準決勝・第2試合
4thクォーター 3分20秒
明利大 64
青学大 55
タイムアウト後、
青学大・家村が4年生の落ち着きを見せる
ミドルシュートで2点を返すも、
明利大は続くオフェンスで、宮城のパスから
荒石を経由し、花形が得点。
互いに2点を重ね、得点差は9から変わらず。
そして再び青学大の攻撃。
道谷《両軍とも点を獲りました》
塚本《オフェンスのリズムがいいですね》
道谷《こうなると、この9点は重いでしょうか》
塚本《そうですね、青葉は連続得点が必要です》
須形 「連続得点か…」
帆足 「その大事さは自分たちも知ってますね」
松坂 「だからこそ天崎さんが必要なんじゃ…」
須形 「悔しいだろうなあ、天崎さん」
千種 「はい…」
ベンチに座る天崎、
「ふぅ…」
ひと息つき、ジャージを着る。
隣に座る3年生控えセンター・簗地が声をかける。
「まだ集中を切らしちゃダメだぜ、お前の出番は
また来るかもしれない。しっかり試合を見てろ」
天崎 「ヤナさん…」
簗地、頷く。
「森重が3ファウルだからよ、俺も一緒なんだ。
いつ出番が来ても戦える状態にしとかないとな」
さらに、2年生控えガードの黒須も。
「藤真さんは休みナシで出続けている。お前も俺も
いつ出番が来るか分からない。この第4クォーター
いつでも準備万端でいることだ」
天崎 「は、はい…!!」
黒須 「声、出そうぜ」
簗地 「ベンチからも試合に参加だ」
天崎 「ッス…!!」
ガタッ!
立ち上がる、天崎。
「さあ、一本!!!!!!」
ビッ!!
藤真から森重へのパス。
キュキュッ!!!!
赤木が寄る。
ダム!!!
森重、体をぶつける。
が、赤木は動じない。
道谷《赤木、撃たせません!!!》
塚本《あのダンクから守備の調子もいいです!》
「おおおおーーー!!! 赤木、絶好調!!」
「これは難攻不落か!!?」
森尾 「さすがだ、あのドイツ戦の奮闘も頷ける」
杉山 「彼の守備力は既に代表クラスですよ」
森尾、頷く。
「赤木は、対森重の場面で互角以上のプレイを
見せ始めている。一方、明利のピック&ロールに
対しての連携ミスと言い、森重の方はちょっと
元気がなくなってきたか」
桜木、腕組み。
「パワーだけじゃゴリは倒せないぜ、デカ坊主」
ビッ!!
ボールは外に戻される。
ショットクロック残り8秒。
「ああっと、時間がなくなってきた…!!」
「青葉、なんとか攻めないと…!!」
そのとき
キュキュッ!!!
ゴール下近辺に動く男。
ビッ!!!!
また藤真から矢のようなパス。
ゴール下には、神。
道谷《またもや、インサイドに神!!!》
塚本《荒石君、捕まえきれないか…!》
神、ボールを掲げる。
荒石 「クソッ…!!」
ブロックに跳ぶが、
ダム!!
神、冷静にシュートモーションを止め、
ドリブルで交わす。
土屋 「上手い!」
松本 「アイツ、ずっと落ち着いてる」
バス!!
神、荒石のブロックを潜り抜け、
リバースレイアップ。
4thクォーター 3分40秒
明利大 64
青学大 57
「上手ああああーーーーーーい!!!!!!」
「ここで神の2点が目立ち始めてきた!!」
「荒石が中のプレイに対応しきれていない…!」
青学大ベンチ、手を叩く。
天崎 「よーーーっし、神さん!!!」
黒須 「さすがだ! どこでも点が獲れる!」
諸星 「外を封じられても活路を見出しやがる」
河田雅 「アイツはあそこからパスもあるしな」
牧、腕組み。
「交代策で攻撃の厚みを選択したのは成功だな。
青葉の得点は止まらない状態だ」
河田雅、頷く。
「ああ、そして続く課題はディフェンスだ」
明利大の攻撃。
竹村がボールを運ぶ。
「よし、行こう」
宮城が声を出す。
「オラ、一本返すぜ!!!!!」
「オウ!!!!!!!」
道谷《宮城から声が飛んでいます》
塚本《いやあ、自信に満ち溢れた顔ですね》
道谷、コブシに力が入る。
《青葉はこの絶好調の明利を止めねばなりません。
1本・1本が重要な時間帯に入ってきました!》
ここで、動きあり。
キュキュッ!!!!
