準決勝・第1試合
2ndクォーター 終了
深体大 28
大和大 28
前半を終えて同点。
そして想定外のロースコア。
道谷、問う。
《塚本さん、非常に重たい空気の前半戦でした。
これはどちらに有利な状況と考えますか?》
塚本、解説。
《有利と表現するのはなかなか難しいですが、
大和にとって都合の良い展開だとは思います。
点の獲り合いになると、深体大と真っ向勝負が
できるのは青葉以外にないでしょうから》
道谷《なるほど、大和には悪くない流れだと》
塚本、頷く。
《はい、この流れは深体大のほうが嫌っていると
思いますよ。早く抜け出したいのは彼らかなと》
森尾、腕組み。
「もしかしたら深体大が圧倒するようなことも
あるかもしれないと思ったが、そうはいかないか」
杉山、頷く。
「深体大はこの間の専翔戦に続いての接戦ですね。
ちょっと珍しいかな、アイツらが苦戦続きって」
桜木、ニヤリ。
「ポールたちがリバウンドをよく頑張ってやがる。
丸ゴリがいない間は、むしろ勝ってたくらいだぜ」
佐戸 「後半勝負、いや第4クォーター勝負かな」
外川 「かもねえ〜。ノブナガ君はどう思う?」
清田 「え…、えっと、あの…」
佐戸 「このまま接戦で進むかな?」
清田 「そうかもしれないっすけど…」
外川 「けど?」
仙道 「…?」
清田 「でも…、深体大が勝つと思います」
佐戸 「おっと、言ったね」
外川 「それはなぜ?」
「………。」
「………。」
清田 「牧さんがいるんで」
佐戸 「ほぉ」
仙道 「フッ…」
外川、腕組み。
「なるほど、牧紳一かあ。いいガードだよなあ。
まだあまり目立ってないけど、確かにアイツが
乗ってきたら、そこが分岐点になるかもねえ」
佐戸が続く。
「じゃあここからは、牧に注目してみようかな。
彼はポイントガードだからな、俺にとっても、
ウチの伸長にとっても、気になる選手ではある」
が、
深体大は予想外の動きに出る。
『ビビーーーーーーー!!!!!!!!』
「おおおおーーーー!!!!!?」
「また選手が代わっている…!!?」
コートに立つのは、
梅嵜、伊達健、諸星、河田雅、樋口の5人。
牧は、後半戦まさかのベンチスタート。
清田 「牧さんが…!!?」
仙道 「こりゃ思い切ったな…」
それを横目に、苦笑いの大和大メンバー。
土屋 「それでも関東最強クラスの5人やな…」
松本 「あの選手層には参るぜ、ホント…」
腕組みの野辺。
「だが、牧がいない時間はチャンスでもある。
上手くここで差をつけられれば、流れは変わる」
土屋、頷く。
「ああ、その通りや。ここは一気に点差をつけて、
牧をすぐに引っ張り出したろ」
道谷《さあ、後半が始まります》
塚本《ここは試合が動くかもしれませんよ》
道谷《深体大はベンチがよく動いてますね》
塚本、頷く。
《そうですね、スタミナのコントロールについては
間違いなく深体大の方が上手くやりくりしてます》
道谷、続ける。
《そういう体力面の勝負も後半は出てきます。
大きな見どころになってきそうです》
『ピピーーッ!!!』
松本がレフェリーからボールを受け取る。
後半は、大和大ボールからスタート。
松本のスローインを受け、永山が運ぶ。
「一本!!!!」
ダム、ダム、ダム…。
ゆっくりと相手陣内に進む永山。
(牧がコートにいない…。ここで少しでも点差を
つけることができれば…。まずは6点差くらいに、
いや、できれば8点行きたい…)
そして、告げる。
「33番!!!」
道谷《さあ、ナンバープレイだ!!》
塚本《後半最初の1本、決めたいでしょう!》
土屋 (33番か)
松本 (なるほど、そういう狙いか)
番号によって、狙いが一発で浸透する。
これは、ナンバープレイを多用する大和大の
利点ともいえるだろう。
中で攻めたいのか、外で攻めたいのか、
誰を軸に仕掛けたい時間なのか、
告げられるセットの番号によって、
コートの全員にガードの意図が伝わるのである。
野辺 (後半最初の時間帯、そういう仕掛けか)
大本 (オーケー)
ビッ!! ビッ!!
キュキュッ!!
ボールが回り、人が動く。
「さあ、動き始めた!!」
「このセットは、フィニッシュは誰になる!?」
ショットクロック残り10秒、
ダム!!!
