準々決勝・第1試合
2ndクォーター終了
横浜D 54
深体大 40
前半が終わり、リードは横浜ドリームス。
ユニバーシアード日本代表選手を4人も擁する
大学バスケ界の雄、深沢体育大学を相手に、
試合開始早々からペースを掴んだ彼らは、
その優勢を保ったまま、前半を駆け抜けた。
会場、騒然。
「横浜ドリームス、強いぞ、マジで!!!」
「これは深体大がインカレから2連敗も…!!?」
「ここから形勢逆転する画が見えねえ…!!」
「よーーっし、ナイスプレイ、ナイスプレイ!
後半も頑張ろうぜ!!!」
清田、手を叩く。
その清田を先頭に、
横浜Dメンバーが控室へと歩いていく。
応援団から大きな声援。
「ノブナガーーー!! 後半も頼むぞーーー!!」
「宮ノ腹、当たってるぞ!! 後半も行ける!!」
「仙道、頼むぞ!!! 絶対に勝ってくれよ!!」
清田、観客席に手を振る。
「オッケー、後半も応援頼むぜ、みんな!!」
「おおおおおおーーーーーーー!!!!!!」
「ノブナガ!!! 頑張れよ!!!!」
清田、コブシをギュッと握る。
(俺が選んだ道は正しかったんだ。今日の試合、
絶対に勝つ。ここからBリーグにまで這い上がる。
そして、俺個人は日本代表に…!!)
仙道、ニコリ。
「後半も頑張ろう、ノブナガ」
福田、ムスリ。
「出番が少な過ぎる、後半こそオレの出番…」
清田 「ッス!」
笑顔で返す。
しかしすぐさま鋭い目つきで顔を上げ、
電光掲示板の得点を確認。
横浜D 54
深体大 40
清田 「……。」
(この時点の14点差なんて、あってないようなもの。
何より相手は牧さんだ。このまま行くわけがない)
赤木、腕組み。
「横浜ドリームスにとっては、出し切れていない
深体大が、却って不気味に映るかもしれんな」
花形、頷く。
「ああ、勝負所でのアイツらの強さは当然分かって
いるだろう。修羅場をくぐり抜けて勝ち続けた
猛者の集まりなんだからな」
荒石、ニヤリ。
「敢えて見方を変えると、絶好調のドリームスが、
まだ乗ってきてない深体大を相手に、決定的な
リードまでは行けなかった、とも取れるかもな」
畑山 「なるほど…」
島袋 「そう言われてみれば…」
赤木 「後半、深体大がどう出てくるか」
その深体大の控え室。
大学バスケの王者として君臨し、何事にも動じず、
いつも冷静であり続けてきた彼らだったが、
さすがにこのハーフタイムは穏やかではなかった。
「決勝で2度負けた経験は何だったんだ?」
唐沢が静かに問う。
「………。」
「……。」
無言の選手たちの前で、
唐沢が続ける。
「何も得るものはなかったのか。
同じように今日もまた負けるのか。
そして、何も得ず4年間を終えるのか」
グッ…、
牧、河田雅、諸星、コブシを握る。
言葉は発しない。
だが、明らかに目の色は変わった。
闘志、悔い、恥、決意…、
様々な感情が入り混じる、
見たことのない表情。
唐沢の言葉が続く。
「受け止めるな、挑め。
道は、自分たちで拓け」
牧が口を開いた。
「雅史、諸星、大野、伊達で行きます」
唐沢 「いいだろう、やってみろ」
牧 「はい」
笑顔で声を掛け合う横浜Dとは真逆の空気。
普段から緊張感あふれる深体大だが、
このハーフタイムでさらに引き締まった。
牧 「行くぞ」
一秒たりとも気を抜くことが許されぬような
張り詰めた緊張感のなか、選手たちが歩き始めた。
男たちが廊下を歩く。
アリーナへ向かう。
諸星 「認めるところからだな」
大野 「ああ、そのとおりだ」
