準々決勝・第3試合
3rdクォーター 1分45秒
青学大 40
東京P 52
桜木のアシストから杉山が得点。
しかもスリーポイントプレイ。
アウトサイドシュートを軸にひと桁点差にまで
追い上げていた青学大を、再び突き放す。
道谷《これぞプロの力と言っていいでしょう!》
塚本《しっかり引き戻しますねえ》
三井 「アイツがあんなパスを…」
赤木 「うむ…」
木暮、コブシを握る。
「いまのは、凄いプレイだった! まるで空中で
一度止まったかのような。ただのパスじゃない、
桜木のあの身体能力があればこその…」
花形、苦笑い。
「ちょっと今のは常人にはマネできそうにないな」
赤木 「桜木め…」
(もしも、あの滞空時間をもって、空中にいる間に
次のプレイの判断をできるというなら…)
安西、ニコリ。
(さあ、ここから本領発揮だ)
続く青学大のオフェンス。
パンパンパン!!
藤真が手を叩く。
「オッケー、オッケー、一本返されただけだ。
ウチが止められたわけじゃない。問題ない。
ボールを回していこう!」
「オウ!!!!!!!」
ビッ! ビッ! キュキュッ!!
ボールが動き、選手が動く。
牧 「落ち着いているな」
諸星 「あんなプレイを浴びた後にもかかわらず」
河田雅 「藤真、さすがのリーダーシップだな」
ビッ!!
ボールは藤真から前川へ。
道谷 《青葉、ボールを中に入れます》
キュキュッ!!
ディフェンスはオズボーン。
身長差10cm。前川、シュートに行けない。
「ここは厳しい…!!!」
「やはり青葉は外から攻めるべきか…!!」
ビッ!!
前川、ボールを外に出す。
そこには、
「神…!!!!!」
「撃つか…!!!」
キュキュッ!!!
しかし、すかさず桜木。
道谷《撃たせません!!》
塚本《すごいディフェンスですねえ!》
桜木 「止めたぜ」
神 「いいよ」
桜木 「…!?」
ビッ!
神、ボールを中に入れる。
(お前がゴール下にいなければ、それでいい)
森重がキャッチ。
杉山がつく。
佐戸 「ナイスパス」
左京 「位置も抜群」
バス!!!!
森重、シンプルなフロントターンから決める。
3rdクォーター 2分10秒
青学大 42
東京P 52
道谷《青葉、返しました!!》
塚本《森重君、強いですねえ!!》
外川、苦笑い。
「いい形で渡れば杉山クンでも止められないか。
さっきのチャーリー相手に決めた時と同じだ。
もう1対1じゃ日本人には止められなさそうだな」
その頃、VIPルーム。
「森重寛…、彼は今すぐ日本代表の主力になる。
日本のインサイドの救世主になるぞ」
「間違いないです。技巧派の杉山と使い分ければ、
世界での戦いでも目途が立ってくるでしょう」
「だが、その森重を擁する青葉が、インカレでは
準決勝で敗れていることを忘れてはいけない」
「興味の尽きない世代ですね、本当に」
「さあ次は東京ペイサーズのオフェンスだ」
「桜木ですね」
ビッ!!
道谷《ボールは納和から桜木!》
塚本《来ましたね! 注目ですよ!!》
ダム!!!!
桜木、発進。
青学大のトライアングルディフェンスに向かう。
「行った!!!!!」
「次はどうする!!? シュートか、パスか!」
牧 「面白い」
河田雅 「どっちだ」
ダン!!!
桜木、ドリブルからジャンプ。
ダン!!!
青学大ディフェンスがブロックに跳ぶ。
次の瞬間、
河田雅は目を見開いた。
「……!!!!」
桜木が空中にいる間に、
相手ディフェンスは落下を始める。
河田雅 (まだ、いる…)
ビッ!!!
そして、桜木は空中で再びのパス。
ゴール下、オズボーンがキャッチ。
バス!!!!
難なくゴール下を決める。
3rdクォーター 2分30秒
青学大 42
東京P 54
「来たあああああーーーーーー!!!!!!」
「また桜木のパスだ!!!!!」
「青葉は、あのカタチを止められない…!!!!」
須形 「おおおおおーーーーーー!!!!」
上原 「また桜木さんのパスだ!!!!」
帆足 「す、すげえ……」
(いつまで浮いてるんだ、あの人…)
安西 「素晴らしい」
道谷《さあ、ペイサーズもエンジンがかかったか》
塚本《桜木君のパスからリズムを掴みましたね》
道谷《青葉に追い上げを許しません》
宇野 「あの身体能力のうえに、判断力も」
棟川 「アイツ、どこまで…」
森尾、ニコリ。
「あの桜木のパス、点取り屋の相棒がいれば、
より生きるんじゃないですかね」
宇野 「そのようだな」
森尾がジャージを脱いだ。
桜木、吠える。
「オラア、ディフェンスだ!!!!!」
「オウ!!!!!!」
キュキュッ!!!!!
