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  • 2022年12月08日12:05

2022W杯 日本代表の試合がもう見られないという喪失感

いやあ、終わってしまいましたねえ。

あの日から3日経ちましたが、
ちょっとゆっくり振り返ります。


起きてすぐに「昨日のハイライト」を
見ない日が増えてしまいました。
ずーっと朝のルーティンになっていたのに…
(まあ、朝見なくても昼に見てますけど)。

ぽっかり胸に穴があいた気分でございます。

コメント欄でも同様の意見をもらっておりますが、
決勝トーナメント1回戦敗退という悔しさと共に、
「もう見られない」という寂しさが大きいですね。


わしはそもそもサッカー自体が大好きですし、
今回のW杯は本当に面白いと思っていますし、
世界一が決まるこの舞台(山本昌邦さん曰く
「地球のお祭り」)は最高だと思っていますが、

それよりなにより、やっぱり日本がこの大舞台で
勝つことが嬉しかったんですよね。

・世界の素晴らしいサッカーの試合が見たい
・日本代表の試合が見たい

天秤にかけると、わしの中では後者が勝つんです。
これに勝るものはなかったんです。

そう、もっと見たかった。



実績としては、間違いなく過去最高だと思います。

決勝トーナメントに進出した例はこれまでも
ありましたが、ドイツ&スペインと同居する組を
1位で突破し、さらに決勝トーナメント1回戦で
前回大会の準優勝国とPK戦までもつれ込む戦いを
披露したというのは、文句なく最高実績でしょう。


ホント、今大会ほど「今の日本なら勝てる!」と
思いながら見た決勝トーナメントはなかったです。
「ワンチャンある」とかじゃなくて、
「勝つ力がある」と、心底思っていました。

テレビ等のメディア、SNSの声、談話室の声を
見ていて、一体感も史上最高だったと思います。
ある種あの夜は「国民的行事」のような雰囲気が
あったんじゃないでしょうか。

うーん、もしかしたら、あのジョホールバルの
戦前の雰囲気に匹敵するレベルかも。

※あれは凄かった(言うまでもないけど)





歴史が変わる予感と期待が本当にありました。
その証人になろうと思っていました。


でも、なれませんでした。



クロアチアのほうが強かったかというと、
わし個人としては、そう思ってはいません。

日本も同等の力を持っていたと本当に思います。
上回っている部分だってあったとすら思います。
決定的チャンスの数だって負けてないだろうと。


ただ、
延長後半ラスト数分と、PK戦については、
「やられた」という思いはケッコーありました。



―― PK戦は運


これは、わしもそう思っています。



たとえば、
2010年のパラグアイ戦はそう思いました。
「PK戦だから、これはもうしょうがない」と。


なので、あのクロアチア戦、
PK戦にもつれ込むのはイヤでした。

「実力で勝てる120分の間に決めてくれ」と
思っていました。勝つ力があると思っていたし。

それだけに、最後の時間帯、クロアチアが
押し込む展開だったのも悔しかったんです。

運の勝負はイヤだ、本当にイヤだ、と。
クロアチアのように日本も行ってくれ、と。
その力は絶対にあるんだぞ、と。

そりゃ絶対にイヤですよね、運の勝負は。



ただ一方で、

「運の勝負になる手前のステージ」
みたいなものもあると思っています。


少し調べてみたところ、国際試合のPK戦における
シュート成功率はおおよそ70%だそうです。

まあ、「嘘おおー!?」とは思いませんよね。
そのくらい決まっているイメージはあります。


言葉でうまく表現できないのですが、
70% vs 70%の勝負になると、これは運だなと
思うんですよね。

70%という数字は「だいたい決まる」という
ことだと思うので、それが外れる or 止められる
ときってのは、確かに運の要素かもしれません。


が、

もし70%に満たない技量や心理状況だったら、
あるいは、止める側が30%を上回る精神状態に
いたとしたらば…、うん、それはPK戦とて
力で勝つことがあると思うのですよ。