藤真 「ディフェンス!!!!!」
「……!!!!!!」
町田 「これは……!!!!」
彦一 「青葉が動いた…!!!!」
道谷《おっと、守備が変わったか!!》
塚本《これは、ゾーンです!!》
青学大、2-3のゾーンディフェンス。
藤真・家村が前列、
神・森重・前川が後列。
陸川、腕組み。
「よかろう。この時間、宮城を1対1で止めるのは
諦める。だが試合の勝敗までを渡す気はない」
タイムアウト明けの最初のディフェンスで、
藤真は悟った。いま、この時間においては、
1対1で宮城を止められないことを。
そして陸川監督にディフェンスチェンジを伝えた。
町田 「藤真…、プライドよりも勝敗を取ったか」
弥生 「この試合、絶対に勝つという意思ね」
こうなると、宮城の1対1から仕掛けていく
1-4型の陣形は使えない。
青学大は、1対1での敗北を認め、守備を変えた。
ギラリ!!
藤真 「さあ、来てみろ」
ここで明利大ベンチも動く。
坂口 「なるほど」
立ち上がり、畑山に声をかける。
「行くぞ、竹村と交代だ。外からのシュートを
意識的に狙ってくれ」
畑山、ジャージを脱ぐ。
「はい!」
「…!!」
竹村、ベンチの動きに気づく。
ダム!!!
そして、突然ドライブを狙う。
「……!!!?」
虚を突かれた、青葉ディフェンス、思わずこれに
手を出してしまう。
『ピピーーーーッ!!!!!!!』
道谷 「おっと、ファウルです!」
塚本 「竹村君のドリブルは予想外でしたかね」
ここでブザー。
『ビビーーーーーーーーーー!!!!!!!!』
竹村、ベンチの畑山を指差し、ニコリ。
「頼むぜ」
畑山、コブシを握り頷く。
「っす!」
道谷《明利は竹村と畑山が代わるようです》
塚本《青葉の守備が動けば、すかさずですね》
道谷《ベンチワークが活発になってきました》
佐戸 「おお〜、凄いな、12番の彼(竹村)」
左京 「ん?」
佐戸、腕組み。
「いま、おそらく彼は、交代を進めるために、
狙ってファウルをもらいに行ったよ」
仙道 「へえ」
清田 「マ、マジすか…」
佐戸 「大きな仕事だよ、いまのは」
(そして、自分が交代になることを分かりながら、
チームのためにそれを進める形を自ら選ぶのも、
なかなかできることじゃないぞ)
藤真 「………。」
(畑山か…、アウトサイドシュートに注意だな。
宮城が乗っているだけに、外の攻撃がもう一枚
増えてしまうのは、少々厄介だ)
キュキュッ!!!!!
「おおおおーーーっと…!!!!!」
「藤真が前に出た!!!」
藤真、ボールを持つ畑山に寄る。
ゾーンのバランスが崩れるが、お構いなしに
畑山にプレッシャーをかける。
土屋 「畑山に…?」
松本 「これじゃ宮城のとこが手薄になるぞ…」
キュッ!! キュキュッ!!
藤真 (いま封じるべきはこっちだ)
ビッ!!
畑山、ボールを回す。
そのボールは、外に立つ花形から、
ハイポストの荒石へ。
さらに、
「ダンナ!!!!」
ビッ!!!
荒石から、ゴール下の赤木へ。
「来た、赤木!!!!!」
「青葉のゾーンに、キングコングが乗り込む!」
ダム!!!!
赤木、森重と前川の間をドリブルで攻める。
木暮 「よし、こじ開けろ!!!」
竹村 「行け、赤木!!!」
坂口 「……。」
(違う…、やりたかったのは、この攻めじゃない)
ガン!!!!!!
2人のプレッシャーを浴びた赤木、
このシュートを落とす。
道谷《あああっと、入りません…!!!》
塚本《青葉ディフェンス、よく守りました!》
道谷《そしてリバウンドは森重!》
塚本《一本止めましたよ!》
4thクォーター 4分
明利大 64
青学大 57
町田 「7点差は変わらない!」
彦一 「そして、青葉ボールや!!」
弥生 「さあ、詰め寄るチャンスが来たわよ!」
坂口 「ふぅ…」
(藤真にウチの狙いを潰されたか…。この状況で
畑山にチャンスを与えないことを優先するとは。
よくぞあんな判断ができるものだ…)
続く、青学大の攻撃。
ビッ!!!