東京Pのディフェンスの強度が上がった。
激しく当たり、シュートチャンスを与えない。
道谷《ペイサーズ、凄いディフェンス!》
塚本《これは勢いに乗りますかね》
『ビビーーーーーーーーー!!!!!!』
『24秒オーバータイム!!!!』
「あああああーーーー!!!! 24秒!!!!」
「青葉が止められた!!!!!」
「ペイサーズのディフェンスが凄え!!!」
町田 「これは、また点差が開くぞ」
弥生 「流れは完全にペイサーズだわ」
ビッ!!!
小場からのパスは、桜木へ。
左45度。
「また外で桜木が持った!!!」
「これはまた桜木が仕掛けるぞ!!!」
会場が沸く。
桜木のスーパープレイを期待する。
「行けえええええーーーーーー!!!!!」
「やれえ、桜木ーーーーーーー!!!!!!」
洋平、画面の前で苦笑い。
「ホント、スーパースターだな…」
高宮 「花道、行け!!!!!」
大楠 「花道ーーー!!!!!!」
野間 「すげえ…」
(お前、もうこんな選手になっちまったのか…)
ビッ!!
桜木、左45度の位置からインサイドへパス。
ボールは杉山へ。
「……!!!!!!!!」
「パス…!!!!??」
木暮 「勝負に行かない…!?」
三井 「いや…」
キュッ!!!
すかさず動く。
赤木 「リターンを受ける気だ」
ビッ!!
杉山がボールを戻す。
キュッ!!
桜木、ボールを受けて急ストップ。
フリースローライン付近。
上原 「また2択…!!!!!」
松坂 「シュートか、パスか!!!」
須形 「違う…!」
(今度は3択だ)
ダム!!!!!!!
桜木、小さなシュートフェイクからドリブル。
チェックに出てきた森重の横を抜く。
「……!!!!!!!」
三井 (ドリブルからの仕掛けじゃなければ)
赤木 (選択肢がさらに増える)
キュッ!!!
トライアングルの一角、神が出る。
桜木、ニヤリ。
(悪いな、ジンジン)
ダン!!!!
桜木、跳ぶ。
ダン!!!!
神も跳ぶ。
―― ゴール下
桜木 (ここは、俺の場所だ)
ぶつかり合いながら、
ボールをリングに叩きこむ。
ドガアアアアアア!!!!!!!!!
『ピピーーーーーーーーーッ!!!!』
『カウント・ワンスローーーー!!!!!!』
3rdクォーター 3分20秒
青学大 42
東京P 56
道谷《桜木のダアアーーーーンク!!!!》
塚本《しかも、エンドワン!!!!!!》
「来たああああああーーーーーーーー!!!!」
「桜木!!!!!!!!!!」
「ついにダンクまで決めやがった!!!!!!」
町田 「おおおおおおおーーーーー!!!!」
弥生 「桜木君…!!!!!」
彦一 「アンビリーバボーーーーー!!!!!」
場内が騒然とするなか、
選手交代のブザー。
『ビビーーーーーーーーーーー!!!!!!!』
コートサイドには森尾。
佐戸 「ここで森尾…!」
左京 「あのパスの先に森尾が来るのか!!」
外川 「無慈悲だねえ」
フリースローレーンの桜木、ニヤリ。
「待ってたぜ、モーリー」
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1250) へのコメント一覧
あぁーくわばら、くわばら。
流川のプレーを目で追いなさい
これを実践してた結果だね
パスが布石になる
これも流川が山王戦で実践してたこと
落とし穴という落とし穴も無さそうなままだと桜木っぽくないけど、成長ということですかね。
森尾も良いけど、やっぱり最初に思い浮かべたのは流川だった。
日本代表編での再共演が今から待ち遠しい…!!
ワクワクがとまらない
何だか泣けてきました。
感動をありがとうございます。
これ待ってました!!
Kさんいつもありがとうございます!
花道のドライブから森重を引きつけナイスアシストで杉山さんがバスカンを決め12点差へひろげるペイサーズ!
熱くなりすぎず、試合の中で成長しつづける花道!パスもそうですが、あの対空時間の中で勝利に導く判断をする花道最高です。
だが、青葉は崩れず藤真キャプテンの声で立て直す!キャプテンから前川さん、神へ繋ぎ花道をおびき寄せ森重が決める!まさにチームプレイ!
