準決勝・第2試合
3rdクォーター 残り3分20秒
明利大 41
青学大 43
タイムアウトが明け、
両軍メンバーがコートに出る。
青学大、
藤真、天崎、神、前川、森重。
明利大、
宮城、畑山、竹村、花形、赤木。
道谷、実況。
《宮城はベンチに下がりません。フルタイムで
攻守ともに全開で動き回る司令塔は、引き続き
コートに立ちます。塚本さん、宮城続投です》
塚本、返す。
《これはある種「賭け」ともいえる采配ですよ。
宮城君の続投もそうですし、神君をマークできる
荒石君を下げたことも同様です》
道谷《第3クォーター残り3分、明利が動きます》
塚本《後半ひとつめの山場ですね、これは》
赤木のフリースローから試合再開。
佐戸 「2本決めれば同点、外せば青葉リード」
左京 「大事だね。タイム後は難しいしね」
キュッ…。
フリースローレーンに立つ赤木。
レフェリーからボールを受け取り、
ひとつ息を吐く。
「ふぅ…」
リバウンドレーンは、
明利大が、花形・竹村、
青学大が、森重、前川、天崎。
町田 「荒石と島袋がいないと高さが出ないな」
弥生 「そうね、外せばほぼ確実に青葉だわ」
ビッ!!
赤木、一投目。
ザシュ!!!
3rdクォーター 残り3分20秒
明利大 42
青学大 43
道谷《決めました! これで1点差!!》
塚本《赤木君、落ち着いてますね!》
『ワンショット!』
再び、レフェリーから赤木にボールが渡される。
ギラ!!
赤木の目が光る。
(次だ、行くぞ)
リバウンドレーンの花形・竹村が頷く。
藤真 「…!?」
(何か、狙っている…?)
ビッ!!
赤木、二投目。
藤真 (わざと外す気か…!!?)
「森重!!! 飛び込んでく…」
ザシュ!!!!!!
藤真 (違う…!?)
成功。
3rdクォーター 残り3分20秒
明利大 43
青学大 43
「おおおおおおーーーー!!!!!!!」
「よく決めた! さすがはキャプテン!!!」
道谷《赤木、2投目も決めま…》
塚本《おおっと…!!!!!???》
キュキュッ!!!!!!!!
明利大、動く。
前線から素早く守備隊形に入る。
「……!!!!????」
町田 「…!!!???」
弥生 「これは、まさか…!!」
ビッ!!
エンドラインから前川のスローイン、
天崎が受け取る。
キュッ!!!!!!
その天崎を、畑山がすかさず捕まえる。
さらに、最前線にいた宮城が一気に寄る。
「いきなりダブルチーム!!!!!」
「これは……!!!!!」
牧 「ゾーンプレス……!!!!」
諸星 「1−2−2か…!!!」
陸川 (なんだと……!!!!?)
道谷《ここで明利が仕掛けました!!!!》
塚本《まさか、ここでオールコートとは…!!》
道谷《これは意表を突くディフェンス!!!》
キュキュッ!!!
宮城・畑山、ふたりがかりのプレッシャー。
天崎 「ちょ…!!」
藤真 「しまった…!」
(このスローイン、俺が受け取らなければ
ならなかった…!!!)
「こっちだ!!」
やや遠方にいた神が、天崎に向かって走る。
御子柴 「フラッシュした」
深津 「いや…」
ビッ!!!
天崎、ふたりのディフェンスの手をかいくぐり、
神にボールが放るが、
バッシイイイイイ!!!!!!!
そこに竹村が飛び込む。
深津 「狙い通り」
「ああーーっと、獲った!!!!!!」
「ゾーンプレス、成功!!!!!!」
ビッ!!!
竹村、すぐさまボールを前方に放る。
宮城が受け取る。
そこは既にゴール下。
藤真 「前川!!!!!!!!」
宮城 「もらった!!!」
「させん!!!!!」
前川が跳ぶ。
宮城、撃たない。
「……!!!!!!!!!」
三井 「ナイスフェーーーイク!!!!!」
桜木 「リョーチン!!!!!!!」
ダム!!
ブロックに跳んだ前川の下をくぐるように
リング下を駆け抜け、リバースレイアップ。
バス!!!!!
3rdクォーター 残り3分15秒
明利大 45
青学大 43
「決めたあああああーーーーーー!!!!!」
「明利、再びリード!!!!!!!」
「宮城、全然やるぜ、アイツ!!!!」
仙道 「上手い!!」
佐戸 「ナイスプレイ!!!」
藤真がすぐに動く。
「俺に出せ!!!」
が、
明利大は自陣に戻る。
赤木が手を叩く。
「よーーーっし、ディフェンス!!!!」
「オウ!!!!!!!」
「退いた…!!??」
「ゾーンプレスに行かない…!!!?」
藤真 「……!!?」
陸川 (いまの1本だけ…!!?)