河田雅 「挑戦者であることを忘れていた」
諸星 「受けて立つような立場じゃない」
河田雅 「全力で挑む」
牧 「撃ちまくるぞ」
奢っているつもりなど毛頭なかった。
2度負けた経験を無にする気などない。
当然、挑戦者の姿勢を忘れてもいない。
だが彼らは、「認める」こととした。
忘れていた、出来ていなかったのだと。
何が要因というわけでもなく、
怒りのような感情が沸々とわき上がった。
『ビビーーーーーーーーーー!!!!!!!』
ハーフタイムが明けた。
両軍メンバーがコートへ。
「おおおおおおーーーーーーー!!!!!」
「さあ、来たぞ!!! 後半戦だ!!!!」
町田 「はたしてメンバーは?」
弥生 「後半最初の5人、見ものよ」
横浜ドリームス
G/10.清田 信長(181cm / 72kg / 20歳)
G/9.宮ノ腹 卓也(188cm / 85kg / 26歳)
F/7.仙道 彰(192cm / 84kg / 21歳)
F/13.福田 吉兆(192cm / 87kg / 21歳)
C/5.塩田 清彦(201cm / 104kg / 30歳)
深沢体育大学
G/4.牧 紳一(186cm / 85kg / 4年 / 海南大附卒)
G/13.伊達 健太(184cm / 75kg / 1年 / 名朋工業卒)
F/6.諸星 大(189cm / 80kg / 4年 / 愛和学院卒)
F/5.大野 敦也(196cm / 87kg / 4年 / 名朋工卒)
F/7.河田 雅史(200cm / 98kg / 4年 / 山王工卒)
「なにィィいいいいーーーーー!!!!???」
「深体大は、センターが河田兄…!!?」
「この布陣は見たことないぞ…!!!??」
越野 「深体大が動いてきた」
池上 「見ろよ、魚住。あいつらの顔」
魚住 「……。」
声を掛け合い、手を叩きながらコートに入る
横浜ドリームスとは、やはり見事に正反対。
深体大は、鬼気迫る表情でコートへ。
魚住 「牧、ここからだぞ」
越野 「……。」
(さっきと同じだ…。魚住さん、深体大を…)
左京 「ケン、この深体大の布陣、どう見る?」
佐戸 「そうだな…」
放送席も後半の5人を確認。
道谷《深体大は普段見られない5人です》
塚本《純粋なセンターがいない形ですね》
道谷《ゴール下の高さは深体大の武器ですが》
塚本《それ以上に変化が必要なのでしょう》
『ピピーーーッ!!!!』
深体大ボールで、後半スタート。
大野のスローインを牧が受け取る。
「さあ、後半だ!!!!」
「深体大は、どんなオフェンスから入る!?」
ダム、ダム…。
牧、右45度あたりをドリブルでゆっくり進む。
キュッ…。
ディフェンスは、清田。
「……。」
(この一本、深体大は絶対に決めたいはずだ。
そこから一気に波に乗りたい場面、となると、
やはり牧さん自ら勝負に来るか…)
ギラ!!
牧、いつにも増して鋭い目つき。
全身から勝負のオーラを漂わせている。
清田 (来る…! 自分で来る…!!)
キュッ!!!!
腰を落とし、ドライブに備える。
佐戸、腕組み。
「深体大は、全員外から撃てる布陣だな」
ダム!!!!
牧、ドリブル。
キュッ!!
ワンドリブルで急ストップ。
清田 「……!!!!!」
次の瞬間、シュートモーションへ。
「……!!!!!!!!????」
ビッ!!!!!
後半開始、5秒。
牧、スリーポイントシュート。
道谷《いきなり撃った…!!!!!》
塚本《うわっ……!!!》
ザシュ!!!!!!!
