選手権大会 決勝戦
3rdクォーター 残り4分
湘北 46
山王 51
田畑、実況。
《湘北、須形がひとりでプレスを突破しました。
さあ、ここから反撃開始となるでしょうか》
樽瀬《また面白くなってきましたね》
桜木《イカスぜ、オヤ…、安西監督!》
堂本 「……。」
(こんな機を待っていたとは…。見えていたのか、
須形がひとりで突破できる画が…)
千種 「先生…」
安西、ニコリ。
「ほっほっほ、待っていたらやってくれましたね。
さすが須形君、私の想像を超えてくれました」
千種 「え…?」
岩隈 「何か相手の穴が見えてたとかじゃ…」
藤川 「だからタイムも交代もナシで…」
安西、返す。
「動かないほうが、相手にとっては不気味だと
思ったので、待ってみたら上手くいきました。
須形君に感謝ですね」
千種 「…!!」
岩隈 「そ、それだけ…!?」
安西のメガネが光る。
「勝負の時間はここじゃありません。
その時は動きますよ」
ゾク…!!
ベンチ一同 (カ、カッコいい…!!)
荒石、ニヤリ。
「オヤジ殿にとっちゃ2年ぶりの全国決勝だ、
そりゃ腕も鳴るってもんだろうよ」
天崎、頷く。
「いまのだって、サンシローの突破を予期してね。
並の監督じゃできない采配だ!」
与田 「いや、意外とただ動かなかっただけかも」
宮城 「バカ言うな、安西先生だぞ」
赤木 「その通りだ。先生には見えていたんだ」
※残念ながら、与田正解
バス!!!
3rdクォーター 残り3分40秒
湘北 46
山王 53
田畑《ここは山王が返しました!!》
樽瀬《簡単には追い上げさせませんね!》
桜木、ニヤリ。
《勝負はこれだから面白い》
そしてここから
ゲームは膠着の時間となった。
4点差〜8点差で揺れ動く展開に。
バス!!!
田畑《湘北、決めました!!!!》
ザシュ!!!!
田畑《山王も譲りません!!!!》
「おおおおーーーーー!!!!!!」
「両チームともリズムがいい!!!!」
「どっちも点を獲るから、気持ちいいぜ!!」
町田 「両軍とも好調だ」
弥生 「第3クォーターはもう動きそうにないわ」
彦一 「やはり勝負は最後の10分」
『ビビーーーーーーー!!!!!』
3rdクォーター終了
湘北 55
山王 60
田畑《第3クォーター終了、5点差です!》
樽瀬《いい試合ですね!》
桜木《なかなかだ》
田畑、問う。
《樽瀬さん、いよいよラストの第4クォーター、
どんな展開を予想されますでしょうか?》
樽瀬、返す。
《ここまでは、どちらもオフェンスがいいですね。
ただ、この流れが続くとは思えません、どこかで
得点が動かない時間が来るんじゃないでしょうか》
田畑《と、言いますと?》
桜木《シュートが入り過ぎてる》
田畑《シュートが?》
樽瀬《はい、桜木選手の言う通りですね》
桜木《このまま行くわけがねえ…、ないですね》
記者席もこの現象に気付いていた。
町田 「両チームとも成功率が6割を超えてる」
弥生 「確かに入り過ぎね」
彦一 「なるほど…」
弥生、腕組み。
「おそらく第4クォーターのなかで、両チームに
大きなストレスがかかる時間が来るはずだわ」
宮城 「さあ、ラスト10分」
木暮 「早い段階で追いつきたいな、湘北は」
荒石 「花道曰く、スコアは止まるってよ」
木暮 「え?」
荒石、イヤフォンを外す。
「いまの状態はシュートが入り過ぎてるってよ。
第4クォーターはこのままじゃ行かねえらしいぜ」
赤木 「なるほど、言われてみれば」
宮城 「アイツ、意外と冷静に見てやがるな」
彩子 「そっか…、プロなのよね」
晴子 「もう新幹線どころじゃないのかも」
洋平 「ああ、随分遠くに行っちまったよ」
桜木&樽瀬の予言は正しかった。
4thクォーター 残り6分
湘北 59
山王 64
4分が経過し、互いにスコアはわずか「4」。
特に直近の2分は両チームとも無得点。
疲労が蓄積される時間帯に入り、
シュート成功率がガクッと落ちた。
シュートが外れるとリバウンド争いで
フィジカルコンタクトの場面が増える。
結果、さらにスタミナを消耗する。
