選手権大会 決勝戦
前半終了
湘北 39
山王 31
田畑、戦況を伝える。
《前半終わって8点差。序盤からここまで湘北が
リードを守り続けています。追う側の山王工業は、
後半で巻き返すことができるでしょうか》
町田 「一度も追いつかせなかったのは凄いな」
弥生 「冒頭の須形君の一発がずっと効いてるわ」
彦一 「これはちょっと珍しいパターンや…」
(戦力に大きな差があるわけやないのに、ずっと
リードが保たれるなんて…。ただ、このまま
行くとはやっぱり思えん、なんせ山王工業や)
天崎 「サンシロー、凄かったなあ」
荒石 「ダブルダブル間違いなしだな、ありゃ」
三井、眉間にシワ。
「あれが青葉に入るってのか、また贅沢だな」
赤木、頷く。
「ああ、どうやら来年の青葉は優勝候補筆頭
とも言われているようだからな」
宮城 「……。」
(おい、ダンナ…。アンタは明利大の人間だぞ。
冷静な第三者視点からヨソを優勝候補として
捉えないでくれ…)
木暮、ニコリ。
「センターの上原と、フォワードの松坂も
いいプレイをしてるよ、夏の練習の時より
レベルアップしてる」
野茂、頷く。
「はい、ふたりとも1年生の夏からベンチ入り
してましたからね、実力も経験も十分ですよ」
荒石、腕組み。
「ああ、あの『その他3人トリオ』を押しのけての
ベンチ入りだからな」
ズーーーーン…。
小宮山・入来・岩本、沈む。
(ハッキリ言うんじゃねえよ…、事実だけど)
(決して俺たちが弱かったわけじゃない…)
(アイツら、凄すぎるんだよ…)
石井・佐々岡 (気持ちは分かるぞ…!)
天崎 「でも、山王もさすがだ」
荒石 「樽瀬弟世代が抜けてもこの強さだからな」
河田雅 「しかし、一度も追いつけんとは」
野辺 「大きな流れが来なかったな」
松本 「一方で引き離されてもいないんだよな」
深津 「まだまだこれから」
畑山、ニコリ。
「よく頑張ってますよ、あの3人が抜けた後でも
こうやって決勝まで来てるわけですから」
菊地、頷く。
「自分はともかく、俊輔がいないわけですからね。
きっとここから3年が意地を見せてくれますよ。
特に去年から出てる堀井・村川に期待しましょう」
そして後半、
山王工業の反撃が始まった。
ザシュ!!!!!
「スリー、来たああああーーーー!!!!!」
「後半は山王の得点からスタートだ!!!!」
山王キャプテン・堀井のスリーが決まる。
3rdクォーター 15秒
湘北 39
山王 34
田畑《早速来ました、堀井の一発!!!》
樽瀬《さあ、山王はここから反撃ですよ!》
田畑《放送席の樽瀬さんも思わずガッツポーズ》
桜木《フン》
すかさず、オールコートプレス。
キュキュッ!!!!!!
「来たああああーーーーーー!!!!!!!」
「ここで必殺のプレス!!!」
「これがハマれば一気に勢いに乗るぞ!!!」
バシイイイ!!!!!
岩隈から須形へのパスがカットされる。
須形 「…!!」
千種 「ああ…!!」
田畑《山王、ガードの扇屋が獲りました!!!》
桜木《だあああーーー!! 何をやっとる…!》
荒石 「あ、観客モードになっちまった」
天崎 「ん? 桜木さん?」
樽瀬《よし、すぐ攻撃だ!》
ビッ!!!
扇屋、ドリブルインから外にボールを展開。
田畑《おおーーっと、ボールが早い!!》
樽瀬《空きましたよ!》
ボールは再び、キャプテン・堀井。
ザシュ!!!!!!
3rdクォーター 30秒
湘北 39
山王 37
「またスリーが来たああああーーーー!!!」
「山王、わずか30秒で6得点!!!!」
「後半、いきなり爆発だあああーーー!!!」
天崎、立ち上がる。
「あああ…!!! サンシロー、落ち着いて!」
荒石、腕組み。
「吞まれちまったな、普段ならあんなに簡単に
プレスに引っかかったりしないだろ」
赤木 「先生はタイムを取らないか」
宮城 「でも、結構マズイぜ、これ…」
山王のプレスはまだ続く。
応援席のボルテージも上がる。
「 ディフェンス、ディフェンス、ディフェンス!」
「ディ・ディ・ディ・ディ」
「 ディフェンス、ディフェンス、ディフェンス!」
「ディ・ディ・ディ・ディ」
「 ディフェンス、ディフェンス、ディフェンス!」
洋平 「出た、この押せ押せモード…!!」
高宮 「こうなると、嫌なんだよなあ」
晴子 「思い出すわ、何度も苦しめられて…」
彩子 「まさに伝統の必勝パターンね」
バッシイイ!!!!!!!!
