準決勝・第1試合
3rdクォーター 35秒
深体大 28
大和大 34
道谷《6点差!!! これは大きいか!!》
塚本《いやああ、大きいですよ!!!》
ベンチの牧、ひとつ舌打ち。
「チッ…」
(ちょっと嫌な時間に一気に獲られたな…)
大野 「狙っていたか…」
河田美 「松本さん、土屋さん…」
牧、立ち上がる。
「監督…」
唐沢 「まだだ」
牧 「…?」
唐沢、手を差し出し、動きを制す。
「ゲームは少し動いたかもしれないが、
勝負の時間はまだここじゃない」
牧 「……。」
唐沢 「お前の出番はもう少し後だ」
大和大の雰囲気は一気に変わった。
土屋 「よーーっし、ディフェンス!!!」
松本 「一気に10点まで行こう!!」
「オウ!!!!!!!」
河田雅、ベンチの様子を確認。
(引き続き我慢だな。無理に追い上げるより
勝負どころまで、これ以上離されないように
考える方が優先か…)
同じ表情で、諸星が手を叩く。
「オッケー、そこまで大きな点差じゃない。
落ち着こう。まだまだ試合は長い」
そして、
試合はこのまま進み、
バス!!!!
「決まった!! セットプレイ!!!」
「大和のシステムがまた機能し始めた!!」
3rdクォーター 残り5分
深体大 36
大和大 43
道谷《大和、リードを保ち続けます!!》
塚本《しかし、開いてもいません》
道谷《深体大、なんとか我慢の時間でしょうか》
佐戸 「これは、最終クォーターで勝負かな」
外川 「だねえ」
清田 「牧さんが出てきますから」
佐戸 「ああ、彼が出ればまた変わるだろう」
仙道 「そこから最後の勝負かな」
ここで、唐沢が動く。
『ビビーーーーーーーーーーー!!!!!』
『交代、白・深体大!』
「……!!!!???」
諸星、河田雅、ベンチへ。
「なにィィいいいいーーー!!!!?」
コートに立つのは、
梅嵜、伊達健、大野、樋口、河田美。
観衆、騒然。
「おいおいおい、三銃士が全員ベンチだよ…!!」
「それでも全然強い5人ではあるが…!!!」
彦一 「これは……」
町田 「第4クォーターで総攻撃ってことか…?」
中村 「でも、この5分でさらに広げられたら…」
弥生 「リスクは確かにあるわね」
彦一 「でも、もしここを凌いだら…」
弥生 「そうね、凄いことが起こるかも…」
コート上の大和大メンバー、
永山、松本、土屋、野辺、大本、
ここまで休憩があったのは永山のみ。
5人全員が、ほとんど出ずっぱり。
汗の量、肩が上下する頻度は、
深体大メンバーの比ではない。
森尾 「これは、相当疲れてるだろうな」
杉山 「ただでさえ空気の重い試合ですから」
桜木 「フン、このくらいでヘバりおって」
森尾、腕組み。
「いや、ここまですべてプラン通りだったら…?」
バス!!!
道谷《河田弟、ゴール下を決めました!》
塚本《さすがB1クラブにも通用したパワー!》
道谷《苦しい時間帯を繋いでいます!》
河田雅、手を叩く。
「よーーーっし、いいぞ美紀男!!」
野辺、汗をぬぐう。
「……。」
(ゴール下で1対1に持ち込まれると止められん。
美紀男…、天皇杯で何かを掴んだのか…)
河田美、コブシをグッと握る。
(ここは僕がやるんだ。最後に兄ちゃんたちが
戻ってきた時が勝負。そこまで繋ぐ…!!)
バッシイイイ!!!!
