(リメイクの経緯はコチラ)
(元記事はコチラ)
準決勝第一試合
3rdクォーター 残り4分30秒
深体 47
明利 50
深体大ベンチ。
河田雅が立ち上がり、ジャージを脱いだ。
河田雅 「っし、待ってたぜ」
赤木が気づく。
(よし! 出て来い、河田!)
(よし! 出て来い、河田!)
河田美の肉弾戦と、樋口の執拗な守備による
深体大の赤木潰し。
これを赤木は乗り越えた。
「負けたよ、赤木…」
深体大監督・唐沢はこの作戦の失敗を認めた。
(ただの失敗じゃないな。逆に赤木を乗せる
結果になってしまった。ちょっと赤木剛憲を
甘く見ていたかな…)
結果になってしまった。ちょっと赤木剛憲を
甘く見ていたかな…)
コートサイドの藤真。
「驚いたな…。あの河田弟とのパワー合戦を
制してしまうとは。さすがは努力の男、赤木。
スタミナだけなら森重以上か?」
制してしまうとは。さすがは努力の男、赤木。
スタミナだけなら森重以上か?」
陸川が続く。
「そうかもしれん。恐ろしい選手になったな、
赤木という男は。あの状況で逆にスコアを
重ねてしまうとは……」
赤木という男は。あの状況で逆にスコアを
重ねてしまうとは……」
(河田弟にとってはいい経験になっただろうが、
ちょっと授業料が高くなりましたね、唐沢先生)
深体大ボールで試合再開。
河田雅はオフィシャル席の前で待機している。
次に時間が止まったときに交代となる。
河田雅 「ふぅーー」
(早く出させてくれよ。赤木と勝負してえんだ)
(早く出させてくれよ。赤木と勝負してえんだ)
観衆の声が一際大きくなってくる。
「おいおいおい、深体大、どうした!?
赤木にやられっぱなしだぞ!!」
赤木にやられっぱなしだぞ!!」
「そろそろ点を取れ!!!」
「牧で行け!!」
「諸星はどうした!!」
「諸星はどうした!!」
宮城、ニヤリ。
(お、ついに深体大の応援が始まっちまったか?
いつもは強すぎる憎まれ役なのにな)
赤木が吼える。
「かかって来い! 深体大!!!
俺が止めてやる!」
俺が止めてやる!」
「…!?」
牧の表情が変わった。
宮城 (来る……!!!)
ダム!!!
牧、ペネトレイト。
この攻撃は河田美ではなかった。
劣勢を打破すべく、牧自ら行った。
「おおおーーーーっと、行った!!!!」
「自ら牧だ!!!!」
「自ら牧だ!!!!」
宮城を抜き、あっという間にゴール下へ。
宮城 (は、速ぇ……!)
そのままレイアップ。
「うおおおおおおーーーー!!!!」
赤木が跳んだ。
(打ち落とす!!!)
(打ち落とす!!!)
スッ
牧、空中で一度フェイクを入れる。
「おおおおお!!?」
「持ち替えた!?」
「持ち替えた!?」
赤木 「な…!!!!?」
バス!!!!
クラッチで、赤木のブロックをかわし、
レイアップを沈めた。
レイアップを沈めた。
パワーがウリの牧が、珍しく技術で点を取った。
深体 49
明利 50
「おおおおお!!! さすがは牧!!!」
「ココ一本は自分で獲った!!!」
「パワーとスピードだけじゃない!!
テクニックもやはりある!!」
テクニックもやはりある!!」
赤木と牧の視線が交錯。
赤木 「ちっ…」
牧 「深体大をナメるなよ?」
「……!!!!?」
明利ベンチに戦慄が走る。
「さすがは関東大学界の帝王・牧。
宮城と赤木さんをあっさり……」
宮城と赤木さんをあっさり……」
「すげえ顔してんな。なんか怖えよ…」
木暮 「牧……」
(何度でも赤木の前に立ちはだかるのか…)
赤木 「……。」
パンパン!!
手を叩く音。
「ドンマイ、ダンナ!! 一本行こうぜ!!」
宮城だ。
大きな声でチームを鼓舞している。
大きな声でチームを鼓舞している。
赤木 「宮城…」
宮後、続ける。
「一本決められただけじゃねえか!
獲られたら獲り返せばいいだけよ!」
「一本決められただけじゃねえか!
