4thクォーター 2分10秒
深体大 60
明利大 52
道谷、実況。
《諸星のスリーで8点差!! 王者・深体大が
ここに来て一気に走り始めました!!》
塚本、解説。
《これですね、爆発的に得点して一気に突き放す、
まさに深体大の必勝パターンです。このペースで
進んでいくと、明利大は非常に苦しくなりますよ》
道谷《深体大の1on1攻勢が続きます!》
塚本《ピリオド序盤にして正念場ですね、明利大》
続く、明利大の攻撃。
宮城 「一本!!!!!!」
「オウ!!!」
ビッ! ビッ!
明利大、選手間をボールが行き来するも、
チャンスを生み出すことができない。
藤真 「さっきと同じだ。攻めあぐねている」
天崎 「はい…」
キュキュッ!!!
深体大、相手に機を与えない好守備が続く。
道谷《深体大、よく足が動いています》
塚本《いいディフェンスですよ》
藤真、腕組み。
「やはり、神の言う体力差ってやつが、ここに来て
浮き彫りになってきたのかもしれないな…」
神、頷く。
「決勝戦の第4クォーターですからね。
大会を通しての疲労が最も出る時間ですよ」
天崎 「大会を通しての疲労…」
明利大は、前日に青学大との死闘があった。
深体大は、選手を温存しながら大和大を退けた。
そしてこの決勝でも、主軸メンバーの休憩時間は
深体大の方が多かった。
その差が、この第4クォーターに現れ始めた。
町田 「やはり出たか…」
弥生 「最後の10分で重くのしかかるのよね…」
町田、腕組み。
「王者の戦い方だ、まさに。深体大がそうやって
勝ち上がったからこそ、この状況が生まれている。
それが、優勝するための戦い方なんだ」
彦一 「……。」
(それが2チームの差なんか…。深体大の戦い方が
優勝するための戦い方だとするならば、明利大は
おそらく目の前の勝負を勝つための戦い方…)
ガン!!!!
花形のミドルシュートがリングに弾かれる。
「ああああーーー、ダメか…!!!!」
「どうした、明利…!!!」
ガッシイイ!!!!
リバウンドは大野。
道谷《これも入りません!!》
塚本《明利のスコアが止まってしまいましたね》
藤真 「入るはずのシュートだったがな」
神 「キツイ時間ですよ」
4thクォーター 2分30秒
深体大 60
明利大 52
8点差のまま、深体大ボールに。
牧 「さあ、行くぞ!!!!!!」
「オウ!!!!!」
王者のオーラを纏いながら、
深体大が明利大の待つコートへ発進。
会場に予感が走る。
さらなる得点の予感が。
大楠 「ああ、また来る…!!」
高宮 「あの1対1が止められねえんだ…!!」
洋平 「耐えろ、ゴリ…、リョーチン!!」
晴子 「頑張って…!!!」
森尾 「苦しいな、明利大」
杉山、頷く。
「このままの展開では離れる一方でしょう。
反撃の狼煙となる何かが必要ですね」
桜木 「反撃のノロシ…」
杉山 「タイムを取らないならプレイで」
森尾 「それだけの役者はいるがな、明利にも」
キュキュッ!!!!
明利大のディフェンス、必死に足を動かす。
ビッ! ビッ!
深体大は、これまで同様、ボールを動かしながら
徐々に明利大の守備を変形させていく。
三井 「守備が外に広がった…」
北田 「ということは…」
ビッ!!!
諸星からゴール下へのパス。
道谷《ボールは河田美紀男!!!!》
塚本《インサイドで1対1!!!》
花形、両手を挙げて体を寄せるが、
キュッ!!!
河田美のターンに弾き飛ばされる。
花形 「ぐっ……!!!」
「ああああーーーー、崩れた!!!!!」
「河田弟、強い!!!!!!」
そこに、荒石が向かう。
(させてたまるか…!!!!!)
ダン!!!
後方からブロックへ。
が、
河田美、撃たない。
荒石 「……!!!???」
佐戸 「おおお!!!!」
外川 「ナイスフェイク!!!!」
ガシイイ!!!!!
荒石の体が河田美にぶつかる。
『ピピーーーーーーーーー!!!!!』
この接触に動じることなく、
河田美、シュート。
バス!!!!!!!!
