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  • 2021年12月07日12:00

スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(170) リメイク版

※この記事はリメイク版です
リメイクの経緯はコチラ
元記事はコチラ



残り1分45秒

山王 84
海南 74



『ピピーーーーーー!!!!!』



清田、オフェンスチャージ。


ファウルを誘い込んだのは、深津。


「うわあああああああーーーーーー!!! 
深津のテイクチャージだあああ!!!!」

「海南は連続でターンオーバーだぞ!!」

「もう2分を切ってる! これは痛い!!!!」



最後まで諦めない海南、
しかし、清田が痛恨のオフェンスチャージ。


攻撃権が山王に移った。



「オーケー、オーケー!」 

深津がすっと立ち上がり審判にボールを渡す。 

(ナイスジャッジだピョン)


河田と松本が深津の肩を叩いた。 

「さすがだな」



清田は呆然。

「ああ……………」





『ビビーーーーーーーーー!!!!!!!』

『チャージドタイムアウト! 青』




海南・高頭監督、最後のタイムアウト。


「ああああああ!!! どうする海南!?」

「これまでか!? 万事休すか!?」




両軍のメンバーがベンチに戻る。



清田の体が震えている。 

(ちきしょう…! ちきしょう…!!! 
俺は何をやってんだ!! このゲームが
どれだけ大事なゲームか分かってんのか…!)


神が清田にドリンクを渡す。

「信長、落ち着こう。まだ試合は終わってない。
ここで集中が切れたら、それこそ終わりだ。
最後まで集中しないと」


「神さん…」 

清田、うつむいたままベンチに座った。


牧が声をかけた。 

「清田、俺はまだ諦めんぞ」



「牧さん……」 

清田が顔を上げた。



牧が続ける。

「あのシーンは俺でもファウルをとられたはずだ。
お前のミスじゃない。深津のディフェンスが
上手かったんだ。いいな。まずは、落ち着け」


清田、涙がこぼれそうな顔で歯を食いしばる。 

「ハイ……!!!」



「よし」

高頭が最後の指示を出す。


「1分45秒で10点。もうここから追いつくには
3点しかない。まずはフルコートで当たって、
ボールをとりに行け。攻撃は、神のスリー、
牧のバスケットカウント、この2つで勝負だ」


「ハイ!!!!」


さらに続ける。

「それから、残り1分で6点以上点差があったら、
ファウルゲームだ。それまではノーファウルで
しっかり守ってくれ」


「ハイ!!!!!!」



現在、海南のチームファウルは4つ。
次のファウルからはフリースロー。

高頭が選択した最後の手はファウルゲーム。



牧が立ち上がった。

「さあ、これで最後だ。海南のバスケで行くぞ。
最後まで諦めるな。この試合、絶対に勝つぞ」


「オウ!!!!!!!!!!!」




『ビビーーーーーーーーー!!!!!』




山王ボールで試合再開。


山王はメンバーを代えてきた。

野辺をベンチに下げ、一之倉を投入。



観客席の田岡。

「ファウルゲームに備えてきたか。恐らく野辺より
一之倉のほうがフリースローが上手いのだろう。
残り4人は言わずもがな。まさに万全の体制だな。
勝ち方を知り尽くした山王の采配だ」


藤真は腕組み。

「海南が高い位置から当たってくるパターンも
想定している。プレスに対しボールキープできる
ガードの選手を増やして、プレス対策ということ。
全く抜かりがない…。牧…、最後まで諦めるなよ」



松本のスローイン。 

深津が受けとった。



そして、海南が動く。

「当たるぞ!!!!!!」


キュキュッ!!!!!!



清田が深津についた。

ボールを奪うべくタイトに当たる。


(やはり当たってきた。フルコートか)

深津はドリブルでキープ。 



そして、ハーフコートを越えた瞬間、
神がダブルチームに来た。



「おおお!!! ここでダブルだ!!!」

「いい位置だ!!! バックパス取れるぞ!!」

「当たれ!!! 当たれーーー!!!!!」



「深津!!!」 

一之倉がフォローに来る。 



ビッ!!

深津は2人のマークをかいくぐって
一之倉にボールを渡した。


「んなろう!!」 

すぐに清田が一之倉につく。


ビッ!!

しかし一之倉は、清田をひきつけてから
深津にボールを戻した。 


「あああ!! 上手い!!!」 

「冷静だ!!!」



ビッ!!


そして、深津は沢北にボールを回す。 

ここには牧がつく。



ローポストから河田が叫ぶ。 

「おし!沢北こっちだ!!!」


高砂が押し込まれている。


沢北から、その河田へ。

すかさず武藤がダブルチームへ。


「高砂・武藤で行った!!!」

「よし!! 打たせるな!!!」


が、


「松本!」 


ビッ!!

河田は松本にボールを回した。

海南をゆさぶる。



松本はスリーポイントラインの外で、
フリーで受け取った。

しかし、松本は打たない。ボールをキープ。


「あああああああ!!! 時間を使ってきた!」

「冷静だ!!! 憎いほど冷静だ!!」


ボールを回し続ける山王、

そして24秒タイマーが切れる寸前に
深津がやや無理な体勢からスリーを放った。


ガン!!!!  