明利大ベンチ、腕組みの坂口。
「ああ、1本だけだ。リードは渡さん。
同点の時間すら、最小限で抑える」
道谷《なんと、ゾーンプレスはもう終了です》
塚本《この1本だけの策略だったようですね》
道谷《近くの天崎に安易に出してしまった青葉》
塚本《リバウンドレーンにいましたからね》
天崎 「なんだよ、それ…」
藤真 (クソ…、してやられた…)
佐戸、腕組み。
「明利はこのゲーム、リードを保持し続けることが
勝利へのカギと捉えているようだな」
外川、頷く。
「力づくで奪ったねえ。青葉がリードした時間は
ほんのわずかだった。明利の作戦ズバリだよ」
左京 「しかし、宮城リョータはまだ元気だな」
仙道 「驚きましたね」
清田 (本当に、まだ大丈夫なのか…)
青学大の攻撃。
ダム、ダム……。
ボールを運ぶのは藤真。
マッチアップは宮城。
天崎には畑山、神には竹村、
前川には花形、森重には赤木。
町田 「神につくのは竹村か」
弥生 「彼なら荒石君に近い守備ができるわ」
町田 「確かに。あと3分なら、行けるかな」
(こういう上級生の控え選手は貴重だな)
ビッ! ビッ!!
フロントコートに入った青葉、
ボールを回す。
藤真 「まだ出続けるとはな」
宮城 「しぶといぜ、俺は」
藤真 「タイム中に檄でも飛んだか?」
宮城 「いや、俺は飛ばした側だ」
藤真 「…!?」
ビッ!!
青学大のボールが森重に渡る。
道谷《さあ、赤木とのゴール下勝負!!》
塚本《森重君は調子を上げてますよ!!》
道谷《先ほどはファウルながら赤木をブロック》
塚本《自信を持っていそうな雰囲気ですね》
ダム!!!!!
森重、パワー勝負に行く。
「フン!!!!!!!!!!」
赤木、喰い止める。
森重 「…!!?」
赤木 「譲るわけにはいかんのだ」
森重 (さっきまでより、強くなった…)
赤木 「喝を入れられたもんでな」
木暮 「赤木…、宮城……」
タイムアウトを振り返る。
**********************************************
坂口 「宮城、どうする?」
宮城 「もちろん続投で」
坂口 「ほう」
荒石 「いや、リョーさんよ…」
花形 「宮城…」
宮城、続ける。
「俺はやれる。この試合、一歩も逃げちゃいねえ。
体力だって問題ねえ。むしろ、いま下げるなら
ダンナじゃないすか」
赤木 「なんだと…!?」
宮城 「あとは、逃げ腰の1年ども」
荒石・島袋 「……!!!」
坂口、ニコリ。
「そうか…、確かにお前はガード1人の状態でも
立ち向かい続けていたな。さあ、意見が出たが、
赤木、どうする?」
赤木 「愚問です」
坂口、ニコリ。
「そうか、それは失敬」
宮城 「あと…、ちょっと分かりかけてて」
赤木 「む?」
坂口 「分かりかけてる?」
宮城、汗をぬぐう。
「言葉じゃうまく説明できねえですけど、
青葉攻略の道がちょっと見えてるんす。
まだ俺を出してください。頼んます」
赤木 「……。」
坂口 「そうか、信じよう」
宮城、ニヤリ。
「ダンナ、根性見せろよ、だっけ?」
赤木 「その通りだ」
木暮 「よし」
坂口 「では、1年は一旦休憩、上級生を見学」
荒石 「え…!?」
島袋 「これだけ言われて、ベンチ…!?」
(ここは、俺たちも立ち上がるシーンじゃ…)
竹村・畑山、ニコリ。
「一旦だよ、一旦。俺たちの根性も見てろ」
「試合はまだ長いぜ、根性充電してな」
荒石・島袋 「………。」
赤木 「宮城、言ったからには分かってるな」
宮城 「ああ、くたばる気はねえぜ」
ギラ!!!!
宮城 「俺が明利の切り込み隊長だ」
赤木 「フッ…」
宮城 「あと、ナンバーワン・ガードも」
赤木 (それはもう聞き飽きた)
荒石 「しかし、ホントに大丈夫なのかよ」
宮城、その顔に、滝のように汗を流しながら、
肩を上下させつつ、親指を立てる。
「大丈夫だ」
鼻からフーーーっと大きく息を吐く。
荒石、眉間にシワ。
(疲れてんじゃねえかよ)
**********************************************
木暮 「ありがとう、宮城」
(しかし、本当に体力は大丈夫なのか…)
そして
コートでは、
ガン!!!!!