だって、
かつて川口能活がスーパーセーブを連発したとき、
わしらは「運がよくて勝った」とは言わなかった
ではないですか。

あの日の感想は「川口が凄かった!」でしょ。


似た例は、つい最近もありましたよ。

東京五輪のニュージーランド戦です。


こちらの記事でも書きましたが、
あのときはGKの谷が止めるオーラを出しまくり、
オーバーエイジの吉田が相手を吞み込むように、
強く決めたと感じました。

あれもまた、「運がよかった」ではなく、
「勝った」と思いましたよ、わしは。


「PK戦まで行ったら、もう運だからしょうがない」
というゲームもあったし、

「PK戦でも完全に上回っていた、これは勝ちだ」
というゲームもあったんです。



で、
今回は「負けた」と思いました。


一般的に7割入るものが4本中3本も止められた、
これはやっぱり運だけじゃないと思います。

何かが負けていたのではないかと思うのです。



わし、過去の日本のPK戦について、
凄く印象に残っているシーンがあります。


1995年(おいおい、すげえ大昔だな)、
ダイナスティカップの決勝戦です。

相手は韓国で、ものすごく激しい試合に
なったのですが、2‐2のままフルタイムを終え、
PK戦にもつれ込んだんですよね。

で、PK戦で日本は5人全員が決めて勝ちました。


このとき解説者がこんなことを言ったんです。
「日本は経験のある選手が蹴ってますね」

それを凄く覚えてるんです。

こういうときに頼りになるのはベテランか、と。
さすがに修羅場をくぐってきた選手だな、と。


さきほど、確認しました。

PKを蹴ったのは、下記の5人。

柱谷哲二
北澤豪
福田正博
森保一
井原正巳


全員「ドーハの悲劇」のメンバーで、
20代後半から30代の選手ばかりですね。

※いまの常識だとそこまでベテランじゃないかも
しれませんが、当時は20代後半もベテラン枠
だったと思います。


5人立て続けに決める姿は本当に頼もしかった。

特に、北澤さんと井原さんのキックは
凄く覚えてます。

解説者が「北澤は思い切り蹴るでしょう」と
言ったのですが、本当にキィちゃん、
渾身のバズーカ砲をぶち込みましたからね

で、5人目の井原さんのときの解説の声は、
「これはもう外さないでしょう」みたいな感じ。

ここで井原が外すわけがない、という空気のなか、
やはり彼は冷静に決めてくれました。



いや、

「だからこの間のクロアチア戦も経験のある
選手を出してほしかった!」

と言いたいわけではなくて(今回はベテランの
吉田麻也も外してしまったわけですし)、
PK戦を勝つための策は何かあったかもしれない、
とちょっと思ったということ。


あのダイナスティカップはPK戦を勝つために
ドーハ組を出したのだと思います。

じゃあ今回は何だったか。

それは分からんのですが(どないやねん)、
わしの印象は「運の勝負になる手前のステージ」
だったんじゃないかな、という。

あれは、負けたという感じ、あります。

悔しかった。


そして、
その手前のステージを乗り越えたところで、
待っているのは「運の勝負」だと思うと、
やっぱりPK戦はイヤだなあ、とも。

90分で勝ちたい、それがダメでも120分で。
4年前のベルギーが我々からもぎ取ったように。 



さて、冷静に振り返りましょう。


日本は、W杯本大会に7大会連続出場で、
うち4回は決勝トーナメント進出、
特に直近2大会は連続して決勝トーナメント。

これ、弱いチームでしょうか?
8強以上に行く資格のないチームでしょうか?


わしはそうは思わないです。
自分が日本人だからじゃなくて、客観的に。

間違いなく、世界での立ち位置は向上しています。
間違いなく、強くなっています。


2006年、
中田英寿、中村俊輔、小野伸二、高原直泰ら、
黄金世代で挑んで、惨敗でした。

「あんな凄い選手が揃うことは二度とない」とも
言われ、しばらく日本は世界で勝てないとも
思われたかもしれません。

しかし、その後日本はもっと素晴らしい成績を
残すようになり、力を継続できるようになり、
今大会は過去最高の実績です。

優勝候補を倒すことだってできるようになった。

絶対にもっと強くなりますよ。



先日、試合前にこんなツイートをしました。





残念ながら勝つことはできませんでしたが、
今回、またいろんな経験を得ました。

これはいつか大きな勝利を得るための敗北です。
今大会で日本はさらに強くなりました。

これからもっと強い日本代表に出会えるはずです。
引き続き応援していきましょう。



最後に、
4回の談話室、最高でした。
皆さん、ありがとうございました。

これからもみんなで集まりましょうね。



ではでは。


---

もっと見たかったです!!!!


