準々決勝・第3試合
1stクォーター 1分10秒
青学大 5
東京P 2
桜木花道のブロックショットが、
森重寛のシュートを後方から叩き落とした。
複数のプレイをひとりで止めて見せた
背番号99に会場は騒然となる。
「なんだそれ…!!!!」
「アイツひとりで二つのプレイを止めた!!!」
「意味が分からねえ…!!!!」
道谷《凄いディフェンスでした、桜木》
塚本《あの運動量は青葉にとって脅威ですね》
道谷《東京ペイサーズ・桜木、大活躍です》
『ピッ!!』
青学大、エンドラインからのスローイン。
ショットクロックは残り8秒。
ゴール下、森重がつぶやく。
「俺が勝つ」
桜木、ニヤリ。
(ああ、来いよ、デカ坊主)
赤木 「時間はない、ワンプレイで勝負だ」
木暮 「外で仕掛けるか、中に放り込むか」
三井、ニヤリ。
「森重の野郎は、勝負したそうだけどな」
(桜木と戦う奴はみんなそうなるからな)
やはりボールはインサイド。
ビッ!!
藤真からローポストの森重に渡る。
道谷《さあ、森重vs桜木!!》
塚本《あと5秒、ここで勝負でしょう!》
ダム!!!
森重、体をぶつける。
牧 「真っ向勝負」
河田雅 「面白い」
「フン!!!!!」
桜木、体を張り踏ん張る。
ダム!!
森重、再度体をぶつける。
キュッ!!!!
桜木、体をぶつけ返すように立ちはだかる。
町田 「お互いファウルギリギリ…!!!」
彦一 「凄いぶつかり合いや…!!!!」
キュッ!!!
森重 「おおおお…!!!」
珍しく、声をあげながらターン。
桜木 「させるか!!!!!」
森重、桜木ともつれ合いながらのシュート。
笛は鳴らない。
ガン!!!!
外れる。
「桜木の勝ちか…!!!!!?」
「いや、まだ終わらない…!!!」
ダン!!!!
ふたりが跳ぶ。
「リバー−−−−−−ン!!!!!」
ガシイイ!!!
獲ったのは森重。
桜木 「チッ…!!」
森重、再びシュートに向かう、
と見せかけ、
モーションを止める。
町田 「フェイク…!」
が、桜木も跳んでいない。
弥生 「……!!!」
彦一 「おおお…!!!」
桜木 (次だろ、分かってる!)
森重 (やるな、赤いの)
再び肉弾戦。
バッシイイイ!!!!!
桜木が森重のシュートを叩く。
「おおおおおおーーーーーーー!!!!!!!」
「ナイスブローーーッ…」
『ピピーーーーッ!!!!!!』
「……!!!!!!」
ホイッスル。
桜木のファウル。
森重、フリースローを獲得。
そして、場内爆発。
「うわあああああーーーーーーーー!!!!!」
「すげえ!!!!!」
「すげえ勝負だ、あのふたり!!!!」
「まるでNBAのゴール下だ!!!!」
桜木 「クソ…、フリースローか…」
森重 (決められなかった…)
杉山 「……。」
(コイツら……)
道谷《これは凄い勝負!!》
塚本《見応えありますねえ!!》
道谷、興奮止まらず。
《森重はまだ大学2年生、桜木も学生ならば
同学年です。若い力が共鳴し合います!!
これが現代の日本のバスケです!!》
洋平 「すげえもんだな」
高宮 「なんか日本の宝みたいな扱いだぜ」
大楠 「あの花道が…」
野間 「すげえ、すげえよ、花道…」
赤木 「負けてられんな」
木暮、ニコリ。
(赤木も負けちゃいないぜ、天皇杯とインカレで
あのふたりとやり合ったじゃないか)
ガン!!!
ザシュ!!
森重、2本のフリースローは一本成功。
1stクォーター 1分20秒
青学大 6
東京P 2
続く、東京Pの攻撃。
小場 「一本!!!!!」
「オウ!!!!」
キュッ!!!
オズボーンのスクリーンを使い、
エースシューター・森尾が動く。
天崎 「…!!」
(しまった…!!)
神 (スクリーンの使い方が上手い…!)
