準々決勝・第3試合
3rdクォーター 残り4分10秒
青学大 51
東京P 64
道谷《さあ、外で桜木がボールを持ちました》
塚本《森重君に1対1を仕掛けるようですね》
道谷《今日はこの位置からの攻撃が目立ちます》
塚本、解説。
《後半は特にそうですね。彼は元々スピードが
ありますので、ドライブの仕掛けも得意ですが、
今日はさらにそこからのパスも冴えわたっていて
ペイサーズの攻撃の軸といえるほどの活躍です》
道谷《青葉はそこに森重をつけました》
塚本《賭けといえば賭けです。どうなりますか》
桜木 「行くぜ、デカ坊主」
森重 「俺が勝つ」
桜木、構える。
キュ!! キュキュッ!!!
足を小刻みに動かす、ジャブステップ。
弥生 「これは完全に勝負の体勢ね」
彦一 「どこかであの爆発的一歩目が火を噴く」
キュッ!!!
森重は距離を詰めて守備に立っている。
花形 「退かないか」
赤木、腕組み。
「桜木のドライブは直線型だ。距離を取って立てば
抜かれる可能性を減らせるのだが…」
(ただ、いつかの試合でもアイツは退かなかった…)
ダム!!!!!!!!!!
桜木、ドライブ。
「行ったあああーーーーーーー!!!!!!!」
「森重との勝負!!!!!!!」
陸川 「森重、止めろ!!!!!!」
前川 「頼む!!!!!」
桜木、森重の横を抜く。
陸川 「……!!!!」
外川 「おお…!!!」
左京 「やはりスピードは桜木!」
横を抜かれた森重、並走するように走るが、
桜木が一歩速い。後方から追う形に。
佐戸 「…!!?」
(もしや…!!)
ダン!!!!
森重を振り切った桜木、
ボールを掲げ、リングに向かって跳ぶ。
「天才!!!!!!!!」
佐戸 (抜かれる前提の守備だった…!?)
赤木 (そういうことか…!!!)
森尾が叫ぶ。
「後ろーーーーーーーーー!!!!!!!」
桜木 「……!!!!!」
クイッ
桜木、空中でボールを下げる。
森重 「……!!!」
ダブルクラッチ。
後方から差し出された森重の右腕をかいくぐる。
彦一 「なんやてええええーーーーー!!??」
リングをくぐった桜木、
体をひねりながら後方にボールを放つ。
「おおおおおおおーーーーーーーー!!!!!!」
「来たか……!!!!!!!!!!」
ガン!!!!!
リングに弾かれる。
桜木 「…!!!」
(クソ…!!!!)
「あああああーーーーーーーー!!!!!!」
「惜しいいいいーーーー!!!!!!!」
ガッシイイ!!!!
リバウンドは、杉山。
森重がブロックに跳んだあとのリバウンド勝負。
これは東京Pが絶対的に有利。
「撃たせるな!!!!!!」
「チェック!!!!!!!」
キュキュッ!!!
青学大ディフェンスが杉山に寄る。
が、
ビッ!!!!
杉山はこの守備網をかいくぐり、
ボールを外へ捌く。
諸星 「うわっ…!! さすが…!!!」
河田雅 「見えてる!!!」
その先には、森尾毅彦。
陸川 「…!!!」
前川 (やられた…!!!!)
そこに天崎。
「……!!!!!!!!」
一瞬にして距離を詰める。
両手を挙げて立ちはだかる。
森尾、撃てない。
陸川 「おお!!!!」
前川 「でかした、天崎!!!!!」
森尾 「……!!!」
道谷《天崎、空けません!!!!》
塚本《よく止めました!!!!》
須形 「おおおお!!!! 天崎さん!!!!」
千種 「やった…!!!!」
だが、東京Pのボールは止まらない。
森尾はシュートフェイクを一つ入れたあと、
インサイドへリターンパス。
ビッ!!
天崎 「あっ…!!!」
森尾 「パスも上手いんだ、俺」
天崎 (いや、知ってますけど…!!)
ボールはゴール下の杉山へ。
キュッ!!!
森重が出る。
桜木、吠える。
「こっちが空いたあああああーーー!!!!!」
杉山 (いや、そっちじゃないかな)
ビッ!!