W杯クロアチア戦

---


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2022W杯 日本代表の試合がもう見られないという喪失感 へのコメント一覧

  1. 1.
    • めそ
    • 2022年12月08日 12:28
    もう日本代表の試合を見れないのが寂しいですね。次の大会がもう待ち遠しいです。あと四年あるのだから今大会の反省を糧にさらなる飛躍を期待します!
  2. 2.
    • ゆみ
    • 2022年12月08日 12:53
    • 5
    Kさん、同じです。
    ホントに楽しかったんです。今回のワールドカップ。でも、ぽっかり穴が空いて、寂しすぎて。
    今までとは全然違う感覚。ホントに実力で勝てるって、試合中、祈る感じじゃなくて、勝ちを信頼できるような。今までとは違う感覚でした。それでも勝てなかったからかな、凄い虚無感です。
    J開幕のときから、ずっとサッカー応援してきた私にとっては、本当に史上最強の日本代表見せてもらえて、凄く嬉しくて楽しかったのに、不思議です。

    でも、3日経って思いました。私はもうずっと見てきてるから、こんな感覚になったけど、今大会が3大会目ぐらいだったら、どうかな。と。

    やばい。次への期待、半端ないわ。

    って思えてきて、インタビューとか見出したりして。なんか、また熱くなってきました!堂安のファンなんですけど、次は代表引っ張って欲しい!久保も三笘も板倉も冨安も上田もシュミットや碧も伊藤も、次の大会までにまだまだ成長できるし、下の世代にも松木や斎藤、ピッピとかまだまだいるし、大然や南野や伊東や遠藤だって、まだ全然いける!ここからの4年間、代表戦楽しみすぎます!
    次はアジアカップですね!すでにもう観たいです(^^)
  3. 3.
    • ギャルおやじ
    • 2022年12月08日 13:00
    お疲れ様です。Kさん。
    談話室には参加しませんでした。
    友達とラインしながら観戦してましたので、すみません。

    さて、日本代表は非常に残念ですが まだワールドカップは終わってないので頑張って勝ち進んでいる国を応援しましょう!

    スペインも敗退して残念ですが、まだまだ強豪国はいますし、スター選手もたくさんいますし!

    日本代表には次のワールドカップを目指してまた新たなスタートをするでしょう。
    あれだけインパクトのある試合したのだから観戦していた若い選手や子供たちがいつか最高の舞台に行くはず!

    また、皆んなで応援していきましょう😁

    ながながとすいません。ブラボー‼️
  4. 4.
    • 応援団のひとり
    • 2022年12月08日 13:16
    • 5
    私たちが心のどこかで感じていることを言語化してくれるので、
    Kさんの評価やコメントがとても楽しみです。

    喪失感はあるのですが、世界と対等に渡り合えた代表メンバや森保さんのおかげで、日本がますます好きになりました。

    スポーツって偉大だなと改めて感じましたよ。

    背中を追い続けてバトンを繋ぎ、もっと強くなる日本を見ていきたいです。
  5. 5.
    • ・・・
    • 2022年12月08日 13:52
    ワールドカップ本戦の盛り上がりに関してはフランス&日韓大会以来の盛り上がりだったかもしれないですね。そもそもグループリーグ敗退の予想を覆して4日間夢を延ばしてくれたのは本当にすごかったと思います。

