前半終了
深体大 39
明利大 35
道谷、戦況を伝える。
《前半終わって4点差、深体大が僅かにリード。
試合はただいまハーフタイムに入っています》
塚本、解説。
《最後に投入された4年生の木暮君が、いい仕事を
しましたねえ。深体大としては、予期せぬ伏兵の
活躍だったんじゃないでしょうか?》
道谷、続ける。
《これは、挑戦者の明利としては、王者に対して
十分な戦いを披露した前半といえますかね》
塚本、頷く。
《そうですね、前半で引き離されてしまいますと
ひっくり返すのは難しくなりますから、4点差は
上出来といっていいと思います》
道谷《決勝戦らしい好ゲームとなっていますね》
塚本《はい、後半も期待しましょう》
「決勝戦か…」
テレビの前、笑顔の魚住。
「大したものだな、赤木も木暮も、宮城も。
この湘北組の活躍、素直に感動するものだ」
池上 「アイツら、全国制覇まであと20分だぜ」
越野 「行けますよ、絶対」
植草 「最後の大会、ここまで来たら勝たないと」
魚住 「ああ…」
(だが、最後のインカレなのは、相手も同じ。
牧たちは黙っちゃいないだろう…)
「さあ、後半勝負だ」
パンパン!!!
深体大控え室。
唐沢監督、笑顔で手を叩く。
「やはり最強の相手だったな、大したものだ。
だが、ここからはウチの見せ場だぞ」
牧 「はい」
諸星 「後半勝負ですね」
唐沢、ニコリ。
「どうだみんな、後半も全力で動けるな」
河田雅、頷く。
「もちろんです。コートにいる間は
フルタイムで全力を出せますよ」
唐沢、続ける。
「対する明利は、赤木や宮城が出ずっぱりだ。
後半必ず疲労が浮き彫りとなってくるだろう。
そこでトドメを刺す、勝つのは深体大だ」
牧 「第3クォーター、アタマから仕掛けますか?」
唐沢 「ああ、行くぞ」
バシッ!!
諸星、左手の手の平に右コブシをぶつける。
「よし!!!!!」
河田雅 「行くか」
牧 「一気にカタをつけるぞ」
(前半は、ちょっとウチが大人しすぎたかな。
ここから改めて深体大らしく行かないとな)
対する、明利大控室。
「さあ、ここからが本当の勝負だ」
選手達の前に立つ坂口監督。
「前半終わって4点差は悪くない。よく離されずに
喰らいついてくれた。まだまだしつこく行くぞ」
「ハイ!!!!!」
宮城 「相手は交代しながら戦っている」
赤木 「ああ、また後半もエンジン全開で来るぞ」
坂口、頷く。
「それは最初から分かっていたことだ。深体大は
準決勝も上手く選手を休ませながら戦ってきた。
この後半、相手にスタミナのアドバンテージが
あるのは間違いない。承知のうえだ」
花形 「その通りです」
荒石 「こっちは死に物狂いで行くしかねえな」
島袋 「休んでる余裕はないもんね」
宮城、腕組み。
「さあ、相手はどこで一気に仕掛けてくるか…。
第3クォーターか、それとも第4クォーターか」
赤木 「第3クォーターで来るはずだ」
花形 「そうだろうな」
木暮 「こっちも最初から勝負だ」
その頃、
観客席では。
「はああ〜〜〜」
大きく息を吐く、赤木晴子。
「ホントに凄い試合ですね、見てるだけで
なんだか凄く疲れました…」
彩子、ニコリ。
「赤木先輩たちの大学最後の試合なうえに、
最強の相手だものね。どうしてもチカラは
入っちゃうわね」
洋平 「なんてったって、全国制覇だからな」
高宮 「ゴリの夢なんだよな」
晴子 「うん」
(お兄ちゃん、頑張れ!!)
野間 「そして、俺の夢でもある」
大楠 「お前は別にいいよ」
準決勝で深体大に敗れた大和大。
土屋 「深体大がホンマに怖いんは後半からや」
松本 「そのためのベンチワークだったからな」
野辺 「この後半、当然仕掛けるだろう」
土屋、腕組み。
「まずは第3クォーターのアタマ。深体大の波を
凌げるかどうかが、後半の最初のポイントやな。
そこで波に呑まれたら、明利は終わりや」
準決勝で明利大に敗れた青学大。
天崎 「ここからですよね、深体大は」
神 「そうだな、きっとまた全開で行くはず」
藤真 「ああ、だが…」
「……?」
藤真、ニコリ。
「明利大もまた、ここからなんじゃないかな。
土壇場でのあの謎のパワーは、深体大といえど
簡単に対処できるものじゃないはずだ」
神 「そうかもしれませんね」
前川 「ミラクル明利やからな、アイツら」
「さあ、予想は?」
「ぬ?」
森尾、ニコリ。
「天才の予想ってやつを聞こうじゃないか、
この勝負、どちらが勝つのか」
桜木 「……。」
杉山 「お、天才にも難しい問いだったか?」
森尾 「珍しい沈黙だな」
ギラ!!!!
