準々決勝・第1試合
4thクォーター 残り57秒
横浜D 96
深体大 97
道谷《さあ横浜ドリームス、逆転のチャンス!》
塚本《残り1分、ついに捕らえましたねえ!》
道谷《ドリームス応援団、凄まじい声です!》
ガンガン・ガガガン!!!!
「「「 レッツゴー・ドリームス!!!! 」」」
ガンガン・ガガガン!!!!
「「「 レッツゴー・ドリームス!!!! 」」」
「うおおおおーーーーーーーーー!!!!!!」
「行けええええええーーーーーー!!!!!!」
「仙道、行けるぞ!!!!!」
「さあ行け!!! これで逆転だ!!!!」
「決めろ!!! 決めてくれ!!!!!」
ガンガン・ガガガン!!!!
「「「 レッツゴー・ドリームス!!!! 」」」
まさに会場全体を呑み込まんばかりの轟音。
中立地であるはずの天皇杯の試合会場だが、
もはや空気としては、横浜Dのホームコート。
つまり、深体大にとって、いまここは敵地。
異様な音量、異様な空気。
そんななか、
仙道彰は、いつもと同じ顔だった。
「さあ、もう一丁いこうか」
弥生 「あの涼しい顔が、逆に恐ろしいわね」
町田 「まったく動じないですね、仙道」
中村 「す、凄い選手だ…」
ゴクリ!
彦一 「また、何かを起こしそうな気がする…!」
一方、何も起こさせてはならない深体大、
懸命に声を掛け合い、守備に動く。
牧 「ディフェンス!!!!!」
河田雅 「外も狙ってくるぞ、チェック厳しく!」
しかし、互いの声は完全には聴こえていない。
大音量の声援が、コート上の会話を遮断している。
樋口 「本当に凄い声だ…」
伊達健 「コートの声も聴こえない…」
唐沢 (だが、通じ合わないわけではないはず)
「大丈夫だ、信じろ」
遠く離れた地からも応援の声が飛ぶ。
「オジサン、頑張れ!!!!!!!」
「センドーを止めて!!!!!!!」
同じ地で、画面に身を乗り出す者も。
宮城 「さあ、どう攻める、どう守る?」
(ここが間違いなくこのゲームの山場…!!
この一本で勝負が決まる可能性もある…!)
ダム、ダム、ダム……。
ショットクロック残り10秒、
仙道のドリブル、少し重心が下がる。
佐戸 「あの体勢、1on1に行きそうだな」
左京 「そこからシュートもパスもあるぞ」
外川 「下がってスリーまであるんだよねえ」
キュッ!!
諸星 (何をやってくるかは分からねえ)
マッチアップ相手は、全てを兼ね備える男。
何でもできる。
つまり、何をやってくるか分からない。
キュ!!!!
諸星、前に出る。
(ならば、コッチから仕掛けてやるぜ!
何もできずにやられるより100倍マシだ!)
「おおおおおーーーーーーーー!!!!!!」
「諸星が行った…!!!!!!」
仙道 「…!」
諸星 「オウ!!!!!」
キュキュッ!!!
距離を詰め、手を差し出す。
桜木 「まるで、さっきの野猿だな」
杉山 「確かに」
桜木、ニヤリ。
「そういや、さっきはそれで、
ジイがボールを獲られたぜ」
森尾 「…!」
その1秒後、
「……!!!!!!!!!!!!!」
「牧…!!!!!!!」
「行った…!!!!!」
仙道に、諸星と牧のダブルチーム。
町田 「仕掛けた…!!!!」
弥生 「仙道君にふたり…!!!!」
「うわあああーーーー!!!!!!」
「牧と諸星…!!!!!!」
「なんという凶悪なダブルチーム…!!!」
だが、
ここで越野、コブシを握る。
「獲られるかよ! 仙道だぜ!!」
ダム!!!
ダダム!!!!!
仙道、この強烈なダブルチームを相手に、
巧みに体でボールを遠ざけつつ、キープ。
植草 「獲られない…!!!!」
越野 「これだ!!!!!」
「おおおおーーーーーー!!!!!!」
「すげええええ!!!!!!」
そして、
ビッ!!!