    ただPKはねえ…明らかにあのPKは負けですねえ、傍から見ても準備不足感が伝わってきましたし申し訳ないが南野選手が外した時点で寝る準備を始めました。個人的に立候補制はいかんと思う。PKになったら基本このメンバーが順番で蹴る、少なくともその人らは普段から責任をもって十分に準備をするって構えがいるのではないだろうか。流れの中から鮮やかに得点する術は歴代一のメンバーだったかもしれないだけに残念。
  6. 6.
    • あお
    • 2022年12月08日 14:14
    日本はほんと惜しかったですね
    強くなりました、ほんと
    ただ、Kさんと同じ考えでPKは負けたと思います
    僕は病院で働いていて、動きを見ればその時の心理状況がいくらか読めます
    南野選手、ボールに向かうときの動きが硬かったですね
    これは蹴った人にしかわからないプレッシャーがあったと思います、特に10番を背負ってますからね
    本来はもう少しあとに蹴るべき人なのかと思いました
    少しだけ焦ったかもしれません
    三笘選手もそうですね、しなやかさがなかったですね。これはキーパーも読みやすかったのかもしれません
    技術は世界レベルの日本代表だと思います
    あとは、経験とメンタルコントロールの技術があがればもっと上を目指せると思いました
  7. 7.
    • サッカーど素人
    • 2022年12月08日 14:34
    運の要素も勿論あると思いますが、素人ながらにあのPKを見たら、強豪国と同じようなシチュエーションが来たら同じように負けるのではないかと思いました。。でも楽しませてもらいました!!
  8. 8.
    • 若武者
    • 2022年12月08日 15:04
    ホント久しぶりに本気で日本代表を応援した数日間だったなぁと思います。
    次の日早いのに遅くまで起きていたり、遅くまで働いたのに早く起きたり。
    そう、今回の日本代表を応援するのがとても楽しかったんですよね。
    ホント、もっと応援したかったし観たかったし次の日「あーねみー」って言いながら仕事したかったなー。
  9. 9.
    • けー
    • 2022年12月08日 20:53
    • 5
    Kさん。参戦出来ずにすみません。自分の周りのLINEでの会話が激し過ぎて。でもそのくらい今回のW杯は盛り上がりましたね。サッカーもバスケットボールもバレーボールもラグビーも野球も卓球も世界に対して戦えるとは凄い事だと思います。私はメキシコW杯でマラドーナを知った時は保育園児でしたが日本には出場権さえないと思ってましたから。こらからの日本の色々なスポーツには期待しかありません。
  10. 10.
    • はるゆき
    • 2022年12月09日 07:09
    極端な話、枠内にさえ飛んでりゃどんな球でもゴールの可能性は十二分にある。

    だけどババ抜きやじゃんけんでも、どんな運の勝負でも可能性を手繰り寄せる駆け引きが用いられるのも確か。

    クロアチアはそこで勝つ手段と方程式をたくさん持っているからこそ土壇場で勝ち続けてきたチーム。
    そこで勝負するには日本はあまりにも経験値が足りていなかった。

    90年以上のワールドカップの歴史において、日本は直近20年そこそこでデビューしてきた若い国。
    だからこそ日本人はサッカーを通じて一体感が生まれるし、カミカゼを生んできた。
    日本国民はそれぞれの思いがあると思うけど、共通して言えることは【観てよかった】ってことだと思うしそれこそがエンタメの本懐。
    改めて選手たちには賞賛を送りたい。
  11. 11.
    • 2022年12月09日 21:31
    日本は負けてしまったけどここからが本当のワールドカップ!
    確かに日本はよくやった。けどそれを祝福したり、賞賛しててはベスト8の壁は越えられないと思う。
    ここからの上のステージは優勝を目指してる強いチームが凌ぎを削り合う。最初から優勝を目指すチームは、ベスト8が通過点。そうなるのが壁を越える1番の近道だと個人的に思いました。
    長々と失礼しました。
  12. 12.
    • d
    • 2022年12月10日 12:30
    クロアチアがブラジルに勝ちましたね!
    クロアチアが勝って嬉しいような悔しいような、、、
    あの試合勝てていたらと思ってしまいます。
    ベスト8どころかベスト4、決勝だって行けたんじゃないかと。
    悔しい〜!!




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