4thクォーター 2分50秒
深体大 62
明利大 52
レフェリー、二本指を振り下ろす。
『カウーーーーント!!!!!!!!』
道谷《決まったあああああーーーー!!!!》
塚本《これはビッグプレイ!!!!》
「うわああああああーーーーーー!!!!!」
「ここでエンドワン!!!!!!」
「強い!!!! 深体大強い!!!!!!」
牧 「よーーーーーっし!!!!!」
河田雅 「よく決めた!!!!!!」
諸星 「ナイスプレイ!!!!」
「ハイ!!!!」
河田美、力強くコブシを握る。
普段は物静かな河田美が、感情を露出する。
あまり見られない光景。
それだけのプレイ、値千金の一発。
須形 「そんな…」
湘北メンバー、茫然。
千種 「ちょっと前まで1点差だったのに…」
帆足 「もう10点差に…」
須形 「先生…、これはどうすれば…」
安西 「……。」
千種 「先生…?」
安西 「意志の強さが問われる時間です」
ザシュ!!!
オフェンス絶好調の深体大、
河田美のボーナススローも決まる。
4thクォーター 2分50秒
深体大 63
明利大 52
道谷《これで3点プレイ! 11点差です!》
塚本《いまは外れませんね》
荒石 「クソ…!!!」
(このまま終わってたまるかよ…!!!)
ここで明利大ベンチから声が飛ぶ。
「一本!!!!!!!!」
荒石 「…!?」
木暮だった。
立ち上がって両コブシを握っている。
パンパンパンパン!!!!!!
木暮、手を叩き、さらに声をかける。
「まだまだ!!! これからこれから!!」
荒石 「メガネさん…」
赤木 「木暮…」
木暮、続ける。
「相手は深体大だ!! こういう展開だって
想定内じゃないか!! まだまだこれから!」
ガタッ!!!
明利大ベンチ、立ち上がる。
島袋 「その通り!! これからっすよ!!!」
畑山 「一本返しましょう!!!!!」
その声につられたか、意気消沈の様相だった
客席の明利大応援組からも声が飛ぶ。
「おおおおおおおおーーーーーー!!!!!」
「そうだ、そうだ!!!!!」
「ここから這い上がるのがミラクル明利だ!!」
「まだ時間はあるぞ、頑張れ!!!!!!」
宮城 「ああ、分かってるぜ!!」
赤木 「勝つ!!」
花形 「俺たちは諦めない」
宮城、吠える。
「よーーーーーっし、一本!!!!!」
「オウ!!!!!!!!!」
観衆が続く。
「よーーーっし、行け行け!!!!」
「明利、頑張れ!!!!!」
洋平 「ゴリ!! 頼むぞ!!!!!」
高宮 「明利、ファイト!!!!!」
会場の空気が変わった。
再び明利大を推す者の目に灯がともった。
晴子 「木暮さん…」
彩子 「あの人がいて、よかったわ」
遠く離れた位置ではこの男も。
青田 「木暮の奴め…」
そして、この男も。
三井 「やるじゃねえかよ」
坂口 「木暮、ありがとう」
木暮 「い、いや…」
ガタッ…。
坂口、立ち上がる。
「さあ、あとはプレイだ」
キュッ!
ゴール下、赤木剛憲。
(そうだ、相手は深体大。10点そこらの差など
つけられて当然。そういう相手と戦ってるんだ)
ダム、ダム…。
ボールを運ぶ、宮城。
(これを乗り越えなきゃ、アイツらには勝てねえ。
やるんだ、自分たちの力でやるんだ)
安西 「ふむ、心配ない」
千種 「先生…?」
安西 「彼らには、まだまだありますよ」
須形 「……。」
安西、ニコリ。
「勝利への意志が」
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1179) へのコメント一覧
あとはゴリが何とかしてくれるはず!
いつもキーになる人や
誰よりも赤木がそれを一番持っている!
ゴリー( ; _ ; )/~~~
きっと赤木がなんとか鼓舞してくれると思ってました。女房役の木暮でした。赤木とのプレイングタイムこそ違うものの、原作でもメガネ君の全国制覇に対する強い意志っていうのは数々のセリフに表れてましたもんね。
Kさんとメガネ君に出会えて良かったです。。
メガネ君、やっぱり偉大やわ🥲🥲🥲🥲
ってことかなぁ…。
本当に…待ちくたびれましたよ…
木暮かよ!