ふたりの守備の一瞬の隙を突き、
裏側にボールを通す。
これが清田へ。
「うわああああーーーーー!!!!」
「逃げ切った!!!!!!」
「仙道の勝ちか!!!!!」
唐沢 「獲れなくて構わん」
(相手は仙道。ふたりで行けば獲れるだなんて、
簡単な考えなわけがない。狙いはそこじゃない)
ショットクロックは、残り4秒。
「……!!!!!!!!」
横浜Dベンチが声を出す。
「時間がない…!!!!!」
「撃たないと…!!!!!」
仙道 「…!!」
が、
コートには届かない。
応援団の大声援に、遮断されてしまう。
大浜 「……!」
(ここで、こっちにも作用しちまったか…!!)
コート上の選手が24秒のショットクロックを
確認できないシーンは珍しいものではない。
本場のプロや世界大会でも、ままあること。
そこで重要になるのは、ベンチの声である。
だがこの瞬間、それがかき消されていた。
「…!!!」
コート上のメンバーが
ショットクロックに気付く。
ボールは清田から宮ノ腹へ。
諸星、ニヤリ。
「遅いぜ」
(仕掛けてみるもんだな)
数秒前、
諸星は、1対1の体勢をとる仙道に対し、
果敢に前に出るディフェンスを選択。
この時点で特に策はなかった。とにかく出た。
そこに、牧が参戦した。
この瞬間、策が誕生した。
「少しでも時間を経過させる」という策が。
牧と諸星、ふたりの狙いが一致した。
攻めるような守備で仙道を手こずらせた。
唐沢監督が呟いた通り。
声は届かずとも、通じ合っていた。
そして、策は奏功した。
牧 (よし!)
諸星 (もう時間はない!)
ショットクロック残り2秒、
ダム!!!
宮ノ腹がワンドリブルからシュートモーションへ。
シューターらしからぬ、無理矢理なフォーム。
佐戸 (とにかく撃つか!)
左京 (撃っちまえば、何が起こるか分からない)
外川 (そもそも、それが入るかもしれない)
諸星 (撃たせねえよ)
バッシイイイイイ!!!!!!!!
宮ノ腹 「……!!!!!」
ボールが叩き落とされた。
河田雅 「ぶしっ!!!!!!」
道谷《河田のブローーーーーック!!!!!》
塚本《凄いところから跳んできた…!!!!》
河田雅、狙いすました大ジャンプから、
宮ノ腹のシュートをブロック。
ダン!!!!!
弾かれたボールに、牧が飛び込む。
(確かに、撃てば何かが起きたかもしれんがな)
ガシイイ!!!!
体がぶつかり合うなか、しっかりとキャッチ。
道谷《牧が獲りました!!!!!》
塚本《いやあ、力強い!!!!!》
4thクォーター 残り32.3秒
横浜D 96
深体大 97
スコア変わらず、深体大ボール。
道谷《深体大、止めました!!!!!!》
塚本《これは大きい!!!!!!》
佐古 「大きいな」
森尾 「次を決めれば決まりか」
桜木 「やりそうだな、ジイたち」
「ふぅ…」
仙道、口をキュッと結び、
鼻からひとつ息を吹く。
深体大ベンチの唐沢、
何かを確信したかのような顔で腕組み。
「ゲーム終盤、仙道を止めることはできなかった。
だが、横浜ドリームスは止めた」
横浜Dベンチの大浜、
何かを悟ったかのような顔で苦笑い。
(チッ…、想像以上だったかよ、黄金世代め…)
そして、20秒後。
バス!!!!!!!!
『ピピーーーーッ!!!!!』
残り12秒、
河田美紀男が、塩田のファウルを受けながらも
ゴール下のシュートをねじ込んだ。
道谷《バスケットカウント・ワンスロー!!!》
塚本《これはビッグプレイ!!!!》
アシストとなるパスを放ったのは、
フォワードの大野だった。
大野 「よーーーっし!!!!」
河田美 「ハイッ!!!」
バチン!!!!!!
激しく手を叩く。
牧 「よし!!!!!!」
河田雅 「よく決めた!!!」
諸星 「オッケーー!!!」
4thクォーター 残り11.9秒
横浜D 96
深体大 99
道谷《ここで深体大、3点差!!!!》
塚本《ほぼ負けはなくなりました!!》
道谷《さらにフリースロー1本を獲得!!!》
塚本《これが決まれば、勝利濃厚ですね!!》
赤木 「決まったか」
花形 「仙道、最後は仕事をさせてもらえなかった」
荒石 「ああ、上手かったぜ、深体大…」
赤木、腕組み。
(この残り12秒の得点とアシストが三銃士でない、
ということが、深体大の恐ろしさだな…)
『ビビーーーーーーーー!!!!!!』
当然、横浜Dはタイムアウト。
道谷《ドリームスは最後のタイムアウトです》
塚本《ラスト12秒、まさに最後の指示ですね》
その後、
ザシュ!!!!