「ああーーーっと、こんどはブロック!!!!」
「美紀男がまた暴れだしたあああーーー!!!」
「天皇杯と同じだ!!!」
牧、苦笑い。
「デカいってのは素晴らしいことだぜ…」
諸星 「まだ2年だもんな。末恐ろしい…」
河田雅 「なんだかんだ、よく凌いでる」
三銃士のいない深体大、河田美を軸として
「現状維持」を続ける。
一方、大和大は選手を代えなかった。
1stクォーターから重苦しい雰囲気の中、
セットプレイを軸にギリギリの状態で
なんとかスコアを積み上げてきている。
常に全力でなければ深体大とは渡り合えない。
三井、腕組み。
「特に、河田弟が猛威を振るうなかで、
野辺と大本は下げられないだろうな…」
北田 「これが深体大の選手層か…」
伊達翔 「強いわけですよね」
結果、
深体大は凌ぎきった。
『ビビーーーーーーーーー!!!!!』
3rdクォーター 終了
深体大 43
大和大 50
道谷《7点差、残り10分で7点差です!》
塚本《点差を保ったまま時間が動きましたね》
道谷《塚本さん、これはどう捉えますか?》
塚本、解説。
《深体大は三銃士が出てくるでしょうから、
これは間違いなくアタマから仕掛けるでしょう。
ここまで3人が揃う時間はずっとなかったので、
リズムがガラッと変わる可能性があります》
道谷《なるほど、なるほど》
塚本、続ける。
(大和大はまずは耐える時間になると思います。
大きな疲労のなかで、やれるかどうかです。
そう考えると、この7点の差は、場合によっては
「あってないようなもの」になるかも、ですね》
キュッ……、
深体大、ラスト10分を戦う5人が
コートに出る。
牧、伊達健、諸星、河田雅、河田美。
樽瀬 「お……」
若穂 「雰囲気、あるな…」
浜崎、ニコリ。
「これは、学生ながらなかなかのもんだ。
あのオーラはちょっとしたレベルだぞ」
ベンチから唐沢が声をかける。
「牧よ…」
牧 「はい」
唐沢 「3分で勝負を決めてこい」
諸星 「……。」
河田雅 「……。」
牧、頷く。
「やってきます」
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1112) へのコメント一覧
これは次が楽しみですね!
興奮してきたな!!!
ただ負けにくい大和、3分とはいかず予想より粘る気がします。最後はひっくり返されるとは思いますけど。
笑いました🤣
土屋&松本は三銃士にも渡り合えると思うので
法則とかあんのかな?
実際のところKさんどれくらい(いくつくらい?)イメージしてるのか気になる
リズムがガラッと変わる可能性があります」
スタートは揃ってた様な・・・笑
すごい更新ペースw
コミックス2ページ使って描かれていた山王戦後半の始まるシーンを思い出しました。
そこはダンクだろ…
山王 堂本監督の「開始3分でカタをつける」宣言を思い出します。実現はしませんでしたが、あの時は相手が悪かったから。今回も強敵相手ですが、実現しそうですね!
3分後が楽しみです。
最後の10分どうなるんだ⁉️。怒涛の反撃で難敵大和を蹴散らしてしまうのか?。どうなるか楽しみです😀。
Kさん更新ありがとうございます。
まさかの牧さん温存!更に諸星、河田雅史までベンチに下げるとは!唐沢監督の先を見ている感じ流石です!
でも残りのメンバーでもかなり強い!河田弟が大和のゴール下相手に暴れているの良いです!
4クォーター開始3分で勝負を決めてくるように言われた牧さん!あれ?これ湘北VS名朋に似ているような?あの時も3クォーター終了で7点差だったような?
大和はどう耐えるか?諸星VS土屋の勝負も見たい!
最後の牧さんの返事かっこよかったです!
決勝へ駒を進めるのは深体大、大和どちらか?
両チーム頑張れ〜!
伊達翔太 三井寿 仙道彰 桜木花道 一ノ瀬剛志 監督田岡茂一。もし、この拓翼&東京&横浜連合チームなら深沢体、青葉相手にどのような勝負をするのだろうか?