攻守を切り替え再び花道が攻めディフェンスを惹きつけパス、シュート、ドライブとまらない!とめられない!
森重をシュートフェイクで抜き去り神からバスカンを奪い取りました!花道一体どこまでいくのやら?
そして、ここでシューター森尾さんがコートに戻る!青葉はどうするのか?天崎を再び森尾さん、藤真・神・森重のビッグ3で花道を徹底的にマーク?読めん、全く読めんが青葉は諦めずに食らいついてほしい!
VIPルームの会話でも赤木の評価されているのも嬉しい!
再びこのパワーアップした電光石火宮城・ミラクル三井・エース流川・天才桜木・キングコング赤木が未来で揃うと考えるとワクワクドキドキです!
両チームとも頑張れ〜
桜木スゲ〜
桜木が無双している話は盛り上がりが最高潮ですね!
牧の超上位互換。
仙道、流川、沢北、森重を生かす桜木。
安西先生、嬉しそうですね。
チョー気持ちイイ...花道劇場。こっちの気も弾む弾む。羨ましい滞空時間!プロになって、より見たものを吸収出来たんでしょうね。かつてオヤジから流川君のプレーを良く見るんだ!と。今のままでは追いつかないぞ、と。外山さんのセリフも好き😆
次回も楽しみにしております🙇♀️
早く見たいな
流川とのコンビも対決も
"あれ…まだいる"
あのシーンを思い出します!
花道がオフェンスの起点を作ってる!!
山王戦の流川みたい。
次はどんな選択をする?ってワクワクする〜
この試合はモーリーだったけど
その先のことを指してそうだな
ここで活躍する日本人選手がいればというifストーリーのようで胸熱。
でも、いつかきっと日本人ビッグマンが大活躍する日がくるはず。
PG仙道(牧)
SG沢北(三井)
SF流川(決まらない…ここに仙道枠で宮城)
PF花道(赤木)
C河田兄(森重)
落とし穴はあるのかな・・・
無慈悲やべぇ!
それはない。
もう本当週間少年ジャンプのそれなのよ…
桜本無双は気持ち良過ぎる
このパスコースの先に流川がいたなら、
もはや世界でも戦えるのでは?
面白すぎます!!
でしょ!
今までココロ折れたシーンは無かったが
補欠クンのリーダーシップもっても
チームが挫け去る
圧倒的なチカラ差をプロとして見せつけてほしい
より生きるんじゃないですかね」
つまり、最高の相棒と、代表戦&NBAで。
もっと先の話(日本代表とか)のことで、
ふつうに流川のことかと思っちゃいましたよ!笑
最高です!
モーリーの言葉はこの先世界で戦った時の流川を相棒にってゆうふうにしか考えられないですね!
待ってたぜもーりーからのオトリで桜木が3Pを放つのを期待します!
最後の一言鳥肌立ちました
でも高校3年時よりも今の方が成長しているから、当然ですね!
流川やんけ!
もはや井上先生本人なのではと疑いたくなるくらいの執筆力に脱帽です。
桜木の活躍はジャンプ、スピードのパターンが多かったですが、ここで滞空時間を活かしたパスですか…
面白すぎるので、次の話も超楽しみにしています!!!
いやいやいやいや!!それはないですよ(笑)
ポジションは性格も関係有りますし。何しろ一部分しか見てないですし。
空中ではフリータイム的な。
ここは俺の場所て、本編合わせて過去一カッケー❗️
この後、森重が桜木のプレーを真似て越えてきそうで怖い
シビレますねぇ〜!
原作の選手が3人いるんだ!最強世代の底力をみせてくれ!
そりゃもちろん流川のことでしょうな
真っ先にルカワが思い浮かんだ
小坊主とかセンドーとかデカ坊主あたりも該当してそうだが
杉山さんはフリースロー外したんですかね?
読者の頭に真っ先に浮かんだのは流川でしょう!!
全日本が楽しみです
更新ありがとうございます😃❗
モーリーみたいな、何でも出来る人とコンビだと最強でしょ
プロ圧勝の展開を希望します!!
より生きるんじゃないですかね」
これ伏線ですよねきっと。
そんな相棒が同い年でアメリカにいるぞ!
そのメンツなら仙道PG沢北SG流川SF桜木PF森重C
が一番しっくりくる。
正直牧や藤真より仙道の方がいろんな場面に対応出来そう。
3人ともスリーのイメージもあるし、桜木が自由に動けば流川沢北の得点力が爆発するから。
きたきたきた!!
めっちゃおもしろい!!