コーナーの位置から土屋がドリブルイン。
「おおおーーっと、土屋!!!!」
「やはり大事な1本はエースで勝負だ!!!」
キュキュッ!!!
諸星と樋口が中に立ちはだかる。
その瞬間、
土屋は自分の真後ろ、つい2秒前に自分がいた
位置あたりに、ボールを放る。
「……!!!?」
「外に出した…!!!?」
そこにちょうど走り込んだのは
道谷《永山だ!!!!!》
塚本《コーナーでフリーですよ!!!!》
大和大、最初のシュートは、
司令塔・永山の、スリーポイント。
このシュートは、
ザシュ!!!
3rdクォーター 16秒
深体大 28
大和大 31
「おおおおおーーーーーーー!!!!!!!」
「スリー、来たああああーーーーー!!!!」
「後半は大和が先制だ!!!」
永山、スリーポイントシュートを成功。
大事な場面のナンバープレイで、スリーを選択。
しかも自分がフィニッシュを務めた。
メッセージはさらに強く浸透した。
土屋 「オーケー」
(やったろうやないか、後半の出だしは外で勝負。
ここから強気でガンガン行くで)
松本 「ナイス、永山!!」
(躊躇しない。ドンドン撃つ)
森尾、ニコリ。
「よく決めた。これは大きい」
杉山、頷く。
「そして、次のディフェンスですね」
梅嵜 「一本!!!」
「オウ!!!!!」
土屋 「ディフェンス!!!!!」
「オウ!!!!」
土屋 「さあ、止めるでココ!!!」
(やはり違う。ボールを持って向かってくるのが
牧なのかそうじゃないかは、大違いや)
ビッ!! ビッ!
深体大のボールが動く。
キュッ! キュキュッ!!
大和大のゾーンデイフェンスが動く。
松本 「ディフェンス! 足、動かそう!」
(この面子なら……)
ビッ!!
伊達健からハイポストの河田雅へのボール。
(ここだ!!!!!)
バッシイイ!!!!!
突如、見えない位置から松本が現われた。
河田雅の目の前で、ボールをカット。
河田雅 「……!!!!」
(松本…!!!)
松本、ボールを奪取するとすぐさま動く。
「走れ!!!!」
ダム!!!!
攻撃、スタート。
ガタッ!!
牧が立ち上がる。
「走ってくるぞ!!! 戻れ!!!!」
道谷《ああーーっと、ここで早い展開!!!》
塚本《これは、予想外の速攻!!!!》
ビッ!!! ビッ!!
ボールは松本から土屋へ、
そして、土屋から永山へ。
ビッ!!
そしてもう一度、土屋へ。
右45度、スリーポイントラインの外。
「へい!!!」
そこに、ゴールへ切れ込む形で走る松本。
伊達健 「中か…!!」
これを阻止せんと動く。
牧 「……!!!」
大野 「いや、違う……!!」
土屋、ニコリ。
「外や」
ビッ!!
道谷《おおーーーっと、撃った…!!!!》
塚本《大和、またもやスリーポイント…!!!》
大和ベンチ、吠える。
「来い……!!!!!!!!」
ザシュ!!!!
3rdクォーター 35秒
深体大 28
大和大 34
「来たあああああーーーーー!!!!!!!」
「うわああああーーーーーー!!! 2連発!!」
「大和が一気に6点離した!!!」
「デカい!! この試合での6点はデカい!!!」
6点差。
後半開始早々、ゲームに動き。
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1111) へのコメント一覧
なんか節目ごとに、1000話からもうそんなに…って感じますw
あと佐戸がうちの信長って違和感が…
中盤の関体大→深体大ですかね。
え、意外な展開。。。
Kさん、面白いです!
いい選手ですよね〜( 〃▽〃)
大和大ってどこなんすかね?
深体大は牧から流れやリズムが一番生まれるでしょうから、一番外れちゃいけない人物。
ということは、この後落とし穴がある予感。。。
Kさん更新ありがとうございます。
同点で迎えた後半戦、大和はベストメンバーで臨む中、深体大は以外にも牧さんを外してのスタート!
大和は開始早々ナンバープレーでスリーを決め、牧さんがいないところをつき、松本がボールを奪い土屋がスリーを決め点差を6点差に広げました!
ここでスロースターターである牧さんを外すのは予想外でしたが、唐沢監督の考えが気になります!
花道が野辺を認めてるところ、清田が深体大が勝つと言い切った理由に鳥肌がたちました^_^
日本大学とか?
ナンバープレイを見切る!が発動するかも。
後半も楽しみですね
そしせん動くになってますが、『と』が抜けてませんか?
1111おめです!
深体大の河田兄と牧の温存効果が、この先効をせいするのか?