森尾 「ヘイ、こっち!!」
ボールを受け、構える。
ダン!!!
天崎が懸命にブロックに跳ぶ。
ダム!!
森尾、これはフェイク。
ワンドリブルから、ミドルシュート。
ザシュ!!!!
1stクォーター 1分35秒
青学大 6
東京P 4
「おおおおおーーーーー!!!!!」
「さすが森尾!!!!!」
道谷《森尾、決めました!!!》
塚本《さすがですね!》
佐戸 「あのへんは外さない」
左京 「アイツのシュートには敵わないな」
バチン!!!!
桜木 「よーーっし、モーリー!!!」
森尾 「オウ!」
30歳と19歳のハイタッチ。
森尾 (まだまだ若い奴らには負けないよ)
そして、手を叩く。
「ディフェンス!!!!!!!」
「オウ!!!!!」
須形 「天崎さんがあっさりかわされた」
松坂 「あれが日本代表のシューターだよ」
千種 (お兄ちゃん、頑張って…!!)
天崎 「くそ…」
(やっぱり上手い…。体の使い方なのか、
タイミングなのか、いつもの相手とは違う)
藤真 「天崎、次だ次、獲られたら獲り返す」
天崎 「っす!!」
(そうだ、俺たちは青葉。ずっとこうやって
戦ってきたんだ。一本決められたくらいで
動揺してちゃいけない)
東京P監督・宇野、ニコリ。
「きっちり切り替えて来るな、よく訓練されてる。
さすがは黄金世代のトップランカーたちだ」
棟川、頷く。
「身体能力も自分たちとは全然違いますが、
何よりあのメンタルでしょうね、この世代の
最大の持ち味は。全くひるまない」
(高校時代からよほど激しい戦いを繰り返して
きたんだろう、大したものだ)
そう、ひるむことはなかった。
青学大は続く攻撃でも、
わずか10秒でシュートへ。
ガン!!!!
道谷《藤真のスリー、外れました!!!》
塚本《うーん、惜しい!!!》
ガッシイ!!!
杉山がリバウンドを取る。
そこに神の手が伸びてくる。
スッ!
杉山 「おっと!!!」
慌ててボールを持ち上げる。
(この一瞬で狙ってくるかよ、油断も隙もねえ)
道谷《ペイサーズボールです》
塚本、ニコリ。
《いま神君が手を出しましたね。獲られても
ただでは獲らせないというか、全時間帯で
集中し続けていますよ》
青学大ベンチから声が飛ぶ。
「オッケー、惜しい、惜しい!!」
「ドンドン撃っていこう!!」
藤真 「よし、ディフェンス!!!!」
「オウ!!!!!!」
左京 「何本でも撃ちそうだな、アイツら」
外川 「外した藤真君が率先して声出してるよ」
佐戸、ニコリ。
「今日はこれで行くと決めてるんでしょう。
躊躇なく撃ち続けると思いますよ」
(サイズとフィジカルでは相当な差がある。
外のシュートは今日の青葉の生命線だからな)
東京P、今度はインサイドの杉山へ。
青学大のトライアングルゾーンが待ち構える
ゴール下にボールが放り込まれる。
ローポストでボールを保持。
キュキュッ!!
神と森重が寄る。
杉山 (やはり、ふたりで当たってくる)
森尾 (気をつけろ、神は手を出してくるぞ)
ダム!!!
杉山、神に体をぶつける。
「おっと、ふたりのディフェンスに挑むか!」
「杉山がパワーで仕掛けるぞ!!」
杉山 (ここにもう一枚動きが加われば…)
キュッ!!!
桜木がハイポスト付近に入ってくる。
ビッ!!
杉山 (守備は分散する)
桜木にボールを入れる。
森重が動く。
杉山 (よし、俺が1対1になった)
「へい、桜木!」
桜木 「行くぞ、デカ坊主!!!!!」
ダム!!!!!!!
杉山 「あ…」
再び肉弾戦。
ガシイイ!!!
桜木、体をぶつけ合いながら、
少々無理やりな体勢からシュート。
「おおおおーーーーーーー!!!!!」
「またこのふたりの勝負…!!!!!」
ガン!!!!