獲られたら獲り返せばいいだけよ!」
花形、ニコリ。
「オウ、その通りだ! 行くぞ、赤木!」
「オウ、その通りだ! 行くぞ、赤木!」
荒石、ニヤリ。
「へへっ、リョーさんイイこと言うねえ」
「へへっ、リョーさんイイこと言うねえ」
赤木 (宮城…、みんな…)
キッと前を見る。
「よーーっし!! 行くぞお!!!」
「オウ!!!!!!!!!!!」
明利大の攻撃が始まった。
記者席の弥生。
「不思議なものね。湘北組のいるチームは
みんなこうだわ。絶対に最後まで諦めない。
気持ちの強さが桁外れね」
みんなこうだわ。絶対に最後まで諦めない。
気持ちの強さが桁外れね」
中村がニコリ。
「なんせ最強・山王を破った男たちですからね。
勝負に絶対はないことを一番よく分かっている
のは彼らのはずですよ」
のは彼らのはずですよ」
赤木、ローポスト。
「宮城! 来い!!」
宮城、ニヤリ。
(そんなデケエ声出さなくても聞こえるよ)
ビッ!!
宮城から赤木へボールが飛ぶ。
ドン!!!!
「あああ!!!」
『ビビーーーーー!!!!!!』
『ファウル!! 白14番(樋口)!!!』
赤木にボールが入った瞬間、
後方から樋口が赤木に接触。
もはや赤木には太刀打ちできない樋口。
残された手段はファウルしかなかった。
観客席の三井、ニコリ。
「あるいは、わざとファウルに行ったか?」
「あるいは、わざとファウルに行ったか?」
渡邊拓也が続く。
「時間を止めたと…」
「時間を止めたと…」
時間が止まったということは、
選手交代が可能になるということ。
選手交代が可能になるということ。
「よーーっし、行くかあ!」
河田雅が立ち上がった。
『ビッビーーーーーーーー!!!!!!!』
ブザーが、交代を告げる。
深体大の背番号7が
コートサイドで待ち構える。
コートサイドで待ち構える。
観客席が沸く。
「おおおおおおーーーーーーー!!!!!!」
「河田兄!!!! 河田兄だ!!!!」
「待ってました!! 河田雅史!!!」
「さあ、ついに戻ってきた!!!
赤木が河田を引っ張り出した!!!」
赤木が河田を引っ張り出した!!!」
赤木 「来たな、河田!!」
河田雅がそっと手を上げる。
「樋口!! 交代だ!」
「樋口!! 交代だ!」
「ハイ」
樋口がコートサイドに走る。
パチン!
樋口は、河田雅が差し出した手を、
そっと叩いた。
そっと叩いた。
コートに入った河田雅。
赤木にも手を差し出す。
木暮、目を見開く。
「河田…?」
「河田…?」
コートサイドの彦一も同じ顔。
「河田さん? どういうことや?」
牧、諸星もその光景を眺めている。
花形、荒石も見ている。
記者も観衆も黙って見ている。
河田雅 「本気の本気で行くよ」
赤木、無言。
そして、少し時間を置き、
河田雅の手を思い切り叩いた。
バチン!!!!!!
赤木 「望むところだ」
ふたりの男の戦いを告げるこの音が、
観衆を立ち上がらせた。
観衆を立ち上がらせた。
「おお……」
「おおお…!!」
「おおお…!!」
「うおおおおーーーーーーーー!!!!!!」
「よーーーーっし!! やれやれえええ!!」
「河田!! 赤木!! 思う存分やれ!!!!」
深体大ベンチも明利大ベンチも立ち上がった。
「河田さん!! 頼みます!!!!」
「赤木さん!!! ファイトーーーー!!!」
観客席の杉山。
「大学バスケもいよいよここまで来たか。
観客をエキサイトさせるだけの魅力が
十分に備わっているな。今日の試合は
プロに匹敵する空気感だ」
観客をエキサイトさせるだけの魅力が
十分に備わっているな。今日の試合は
プロに匹敵する空気感だ」
洋平がニヤリ。
「確かにトップリーグより盛り上がってるな」
そして、晴子が興奮の表情でコートを眺める。
「お兄ちゃんも河田さんも、みんなカッコいい!」
ピク!
桜木 「ハ…、ハルコさん!!?」
(しまった…! 大学に行けばよかった…!)
3rdクォーター 残り4分
深体 49
明利 50
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(222) リメイク版 へのコメント一覧
細かいところですが、牧がクラッチレイアップを決めた後の会話で、宮城の名前が「宮後」となっておりましたので、コメントいたします。
今後も無理せず、素晴らしい作品を展開してください。