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  • 2022年11月25日12:10

嗚呼、名勝負(34) K-1 World GP 1998 決勝 アーツ×フグ

どーも!!!

バスケ大好き、サッカー大好き、プロレス大好き、
漫画大好き、ゲーム大好き、

そして、格闘技大好き、編集者・Kでっす!


というわけで、ワールドカップが盛り上がる中、
今日は格闘技のワールドGPのハナシを。

「名勝負」コラム、いきましょう。



このコラム、ここしばらく格闘技から離れていた
気がするので、今日はK-1からピックアップです。


1998年のワールドGP決勝、
ピーター・アーツ×アンディ・フグ


これは、いい大会でしたねえ。

試合はもちろん素晴らしかったし、
その後のエンディングも感動的だったし、
かなりパーフェクトな興行だったと思いますよ。


んで、まだちょっと粗削りでね。
それはそれで味があってよかったんですよね。


現代格闘技って、総合・打撃、いずれにおいても
どんどん洗練されていって、戦いの「型」が
かなり整ってきてるじゃないですか。

言うなれば、
みんなが同じスタイルになりつつある。


これは格闘技に限らず、バスケなんかもそうで、
みんなトータルな技術を持ち始めてますよね。

いまはスリーを撃たない選手なんてほぼいないし、
逆に小柄な選手もポストプレイが上手いし。

昔は違いましたから。シュートに特化した選手、
インサイドに特化した選手ってのがいたんです。

時代を経て選手像は大きく変わりました。



で、総合格闘技でいえば、
打撃はほとんどなくて寝業のみっていう選手は
もう見当たらないと思いますし、逆パターンで、
打撃は強いが寝たらアウト、みたいなのもいない。

昔は上記のタイプがウジャウジャいました。


これは、打撃系格闘技も同じかな。

昔はキックはあまり得意じゃなくてパンチばかりの
選手とか、そもそも全体的に技術があまりなくて
ただ剛腕なだけ、みたいなのもいたわけですよ。


それらを混ぜ混ぜした感じが面白かったんです。

総合ならば、「柔術家×キックボクサー」とかさ、
「空手家×レスラー」とかさ、そういう競技同士の
ぶつかり合いにロマンがあった。もちろん中心に
「プロレスラー」ってのがいてね。


打撃も同じです。
「K-1のKは、空手、キックボクシング、功夫など
頭に“K”がつく競技のこと」と言ってまして、
それらがひとつのリングに集うのが魅力でした。


今回取り上げる98年はまだそういう時代です

K-1のリングには、キックボクサーがいれば、
空手家もいて、ボクサーやムエタイ選手もいる。

彼らが、わりとそのスタイルを引きずりながら
戦っていた時代だったと思うんです。

まだ「K-1ファイター」という像がしっかりと
確立されてなくて、分野分野のトップ選手が
その競技をも背負いながら戦ってた感じかな。


で、
この決勝ですよ。


空手家であるアンディ・フグと、
キックボクサーであるピーター・アーツ。

いいですよね、競技軸でも争いがあって。


ふたりともえらい人気がありました。

アーツは「20世紀最強のキックボクサー」と呼ばれ
その盤石の強さで人気を誇っていました。

一方のフグは、強さはもちろん当然のことながら
何かとストーリー的に熱い展開が多い男で
その生きざま自体でも支持を集めていました。
※んでまた、日本発祥の「空手」の選手だしさ。



K-1グランプリは、93年に第1回大会が行われて
いまして、歴代優勝者は下記の通り。

※カッコ内が準優勝選手

93年…ブランコ・シカティック (ホースト)
94年…ピーター・アーツ (佐竹)
95年…ピーター・アーツ (バンナ)
96年…アンディ・フグ (ベルナルド)
97年…アーネスト・ホースト (フグ)