からのアンドワンで両手アンダーのフリースローかと思うと面白いです🤣
ふん。どあほぅ。
三井も
旧湘北メンバーが滅茶苦茶あってるんですよ。
宮城
→桜木
→三井(3点)
→赤木(ゴール下)
→宮城(リターン&切込)
→流川(何でも)
ハッキリ言って選択肢広すぎる。しかもこれらは特徴だけで、三井はそのままドリブルで切込も可能あるし、もはや旧湘北組はかなりヤバい
続いて、ヒロシ、桜木、流川、三井、沢北で試合に出て、ヒロシと沢北に何かあって赤木と宮城が出てくる、的な展開が頭に浮かんだ
彦一が驚いた時のセリフは「アンビリーバボー」ではなく、「アンビリーバブルや!」なイメージです。
どれだけ活躍しても本来の持ち場であるゴール下で森重に勝てないまま終わってほしくない
もーりーとのコンビも凄そうですが、こうなるとやはり流川とのコンビが見たい‼︎‼︎
しかも、ここで、自ら「点取り屋」と言い放った、ペイサーズの、いや、日本のエース・森尾が、満を持してコートへ
お膳立ては整ったぜと言わんばかりの
『待ってたぜ、モーリー』
の桜木の台詞の痺れること、痺れること
となると、もはや、青葉は、撃ち合いを挑むのみ
もし、森尾が神に対して、何らかの策を持って挑めるのならば、再び、桜木と森重のマッチアップが見られることに
まだ、第3Qは始まったばかり、最終Qを待たずして、引導を渡してしまうのか!?
Kさんのレブロン評を思い出しました
というか、桜木の完成形ってキングなのか……?
作中の世代的には、レブロンはまだ小中学生ぐらいかもですがw
確かに桜木も、ベテランになってもまったく衰えずフィジカルゴリラやってそうではある
当然のように、流川の名前が上がるわけだけど
その場合、今回のような形だけでは留まらないのよね
流川自身も、ドライブで仕掛けることができるから、「流川から桜木へのパス」という逆パターンも派生することになる
更に、ココに、仙道まで加わろうものなら、誰が起点となって、誰が点を取ってもおかしくない状況が生まれるわけで
個々のレベルでは、まだアメリカとは差があるものの、チーム(バランス)として考えた場合、光が見えてきたんじゃないかと
あとは、海外留学を決意した宮城が
“真のNo.1ガード”
と呼ばれるに相応しい成長を遂げて帰ってくるのを待つだけだ
そんなことになったら流川が「どあほぅ」って自分で持ってくでしょうな
森尾さんは浮かばなかった
モーリーって原作にいなかったよね?
確認してしまいました
どんな顔なんだろうか
確かに能力的に森重に軍配が上がるかもだけど他4人の選手全員と連携が取れ活かせる黒子役としては河田(兄)や森重ではなく赤木かと。
ましてや桜木&森重だと博打感が強すぎてワンポイントでしか使いたくない。
高頭のグッドリズムを思い出した(笑)
素人的疑問ですが桜木がパスの起点になるとオフェンスリバウンドは弱くなるんですか?
それともパスのあとすぐゴール下行くからそこまで影響はないものなんですかね?
一番最初に流川が浮かんだけど、三井や神ってのもOKですね。
ワタシは自然と涙が出ました
これがスタメンがベストですよね!
「あの桜木のパス、点取り屋の相棒がいれば、
より生きるんじゃないですかね」
終生のライバル、流川が思い浮かんだ。
チラホラコメントでも見ますが、僕はKさんを、イノタケ先生だと思ってるので(もちろん良い意味で、スラムダンク特有の"泣ける"シーンを文筆だけで再現出来るって凄いと思うんです。)
これからも頑張ってください。表立って応援しています。
NBAの髪染め選手の系譜を桜木が1人で継いでいる
現状の力感から見た湘北高校、とんでもなく強くない???
勝手に想像するだけでワクワクする。
同じく代表のゴール下は赤木桜木のが安定するし
何より絶対的信頼のあるゴリがそばにいることで花道が思い切り動き回れる結局湘北5人スタメンが連携や信頼を考慮したら最強
グッドウィズム
花道、仙道vs流川、フレッドとか
完璧な選手なんていないでしょうから。
NBAとかでも飛ばなくていいものを
と思う場面はありますから
しないでしょ
仙道が言ってたようになぜか勝負したくなる男だからじゃね?
牧も桜木には無茶苦茶やったしw
ここは俺の場所だ!というセリフが、印象付けられているゴール下だけでなく、空中の制空権までも隠喩してるのではないかとすら思ってしまいました。
いずれ、AIRの異名まで?とワクワクしてしまいました。
モーリーのことじゃないよな?
花道は使われる側って固定観念があったけど、このパターンもおもしろい!
再開待ってましたKさん