河田兄は山王では深津、沢北、大学では牧、諸星とプレーしてエリートのうちの1人の様な位置付けですが、森重以外には無双できるくらいの実力だと思うんだよな。
もっとボールを要求して、それこそ無双する試合を見てみたかった。
現実のコービーやノビツキーの様に一人で試合を終わらせるような活躍をする試合を見てみたい
兄の代わりにジャンプボール任されてるくらいだから出来るとは思うんだが
この場面はゴール下シュートじゃなくてダンクじゃないかな
深体大の選手には恨みは無いが
他校とは違って、圧倒的な選手層の厚さを有していることをいいことに、相手のスタミナ切れにつけこんで勝とうなんていう唐沢監督の策略には、ケッタクソの悪さしか感じねえわ
大和の選手は、みんな疲労困憊といったところだろうが、「ランナーズ・ハイ」という言葉もあるくらいだし、いっそのこと全員覚醒して、ビッグアップセットを起こしてもらいたい
先生が大和の監督ならどうしますか
ワクワクすんぞ
いや、そこは・・・・・・巨体を活かしたフェイダウェイが正しい判断だぁ!
以前代表で2ndガードでのプレイの仕方について語られたかと
その時のための練習としてこの試合監督がやり繰りしていたのかと
試合の結果はもちろん選手の成長のために監督が普通に勝てるゲームをやりくりし演出した感じかと
戦略ですから
アドバンテージは使わないと
常にレギュラーで出ていた牧の今後を考え控えでの試合の入り方を教えるためわざわざ劣勢を作りしかも相手のスタミナを消耗させ逆転のお膳立てをしてから送り出す
むしろ選手への愛を感じました。
あくまでもプロではないので自分の選手の成長を第一に考える。
異論はあると思えけどこれも一つの形かな〜
負けたときの責任もあると思うし。
けどこの展開を決断したのは監督の覚悟あってかと
センス○
それは
「(スタートに揃う時間があって以降)ずっとなかったので」
という意味ですよ。
深体大は来年度以降も盤石ですね。
最終Qでミキオがダンクしてゴール破壊
20分程中断して大和のスタメン連中が体力回復して逃げ切ったら爆笑w
批判厨のコメントもやな
大和が関体大とやった時に、あえて永山を戻さないみたいなやり繰りの上手い采配が好きですが、モーリーの言った「プラン通り」という言葉が気になります。
桜木の指摘した、諸星のファーストシュートが外れた時点で展開を読んで、三銃士の足を休ませるプランだとしたら唐沢監督凄すぎる。
森尾さんの「すべてプラン通りだったら?」という
言葉も気になります
身体能力や技術は成長しているし、ダンクは簡単にできるでしょう。
ただ、人間の根っこの部分の性格は変えられないのかな。原作の引っ込み思案で自分を卑下しがちで派手なことを好まないキャラですから。
もっと強気に自信を持たせたい、というのもあって兄をベンチに下げたのかも。
「牧が全日本の代表になった場合、しばらくはスタメンではなく、交代による、途中出場になる」
なんていう件が、過去の記事に書かれていたが
残念ながら、日本代表では、今のようなアドバンテージをフル活用できる「王者」としての立場ではなく、どちらかというと、“挑戦者”として、相手に必死に食らいついていく戦い方を強いられる
よって、相手にスタミナを消耗させておいて、逆転のお膳立てなどという、至れり尽くせりなんて、全くもって、期待できるはずがない
今後、自分よりもレベルの高い相手と戦っていかなければならないのに、弱った相手に“勝ち戦”を仕掛けたところで、チームの勝利は得られたとしても、選手個人の成長にどう繋がるのか
それに、この戦略は、「スロースターター」と言われている牧だけならばともかく、諸星や河田雅に対しても、そういうことなのか?
頭の悪い自分には、よく分からねぇが、深体大と比べると、青葉学院の戦い方っていうのは、実に、清々しく感じるね
スタートに揃ってなかったらスタメンでもなんでもないwww
桜木と森重って本来の役割はカブってないけど、美紀夫と森重は完全に同タイプ。
このブログではスピードで完全に森重だし、前回パワーも劣勢だったけど、持ち前の高さで所属チームを引っ張っていってほしい。
あと気になったのは今の美紀夫はどんな体型してんだろう?連載当時のボテボテな姿なのか、多少絞れてるのか
次藤くんよろしくマラソン特訓で走れる身体にした美紀夫も見てみたい
暇人の鏡
原作時より3cm伸びて10kg落としてます
同じです‼︎
美紀男の成長が嬉しい。