不気味な後半戦ですな!
諸星や河田兄はさほどレベルを落とさずに休めるけど
牧だけは伊達や諸星をハンドラーにしない限りはそうはいかない
左京信長というチームメイトのことでしょう。
違和感なんてありません。
ということは、スイッチしてでも土屋を徹底的にフェイスガードすれば効果大!?
諸星あたりをベッタリ付かせてみたら面白いかも。
牧に負けてほしくはない。
学生最後で、ゴリが打倒、牧を果たして全国制覇って、夢を見たい!
実はまだ早かった言い回しっすよねKさん…笑
しかし前話もそうでしたが、花道のバスケIQの高さが尋常じゃないですね。
高校時代のあの本能と形容された動き(なぜそこにいるんだ等)は、原作だと素人だからと解釈してましたが、
実はめちゃ高いバスケIQの片鱗だったのだと、
Kさんの物語を読むと妙に納得させられるところがあります。。
そしてもちろんナンバープレイの正体も
「功を奏する」のことですかね。
4Qに出るでしょう。雅史、美紀男、樋口、大野もかな、が入れ替わりながら相手する出ずっぱりの野辺と大本が疲弊した所に牧のドライブや雅史のアタック!いくらゾーンでもヘルプ遅れるしファウルかさむ。シュートが入らない重い展開の試合はインサイドが勝負を分けるし、フリースローの本数稼ぐのも有効でしょう。
大和は今は外が来てるけど、ピュアシューターいないし、そんなに高確率が続かないでしょう。
前回は、諸星と河田雅がベンチに
今回は、牧と大野と河田美がベンチに
どちらの交代策も、何がしたいのか、明確な意味が読み取れない
単に、空気が重いのを嫌ってのことなのか
それとも、最終Qに勝負を掛けるための体力温存策なのか
青葉の陸川監督はガンガン仕掛けてくるので、攻撃的な印象が強いが
唐澤監督は、逆に、「我慢の人」なのか、戦術を駆使することはあまり無いようで、ある意味、選手に任せている感がある(まあ、深体大の選手の面子と実力は、他校が羨むほどではあるけれど)
河田美に、牧と、相次いで、試合中の“覚醒”で、勝ちを得てきたわけだけど、まさか、“二度あることは三度”もあったりするのだろうか…
Kさん更新ありがとうございます。
同点で迎えた後半戦、大和はベストメンバーで臨む中、深体大は以外にも牧さんを外してのスタート!
大和は開始早々ナンバープレーでスリーを決め、牧さんがいないところをつき、松本がボールを奪い土屋がスリーを決め点差を6点差に広げました!
ここでスロースターターである牧さんを外すのは予想外でしたが、唐沢監督の考えが気になります!
花道が野辺を認めてるところ、清田が深体大が勝つと言い切った理由に鳥肌がたちました^_^
コレは、合っているようで、実は微妙な、Kさんのミステークも含まれているので、ちょっとややこしいことになってしまっているのです
清田のことは、カタカナ表記で、「ノブナガくん」と呼んでいるので
ココでは、三河マーベリックスのチームメイトである「左京選手」のことを言っていると思うのですが
マーベリックスの左京選手の名前は、「信長」ではなく、『伸長』なのです
ちなみに、マーベリックスの試合中では、ベンチなどから、カタカナ表記で、「ノブナガ」という声が飛んでいるので、マーベリックスと横浜ドリームスが対戦することになると、益々ややこしいことになるかもです(雰囲気的にですが)
花道以上にバスケIQが高い選手が
この後の準決勝に出てくる!
彼は勉強はできるし、不良相手に胸ぐらを掴み、「何が全国制覇だぁ。何が湘北を強くするだ。夢見させるような事を言うな!」と度胸もあるし、何より湘北を初めて全国へ連れていった功績の持ち主である。次の試合、大学No1候補シューターを倒して彼が日本代表シューターに名乗りをあげるはず!Ki Mi No Bu 頼むぞ!
牧→野辺 指パッチンスクリーンアウトで河田に勝っちゃいます!笑
野辺も卒業後は高砂、木暮と一緒に横浜ドリームスに入団。
PG清田 SG仙道 F福田 ポール C高砂
秘密兵器 木暮
実は指パッチンのやり過ぎで指の骨折があり、パスを受けることすら困難な状態らしい。
関体大→深体大は記載ミスを指摘しただけですが、大和大学のモチーフは日本大学じゃないかと勝手に思ってます。深体大のモチーフは日体大かと。
この「伸長」は、佐戸選手と同じく、三河マーベリックスに所属している、「左京選手」のことです(だから、『うちの〜』となっている)