桜木 「強いほうが勝つ」
「………。」
杉山 「そ、そうか…」
森尾 「それはその通りだな」
桜木 「この天才には見えている」
森尾 「……。」
(勝ったほうが強い、ではなく、強いほうが勝つ、
似て非なる言葉だ。だが、バスケはえてして
そういう競技だったりするからな)
さらに考える。
森尾 (桜木の言う「強さ」とは、何を指すのか)
果たして、
どちらが強いのか。
強さとは何なのか。
答えは、間もなく明らかとなる。
そして、
歓声の中、両軍メンバーがコートに現れる。
「いよーーーーーーっ!!!!!!」
「待ってましたあああーーーー!!!!!!」
「深体大、王者の戦い、見せてくれよーー!!」
「明利ーーーー!! 歴史を変えろーーー!!」
町田 「さあ、どんな面子で後半に入るか」
弥生 「特に、深体大の5人に注目ね」
深沢体育大学
3rdクォーター ラインナップ
G/4.牧 紳一(186cm / 85kg / 4年 / 海南大附卒)
G/13.伊達 健太(184cm / 75kg / 1年 / 名朋工卒)
F/6.諸星 大(189cm / 80kg / 4年 / 愛和学院卒)
F/7.河田 雅史(200cm / 98kg / 4年 / 山王工卒)
C/15.河田 美紀男(213cm/ 120kg/ 2年/ 山王工卒)
明利大学
3rdクォーター ラインナップ
G/10.宮城 リョータ(169cm / 61kg / 3年 / 湘北卒)
F/18.島袋 渉(188cm / 80kg / 1年 / 屋良城卒)
F/5.花形 透(199cm / 92kg / 4年 / 翔陽卒)
F/4.赤木 剛憲(200cm / 97kg / 4年 / 湘北卒)
C/15.荒石 淳也(197cm / 86kg / 1年 / 湘北卒)
「おおおーーーーっと、三銃士揃い踏み!!!!」
「しかもダテケンも入ってる!!!」
「これは、得点力に振った5人か!!!」
「いや、明利も1年生コンビが入ってるぞ!」
「そして、ツインタワーと宮城は休みナシ!!!」
「これもまた挑戦者らしいアグレッシブな布陣!」
道谷《後半、深体大はフルスロットルの気配です》
塚本《これはアタマから仕掛けそうですね》
道谷《対する明利は1年生コンビを入れました》
塚本、解説。
《安定感よりも爆発力をとった5人といえますね。
サイズもありますし、面白い布陣ですよ》
『明利大ボール』
コートサイドに立つ花形に、
レフェリーがボールを手渡す。
道谷《明利ボールからスタートです》
塚本《さあ、後半の先制点を奪えるか》
深体大はマンツーマン・ディフェンス。
宮城に牧、
島袋に伊達健、
花形に諸星
赤木に河田雅
荒石に河田美
「おっと、花形に諸星、荒石に河田弟!」
「前半とは変えてきた!!」
藤真 「花形には、機動力の諸星がつくか」
神 「スリーのチャンスが減っちゃうかな」
天崎 「そして、荒石に美紀男さんか…」
前川 「これはインサイドは厳しくなるぞ」
杉山、ニコリ。
「赤木のマークは美紀男の可能性もあると思ったが
雅史できたか、どうやらあのふたりは、この後半も
存分にやり合うようだな」
桜木、ニヤリ。
「さあ、どっちが強いか」
ビッ!!
花形のスローイン、
宮城が受け取り、後半戦開始。
道谷《さあ、後半戦が始まりました!》
塚本《大事な一本です!! 注目しましょう!》
ダム、ダム……。
宮城 (この一本、重要…)
キュッ!
対峙する、牧紳一。
宮城、ニヤリ。
(勝負しようか、牧サンよ)
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1166) へのコメント一覧
リョーちん負けんなよ!!
かつて安西先生が言っていた、断固たる決意とかもありそう。
でも返事した瞬間の桜木は具体的には考えてない気がする(笑
次がわくわくしますね〜
明利頑張れ!!
腕の一本か二本折れば勝てると思うんだが
スポーツはそういうのダメなの?
また、そういうラフプレーはペナルティーあるの?
バカな質問ですまん
花形と諸星のところに高さのミスマッチですねぇ
深沢が攻撃時は逆に平面でミスマッチ+島袋の穴
点の取り合いになりそうで楽しみ!
うーん、惜しいですね。
この一文が余計でした。
↓
≫また、そういうラフプレーはペナルティーあるの?