山王ディフェンスの手がボールを叩く。
「…!!!!!」
「また…!!!?」
『ピピーーーッ!!!』
『湘北ボール!!』
弾かれたボールはラインの外へ。
アウト・オブ・バウンズ。
「ああああーーー!! 惜しい…!!!!!」
「だが、山王のディフェンスはハマってる!!」
宮城、腕組み。
「この代の弱点がこれか。肉弾戦には強いが、
ボールハンドリングに長けるタイプが少ない」
荒石、ニヤリ。
「ああ、リョーサンみたいなのは少ねえんだ」
宮城 「能力は高いが、技術に難アリと」
赤木 「天崎のようなタイプが多いわけか」
天崎 「…!!!」
(赤木さん…!! その言い方は…!!)
洋平 (あ、効いた)
高宮 (ゴリもハッキリ言うもんだな)
赤木、ここで気づく。
「そういえば、去年はどうしていたんだ。
須形ひとりで突破できるものでもあるまい」
天崎 「そこは野茂と与田もいましたからね」
荒石 「天崎と逆パターンのふたりな」
野茂 「ははは」
与田 「いや、俺は身体能力も低くない」
小宮山・入来・岩本 「……。」
(結局、俺たちの名前は出てこない…)
(ていうか、荒石もまだ下手だったじゃんかよ)
その後も山王は畳みかけた。
後半開始からわずか2分で、
試合をひっくり返してみせた。
バス!!!!!
田畑《3年生・村川のゴール下!!!!》
樽瀬《いいタイミングで飛び込んだ!!》
3rdクォーター 2分10秒
湘北 42
山王 43
「逆転ーーーーーーーーー!!!!!!!」
「もうひっくり返した!! これが山王だ!!!」
田畑《山王逆転!! 凄い勢いです!!》
樽瀬《一気に行きましたねえ!!!》
田畑《しかし、湘北はタイムを取りません》
桜木《……。》
田畑、質問。
《桜木さん、湘北劣勢ですが、安西監督は
まだタイムを取りません。どう考えますか》
桜木、返答。
《分からね…、分かりませんが、オヤ…、っと、
安西先生のことですから、何か考えがあるはず。
何もなく待っているわけがない》
田畑、ニコリ。
《なるほど、いやあ、いまの桜木さんの言葉からも
信頼が窺えますね。ご存知、名将・安西監督です》
樽瀬、ニコリ。
《そうですね、珍しいですね、桜木選手が素直に》
桜木《ぬ…》
荒石、ニヤリ。
(同感だぜ、オヤジ殿が無策なわけがねえ)
この「動かない安西」が、
山王ベンチ・堂本には不気味だった。
(なぜタイムを取らない、交代すらない…)
手には、じっとりと汗。
伝説の一戦と呼ばれる4年前のインターハイから
安西と堂本は何度も大舞台で戦ってきた。
勝った試合だろうと、敗れた試合だろうと、
その手腕にはいつも苦しめられてきた。
深津 「湘北はまだ動かない」
河田雅 「この不動が却って怖いものだな」
はたして、
ここから数分、
変化が起こる。
ダム!!!!!!
田畑《抜いたあああーーーー!!!!!!》
桜木《おお!!!》
須形が、ひとりでプレスを突破。
扇屋 「…!!!」
堀井 「…!!!!」
天崎 「すげええ!!!!!!!!!」
木暮 「やった!! 須形!!!!」
与田 「お…!!」
(この数分で、見抜いたのか…!!?)
野茂、ガッツポーズ。
「アイツ、メチャクチャ上手くなってる」
須形 (抜けばコッチのもんだ!)
ビッ!!!
前線にボールを送る。
ゴール下には、後半から入った朝倉。
ダム!!
ボールを受け取り、すかさず体をぶつける。
松坂 「行け、パワープレイ!!!!」
上原 「勝負だ、トウギ!!!!」
肉弾戦はお手の物。
バス!!!!!!