河田美はフロースローを決めた。
これが深体大の100得点目だった。
4thクォーター 残り11.9秒
横浜D 96
深体大 100
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1232) へのコメント一覧
諦めるなよ仙道
センドーを勝ち組にしてほしい!
ふくちゃん出てこねーかなー。
なんとかして仙道さん!
4点プレー狙い?さすがに無理でしょ。
4点差なら打たせてもいいわけだし。
終わりか😥
無冠の帝王で終わる運命なのか。
牧!
雅史!
でのディフェンス。
残り時間の消費も上手くやってくれそう。
仙道と諸星のバチバチした戦い(原作の流川と沢北のような)が読みたかった気もしますが、Kさんの試合の締めくくり方が毎回楽しみです。
あとは逃げろ!三銃士!
攻めて逃げろ!
くれぐれもKさんの体調ご優先にm(__)m
早く良くなってくださいね!!
試合は深体大が勝つけど誰もが仙道に戦慄するみたいな
Kさんいつもありがとうございます!
応援団の声と仙道さんのいつも通りの活躍により1点ビハインドでマイボールのドリームス。
声による連携がとれない深体大、パス、シュート、ドリブルと神がかったプレイを連発する仙道さんに対し諸星と牧さんがダブルチーム。
だが、時間が足りずミヤさんのシュートは雅史がブロックし深体大ボールに。
これは、声が聞こえない状況もあるが三銃士が仕掛けたことによりボールを得た深体大!この状況でもせめて奪う、ほんと凄い!
更に大野からのパスでみきおがバスカンを決め残り11秒で4点差に!
これは絶体絶命、タイムアウトをとったのは良いがドリームスは策はあるのか?ここに炎の男ミラクル三井寿がいれば…
だがそれでも仙道、仙道なら何とかしてくれるはず!準決勝に駒を進めるのは横浜ドリームス、深沢体育大学どちらか?ワクワクドキドキします!
両チームとも頑張れ〜!
勝機はほとんど
なくなったといっていい
「『それでも仙道なら…』 『仙道ならきっと何とかしてくれる…!!』」
(読者は)
「そういう目をしている……!!」
ドリームスvs東京Pもその内ありうる?
森重(青葉)に勝つ前提で、
桜木vsセンドーも見てみたい。
でも、そうなると、4年になってからの牧は3回も負ける事になってしまう。
読者として、気になる展開すぎる。
勝って欲しいけど、やはり無冠で終わるのかな?
仙道に勝ってほしい…
負け組にしないでほしい
仙道を…
どんな結果でも楽しみです‼︎
ファールさえしなきゃ深体大が勝ちなんでしょうけど、Kさんとセンさんが何かしそうですね!
まったく想像すらできませんけど笑
??「待ちくたびれましたよ」
仙道「すいません。頼みます」
清田「これで百人力ッス」
宮之原「頼むぞ。相方」
牧「!?」(出てくるのか)
桜木「ぬ!?」(アイツは?)
仙道ならきっと何とかしてくれる…!!