3rdクォーター 7秒
横浜D 54
深体大 43
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1214) へのコメント一覧
深体大にとって挑戦者のイメージが青葉なのかな。
牧を活かすためには最高のラインナップ
外から射貫けるメンバーがいるからドライブが有効になる
そして中に集まれば外から射貫く
どっちも負けて欲しくない試合はあまりない。
深体大がインカレ制していればここまで悩まずに
済んだものを。
深体大に火がつぃちまった...!!( ; ロ)゚ ゚
ドリームスが叩き潰されるところは見たくねぇ...。
(頑張れ!仙道!頑張れ...福ちゃん...!)
Kさんいつもありがとうございます!
前半終了で横浜ドリームス14点リードの中、ハーフタイムを迎える両チーム!
油断せず、牧さんを警戒する清田信長。成長を感じ涙が出ます。この試合に勝ちBリーグ、更に日本代表に入ると発言に涙が‥
対照的に暗い感じの深体大。唐沢監督の言葉もあり、気を引き締めるメンバー、更に後半のメンバーを牧さんが指示!挑戦者の意思をつらぬく、これは見もの!
後半横浜ドリームスはスターティングメンバーの中、深体大は牧さん、伊達健、諸星 大野 河田雅史の青葉並みのシューターの布陣で挑む!
開始早々清田から牧さんがスリーを決め点差を縮めました!両チームのマッチアップも非常にきになるが、5シューターの布陣をとった深体大の中、福ちゃんのマッチアップは?
両チームとも頑張れ〜!
牧とのマッチアップを再現して欲しい。
伊達健にはノブナガ、諸星には宮ノ原。
ドライブ良し、ポストアップして清田が苦手のパワーでゴリゴリしても良し。
ドリームス側はそろそろ福田が点取ってくるか。マッチアップはおそらく大野だし。
と入っても、河田兄は、赤木や森重といった他チームのセンターとは、散々やりあってる(元々、山王時代は、弟や野辺とも練習してきてる)から、別にどうってことはないわな
むしろ、日本代表経験もあるベテラン塩田を相手にやりあえるのは、河田兄しかおらんだろう
牧が、いきなり飛び道具を放ってきたが、やはり牧と言えは、“最強のペネトレイト”
かつての後輩相手に、スカしたりするほど、牧のプライドは低くはないはず
絶対に真っ向勝負でねじ伏せにくるとみた
ただ、清田の持つポテンシャルや伸び代を考えたら、牧の方にも、余裕はないかもしれない
そして、清田を振り切ったとしても、黄金世代の“最高峰”にいると言っても過言ではない仙道が、まだ控えている
面白くなってきたじゃないか、コノヤロー
こうなると深体大が意地を見せつつも、ドリームスの強さが際立つ試合が見たいかな。
優勝はしないと思っているので。
ですがこの大会は絶対仙道に優勝してほしいです。
諸星も黙っていないはず。
行けよ!!!おう!!!!!
うちには仙道がいるからだ。
もう牧さんの敗北を見たくないけど藤真同様勝利に恵まれなかった仙道の勝つとこも見たい(^-^ゞ
センドウもノブナガもスラムダンクでは脇役。
奴等が主役に立ってはならない。
天才だろうが努力してきただろうがあえて厳しい道に進もうが関係無しにお前らが主役に立ってはならない。
すみません、意味が違ってしまいますので…
三井と神のダブルシューターって、それを思い出しました!
Kの部屋だったら諸星には清田でしょ!
結果点差が詰まる流れかな
どっちが勝つかわからんな〜
そんなん言ったら、牧も、河田兄弟も、諸星も、全員脇役やんけ。
湘北出身の選手が一人も出てこない、いや、桜木(スラダンの主役)が出てこないこの試合、どうするん?(試合に勝っても、『主役じゃないから』とでも?)
そもそも、これは『スラムダンクの続きを勝手に考えてみる』であって、「スラムダンク」とは別物やろ。
ただ最初のプレーで3点決めればその後警戒せざるを得ないけどだったら試合の序盤にやっとけばいい。スロースターターは単なる言い訳に過ぎない。
点差が開いてるから3点?