最高かよ!
木暮でグッとこれる様になると良いですね。
Kさんいつもありがとうございます!
諸星のスリーで8点差になってしまった明利!
花形さんのミドルシュートが外れ深体大ボール、更に河田弟が花形さんを突き飛ばしヘルプに入った荒石をフェイクでかわしバスカンを決め11点差に!
このままではまずい、そんな中木暮さんの一言で明利メンバー、応援席、更に会場も息を吹き返した!
こんなピンチを何度も乗り越えてきた明利。赤木、花形さん、木暮さん、竹村には最後の大会であり湘北時代から染みついている『諦めたら試合終了!』後輩の宮城、畑山、荒石、島袋も総動員で食らいついてくれ!
ここはもう一度前半の殊勲者木暮さんを投入し、
10.PG宮城 リョータ
6.SG木暮 公延
5.SF花形 透
4.PF赤木 剛憲
15.C荒石 淳也
この神奈川メンバーで深体大を追い詰めてほしい!
時間はまだありタイムアウトも2つ残っている!
頑張れ明利!
本当に苦しい時、どれだけ仲間と自分を信じられるかなんでしょう。
こういうシチュエーションってスポーツやってた(やってる)人なら大なり小なり経験してると思う。
明利に勝たせて!
本当に本当に…待ちくたびれましたよ…
「入った…」って言葉、木暮からまた聞きたいですな〜
まったくもって、仰る通りですね。
この時間で、この点差。
物語であっても「これは無理だな、次だ次」という考えが先に生まれてしまう。オッサンになった自分に気付いてハッとしました。
それは賢さか?はたまた諦めか?
いまこの瞬間を生きてるのだろうか。
さあ、メガネくんが気持ちを示してくれた。
あとは、ゴリとリョーチンがプレイで示す番だ。
何気に、花道・流川と共にプレイしてきた荒石がコートにいる事にも意味がありそう。
勝利への意志→元々格下が格上に挑むのなんて精神論なんだからこれからでしょ!!
勝ちたい気持ちが強い方が勝つって原作の通り明利の勝ちは揺るがない!!有言実行!!
10回に1回勝てるかどうかの勝負でも1回勝てば勝ちは勝ち!!偶然の勝ちでも結果は勝ち!!明利が勝つ!!
次だ次ってその瞬間を思ってやってないからダメなんじゃん(笑)
歳は関係無い。
よね。ミラクル明利を信じてるよ。次回も楽しみにしております🙇♀️
君が明利にいてよかった…。
まだまだ、これからです!!
明利の活躍に期待しています!
オフェンスリバウンドか!!
だが湘北組は、既に一度こういう勝負を乗り越えて勝利した経験があります!今こそ山王戦のようなとびっきりのミラクルを起こす時です!
小暮なんていない
木暮ならいる
魚住もテレビの前でかつらむき頼むわ
層の「熱さ」は明利に分がある!!
更にスタミナ面で不利がある中であの時とどういった違いを出せるのかが楽しみですね。
(この展開を打破できるのは、君しかいない)
・・・・・・・・・木暮くん
木暮 「い、いや…」
(出たいだけなんだよ・・・・・・・・出してくれよ)
その時その瞬間に勝負することが大切。
そういう当たり前の事に気付かなくなる日が来るから、ハッとしたんだよ。
逆に言うと。
自分自身が多くの勝ち負けを経験し、仲間や部下の数だけ掛け算して多くの勝ち負けを見てきて、全てを勝ち続けることが出来ないことを知ったとき、次だってメンタリティが、今を生き抜く糧になる事もあるんだよ。わかるか?わかんねえか。
ここで勝利への意思かぁ!
次はダンコたる決意やで!
その通り。歳は関係ない。
その時その瞬間に勝負することが大切。
そういう当たり前の事に気付かなくなる日が来るから、ハッとしたんだよ。
逆に言うと。
自分自身が多くの勝ち負けを経験し、仲間や部下の数だけ掛け算して多くの勝ち負けを見てきて、全てを勝ち続けることが出来ないことを知ったとき、「次だっ」ってメンタリティが、今を生き抜く糧になる事もあるんだよ。わかるか?わかんねえか。