リングに弾かれる。
桜木 「が…!!!!」
森重 「フン!!」
「獲らせるか…!!!!」
桜木&森重、再び体をぶつける。
杉山 (何やってんだ、バカ野郎…!!!)
ポン!
杉山、外れたボールをタップ。
バス!!!
1stクォーター 1分50秒
青学大 6
東京P 6
道谷《杉山、押し込みました!!》
塚本《ナイスフォローですね》
桜木 「おお、オスギ!」
杉山 「おお、じゃねえよ。周りを見ろ」
桜木 「ぬ?」
杉山、ため息。
(ふぅ、こりゃダメだな)
ベンチに向かって、指を回す。
東京P監督・宇野、ニコリ。
「オーケー」
指示が飛ぶ。
「杉山が15番(森重)、桜木は9番(神)」
桜木 「…!!」
杉山 「ディフェンス、交代だ」
桜木 「何を…!! デカ坊主は俺が…!」
ガシイイ!!!
森尾、桜木のアタマを掴む。
「それはまた後だ。一旦、神につけ。
いまお前はゲーム全体を見渡せていない」
桜木 「ぬ…、モーリー…」
森尾、ニコリ。
「あの外は厄介だからな。杉山もアイツの
動きには苦戦してるから、天才に見本を
見せてもらいたいんだよ」
桜木 「ほう?」
表情が戻る。
いや、むしろ上機嫌に。
諸星 「お、あのバカが一発で収まった」
河田雅 「さすがは日本代表のエース」
杉山 「ふぅ…、やれやれ」
(ただ、神にどう対処するのか、桜木のやり方を
見てみたいのは事実だ。俺は俺で森重との勝負は
今後もおそらく避けて通れない)
東京P、マッチアップ変更。
藤真に、小場、
天崎に、森尾、
家村に、オズボーン、
神に、桜木、
森重に、杉山。
宇野、ニコリ。
「まあ、これはこれで面白そうだ。桜木は今後、
ああいうピュアシューターとのマッチアップも
増えそうだからな」
(特に、世界に打って出るときには)
続く、青学大の攻撃。
キュキュッ!!
神には桜木。
花形 「そう来たか」
赤木 「桜木が神のマーク」
三井 「これは、ちょっと楽しみだぜ」
(いつかオレがアイツと戦うことになる日も
きっと来るはず。どう動く、桜木?)
神 「……。」
(桜木か…)
桜木、ニヤリ。
「撃たせねえぜ、ジンジン」
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1241) へのコメント一覧
にしても花道はすごいのか足を引っ張ってるのか、、、
って洋平か誰かもこんなこと言ってたか。
にしても花道はすごいのか足を引っ張ってるのか、、、
って洋平か誰かもこんなこと言ってたか
自身満々なところが好きです。
個人的はあとスリーポイントが打てるようになれば最高です😆
次は桜木vs神か!
これは面白い!
楽しみです!
Kさんいつもありがとうございます!
東京ペイサーズVS青葉学院大学、森重が決めると花道も決め返す!この勝負最高です。いつか2人が世界にどのような影響を及ぼすか今から楽しみです!
花道にブロックされた青葉は再びゴール下での頂上決戦!森重が体をぶつけ真っ向勝負。シュートは外れたがリバウンドは再び森重、ブロックされるがファウルをゲットしました!
Kさん、のっけからやばすぎませんか!花道、森重凄いですが、この2人とやりあった赤木もほんと凄いです!
ペイサーズもスクリーンをうまく使い天崎のマークを外し森尾さんが決める。藤真さんもガンガンうち両者とも譲れない展開へ。
そしてここで神VS花道、森重VS杉山のマッチアップきた〜!みたかったマッチアップが早くも実現!フリーになる天才を天才はどう守るのか、ミッチーがワクワクしてるのをみてこっちもワクワクします!
花道を落ち着かせるモーリー、諸星さんのバカ発言に笑いました!