失敗。


山王はリバウンドに入らず、
すぐにディフェンスに戻る。


堂本、うなずく。 

「オーケー。それで大丈夫だ」



スコア、動かず。


山王 84
海南 74



残り1分22秒、
海南ボール。


山王はマークを代えた。


沢北が神につく。フェイスガードだ。

(コイツだけは空けねえ。ボールから
どんだけ離れてても、くっついてってやる)


牧、ボールを出せない。

(神を潰してきたか…。ならば…)


ダム!!!!!!

武藤のスクリーンを呼び込んで深津を止め、
牧自らゴール下へ突進。


しかし山王は激しくは当たらない。


河田がゴール下で両手を挙げるにとどまる。 

「ノーファウルだな」


牧 「……!!!!」



(くそっ…) 

牧、レイアップを決める。


高頭の額に汗。 

「どこまで冷静なんだ、山王工業は……!!」



残り1分12秒

山王 84
海南 76



ビッ!! ビッ!! ビッ!!!


山王は再びボールを回し時間を使う。

海南はボールを奪えない。


そして残り50秒、

一之倉がスリーを放った。

清田のチェックを受けながら、
無理やりのシュート。



ガン!!!



再び外れる。



「リバウンドーーーーーーー!!!!!!」



バシィ!!!!!




「あああああああ!!!!!!」




河田が取った。



「うわあああ!!!! 河田だーー!!!!」

「ここでオフェンスリバウンドだあ!!!! 
これはデカーーーーーーイ!!!」



山王、今度は河田だけがリバウンドに入っていた。


高砂はしっかりとスクリーンアウトに入ったが、
一之倉のスリーは正確さを欠いたため、
外に大きく跳ねていた。

そのボールを、背後の河田が身長差を生かして、
高砂の上から奪い取った。



河田は外にボールを出す。 

再び時間を使いにいく。



高頭が叫ぶ。 

「ファウルだ!!! ファウルに行け!!」



(ちっ…!) 

牧が両腕で深津を抱える。


『ピーーーー!!!』 

『ファウル、青4番!!』



山王にフリースローが与えられた。


シューターは深津。



観客席の赤木。 

「最後のこの場面でも高さの差が出てしまったか」

桜木が腕組み。 

「リバウンドか……」



海南ベンチが祈る。 

「頼む…! 外してくれ!!!」

高頭が歯を食いしばる。 

(外れろ……!)




しかし




ザシュ!!!



「よーーしゃーーーー!!! ナイス深津!!」

「やったーーー!!! さすが深津だ!!!!」



深津は冷静に2本とも沈めた。


残り45秒

山王 86
海南 76




「ああ………」



海南応援団の声援がため息に変わる。

田岡、目を瞑る。 

「勝負あった……」


高頭も観念の表情でベンチに腰を下ろした。 



牧も何かを悟ったような表情で、ひとつため息。 

「ふうぅ…」




山王ベンチは両腕を突き上げる。


「よーーーし!!! 決まったーーー!!!!」

「さすがは深津さん!!! 勝負ありだ!!!」



続く海南の攻撃。


牧のカットインから、
高砂がゴール下を決めて8点差に。

やはり河田は厳しいチェックには来なかった。



残り28秒

山王 86
海南 78




山王ボール。



海南は再びファウルで時間を止める。

シューターは沢北。



残り24秒、

沢北がフリースローレーンに向かった。




その時、



観客から拍手が起こりだした。


パチパチパチパチパチパチ!!!!!!!


立ち上がる者もいる。

いわゆるスタンディングオベーション。



「ん?」 

見上げる沢北。



「沢北ああああーーーー!!!!!」

「ラストだ、沢北ーーー!!!!」

「アメリカでも頑張れよーーーー!!!!!」



「へへっ」 

沢北、一瞬照れたような笑顔を見せ、深呼吸。



ザシュ!!!

ザシュ!!!



日本の高校生活最後となるツーショットを決めた。



山王 88
海南 78




勝負は決した。




しかし、あとワンプレー残っている。

海南の最後の攻撃が残っている。



再びスタンディングオベーション。

さきほど沢北に拍手を送った観客が、
今度は海南を称える。



「牧ーー!! ラストだーーー!!!!!」

「海南、最後まで頑張れーーーー!!!!!」


「行け行け海南!!! 押せ押せ海南!!!」

「行け行け海南!!! 押せ押せ海南!!!!」

「行け行け海南!!! 押せ押せ海南!!!!!」



記者席の弥生。

「凄い…、高校生の試合でこんな光景見たことない」


涙ぐんだ表情で中村が答える。

「高校史上最強チームの最後の試合なんですよ……」




伝説に残るであろう最強軍団のラストゲーム。



キュキュッ!!!!!

最強軍団は最後のディフェンスに全力を尽くした。


ここで決して手は抜かない。

それが山王工業のスタイルだ。



海南応援団は涙を流しながら、最後の応援。


「牧さん!!!」 

「牧さん!!!!」


「牧さんラストーーーーーーー!!!!!!」





ダム!!!!!!!!


最強軍団の最大のライバル牧紳一が、
最強のペネトレイト。



そして、山王ディフェンスに囲まれながら


フリーになった清田にパスを出した。




「!!??」 



驚いた表情で清田がボールを受ける。




「清田、決めろ!!!」



PG牧紳一の最後のプレーは、

アシストだった。



(牧さん…!!) 


清田は歯を食いしばって、
レイアップを決めた。




山王 88
海南 80



試合終了








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