準々決勝・第1試合
1stクォーター 終了
横浜D 25
深体大 15
道谷、戦況を伝える。
《第1クォーターが終わり、横浜ドリームスが
10点のリード。深体大はわずか15得点です》
塚本《これはちょっと予想外ですねえ》
道谷《完全にドリームスのペースで進みました》
塚本、ニコリ。
《黄金世代のトッププレイヤーと代表経験のある
ベテランが同居し、さらにはベンチに大浜さんを
擁するドリームス、やはり試合巧者ですよ》
道谷《結果、深体大は勢いに乗れませんでした》
彦一 「あの試合に、似とる…」
中村 「うん」
記者席の面々は思い出していた。
かつて牧と仙道がぶつかった試合を。
そして、同じ会話は観客席でも。
池上 「似てるな…。思い出すよ、4年前を」
魚住 「……。」
越野、頷く。
「あの時も仙道のパスからリズムを掴んで、
序盤は俺たちがリードを奪ったんすよね」
池上、返す。
「だったな。あの日は福田の得点が目立ったが、
今日はあの9番(宮ノ腹)が絶好調だ」
植草 「あの時は最終的には負けちゃったけど」
池上 「魚住が退場してなきゃなあ」
魚住 「やはり、その話になるか…」
越野、続ける。
「でも、その前に追い上げられちゃったんすよ」
魚住 「そう、俺のせいじゃない」
池上 「そ、そうか…」
越野 「確か、流れが変わったのは…」
『ビビーーーーーーーーーー!!!!!!』
インターバルが空け、両軍メンバーがコートへ。
横浜ドリームス
G/10.清田 信長(181cm / 72kg / 20歳)
G/9.宮ノ腹 卓也(188cm / 85kg / 26歳)
F/7.仙道 彰(192cm / 84kg / 21歳)
F/13.ロビン・フレッチャー(196cm / 100kg / 23歳)
C/12.一ノ瀬 剛士(196cm / 87kg / 19歳)
深沢体育大学
G/4.牧 紳一(186cm / 85kg / 4年 / 海南大附卒)
G/13.伊達 健太(184cm / 75kg / 1年 / 名朋工業卒)
F/6.諸星 大(189cm / 80kg / 4年 / 愛和学院卒)
F/7.河田 雅史(200cm / 98kg / 4年 / 山王工卒)
C/14.樋口 義弘(201cm/ 90kg/ 2年/ 北野坂卒)
町田 「お、両チームとも代わった」
弥生 「どちらも少しサイズダウンしたわね」
道谷《塚本さん、この交代はどう見ますか》
塚本、解説。
《深体大は、流れを変えたいところですから、
選手交代は妥当でしょう。一方のドリームスは
ベテランの塩田君を休ませる意図ですかね》
佐戸、腕組み。
「ドリームスにとってはラッキーかもしれない」
左京、頷く。
「深体大はたぶん流れを変えたくて河田弟と大野を
下げたんだろうね。で、ちょうどそのタイミングで
ドリームは塩田を休ませることになった」
外川、ニコリ。
「そうだねえ、塩田がいない時に一番怖いのは
河田弟君なのに、よりによってちょうどベンチに
下がったタイミングだなんて」
横浜Dベンチの大浜、ニヤリ。
「こりゃあ、何かとツイてるぜ」
深体大ベンチ・唐沢、無言で腕組み。
「……。」
はたして、2ndクォーター、
横浜Dは最高のスタートを切る。
ダム!!!
道谷《清田が仕掛けました!!》
清田がドライブで深体大ディフェンスに突入。
ビッ!!
塚本《そして、パスだ!》
ボールが中の清田から、外の仙道へ。
ビッ!!!
道谷《受け取った仙道もすぐさまパス!》
外の仙道から中の一ノ瀬へ。
ビッ!!!
塚本《さらに一ノ瀬君もパス!!》
中の一ノ瀬から外の仙道へ。
ザシュ!!!!
仙道、ミドルレンジのシュートを決める。
2ndクォーター 15秒
横浜D 27
深体大 15
「上手ああああーーーーーい!!!!!!」
「お見事、ドリームス!!!!!」
「いまのパスワークは良かった!!!!!」
ガンガンガンガン!!!!!!!
「セ・ン・ド!!!!!」
「セ・ン・ド!!!!!」
赤木 「おお…」
島袋 「凄いっすね、いまの…」
荒石 「一ノ瀬、ナイスパスだぜ」
花形、腕組み。
「ここから巻き返したいはずの深体大が、
第2クォーターも先手を獲られたか」
パンパンパン!!!!
清田が手を叩く。
「オッケー、オッケー、いいリズム!!!!
まだまだここからガンガン行くぜ!!」
残りの4人が笑顔で返す。
「オウ!!!!!」
横浜Dベンチからも声が飛ぶ。
「いいよ、いいよ!! 次、ディフェンス!」
「シオさん、休ませてあげようぜ!!」
塩田 「ははは、こりゃ助かるな」
福田 「俺は休みたくないのに…」
越野 「なんか楽しそうだな、アイツら」
植草 「うん」
魚住、腕組み。
「あの試合、清田の一発から流れが変わった。
アイツはムードメーカーの側面もある」
池上 「そうそう、魚住が決められたんだ」
魚住 「ム…」
(結局、俺の話に戻った…)
越野 「いまはその清田が仙道の側にいる」
菅平 「意外とポイントかもしれないですよ」
バッシイイイイ!!!!!
