とも成功。
2ndクォーター 40秒
深体大 25
専翔大 21
点差は4点に。
そして、深体大のキャプテンであり司令塔の
牧紳一は、一時コートを去ることに。
2ndクォーター、
不気味な10分間が幕を開けた。
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1085) へのコメント一覧
1点、牧なオッサンになってました〜。
この試合、密かに専翔大を応援してます。
深津と藤真のPG対決が見てみたいんです!!
牧が呑み込まれるか!!
牧が戻ってくるまでにどんな試合をするのか超楽しみです。
深体大がこのまま終わるわけないし、展開に期待です。
第2クォーター始まって間もなく牧さんからテイクチャージ、更には1on1からファウルをもらい、深沢体育大学の帝王牧紳一をベンチに下げた深津!
深津の技術、読み、それを信じるチームメートも良いです!
最強のペネトレイトを失った深体大はどう攻めるのか、その間の専修の追い上げはいかに?
卒業後は三井と一緒に東京ペイサーズにスカウトされ深津 三井 桜木のホットラインが見たい!(深津の代わりに牧さんでもOK)
この緊迫した中で新型語尾ピニョンを使う深津には笑いました。
次の横ドリ戦では清田にやられるのも全日本考えたらあり
仙道が全日本の正PGだろうし
帝王牧がそんなベジータ的なポジションに
これが大学になって、河田兄(山王にいた)、諸星(≒沢北)、河田弟(≒森重)とプレイしてきての差がでるのでしょうか。
今までに出てた?
見たことないですね。
花道世代のガードのようですが、そのうち詳しい選手紹介とかあるでしょう!
ノーコールになるらしいっすね
カリーやドンチッチ対策と言った所でしょうか
周りを活かすタイプだし、スリーもある
どゆこと?
藤真の「牧…」
神の「…。」
が、それほどの出来事としての
衝撃度を表わしていますね
目が離せません
Kさん続きはまだですか?
今回も楽しく読ませて頂きました(^^)
3年まで大学で無敵だった牧や深体大が、4年になって、打倒牧、打倒深体大に向けて努力してきた選手やチームが追い上げ、結果土をつける展開になるんですかね。藤真、青葉も勝ちましたし。結果は神(Kさん)のみぞ知る、ですが。次が楽しみっす。
フェイクで飛ばした相手に体をわざとぶつけてファールもらいに行くプレーはファール取らないっていう改正があるそうです
深津
牧
藤間
土屋
宮城
清田
仙道 ※1-3番できる
出てますよ。
琉球戦で同じように牧のファウルトラブルで出場してます。
深津は、牧を抜きにいったわけではなく、牧をベンチに下げさせるために、ファウルを貰いにいったわけだが
この深体大ベンチからの掛け声も、後に、伏線回収されそうな気がしてならない
相手を抜くには、スピード&クイックネスが、ある程度重要になるが
今、相手を“ひっ掛ける”ことに関しては、どのPGよりも上ではないかと思わせる力を見せ付けている深津ならば、たとえ、牧より、スピード&クイックネス(&パワー)が劣っていたとしても、それを補って余りある程の技量を手にしているなんてことはないだろうか?
かつては、牧よりも深津の方が上だった
しかし、高校3年の冬の選抜決勝での海南戦で、その立場は逆転した
特に、あのキラー・クロスオーバーで、成す術もなく抜かれたことは、屈辱と言っても過言ではないだろう
打倒、牧・打倒、深体大を果たすために、ドライブに磨きを掛けた藤真のように、同じく深津も、それに目標を定めて、虎視眈々と牙を研ぎ続けてきたはずだ
そもそもが、まだ第2Qが始まったばかり、あの策士・深津のことである、まだまだ見せていない手の内が、いくつもあるとみて間違いない
エリートひしめく深体大の上級生を抑え2番手ガードとして出場してくる梅嵜、しっかり牧のバックアップを努めてくれるよう期待!!
最後はどうにもならない個の力の差で
牧が勝利をつかむかな
『ああいうのに、引っ掛りやすいタイプだったか〜』
と言っていたことがあったが
この試合や琉球ウォリアーズとの試合では、自分自身がファウルを積み重ね、ベンチに退いてしまっている
何とう皮肉よ。
あまりにも不自然にファウルをもらいに行くとノーコール、なんならオフェンスファウルになるらしいです。
予想通りファウルトラブル攻めになるのかな
こうなると雅史はまだしも美紀男はもしかしたら危ぶまれるし、中核のプレイ時間が短くなればどうなるか分からないな
そして早めに下げた監督の采配がどう転ぶか
このペースなら3rdクオーターで牧退場だし…
とはいえ牧が下がったら深津で点がとれちゃうし…
ここは本当に監督の采配にかかってる
牧たち4年生の今のチームでは、深体大が特別最強ではないし、深体大の安定の強さに限界を感じる。
が、最終的には牧ぐ勝ってほしい。
神奈川出身だけに。
深津のように黄金世代の深体大に迫る成長と戦いや挑戦が面白いです。
まだ先だと思いますが、牧は桜木を絡めてほしいなぁー。
みんな大学になって上手うくて最近ないけど、
笑える「落とし穴の予感」が見たいなぁー。
おっとドンチッチ選手 ドリブルからのステップバックスリーだ!!!
33「打たせるもんか!!」
!!!
ドンチッチ選手の手からはボールは離れていない
フェ、フェイク・・・ しまったぁぁ
飛んでしまった33に上手く体を寄せてシュート!! ガシッ
『ピピーーーーーッ』
『オフェンスファール!!77番』
うぁぁぁ 故意の接触だ! ってなるそうな
うん。少し書いてみると改めてKさんの文才に脱帽です天才
務めて
皆さん解説ありがとうございます😊
個人能力の高い練習相手として深津・河田が挙がるくらいで
10センチ深津の方が小さいのに沢北とまともにやれるのは相当だと思うんですが
続き、ではなぜか深津の個人能力が1ランク下げられている感の描写になっているのはちょっと気になるところ。
ヤングとかみたいな!
いつでも止められると
むしろスピードがある宮城の方がやりにくさを感じてそう
FIBAで採用されたらまた審判やりにくくなる…
なぜ嘘を?
フォワードもあつい
日本人PG頑張れ!