これがなければ本当にわかっていない人のふりができたのに、この一文は完全にミスです。「ラフプレー」や「ペナルティー」という概念がわかっているじゃないですか。
そのせいで全然腹立たしくないです。滑ってます。今回は不合格です。
次回はもう少し考えてコメントすると良いと思います。また採点しますのでがんばってください。
頑張ってほしいです!
まずは、リョータ、牧を本気にさせろ!
記事と無関係ですが。10億もすぐそこ!毎度ありがとうございます!
釣りじゃなくて素朴な疑問
そのラフプレーに対して単純に悪質なファールを1つ取られることがあるかと思うが、それは最低スタメンが5人で25回チャンスがあり、ベンチ含めたらさらに多い
そういうチームの場合、審判はどう対応するんかなっと思って
Kさんいつもありがとうございます!
4点差で後半戦を迎える両チーム。
深体大は牧さん、伊達健、諸星、河田兄弟のオフェンス重視の布陣に対し宮城 島袋 荒石 赤木 花形の爆発力抜群の布陣の明利。
ポイントは牧さん、諸星、河田雅史にそれぞれつかれる宮城 花形 赤木の3人。
リョーチンVSジイ、ゴリVS丸ゴリも楽しみですがタイプが違う柔のC花形透VS愛知の星諸星大の対決も楽しみです!
後半戦流れを掴むのは深体大、明利どちらか!
頑張れ頑張れ明利!
審判が、続行不能と判断して
没収試合でしょ
どんなスポーツでもそうでしょ
後出しジャンケンはダサすぎますよ。
急にルールは知っているテイに変更ですか。
先程のコメントも不合格でしたが、今度は輪をかけて酷いです。
もう少し考えてコメントするよう申し上げたはずです。なぜこんな下手な嘘をつくのでしょう。
もちろん不合格です。残念です。
それだけで、高校からレベルアップがうかがえる。
勝てよ!!!明利!!!!!
普通に刑事事件に発展しそう(笑)
ニュースになって賠償金が発生するでしょ
どんなスポーツでもそうって、データでもあるの?
適当な返事はいらないかな
バカな質問って自覚あるんでしょ?
少しは自分で調べろよ。
帝王に赤っ恥かかせてほしい
頑張れーーー!!!
ワクワクしてる宮城がいいですね〜日本一のPGになれ!今日、、、ここで牧を倒せ!
花形 「そうだろうな」
木暮 「こっちも最初から勝負だ」
ここから未公開シーン
坂口 「いや、相手に合わせては勝てない。ここは木暮を一旦、下げよう。」
木暮 「どうしてですか?オレの3Pで逆転しますよ」
坂口 「だからだ!勝つためにお前が必要だ。木暮タイムに備えて今は休んでいろ」
「なぜしないの?」とか、「そういうのダメなの?」って思ってるんだったら、実際に自分でやってみれば、誰かに聞くまでもなく、ハッキリとした答えが分かるんじゃねえの?
今までのK氏のブログを見て
この後半のメンバーを見て、どういう展開でどちらが勝つのか分かったわ。
間違いなく強い方が勝つわ。
桜木の言う強さって
意志の強さかな?
腕折ったら傷害罪。スポーツ云々の前に人としてダメ、絶対。
「ダンコたる決意」❕そして「全国制覇への強い意志」でしょ❕
そこを、敢えて、
牧『勝負しないのか?』
宮城『後でな(ニヤリ)』
という具合に、スカしてみるのも面白いような気もする
牧にアレコレ考えさせることによって、集中力に影響でも出ようものなら、儲けものだし
元々、人を騙すのが得意なだけに、必ずしも、真っ向勝負だけが、宮城の“勝負”の仕方とは限らない
スピード以外の面でも、牧を上回ることができれば、また一歩、「No.1ガード」に近付けることになるんじゃないだろうか
個人的には漫画の湘北戦の前にあんなにアップバッチリで試合が待ち遠しそうなのにスロースターターっていうのが永遠の謎です。
桜木の強い方が勝つと聞いて
湘北の「俺たちは強い!!」を思い出しました。
自分達の方が強いと信じる気持ちが
強い方が勝つって意味に受け取れた。
リバウンドを制した者は…
牧と5分じゃだめだ
宮城が牧を超えないと
タノムぜリョーちん
試合前にピークに到達しちゃって、前半はピークアウトしてしまうのではないか・・・と(笑)
そう考えると、スロースターターというより逆にフライングスターター(笑)
高校の時は木暮は牧のフェイクに反応できなかった。この試合では決定的な深体大のチャンスに、木暮が牧のフェイクにやられずそれを阻止するなんてことがあったら、今度こそ泣いてしまうと思う。
Kさんいつもありがとうございます。楽しく読ませてもらっています。
そうだと思いますよぉ。知り合いの方で戸籍上カタカナの名前の人がいたのでオソラク…。
それとも挑戦者のまま伸び代の期待を持たせるのか、
どっちもみたい。。
どちらにせよ河田とまたバチバチやる熱い展開を期待してます!