横浜D、ディフェンスも絶好調。
樋口が外に出したボールを、清田がカット。
「おおおおおーーーーー!!! ノブナガ!!」
「これだ!!! このジャンプ力!!!」
清田 「よーーーーっし!!!!!」
ボールを脇に抱え、ガッツポーズ。
仙道、ニコリ。
「乗ってるな、ノブナガ」
清田、返す。
「トーゼン、楽しくてしょうがないっすよ。
俺たちが天皇杯にいるんですよ」
仙道 「ははは、そうだな」
宮ノ腹 「さあ、次も一本決めようぜ」
「オウ!!!!!!」
町田 「雰囲気は最高だな、ドリームス」
彦一 「ええ、メチャクチャ楽しそうです」
大浜、ニヤリ。
「そりゃ楽しいに決まってらぁな」
(日本一強かったはずのチームが解散して、
主力メンバーがことごとく居なくなってよ、
それでも残った奴らに、やっと巡ってきた
この大舞台だぜ)
「「「 レッツゴー・ドリームス!!! 」」」
ガンガン・ガガガン!!!!
「「「 レッツゴー・ドリームス!!! 」」」
ガンガン・ガガガン!!!!
「「「 レッツゴー・ドリームス!!! 」」」
ガンガン・ガガガン!!!!
外川、ニコリ。
「王者時代のイサキとはまるで雰囲気違うねえ、
あのときはみんなストイックで、試合中に
笑うことなんて、ほとんどなかったのにね」
佐戸 「ああ…」
左京 「……。」
大浜、ニヤリ。
「そういや、昔は試合でも練習でも、笑ってる奴が
いようもんなら、怒鳴り散らしたもんだったな」
塩田、返す。
「ははは、そうでしたね。あの佐戸健一ですら
大浜さんには叱られっぱなしだったような」
福田 (怖かったって噂はよく聞く)
大浜 「丸くなったもんだな、この大浜も」
コート上では、横浜Dのオフェンス。
清田 「さあ、一本!!!」
「オウ!!!!」
仙道、手を叩く。
「強気で行こう、いまなら決まる」
宮ノ腹 「オッケー、オッケー!!」
一ノ瀬 「行きましょう!」
ロビン 「Let's Go!!」
大浜、一つ息を吐く。
「ふぅ、最強チームを解散させられたときは
どうしたもんかと思ったがよ、もしかしたら
アイツらに教えられたのかもしれねえな」
バッシイイ!!!!!
仙道のパスが、諸星に弾かれる。
仙道 「あ…!!!」
清田 「だああーーーー!!! センさん!!」
宮ノ腹 「なーにやってんだよ!!」
ダダッ!!!
ディフェンスに戻る横浜D。
仙道 「悪りぃ」
清田 「ったく、次やったら罰金っすよ」
一ノ瀬 「ははは」
ベンチから福田の声。
「俺を出せ」
清田 「いま下がったばかりでしょ!!」
福田 「ぐ…」
宮ノ腹 「よーーっし、ディフェンス!!!!!」
「オウ!!!!!!」
越野 「いいチームっすね、横浜ドリームス」
池上 「ああ、同感だ」
魚住、ニコリ。
「もしかしたら、仙道にはこういうチームが
一番合ってるのかもしれないな」
(田岡先生のチームも素晴らしかったが、
このチームもまた、違った魅力がある。
Bリーグでも大学一部リーグでもないが)
大浜、ニヤリ。
「黄金世代ってのは確かだぜ。ドイツもコイツも
能力的には、とんでもねえものを持ってやがる。
こんなところ選ばずに、名門大学でも行ってりゃ、
随分違ったバスケ人生になったはずなのによ」
塩田、頷く。
「まったくですね。特に仙道なんて、B1リーグの
どのチームにも行けましたよ、絶対」
バス!!!!
深体大・諸星、1on1からシュートを決める。
2ndクォーター 50秒
横浜D 27
深体大 17
一発で抜かれたロビン、一瞬茫然。
『は、速い…』
清田 「ロビン、ドンマイ!!」
一ノ瀬 「次、止めましょう!」
仙道 「よし、オフェンス!」
「オウ!!!!」
塩田、ニコリ。
「まあでも、横浜ドリームスって選択、
これはこれで、いいんじゃないすか」
大浜 「ああ…」
「「「 レッツゴー・ドリームス!!! 」」」
ガンガン・ガガガン!!!!
「「「 レッツゴー・ドリームス!!! 」」」
ガンガン・ガガガン!!!!
「「「 レッツゴー・ドリームス!!! 」」」
ガンガン・ガガガン!!!!