そしてまたシュート成功率が下がっていく。
このスパイラルに陥り始めていた。
田畑、感心。
《いやあ、おふたりのおっしゃる通りの展開です。
両チームから疲れと焦燥感を感じますね》
樽瀬《ここは我慢の時間なんですよね》
桜木《切れたほうが落ちるぜ》
赤木、腕組み。
「点を獲られるのは、もちろんシンドイものだが、
それ以上に、点が獲れないのはキツイからな」
荒石 「ああ、イライラしてくるしな」
宮城 「こういう時は、個人で獲れる奴が欲しい」
天崎、頷く。
「いたんですよね、2年前の日本一のときは」
「ヘイ、残り5分だよ、ルカワ!!」
「くぁ…」
アメリカ・ワシントン州スポケーン、
時刻は22時を回ったところだった。
変わらず殺風景な流川楓の部屋に、
今日もまたフレデリック・カマラが
上がりこんでいる模様。
カマラ 「あと少しだよ、起きて、ルカワ」
流川 「眠い」
カマラ 「ショーホクの決勝戦だよ」
流川 「……。」
ボリボリと頭を掻き、目を開ける。
目の前のPC画面を見る。
試合は、残り5分になろうとしていた。
画面に映っているのは、湘北高校4番・須形陵。
かつて自分と一緒に全国制覇を成し遂げた
2学年下の後輩である。
カマラ 「ほら見ろよ、スガタだよ」
流川 「おお…」
カマラ、戦況を説明。
「ショーホクはよく頑張ってるけど、いまは得点が
止まってしまってる。決め手に欠けてる感じだね。
ルカワのようなプレイが必要な時間帯だ」
流川 「そうか…」
カマラ 「いないのかい? ショーホクに」
流川 「知らねー…」
カマラ 「そうか、もう2年経ってるもんな…」
流川 「でも…」
カマラ 「…?」
流川 「アイツならやるんじゃねーの」
画面の向こうでは、山王工業のシュートが
リングに弾かれていた。
田畑《うーん、入りません…!!》
樽瀬《重いですねえ、スコアが動かない》
ボールは湘北。
リバウンドを獲った上原から須形に渡る。
須形、人差し指を立てる。
「一本!!!!!!!」
流川 「あの時も、アイツは決めた」
カマラ、ニコリ。
「そうだったね」
流川 「そのためには、もうひとつ…」
カマラ 「…?」
4thクォーター 残り4分40秒
湘北 59
山王 64
続く
-
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1200) へのコメント一覧
リバウンド取ってくれる選手がいないとシュートすら打たないスパイラルに陥る
シュートは入らなくても打ち続けないと更に入らなくなる
リバウンド?ブロック?
Kさんいつもありがとうございます。
あの時は桜木がいたからな……
今日は新作映画も公開されたことですし、そんな日に到達したことに運命的なものも感じます
キリの良い回できちんと湘北メンバー勢揃い(流川はアメリカからですが)ですね。
今後も楽しみにしてます
ちなみにこれから映画のslam dunkを観てきまーす🎬
Kさんいつもありがとうございます!
そして1200話おめでとうございます!ありがとう!
山王のプレスに苦しむ中、リョーチンみたいにプレスを突破した須形。
須形自身の力もそうですが選手を信じる安西先生も良いですね!
試合は4クォーターを残し5点ビハインドの湘北、花道と樽瀬が予想する中、互いに点が入らない状態に。
更にこの試合流川&カマラも観戦!まさに湘北オールスター!
この点がとれない展開を破るのは!鍵となるのは流川が予想する須形と、もうひとつ?いったい何なのか?
安西先生の作戦を与田が当てているのに笑いました笑
ウィンターカップ全国制覇へ!
歴史を刻め!お前ら!湘北ファイト!
切っ掛けを掴んだ後の仕上げは、オヤジ殿(ある意味、元祖・メガネ)だな
ここから回想で花道3年生編でしょ?っと勝手に言ってみた(^o^)
桜木や流川とは違う形で、日本バスケの主人公になりそう。
スラムダンク公開日ですし12月ですしこれは運命ですね!!(たまたま)
これからも楽しみにしてます
リバウンドを制するものはゲームを制す
祝!本編映画公開!!