再びボールを外へ。
もう一度、森尾。
天崎 「…!!!」
オズボーンのスクリーンに捕まっていた。
河田雅 「おお!」
牧 「一枚上か」
道谷《森尾が空いている!!!!》
塚本《撃つでしょう!》
森尾、スリーポイントシュート。
3rdクォーター 残り3分40秒
青学大 51
東京P 67
「決まったあああああーーーーーー!!!!」
「外・中・外!!! これまた完璧!!!!!」
「森尾、これは外さない!!!!!!」
天崎 「ああああああ!!! クソ!!!!」
森尾 「でもシュートが一番得意なんだ」
天崎 (知ってるっつーの…!!!!)
須形 「ああ、天崎さん…」
安西 「ふむ、相手が上手かった」
そして、悔しがる男はもうひとり。
桜木 「だあああああああ!!! クソ!!!」
杉山 「…!?」
桜木 「こっちも空いてただろ、オスギ!!」
杉山 「いいだろ、3点のほうがデカいんだから」
桜木 「ぬぬ」
道谷《16点差、これは大きなスリーポイント》
塚本《追いかける青葉には痛い3点ですね》
木暮 「ここで3点か…」
花形 「ああ、今のは大きい。だが、それより」
三井、苦笑い。
「ああ、その前のプレイだ。桜木と森重の勝負。
いまのはどっちも凄かったぜ…」
赤木、腕組み。
「スピード勝負の桜木に対して、跳ばせてから
叩く形を選択した森重、そしてそのブロックを
空中でかわした桜木…」
外川 「あれはハイレベルだったねえ」
佐戸 「ええ」
VIPルームもざわつく。
「いまのディフェンス、国際試合ではよく見られる
パターンです。絶対的に高さに自信を持つ選手は、
ああやって、ブロックするために撃たせる」
「分かってるよ。なぜならば日本代表がいまの形で
叩き落とされるシーンを何度も見てきたから…」
「だがこれは世界大会でもNBAでもない。ましてや
森重寛はまだ大学2年生…」
「だがそれで終わらず…、あろうことか桜木花道は
そのブロックをかわしてしまった」
「本当に凄い、凄すぎる…」
東京Pベンチ・宇野、ニコリ。
「うむ、一旦十分かな」
『ピピーーーーッ!!!!』
続く青学大の攻撃に対し、東京Pのファウル。
ここで時間が止まり、選手交代のブザー。
『ビビーーーーーーーーーーー!!!!!!』
3rdクォーター 残り3分30秒
青学大 51
東京P 67
「……!!?」
交代の指示は、桜木。
「なにィィいいいいーーーー!!!!???」
「桜木、交代!!!???」
神 「桜木…?」
森重 「……。」
ダダッ!!!!
桜木、ベンチの宇野に向かってダッシュ。
「ちょーーーっと、待てえええーーーい!!!」
宇野 「ん?」
桜木 「なんで俺が…!!!」
宇野、動じず。
「交代だ」
パシッ!
隣に立っている棟川が桜木の尻を叩く。
「お前、出ずっぱりだろ。少し下がってろ」
桜木 「ぬ……」
(デカ坊主もジンジンも出ている…)
棟川 「お前の気持ちはよく分かるよ、だが…」
桜木 「…?」
棟川、続ける。
「チーム全体の動きがお前のプレイに偏っていた。
それもまた事実だ。こういうときは少しゲームを
落ち着かせることも大事なんだ」
交代で入る与野から声がかかる。
「それだけ抜きん出ていたってことだろ、天才」
桜木 「分かったよ…」
ガタ…。
ベンチに座る。
天才とおだてられても、
いつもの調子にはならなかった。
与野 「フッ…」
桜木の不服そうな顔を見てほほ笑む。
(若いな)
町田 「桜木、交代かあ。もっと見たかったなあ」
弥生 「そうね、でも妥当なベンチワークよ」
町田 「そりゃそうですけど」
弥生 「ま、高校生なら下がらないだろうけどね」
彦一 「……。」
(そうや…、そうなんや…。桜木さんはいま
東京ペイサーズの選手なんや。トップリーグの
ベンチワークの中で戦っとるんや)
青学大、家村のスローイン。
藤真が受け取る。
「よし、行くぞ!!!!!!!!!」
「オウ!!!!!!!」
宇野は、ベンチに座らず立っている。
「まだ第3クォーターだが…」
道谷《青葉ボールから試合再開です》
塚本《桜木君がいない間に追い上げたいですね》
宇野 「ここでクローズさせてもらう」
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1253) へのコメント一覧
この展開は予想外。
最後の一言のシーンでゾクッとなれなかった…
多分もう少しメイン寄りのキャラが言ってたら、ゾクッとしちゃうんだろうけどな。
桜木の成長速度が堪らない!原作でも言ってたけどまさに新幹線ですね。あのブロックを読んでたなんて。あと、今後桜木がスリーを練習するようになりそうな布石が打たれましたね。楽しみです!