さて、この試合絶対的に深体大有利ですが、仙道選手は高校の時も牧さん相手にほぼ互角パフォーマンス出してます。
流石に残り11秒強で4点差は普通あり得ません。
まれにレジーミラーみたいな逆転劇が実際ありますが、kさんの部屋では、または原作では移籍的な逆転劇は、あえて無いと思いまます。(ミッチーの残り4秒の逆転劇も計算されていたと思います)
しかし、この続きが何も終わらない結果になるとは思えません。
タイムアウトの監督の指示も気になりますし、流石最強世代と言ったものの、その最強世代で一番は仙道選手だと言ってますので、
ともかく続きが楽しみです。長文失礼しました。
仙道には、熱さを持って、もう一段、覚醒して欲しい。
欲が欲しいね、欲が。
ご自愛くださいませ。
仙道がなんとかしてくれると信じたい
更に福田清田の活躍にも期待しています。
このまま追いつけず終わるのか奇跡が起きて逆転するのか延長戦になるのか分かりませんが続きが楽しみです。
深体大も好きだけど今回は仙道に勝ってほしい、、、さすがに残り時間では厳しいけど、、、勝てない天才で終わってほしくないっす。
このプレーを成功させればまだ,時間が10秒以上ある。それで2点差案良ければ1点差になる。
センドーならそんなプレーを、成功させてしまう気がする。
仙道だけでなく、それぞれのキャラが消化不良な感じがある。
実力が拮抗してるとこういう事もあるのかなー。
一番好きな清田がほとんど何もできてなかったのが悔しい
残り時間が不気味ですね。
牧、諸星、河田はさすが。センスでは上をいかれていても、決して仙道に好き放題やられているわけでもなく、自分達の持ち味を駆使してチームとしてリードしている状況に持ち込んでいるのはすごいこと。
このメンツに加え、沢北、流川、桜木、森重、深津、赤木、神、三井あたりも同世代にはいるし、誰が抜きん出ているのかもはやわからないくらい黄金世代って層が厚いんだなと再認識。
3秒で3P決めて1点差、タイムアウト使い切ったので
オールコートプレスで5秒バイオレーション
残り3秒の攻防
仙道が神格化されてるとか逆に目立ってないとか。
牧が勝ちすぎとか牧が負けすぎとか。
庶民はいつも好き放題言うもの。
芸能人のブログもこういう感じなんだろうな。
このまま深体大に勝って貰いたくなりました!!
どっちも最後までファイト!!!
ここでセンドー君達に負けて欲しくないんだなぁ💦
ドキドキが続きますネ。
他の人のコメントでもあるけど、センスはあるけど情熱がないような気がする。
もう一皮剥けてガムシャラにならないと先はない
センスだけでは本当のトップレベルで必死に練習してる人間には勝てない。
牧たちに置いていかれないでほしい
仙道対桜木がみたい(流川がどうみるかも含めて)
もう同点延長狙いしか残る目はないかな
4点かぁ。。。
読めん、読めんぞ!
仙道がなにかすんげぇ事やって、全員驚かせて1ゴール(or1点差)で横浜Dの負けたみた。
センドーとか、福ちゃんが、3P打っている最中にファール貰って、5Pプレーで終わるとかいうストーリー、感動しますね。
流石にないか?
自分もメタい理由で天皇杯決勝は横浜vs東京になるかなあ…って思ってるんですけどねえ。乱舞編の桜木が仙道や清田と真剣勝負で当たる試合はこれを逃すとまた大分先になりそうだし。「諦めたら試合終了」はスラダンの代表的台詞だけど流石に残り11秒4点差はつらいか?
仙道の大活躍を期待していた人も多いだろうけど、相手はユニバのキャプテン牧だから簡単に勝てる相手じゃない。原作でも牧が勝ったし。
仙道にとって牧は天敵なのかも
同い年の宮城と仙台が今戦ったらPGとしてどっちが上なのか気になる
塩田がファウルを取られなければ、まだ目はあっただろうけど
その塩田のファウルを目にしているだけに、深体大がファウルを犯す可能性は無くなった
となると、仮に、ドリームスが3Pを決めて1点差にし、その後、プレスを掛けにいったとしても
深体大には、そのプレスのことをドリームスの選手以上に、よく知っている人間がいる
そして、本文中のこの文章が、この試合の結果を物語ってしまっている
横浜Dベンチの大浜、
何かを悟ったかのような顔で苦笑い。
(チッ…、想像以上だったかよ、黄金世代め…)
1つに絞れないから考える、ディフェンスは後手になる
今度は勝てる
相手は3Pプレッシャーかけてこないから迷わず撃て。
決めたあとはオールコートプレスで5秒バイオレーションをとる。
残り3秒あれば十分だろう?仙道。
会場全体の度肝を抜いてこい!
フリースロー故意に外してリバウンドのこぼれ球を清田が死守して外の仙道へ101−100でドリームズ勝利
仙道!!!!!!!!
牧と同じペネトレイトで仙道が突っこむ、そして3点プレイとして、ファウルをもらい、最後のフリースローを外してリバウンド勝負、そこから3ポイントを匂わせて実際は普通の2点プレイで延長で勝利
仙道が描く筋書きはこんなとこかな。
それでも仙道なら…仙道ならきっと何とかしてくれる…!!