両チームとも頑張れ〜
となると青葉を応援したくなってしまう。w
高2の国体の時の練習で一度だけジンジン読みしていた気がします。
いつもありがとうございます。
俺もそんな気がする。
というか、ジンジンはねえだろ(笑)ふくちゃん違うんやから(笑)
花道なら、マシンシューターとか、ジーパーツ(牧の相棒)とかほしいなあ
森重とのマッチアップも勿論ですが、青葉には他にも藤真、神、天崎と因縁のある選手が多いので彼らとの勝負も見たかったです。
神相手にどういう戦いを見せるのか、期待します。
あと、
左京 「アイツのシュートには適わないな」
この場合、正しくは「敵わない」です。
高2の国体編での練習時にジンジンと呼ぶ場面がありますよ。
神の桜木恐怖症再発だよこれ
桜木って原作じゃ189.2センチだったから今の富永と殆ど一緒なんだよな。
そこから何センチか伸びてると思うけど、身体能力が高いと言っても4番や5番を出来るサイズじゃないんだよな。
"青葉"ではなく、"青学大"になってます。
展開は面白い🤣
流川が打てる3ポイントを桜木が練習していないわけが無い、、、まだ早いか?
「イヤ、ルカワのヤローは高校の時から打ってる!!」
ありがとうございます!振り返って読んでみます😊
どちらの呼び方も桜木っぽくて良いですね。いろんな想像が膨らんで楽しいです!
ありがとうございます😊もう一度振り返って読んでみますね!
ハエたたき使わないってことだし、単純な身体能力での1on1なら可能だろうけど
方向性としては桜木と同じで身体能力で技術をカバー系なんだけどね。
というセリフは桜木がディフェンスでは2〜3番ポジションまで守れる運動能力がある示唆…
となると…
オフェンス / ディフェンス
1番 仙道 三井
2番 三井 桜木
3番 流川 仙道or流川
4番 桜木 流川or仙道
5番 森重 森重
というラインナップも可能…!?
高校1年の時とは負けても勝つ!って感じでしたが、果たしてどうなるか?
10cm伸びて199ですよ。
花道最高!
国体の合宿で聞いたに決まってるだろ。
最初の2分。
これってこの状況を読んてたってことでしょ?
伏線回収ですな。
桜木が色んな技術を身に着けて成長するのは楽しいが、その度に『リバウンド王』のフレーズが使われなくなってきたのは原作ファンとしては少し寂しいな。
将来、神が花道と同じチームなったら、なんて考えます(笑)
ワールドカップ期待ですね!
普段コメントしないのですが、特に本話は試合序盤なのに要素が多く本当に楽しかったです、続きが楽しみ...
となると、次の青葉の攻撃の結果が、そのまま勝敗に繋がってくるのかな?
神の性格的には、「パスくれ、パスくれ」という感じにはならなそうな気がするし
それに、こんな序盤から、神が得意とする「敵も、味方も、壁として使う」あのプレイを、果して、使ってくるのか、どうか
もし使ってくれば、身体能力がとんでもない桜木のこと、おそらく、攻略してしまうだろう
となると、しばらくは、もうひとつの方の組み合わせ「杉山 vs 森重」に焦点が移るのだろうか?
フィジカルでは劣るものの、現・日本代表という立場を考えると、桜木以上に負けられないはずの杉山
そもそも、対外国人においては、常に、相手側にアドバンテージがある戦いをしてきたはず
この試合、ペイサーズが青葉に、ジリジリと差を付けていくような展開が続き、終わってみれば、“横綱相撲”という形になるのではないだろうか…
桜木のあだ名の付け方って基本
わかりやすい外見的特徴(猿、ゴリ、オヤジ、坊主、メガネなど)か
名前もじる(ミッチー、フク助、リョーチン、ヤスなど)
かシンプルに名前(センドー、ルカワ、彦一、ハルコさんなど)
のどれかだから、
マシンシューターとかジーパーツみたいな横文字とか専門用語チックなあだ名つけないだろ。
キャラにあわないけどヒョロとかの方がまだしっくりくる。
マシンシューター
ジーパーツ
クソダセえwww
その並びなら流川か仙道がガード守った方がいいかなと。
丸ゴリ・森重・ゴリ・丸男あたりとのラインナップで可能性あるかもね
守備のマッチアップとポジションがごっちゃになってませんか?
花道自身は4番ポジションでもディフェンスのときにアウトサイドの選手につくこともあるということでは?
日本としては、神もある程度桜木とやりあえるようじゃないと困る