「ノブナガ―、獲り返せええーーー!!!!」
「一本返そうぜ!!!!!」
変わらぬ歓声の中、横浜Dが攻める。
ダム、ダム…。
清田がボールを運ぶ。
(やっぱり、デカい試合はサイコーだぜ)
大浜 「楽しそうにやってやがるわ」
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1211) へのコメント一覧
毎回楽しみにしてます!
因みに自分は、中学の時にスラムダンク世代でしたがその頃から牧が好きです!牧も頑張ってくれー!
仙道たちが生き生きしている姿を見れて嬉しいです!
いくら清田がノリにのっていたって牧さんがおとなし過ぎる
スロースターターと言ってもこの大一番にそれはないでしょ、とは思う
これから見せ場はたくさんあると思うけどおそらく来るであろう牧vs仙道の戦い、楽しみにしてます
なんか、パスをカットして、1on1を制したってとこから、諸星は、乗ってきてんのかな?
面白かったです!
勢いになる。
特に試合に飢えていたとなればなおさら……
このあと、きっと大爆発だ。
牧、諸星、河田!
頑張れ!!
勝ってほしい!!
それと......福ちゃんの活躍もそろそろ見たいです(小声)
Kさんいつもありがとうございます!
10点リードで流れを保つ横浜ドリームス、まるで仙道さん2年時の陵南VS海南だ!
両チームメンバーチェンジの中、深体大は大野と美紀男を下げシューターの健太と樋口を投入!ドリームスは福ちゃんと塩田さんのインサイドをロビンと一ノ瀬が入ります!
2クォーター開始後も横浜ドリームスの流れはとまらず、清田、仙道、一ノ瀬と繋ぎ仙道が決め最高のスタートを切る!
清田が楽しそうにやってるのをみてこちらも涙が出そうです。ロビンから決める諸星も流石!
茨の道を進んできた清田には頑張ってほしいが、先輩の牧さんの活躍もみたい!荒石と島袋が一ノ瀬を褒めるのも最高です!ほんとうまい!
ところどころいじられる魚住さんに笑いました!
両チームとも頑張れ〜!
仙道の焦らなさ感って、
やはり男惚れしちゃいますよね。
1stQは仙道が捌いて
メイクした描写が多かったですが、
2ndからは、取りに行くのですね、
うーん、楽しみですね、次回も!
ノッてるドリームスの描写、こちらも笑みがこぼれますが、深体大も役者が揃ってますからこのままじゃないと思いますね。センドー君に厄介な奴だなと思わせ、苦しめるのは誰か❓次回も楽しみにしております🙇♀️が、無理のないところでお願いいたします🙏
何かの伏線かもしれませんね。。。🙄
お互い、多忙を乗り切りましょう!!!
わず「か」ですね。
修正お願いいたします。
それは、“オフェンスに限った話”のような気がしていたのが、自分の思い違いなのだろうか?
完全に抜かれているわけではないようだけど、ここまで、あまり清田を抑えられているようにはみえない(実際、かなりノッている)
オフェンスだけでなく、ディフェンスにおいても、“スロースターター”ということになると、いくら尻上がりに調子を上げていくタイプとはいえ、これから“先”のことを考えると、やはり、問題じゃないだろうか…
所詮大学生相手なんだし
ノブナガ『これからは抜かれないッスよ。足を掴んででも』
楽しそうな仙道も良いですねー。
ただ、高3の夏から4年ものブランクを考えると、即入団とはならないだろうけど。
そー思う!
当時の清田の役割を諸星が担うのではと予想
怒って持ってる力すべてを引き出すんだ
大浜はバスケ界の「ブラックヘアデビル」と言われていた。
しかし、イサキ自動車の解散を機に1人のバスケ選手が命を落とした
以後、大浜は練習ですら笑顔で選手と接するようになり、ブラックヘアブッターと呼ばれている
大浜「見てるか・・・・・沢矢」
覚醒の予感!
実際かなり問題だと思いますよ。
プロになったらフル出場ということはまずないですし、最初はベンチスタートの可能性も高いでしょう。
そうなると調子出てきたと思ったら試合終了ということになりかねません。
最悪の場合、2Qで5分くらい使うも、調子が上がらず全然ダメ
こんな選手後半に使えんとなりプレイタイム伸びない可能性も…
どうなるか楽しみだー
選手全員連れての観戦はありだけど、監督だけこっそりは名将田岡さんはしないかなと
上手く言い表わせませんが…
なんだろ、子供達を教えてるKさんならではの描写なのかな
楽しんでるプレーヤー見てるとこっちもウキウキ、ワクワクしてきますねー
頼もしい仲間に囲まれて、押せ押せムードの中に油断が生じたと・・
仙道の魅力って、完璧に見えて何処か抜けてるってとこかも知れませんね
原作の最初の練習時代から終盤に本気出す話だったし
大谷翔平さん見たら、どんなに楽しそうにしてても
一流のその上には行けないと、
選手監督共に学ばせてもらいましたね(^_−
仙道も反省してほしい。
全国2いの正センター高砂さん入ってくるんですよ?
もし原作で陵南よ了解先に海南と練習試合だったら
魚住と比較にならないくらい赤木はボコボコに負けてたと思います。
私なんぞいつも学んでばかりです!