この98年大会は、
既に2度優勝しているアーツが久々に決勝に進み
前々回、前回のファイナリストであるフグと
戦うという構図だったわけですね。

これは最高のカードのひとつだったと思いますよ。


アーツはかつての絶対的な強さを取り戻したい、
フグは前回準優勝の雪辱を晴らして返り咲きたい、
お互いに燃えるものがありましたからね。


はたして勝者は、

かつて最強の名を欲しいままにしていた
キックボクサーなのか、

それともファイナルに連続で進出している
いま最もいい状態にある空手家なのか。



前者でした。



20世紀最強のキックボクサー、完全復活。

この大会のアーツは強すぎました。

なんと8人で争うファイナルラウンドの3試合、
すべて1ラウンドKO。この決勝のフグ戦すら、
よもやの1ラウンドKO。

観客席も実況席も「強い!! 強すぎる!!」
と、唸るしかない結末。


んでまた最後の左ハイの音が凄かった。

カタカナで書くと『ガポッ!!!!』という感じ。
なんともいえない打撃音。

もう入った瞬間「終わった」と思いました。


あれは、K-1決勝戦史上に残る劇的なKOだったと
思いますね。ヘタしたら一番かも?


アーツは3度目の優勝を果たし、
「20世紀最強」の異名を取り戻したのでした。


その後、決勝後の優勝セレモニーの場では、
ご存じ「第九」が場内に流れたんですけど、
これがまた、最強王者・アーツを称える瞬間に
絶妙にマッチしてたんですよね。

なんか妙に感動的だったよなあ。


ゲストの長嶋一茂さんも「格闘技のセレモニーと
第九がこんなに合うとは」って驚いてた気が。


そんなわけで、
わしが「決勝戦史上最高のKO劇」のひとつだと
思っている、あの日のファイナル、ご覧あれ。


聴いてよ、この音。

入った瞬間「終わった」と確信するでしょ?






以上、
古き良き時代のK-1の名勝負でした。


ではでは。

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その他名勝負のバックナンバーはこちらから

野球・サッカー・バスケ・相撲・プロレス、
はてまたアイススケートまで色々ありますよ。




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嗚呼、名勝負(34) K-1 World GP 1998 決勝 アーツ×フグ へのコメント一覧

  1. 1.
    • ひろし
    • 2022年11月25日 13:16
    まだほんと子供でしたが、アーツはヒーローでした!!
    このあと、低迷期が続いてベテランになってからシュルトの壁になるっていうストーリーも溜まりませんでした!!
  2. 2.
    • めそ
    • 2022年11月25日 15:13
    アンディフグ、好きでした!懐かしい。この頃の選手で1番息の長いのがピーターアーツでしたね。
  3. 3.
    • 懐かしいですね
    • 2022年11月25日 17:51
    本当昔のK-1は異種格闘技要素が多く、それぞれが看板を背負い己の競技が最強を証明する為に戦っていましたよね、リアルに刃牙のトーナメント的な笑
    昔の格闘技見返すと技術的には粗削りですがやはりワクワク感や華は圧倒的に昔の方がありますね(おじさんの思い出補正なんでしょうが笑)
  4. 4.
    • ガチャ
    • 2022年11月25日 19:22
    この大会前にアーツは右足を負傷してしまい、その代わりにボクシング技術と左足の攻撃を特訓した。その結果、左膝の肝臓蹴りと左ハイを手にしたと、格闘技通信に載っていました。今大会の一回戦の佐竹戦での肝臓への膝蹴りでのKO、2回戦のベルナルド戦での右ストレートでのKO、決勝戦のフグ戦での左ハイのKOと、全てが噛み合ったアーツの完全勝利の大会でした。藤原紀香のキーキー声さえなければ、本当に完璧な大会だったと思います。
  5. 5.
    • こおめい
    • 2022年11月25日 19:44
    この時のアーツは圧倒的に強かった。
    そしてどの選手も。
    勝ち方にも負け方にも華があったなぁ。
  6. 6.
    • 雪の大魔王
    • 2022年11月25日 21:08
    当時見てました。ずっとアーツファンだったので嬉しかったですね。右のハイをガードされたと思ったら間髪入れずに左ハイ。あれはさすがのフグもガードできなかったですね〜。