こっそり言います。
ブラボー!!!!
これからもマイペースでいいので我々を楽しませてやってください\(^^)/
リバウンドか‼︎
流川にとって、やっぱり花道の存在が大きいんですね
なんか、ジーンときます
まさしくそれ
ベールに包まれた湘北の全国優勝のシーンがチラッと
上手いなあ
映画見てきたんで、この更新たまらない😭
アイツとは須形のことか?全国決勝で勝負を決めたのは須形だったのか…それは意外。
もうひとつとはきっとオフェンスリバウンドなのかな。これは桜木荒石の後継者っぽい帆足が覚醒しそうだ。
そして帆足のリバウンドに期待しましょう!
映画はDVD出たら購入確定!
井上先生が私達に見たいものを見せてくれたことに感謝。
これからKさんが私達の見たいものを更新してくれることに感謝。
でも相手には森重もカマラもいない
にしても どうして書かないんですか?とのコメントが今でもあったから最近過去記事引用してきただけでなく、試合内容を小出ししてくれるKさんには皆感謝しないとね
あと2年前の決勝で流川とカマラは戦ってるんやったね。
なんか深くなりそうや。
そしていつも自分達に感動を与えてくれてありがとうございます‼️
そしてついに映画も観てきました❗️☺️
あと2回は観に行きます👍
Kさんも鑑賞したら是非感想を聞かせて下さい!
拾ってくれるヤツも必要だ。
どあほー。
このタイミングで、リョータのゾーンプレス突破を想起させるとは、Kさん、やはり持ってますね。
内容にはそこまで大差ないだろうし、原作はほんと最高なんだけど、今回の映画はいらぬ感情が入りすぎて良いとは言えなくなってしまったんだろうな。
ホンマなんで最初に言わなかったんやろうな。態々山王まで持ってきてるのに。
プロモーションの頭がどうしようもなかったんやろうな。いいプロモーションと悪いプロモーションの両方がいたかんじ。
もっとも大事なポイントですよね。
ここまでずっとスラムダンクを好きでいられたのは、このブログの影響がとても大きいです。
お陰様で今日の映画は最高でした!!ありがとうございました。
今後もお身体にお気をつけて楽しみながら、続きを書いて下さいませ!!
流川のいうあとひとつは"リバウンド"ですね!!
ほんとにそうだよね。
てか、花道3年世代を書かない理由は別の記事で述べてたのにね。
流川が出てこない時点で価値が下がってる
桜木がちゃんと解説してて草
どうでもいい話しですけど、この決勝終わったところでリョータと彩子さんあたりで、「ちょっと映画でも見に」なんてストーリーないかなって勝手に想像しちゃいました
花道は今バッシュ何履いてるんだろう?
プロだからスポンサーついてるのかな?
今でもJordan1なのかな?
勝手な想像がいくらでも膨らみますね
「俺もKの部屋見てる!」って声かけてあげりゃ良かったのにw
これからも頑張ってください
10年以上愛読しています。
いつもありがとうございます。
こういう形で桜木3年時代が描かれるこの手法、大好きです。
ダイレクトに細かく描かれるよりも、小出しの描かれた方が好きです。自分なりの解釈でパズルのように組み合わせて勝手に楽しんでます。
Kさんの描き方は、勝手に脳内再生されるので、原作にはありえない話なのに不思議と漫画のように描かれてるんですよね。
一つの楽しいコンテンツとして毎週心待ちにしています。
映画やらで興奮して、長文失礼いたしました。
Kさんの描かれるこちらも「スラムダンク」です!!
少し話はズレますがスラムダンク映画見てきました。声優陣は一新されてましたがこのブログがアニメ化されるなら荒石の声は劇場版の花道の声が合うんじゃないかと一人で思いながら見てました笑
おおーー久しぶりに読んだら、なんと湘北と山王の戦いではないですか!
それも後輩たちの!
しかも流川君も登場している!←ここが一番興奮したところ。
桜木の解説でたまにぼろが出るのがいいですね。らしくて。
思わずにやりっとしてしまいまいた。