森重のワンハンドシュートが外れる。
「おおおおーーー!!! 外れた!!!!」
「赤木のプレッシャーが上回ったか!!!」
リバウンド、
花形が弾き、ルーズボール。
ズサアアアーーー!!!!!
これを、畑山が滑り込むように奪い取る。
道谷《ルーズボールは畑山が獲りました!!》
塚本《いいですね、こういうプレイが大事です》
道谷《山王時代から泥臭いプレイが光る畑山》
塚本《さあ、明利ボールですよ》
3rdクォーター 残り2分50秒
明利大 45
青学大 43
牧、苦笑い。
「また踏みとどまりやがった」
諸星 「しぶとい、しぶとすぎるぜ、明利…」
河田雅 「まだ青葉が主導権を奪えんとは…」
極端なロースコアとなった3rdクォーター、
何度も大きな危機を迎えながら
明利大はギリギリで踏ん張り続けた。
青学大は何度も掴みかけた流れを
モノにすることはできなかった。
勝負は、
残り10分に持ち越された。
『ビビーーーーーーーーーーーー!!!!!!』
3rdクォーター 終了
明利大 51
青学大 49
宮城 「ふぅ……」
(あと10分か……)
続く
--
|



スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1138) へのコメント一覧
歳のせいか「泣かせる!!」と言う展開では無くても何故か泣けてきます。
今回の話も気づけば泣いておりました(笑
とうとう藤真に勝っちゃうか!
次が待ち遠しい
宮城の『青葉攻略の道』気になります!
これこらも宜しくお願いします。
監督も是非人物辞典に加えて下さい!
がんばれリョーチン!
なんだよこの展開は!?
面白過ぎです♡
いつもありがとうございます(^^)
それとも…
それにリョーチンに檄飛ばせるのって1人しかいないよね〜
次回も楽しみだ〜🎶
最後まで頑張れ
宮城がいなくなったら明利は終わる
相手に呑まれない。
いかに爆発時間を作らせず、
競った時間を継続するか。
宮城 「いや、俺は飛ばした側だ」
藤真 「…!?」
ここ好きw
ワクワクドキドキが止まりません!
青葉のシューター達にプレッシャーかけ続ける作戦なのかな??
リョウちん、ゴリ頑張れ!!
次回も楽しみにしています^_^
タイムアウト中の、ゴリと1年生への喝。
全く予想すら出来ませんでした。
しかし、まさに今の明利の不安要素を容赦なく指摘。
そうでないと、青葉には勝てないって事ですよね。
勝ち筋を見出し、チームを勝利に導いたら、
本当にナンバーワンガードが見えてくる!!!!
りょうちんも頑張ってるけど
最後に勝利のガッツポーズは青葉大そして藤真です👍️
ちょっと泣いちゃった…
しかも一回だけ!
そして宮城の喝!
Kさんのストーリー展開素晴らしすぎる!
神回。
目の前の敵が誰だろうと、全国制覇は譲るな!!
頑張れ、赤木&宮城。
同じように勝つか、それとも青葉が許さないか
この先が楽しみすぎる
Kさんいつもありがとうございます!月曜更新ありがとうです。
1年コンビが交代し畑山、竹村の上級生が入る明利!宮城が続行が嬉しいですし、花道、三井の信頼も最高です!
宮城、畑山のプレスで天崎からボールを奪い取り、フェイクでそのままレイアップで宮城が決めました!
さらにプレスにはいかずにハーフで待ち構える明利!監督と宮城の指示、最高です!
リョーチンの青葉攻略の道!ぜひ見せてください!
宮城の奮闘で2点リードの明利。最終クォーター両校どう動くのか?
全国制覇!赤木、花形、木暮、竹村には最後のチャンスなので、高速G宮城リョータと共に青葉を、倒し、深沢体にも勝ち優勝してほしいが、青葉の意地(藤真、家村、前川)も見たい!
この明利VS青葉。花道1年夏の湘北VS翔陽・冬の陵南VS翔陽に似ている気がする‥
両チーム頑張れ〜
ようにどんどん、なってきます。
ほんと、頭の中でKさんの宮城がイメージ化されてます。
最高です。
今回は面白すぎてぐうの音もでまへん
一方で赤木の全国制覇に賭ける気持ちにも期待!