現代バスケ知ってる?
は?ほかに3点を狙う意味あるの?
確率の悪いシュートをわざわざ狙うのは点差を詰める以外にない。
てか実際の試合で3点なんてそんなに打たない。
3点シュートの確率調べてから書いてね
素人丸出し
安易に3点を狙ったかどうかは、知らんけど
今や、インサイドの選手ですら、3Pを打つ時代なのよね。
それと、試合の序盤は、牧に対して清田は、“攻めるようなディフェンス”してるのよね。
今回は抜きに来ると思って、清田が腰を落として身構えたから、そこに“スキ”が生まれて、そのスキを牧が見逃さなかったっていうお話。
現実的には50-40という言葉があるように良くて50%で60%の2点は相当に難しい
なのでチームとしてはまずはオープンな3Pを狙っていくのが効率的なオフェンスのセオリーなんじゃないでしょうか
それはNBAの話だろ?
日本に3点打つビックマンなんかいるか?
もう少し現実を見た方がいい。
ビッグマンが河田に付くと3pエリアから好き勝手されてしまう
まず止めるべきは牧−河田ラインとみると対策としては合理的なんだよなぁ
ここで諸星が爆発すると手に負えなくなってしまうが…
例で出してるのに話しずらしすぎ笑笑
牧が決めてるのに
批判されて頭きてるんだろうけど
貴方の負け
あのこれフィクションなんですけど
確率低いし撃たせればええ
ペネトレイトからの3点プレイさせなきゃ調子づかんし
外からはなんぼでもええくらいの気持ちでいられれば清田の勝ち
NBAの話だとして、何か問題でもあるん?
現状、バスケの最高峰はNBA。だったら、そこから学ぶのが、向上していく上で、最も手っ取り早い方法。
『日本に3点を打つビックマン〜』と言うなら、「スラダンの続き」で言えば、河田兄がおるし、花形も習得中。
『現実を見た方が〜』と言うなら、「スラダンの続き」は勿論のこと、オリジナルの「スラムダンク」ですら“創作”なのよね。
まあ、実際に決めたのはPGの牧なんだけど、その牧は、深体大だけじゃなく、ユニバーシアード日本代表のキャプテンを任される程の信頼を得ている選手。
牧が『撃ちまくるぞ』と言って、その1本目が3Pだったからといって、必ずしも、3P狙いの作戦とは限らないし(仮に、その作戦を取るなら、オフェンスリバウンドで優位に立てるように、大野ではなく、河田弟や樋口を使った方がベターだと思うけど)。
そもそも、相手の出方次第で、戦況なんて変わっていくだろうし、「青葉の4シューター作戦」が上手く機能しなかった試合も目にしている以上、点差を詰めるために、“安易”に3Pに頼るとは、到底思えないけどね。
エンジンかかった牧さんVS仙道の対決も、フクちゃんの活躍も楽しみで楽しみで…
ハラハラドキドキワクワクする試合をいつもありがとうございます
同意。
特に諸星&大野では陵南から続いている仙道&福田のコンビプレーを止められない気が
安易というよりは覚悟の現れかと
高校時代共にプレーをしていた清田は牧の最強のペネトレイトを知っていたし意識しているはず。そしてそれにうまく対応してきたから前半の結果になった。だからこそ覚悟を決め挑戦者として最初のプレーを、あえて難易度の高い3Pに決めたのでは
これにより作戦の幅を広げたのと同時に味方への鼓舞につながると思うんだが・・・
兎にも角にも次のプレー注目ですね(笑)
この試合もしかしたら接戦ではなくどちらかの圧勝という結果もありえると思います。
あえてこの注目が集まる試合を捨て試合にして敗戦したチームの成長や個をクローズアップするための布石だとしたら・・・
牧が藤真、赤木、仙道に負けた後のカムバックなんてゾクゾクしますね(笑)
牧も結構どうでもいい