強引にねじ込んだ。
3rdクォーター 残り4分
湘北 46
山王 51
「よーーーーっし、朝倉!!!!!!」
「レスラープレイ、炸裂!!!!!!」
田畑《湘北、得意のパターンが出ました!!》
桜木《いいぜ、肉弾戦!!》
樽瀬《いやあ、強いですねえ》
堂本 「安西監督…」
(まさか、自力で突破するまで待つとは…。
数分でレベルアップすることなどあるのか)
田畑、驚嘆。
《あのプレスをひとりで突破するとは、
かつてそんな選手がいたでしょうか…!!》
桜木、ニヤリ。
《いたぜ》
宮城、ニヤリ。
「やるじゃねえか、須形」
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1199) へのコメント一覧
一人で抜いたのはリョーちんかな?
それとも、、、
いけー湘北!!
この湘北×山王、原作キャラは1人もコートにいないのに、スガタくんがいるだけで現在と繋がってる感覚なの凄いです。
後天的に鍛えたんでしょう
全国制覇の時は流川桜木荒石天崎だから外とゲームコントロールだけに専念出来たけど今はそうはいかないでしょうし
後、荒石の代に天崎と特訓した説はありますね
これから大学に入ってくるコ達の話もあるんだな〜。実際の日本のバスケ界と同じでワクワクが止まりませんね。
まるで大河ドラマのようです。
だぁーーー
とか言って。
原作キャラが試合してなくてもこんなに面白くさせるんだもんなー。
終盤に花道が立ち上がって激飛ばしそう笑
Kさんいつもありがとうございます!
山王相手に8点リードで前半を終えた湘北!
後半に入り山王はプレスを仕掛けシューターが連続でスリーを沈め差を縮める。
まずい!ハンドリング能力に優れた選手が少ない!これは4年前のように一気にとられるか!
安西先生がタイムをとらない中、須形1人でプレスを突破し、朝倉が点を決めました。
良いぞ〜須形。安西先生VS堂本監督で田岡さんみたいになってる堂本さんに笑いました。
須形がゲームメイクと野茂とスリーで外を意識させ、攻守抜群のエース天崎、インサイドを制す図太い与田と外・中の起点キャプテン荒石!この代の湘北も強い!見たい!
ここから須形を中心に取り返しながら、過去の湘北の戦い、プロの進路先がわかれば嬉しい。
プレス突破した時の須形がリョーチンを思い出させる感じ最高です。
ウィンターカップ全国制覇へ!
歴史を刻め!お前ら!湘北ファイト!
スピードなら
宮城リョータ
ダピョン!
深津
違うピョン。
だピョン!
なかなかできないのよね〜。
次回も楽しみにお待ちしております🙇♀️
そして荒石は花道好きすぎですね笑
試合見ながら、花道の解説ずっと聞いてるあたり面白い!
また、2人が組んで欲しいです!
荒石が花道好きすぎて面白いです!
試合見ながら片耳にイアホンですかね?
ずっと花道の解説聞いてるんだろうな〜!
そこが荒石の良いところの1つですね!笑
りょーちんとサンシローは入れ替わりでは?
こういうところで、原作キャラとのレベルの違いを表すのはうまいなあと思いました。
PG須形 SG天崎 SF野茂 PF与田 C荒石
外のシュート力はある。が、インサイドの得点力が…荒石は桜木や花形、赤木などと組んで力を出す地味な役割のタイプ。野茂と与田は高一時は高さなかったし、パワーや跳躍に優れた記述もなかった。
野茂は外のシュートに優れていただろうけど、与田と共に大学編には登場しない。(進学先の記述あったっけ?)全国で飛び抜けた選手ではなかった。
去年の湘北の戦績はどうだったんだろう?
解説席の机に飛び乗って、書類でメガホン作り「ヤマオーは俺が倒す!」て言っちゃうとか。
そういえば、解説でヤマオーの呼称を言ってないんでしょうか?サンノウという呼び方を覚えたんなら大きな成長ですね。
時間帯より、火曜日に不意打ち食らったよ
やはり日本一のチームのキャプテンともなると違いますねえ(笑)
スピードというよりは、緩急とタイミングとポジション取りで突破しているように想像してる。
青田の進路も気になるし
原作がグレートな事
Kさんのこの作品がマーヴェラスな事は
言わずもがな
好意的なコメントを寄せてる方の記憶力や
分析力にも敬意を表します。
椎間、南が東京でしょうか?
天変地異で流川、北澤…ん?
が東京だとそれだけでハイボール
10杯はいけますね(笑)
沢北じゃねぇか…
夏は確かベスト4だったはず
角刈り
でしたね、すみません🙇♀️
総合格闘家(適当🤥)
そしてオヤジの全体バフ発動w
ヤスシオくらい?
とはいえ、宮城とのマッチアップの経験はあるのであながち間違いではないかと
規格外の経験を積んでいたのは大きな財産ですよね