    個人的に一番好きなアーツの試合は、負けたけど2006年決勝のシュルト戦ですね。盟友のバンナとホーストがシュルトに負け、そしてホーストは引退。全てを背負ったアーツが満身創痍の中でもあのシュルトに立ち向かう姿が感動しました!
  7. 7.
    • 岡山県人
    • 2022年11月26日 10:14
    • 5
    K-1大好きでしたね。特にフグ、ホーストが好きで応援してました。
    フグトルネード、踵落とし、入場曲、すべてカッコ良かった!!

    良き時代でした、またテレビでWGP放送して欲しいです!
  8. 8.
    • アラフォー
    • 2022年11月26日 15:07
    • 5
    ほんとにこの試合は鮮明に覚えてる。
    特に音ねwガポッ!

    この音聞いて、あぁ、やっぱ人間は大半が水分でできてるんだなって思った記憶があるw
  9. 9.
    • 編集者・K
    • 2022年11月26日 15:38
    >>1
    ああ、そうそう。
    全盛期の圧倒的強さから、ベテラン時の奮闘まで全部熱いんですよね。
  10. 10.
    • 編集者・K
    • 2022年11月26日 15:39
    >>2
    いまだに「BreakingDown」に現れたりしますからね(笑)
  11. 11.
    • 編集者・K
    • 2022年11月26日 15:42
    >>3
    おそらく、思い出補正というより、
    「完成してなかったから」こその
    面白さがあったのは事実ですねえ。
    明らかに今と違うので。
    レベル的には、洗練された現在が上でも、
    物語的な面白さが当時はあったのでしょう。
  12. 12.
    • 編集者・K
    • 2022年11月26日 15:43
    >>4
    放送席の熱狂も併せて、わし的には完璧な大会でした。
    紀香さん含め、誰もがのめり込む様を目の当たりにし、
    「ああ、やっぱりこの熱は伝わるんだなあ」と感動しまして。
  13. 13.
    • 編集者・K
    • 2022年11月26日 15:44
    >>5
    黎明期ならではの熱さですなあ。
  14. 14.
    • 編集者・K
    • 2022年11月26日 15:45
    >>6
    アーツはいつも攻めてましたねえ。
    シュルト相手でもあの戦いですからねえ。
    全盛期からベテラン期まで最高のファイター。
  15. 15.
    • 編集者・K
    • 2022年11月26日 15:47
    >>7
    カッコよかったですねえ。
    やっぱり戦い方がみんな違ったのが格ゲーっぽくて良かったんですよね。
  16. 16.
    • 編集者・K
    • 2022年11月26日 15:48
    >>8
    あの音は一生忘れないと思います。マジで。
  17. 17.
    • くまのプーさん
    • 2022年11月29日 12:17
    おっ、いい勝負来ましたねぇ!
    私はあの大会からKー1見始めたんです。

    そう、あの音は素人でも試合終了を確信するに充分でした!「人間叩いて、あんな音するんだぁ。」などと思ったものです。10カウントを待たずして勝利を確信し、トップロープにかけ登って雄叫びをあげるアーツの姿に虜になりました!
  18. 18.
    • 編集者・K
    • 2022年12月18日 20:38
    >>17
    あれはもう完全に「勝った!」と確信できる一発だったんでしょうね
  19. 19.
    • 島田しんすけ
    • 2023年01月06日 19:16
    昔のK-1やPRIDEは、独特の緊張感が会場やテレビの画面から伝わって来て楽しかったですよね!kさん最近の格闘技どう見てますか?おれは、那須川天心対武尊が最近では、一番その感覚があった試合ですよね?ご覧になられましたか?




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