(リメイクの経緯はコチラ)
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6月某日、
東洋自動車体育館、
ドレッシングルーム。
ドレッシングルーム。
週刊バスケットボールを読んでいる杉山。
「お〜、すごいな。大学バスケ、巻頭特集だよ」
ピク!
この発言に反応する桜木。
「巻頭?」
エース・森尾毅彦が苦笑い。
「NBAプレイオフが盛り上がってるっていう時に、
編集部も思い切ったことを。まあ日本のバスケを
大きく扱ってくれるのは嬉しいことだがな」
「巻頭……」
杉山の後ろから特集を覗き見る桜木。
『頂上決戦大特集』と書いてある。
桜木、眉間にシワ。
「彦一の仕業か…。最近やけに大学に
入れ込んでるからな」
「彦一の仕業か…。最近やけに大学に
入れ込んでるからな」
杉山がページを読み進める。
「決勝戦なんてテレビだしな。インカレ決勝なら
まだしも、関東大会でこれはちょっと凄いぞ」
まだしも、関東大会でこれはちょっと凄いぞ」
桜木 「ぬ…。テレビ…」
森尾 「俺、うまく喋れるかな…」
桜木 「ぬ?」
杉山 「森尾さん、ゲスト解説やるんだよ」
ガタ!!
桜木、思わず立ち上がる。
「か、解説だと!?? なぜモーリーが!!!」
杉山 「そりゃ全日本のエースだからだろ」
桜木 「なぜこの天才にオファーが来ない!?」
杉山 「そりゃテレビ局に聞いてくれ」
桜木 「ぬぬぬ……」
パンパン!!
手をたたく音。
森尾 「さあ、練習だ。早く着替えろよ」
杉山 「うっす」
桜木 「くそ…」
杉山 「なにがどう、くそなんだよ」
笑顔の森尾、杉山がコートに出て行く。
そして若干不服顔の桜木も
トボトボとついていった。
トボトボとついていった。
テーブルの上に残された雑誌。
弥生と彦一の記事が開かれている。
その頃、
「お、ダンナ載ってんじゃん」
「お、ダンナ載ってんじゃん」
明利大学バスケ部の部室。
件の週刊バスケットボール誌。
赤木と河田雅がリバウンドを争う写真が
大きく載っている。
大きく載っている。
二人とも歯を食いしばり、凄い形相である。
誌面を手に取る宮城。
「すげー顔だなこれ。彦一が選んだのか?」
横から荒石が覗く。
「こりゃエサを争うゴリラ二頭にしか見えねえな」
「プッ!」
宮城が笑う。
「オイオイ、気をつけろよ。
ダンナが聞いてたらどーすんだ?」
ダンナが聞いてたらどーすんだ?」
「聞いてるぞ」
「……!!!!?」
宮城、荒石、凍りつく。
恐る恐る振り向く二人。
赤木 「たわけが」
ゴツン!!!!!
ドサッ!
倒れる二人。
荒石 「し、しまった……」
宮城 「お、俺はゴリラとか言ってねえのに…」
「ったく…、バカモンが」
呆れ顔の赤木、そして周りを見渡す。
「ん? 花形はどうした?」
木暮が答える。
「外にいるよ。珍しい客が来てるぜ」
赤木 「客?」
体育館横のベンチ。
スポーツドリンクを片手に持つ花形が腰掛ける。
「で、話ってなんだ? まあ大体察しはつくが」
プシュ!
蓋を開ける。
「深体大の感想、だろ? 藤真」
藤真 「まあ、そんなところだ」
関東大学トーナメント決勝戦、
対戦カードは、深体大×青学大。
青葉学院キャプテン・藤真健司は、
深体大と準決勝を戦った花形透を訪ねていた。
深体大と準決勝を戦った花形透を訪ねていた。
直接肌を合わせた人間に聞くことが、
相手を知るための最善策と考えていたのだ。
相手を知るための最善策と考えていたのだ。
藤真 「昔の仲間が明利にいて助かったよ」
花形 「フッ」
また、違う場所でも。
「ハッキリ言って強いぞ」
「予想通りの答えだ」
苦笑いを見せたのは、河田雅史。
大和大学体育館。
藤真とまったく同じ行動を起こした人間が
ここにいた。
ここにいた。
深体大のフォワード・河田雅史は、
青学大の準決勝の対戦相手だった大和大にいた。
青学大の準決勝の対戦相手だった大和大にいた。
横に座っているのは、野辺&松本。
藤真が高校時のチームメイトを頼ったのと同様、
彼もまた、山王工業時代の仲間を訪ねていた。
腕組みの野辺。
「森重は去年よりも確実にパワーアップしてるぞ。
2年目だけに連係も良くなってる」
松本が続く。
「あの天崎ってのもやっかいだ。相当動くぞ」
「そこだ。去年いなかった
選手の情報はないからな」
選手の情報はないからな」
花形が告げる。
「ああ、伊達健太はただのシューターじゃない」
「ああ、伊達健太はただのシューターじゃない」
藤真 「なるほど」
花形が続ける。
「オフ・ザ・ボールの動きもいい。ノーマークの
位置にスッと入ってくるんだ。神や三井のような
動きのセンスがある」
位置にスッと入ってくるんだ。神や三井のような
動きのセンスがある」
松本 「あとはとにかく藤真を抑えることだな」
河田雅 「やはりそうなるか」
花形 「ただ、一番のポイントは牧だ」
藤真 「もちろん、それは分かってる」
深体大と戦った、花形。
青学大と戦った、野辺&松本。
互いに同じことを最後に告げた。
両チームのPGであり、
キャプテンである二人が
キャプテンである二人が
最大のキーポイントになることを。
週刊バスケットボール編集部、
パソコンを叩く弥生。
「黄金世代が4年生になったこの年の頂上決戦、
さらにユニバ前最後のビッグマッチ。注目やわ」
彦一が興奮を抑えられない顔で
自分の記事を読んでいる。
自分の記事を読んでいる。
「こんだけ日本のバスケを大きく扱えるのも
嬉しいことや。プロ化を控えた一番大事な時期に、
この編集部におれることがホンマに幸せやで!」
嬉しいことや。プロ化を控えた一番大事な時期に、
この編集部におれることがホンマに幸せやで!」
そして、カメラマンの肩を叩く。
「ええ写真やなあ。ゴール下の迫力が完全に
表現されとる。赤木さんたちもきっと
喜んでくれとるはずや。会うのが楽しみや」
表現されとる。赤木さんたちもきっと
喜んでくれとるはずや。会うのが楽しみや」
カメラマン、ニコリ。
「でしょ?」
赤木 「彦一め…。こんな写真を載せおって」
荒石 (やべー。スゲエ怒ってる…)
宮城 「……。」
(スマン、彦一、次ダンナに会った時は
たぶんゲンコツだ)
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