藤真のパスは、またもやハイポストへ。
リングを背にして、神がボールを受け取る。
「また来た!! 神のインサイド!」
「いまはあの形が青葉の狙いか!!」
キュッ!!
神、フロントターン。
リングに正対し、すぐさま構える。
木暮 (撃たれる…!!)
竹村 「チェックだ!!!」
ビッ!!!!
シュートモーションから、ゴール下へパス。
「……!!!!?????」
キュッ!!!!
森重、同時に反転。
赤木を置き去りにしてゴール下へ。
赤木 「……!!!!」
桜木 (動きを使った!)
ボールが森重に通る。
道谷《ゴール下、森重!!!!》
塚本《赤木君、遅れた…!!》
ダン!!!
花形がブロックに跳ぶ。
が、
藤真 「遅い!!」
ガシイイイ!!!!!
森重、花形に体をぶつけるような形で、
強引にシュート。
バス!!!!!!!
4thクォーター 4分20秒
明利大 64
青学大 59
『ピーーーーーーッ!!!!!』
『バスケットカウント・ワンスロー!!!!!』
赤木 (しまった…!!!)
宮城 (やられた…!!)
道谷《森重、決めました!!!!!!》
塚本《藤真君・神君からの素晴らしい連係!》
道谷《青葉、これで5点差!!!》
須形 「れ…、連続得点だ…!!!」
帆足 「すげえ…」
藤真 「よっし!!!」
力強く、ガッツポーズ。
宮城 「藤真健司……」
藤真、宮城に告げる。
「1対1は俺の負けでいい。
だが、試合で勝つのは俺たちだ」
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1144) へのコメント一覧
でも何とか切り抜けて勝って欲しい!ゴリ負けるな!
藤真も生粋の勝負師にしてリーダーだと思いました
人生何周目?
何だその落ち着き
荒石、神の3点を防げているし、攻撃に時間かけさせてるからまずまずだぞ
最後は見事にやられちゃったけど
竹村ってすごいなあ
自分なら交代前にシュート狙うとか最後に一活躍狙っちゃうよ
過去の話を活かすKさんもお見事
この段階ではヒゲは生やしてないのかな?
やっぱり青葉が盛り返してきましたね〜〜
あのまま森重や神が大人しいわけないですからね。
最後までどうなるか展開が読めませんわ…
残り4分どう転ぶか!
今回の1144回も濃い内容ですね。
私の記憶が甘いだけかも知れませんが、神のレイアップシュート(今回はリバースレイアップですが)は、オリジナルも含めて試合では見たことがない気がしています(読者の皆さん、神のレイアップがあれば、何話かご教示ください)。
ここ何話かはリョータの覚醒でしたが、全ての選手が覚醒している様に描かれた感があり、より一層本作を魅力的なものにしていると感心するばかりです。
また、ベンチワークに気づいた竹村のファールを誘うドライブや、それを評価する佐戸達ギャラリーの会話、さらに、交代で入った畑山に対応する藤真のディフェンス、それに対する坂口監督の苦悩など、極めて緻密でありながら、テンポも損ねることなく展開されており、この代の大学としての最後の大会の準決に相応しい充実した描写です。
「最も戦略的な試合は?」のような投票があったら、私はこの明利x青葉を推すのでは、と思える程です。
興奮して書き過ぎてしまいました。長文をお許しください。
さすがは最高のポイントガード!
坂口監督のコメントも気になりますね!
楽しみです!
簡単には勝たせてくれないな、、
ゴリ、リョーちん、流れをもう一度自分達で持ってきて、勝負を決めてくれ!
そして天崎にも爆発の兆しが
藤真の冷静な判断力は牧や深津とはまた違った凄みがありますね
最高のPGは藤真よ❗
プライドよりも試合に勝つ‼️
絶対に青葉が勝つ‼️
オリジナルキャラ人気投票直後なだけあって、ここに来ていろいろなキャラにフォーカス当たるのは凄く嬉しいですね!
だが、試合で勝つのは俺たちだ」
こんなの当たり前(笑)プライドよりチームの勝利優先とか普通の事だから(笑)
絶対ゴリ達に勝って欲しいです!!!
高校の時監督兼PGやってただけあって頭の回転が抜群ですわ。
青葉頑張れ!
一話の中に色々詰め込まれましたね。
そして最後のセリフ、鰈・赤木の境地に辿り着いた藤真は更に手強そうだ。
Kさんいつもありがとうございます!
両軍流れを渡さず、宮城、藤真のGの対決も激しく明利9点リード!
青葉のベンチでの天崎、黒須、簗地の会話良いですね!