どっちが勝つシーンも見てみたい。。こんなにどっちにも勝ってほしい試合はそうないですね。。
リョーチンの足とキャプテンシー、青葉のファウル数、赤木の覚醒と神の不気味な感じ、お互い不安要素とポテンシャルが入り交じるなか、どっちが勝つのか楽しみです。
どっちでもシナリオKです。楽しみにしてます。
自分より強い相手にはすごい力を発揮するけど、同等以下の相手には少し隙を見せちゃう感じが素敵です
神がたまには活躍しない回があっても良いと思います。
そしてKさんのストーリー展開のセンスがやばすぎる
もう14〜15年、Kの部屋を愛読させて頂いています
毎朝、一服の時間に更新されていないかチェック
するのがずっと日課になっています
何より、これだけ継続して取り組まれている
Kさんを尊敬してやまないです
これからも、ずっと楽しみにしてますので
どうか描き続けてください。
リョーチンの青葉攻略の道とは・・・
任して、アヤちゃん!
藤真も牧も倒そうぜ!
DFの負担が少ない以上もっとOFのときに存在感を出してほしい
このままだとDFは宮城>天崎>藤真になってしまう
元湘北の3人が仕事をしている+明利の作戦が機能していると言ったらそれまでだけど。
藤真は牧と互角に戦える力を持っているし、
神も見方によっては三井よりも脅威(三井より実力が上という意味ではない)な点をそなえている選手、
森重も桜木が流川仙道に対してと変わらないくらいライバル意識燃やすような選手、
作戦や個々の戦力だけで抑えきれるような選手達でないと思っています。
宮城のスタミナと森重のファウル数が今後の展開にどう影響を与えるのか。
青葉の爆発、明利の奇跡的なプレー両方期待しています。
それすらフェイクにできるかどうか
誰でも出来る様で出来ない気持ちの入ったプレー!!
好きだなぁ!
あとは赤木が森重に完璧に勝つのは難しいけど互角ないしそれ以上のプレーをして明利に勝って欲しいですね!
ゴリは森重を超えられると信じています。努力の量、気持ち、キャプテンシー、森重に無いものを沢山持っているのは赤木だけです。
こうなると藤真、森重が意地を見せられるか?
ハイレベルながら安定してて、キワの場面であんまり活躍するイメージのない二人だけにこれは読めなくなってきた
しかも、今回は、「交代するならダンナ」とまで言ってのけた
もはや、キャプテンシーに関していえば、「あの湘北の魂」と言われた赤木を超えたんじゃないのかな
竹村や畑山が入った第3Qの残り時間、戦力的には、青葉と比べれば厳しいはずの明利が、気持ちの違いで、踏ん張ってみせた
天皇杯の前、深体大は、牧の「絶対に勝つ」という言葉がチームに浸透していて、それが強さの原動力にもなっていた
一方、青葉の藤真は、「このチームで、少しでも長くバスケをやっていたい」と語っており、チームメイトの神なども、同じ思いを抱いていた
この違いが、最後にどう出るかがポイントのようなことが書かれていたと思うが、明利には、安西先生譲りの「諦めたら、そこで試合終了」という、上記の2つとは、また違った強い意志がある
ラスト10分、ここまで抑えられてきた神が爆発して、青葉が、一気に勝利を手繰り寄せるのか
それとも、確実に疲労が蓄積する中、勝利への道筋が見えかけている宮城によって、これまで倒すことができなかった、あの牧を擁する深体大との決戦に駒を進めることになるのか
敢えて、赤木風に言うならば、ここから先は
「つまり、宮城 vs 神である」
頑張れ明利!
まずは畑山が持ち味を出した。
お次は竹村。
竹村が持ち味を出した時に、宮城が活路を見出すか?
完全に鳴りを潜めている必殺仕事人はこのままで終わるのか?
明利の1年コンビが爆発する....かもしれない?
何にせよ、青葉が大人しすぎるけど、
ゲーム通してリードさせない。ってのが青葉攻略のキーなのかもしれない。
とか色々深読みしながらミステリー並みに考察してます(笑)
次回も楽しみです!
確かにそうですよね
この試合実はゴリはそこまで目立ってないですよね。
花形も最初は目立ってましたが、終盤来て欲しい
険しすぎる道のりですが、是非掴みとってほしいです。
赤木が頑張って森重のリバウンドを抑えられれば終盤の僅差でスリーの確率も下げられるか、少しでも躊躇わせられれば4シューター作戦の脅威も落ちる。
あとは宮城には何が見えているか、気になる。
あと10分、死力をふりしぼって、
勝利をつか見とれ!
牧、河田兄弟、待ってろよ!!
カリーだって3Pが1/10みたいな日ありますもんね
藤真に真っ向から挑んだ宮城(明利)
それを勝因にしてほしい(敗因にしてほしくない)...
坂口も大好きだー!
もしかしてりょーちんの作戦は
青葉の4シューターに対抗する明利の4シューターでは?
森重の5ファウル退場→赤城がインサイドで勝てる!
が前提ですけど・・