神が調子をあげてきて荒石のブロックをかわし決めました!3点を封じている荒石も流石ですが神の淡々とした感じが怖い!
マンツーマンからゾーンに切り替えた青葉!
4年の意地もあるでしょうが、ベンチの動きを読み取り竹村がファウルをもらう、4年生の経験は侮れません。
交代の意図を読み畑山を潰しにかかる藤真、荒石をかわす神、花形からバスカンをとる森重。ビック3が調子をあげてきました!
明利はどうするか?この試合花形さんがかなり点をとっているのが嬉しいです♪
両チーム頑張れ!
ホントにおもしろい❗️❗️
坂口監督のコメントが
『やりかった』になってます。
『やりたかった』ですかね。
宮城君3年時の湘北vs山王や山王vs名朋みたいに最後の最後でひっくり返りそうな嫌なムードで夜しか眠れないよ。
『1対1でも、試合でも勝つ!!』
明利のようなインサイドが強い(何せ、2メートル級が3枚もいる)チームは、相手がゾーンで対抗してくることは決して珍しいことではないだろうに、攻略法は、それなりに持っていると思うんだよな
だから、畑山が封じられたからといって、それだけで手詰まりになるとは、とても思えない(し、それで明利の攻撃を抑えられるならば、青葉も、天崎を限界まで使い続けることはしなかっただろう)
まあ、得意の3Pを封じられているとはいえ、あの神が、少しづつ存在感を増してきたことを考えると、明利がそのまま押し切るというのも、なかなかにして難しいというわけだ
ただ、ひょっとしたら、ひょっとすると、最後の最後で、神の3Pが“入らない”(理由は、色んなパターンが考えられるが、個人的には、高校時代に、神とマッチアップしてガス欠に陥った荒石に、あの時と借りを返してほしい)なんていう、結末が用意されているような気がしないでもない
ちなみにだが、仮に、この試合、青葉が勝ったとして、もし、今、ユニバーシアードが行われたとしたら、PGは、牧、深津、宮城の3人が選ばれ、藤真は落選になってしまうのかな?
それとも、“勝てば官軍”よろしく、「最高のポイントガード」と呼ばれる藤真が、再び、選ばれることになるのだろうか?
ゴリが森重に完勝して全国制覇にはずみをつけてほしい。
監督経験のある藤真らしい判断ともいえる。
7年目の念願がかないそうな、あの試合で同じ展開だったらどうしてたかな。
チームを勝利に導くのが良いPGだってことは藤真もりょーちんもわかってるはず。ここからのゲームメイクに期待ですね。
りょーちんは念願の牧藤真越えを果たして欲しい!!
身体能力や高さでは神に勝ってるんだから明利の攻めポイントになりうる可能性もあるんだし
でも神もいるから難しいですねぇ……
案の定青葉の逆襲が始まりましたね!!
ただ、リョーチンがゾーンに切り替えてきた時の対策を考えてないとは思えないです^o^
青葉攻略はまだ終わってないと信じたい!!
個人的には、畑山を入れて3Pを警戒させて、得意のインサイドで森重の4ファール、ファールアウトを狙う流れでないかと
原作海南戦でのリョータのように、影の殊勲者は彼だった。
リーグで戦うとなると藤真。トーナメントの一発勝負なら宮城って感じですかね?
まぁ女性客を呼べる時点で藤真が加点される気もするけど・・・
スピード、スタミナは宮城が上だけど、それ以外はまだ藤真の方が上だと思う。
どう読んだらそう思えるのか教えて欲しいです
これはまぁ確かに
でも言いたいことが伝わってないね
決勝ですかねw
あと二分で決着。
いまでしょ
りょうちん、花形、畑山、メガネくんで打ちまくり
本当に細かくてKさん凄いわ
試合の方は明利が神選手の対応をし切れていないので
逆転まであると思います!
全キャラ、クラッチタイムでどんどん覚醒していきそうな勢いだ。
メガネ君は出るとしたら、最終、深沢大戦(勝ち抜けば)のクラッチに期待。
さすがは4年生、頼れる先輩感がいい👍
試合の流れかえたりでスピードタイプいた方が良いから、宮城は入れておきたい。
藤真の役割が深津と重なるところが多い。そのどちらかかな。
がフラッシュバックしてしまう。
出るぞ!
明利名物・・・・・
木暮タイムが・・・・・
自作自演乙!!!
単細胞ゴリラを操って試合も制してくれ!
いつもありがとうございますm(_ _)m
明利に勝ってほしいけど、神にやられそうな気が。。。