監督こっわ。
Kさんいつもありがとうございます!
神の2連続ディープスリーと藤真さんのスリーで追い上げる青葉学院大学。
そしてここで花道VS森重の外からの勝負!花道が外から攻めるが、森重が後ろからブロック!外れるが、杉山さんがリバウンドをとり森尾さんへつなげるが天崎が撃たせない!
だが杉山さんに繋ぎ、花道の声を囮に再び森尾さんに繋ぎスリーを決めたペイサーズ!エースに撃たせる無数のセットがある感じで凄い!
そしてここで神を抑え続けた花道がベンチへさがり与野さんがコートに入る。
花道抜きで神をどう抑えるのか?ゴッドハンド同士のマッチアップ?与野さんがつくのか、読めん、全く読めないし、宇野監督が怖く感じる!
14点ビハインドの青葉。ここで天崎が無尽蔵の体力を生かして、藤真•神•森重を生かすような展開になれば面白そう!更なる進化を!
交代をつげられた後、ベンチの監督に向かって抗議しにいく花道に笑いました笑
両チームとも頑張れ〜
がない(笑)
青葉を応援したくなるのは、私だけかなぁ(笑)
一対一でのゴール下は、森重が有利になるというのに
宇野監督のあの発言
何を見せる、東京ペイサーズ!?(与野選手も、相当な曲者だが)
※ ここで、本当に終わってしまったら、バスケ協会の上の面々も、手放しでは喜べなくなるが…
まさに今のジェレミー・ソーハンじゃん。
宇野は監督ですよ。
ここで本当は青葉をねじ伏せる力を持った桜木を敢えて隠したと都合良く解釈してみる
でも桜木残して森尾と外に開いて中の2枚で勝負する方が東京としては簡単なのでは?と思ってしまうがどうなんだろう
このマッチアップで桜木から仕掛ける必要性がわからんかった
開始3分でカタをつける。
この後の見どころが見当たらない、、、仙道残ってないし
桜木はエンビードみたいな得点アシストリバウンドのトリプルダブルをなせる選手になるんかね?
結局は桜木と森重の戦いは曖昧でおわりか
Kさんの表現としては珍しいと思いまして…
しかし言われてみれば妥当ですね
プロのチームで出ずっぱりなはずがない……
モーリーの「でもシュートが一番得意なんだ」の煽り力がすごいw
知ってるわ日本代表w
それで桜木が終盤に出てきたらもう追いつけない
宇野は選手じゃない!
どのような展開になるのか楽しみです!
今後の試合に期待かな
てか桜木抜いてこの試合をクローズできるってゆーんならベテランたちもあんなにやられず最初っからあんな苦戦せずにいってほしかったですね笑
宇野さんの頭の中には何が...。早く知りたいです。
でも、めっちゃかっこいいシーンでした!w
「なんて編集車なんだお前って男は...!!!一体どこまで面白くなるっていうんだ...!!!」
与野選手
宇野監督
まあ、ロングスリーを神がバンバン決めるなら少なくとも大学では圧勝するくらい今の青葉は強そうだけど
モーリーがうしろーって言ってるからブロックを読んでるわけではないのでは?
インサイドは全然ペイサーズ有利は変わってないから、攻撃時は杉山とオズボーンでインサイド狙いながらサクッと森尾で仕留める。
青葉も桜木ばかりみてるからここで普通のプレイされたら対応できなくなってるからね。
心躍りますよね。
細かく表現はされていない部分かもですが、
神へのディフェンス対応を花道が実戦で、
お手本を見せたのですかね、
花道自身も言葉では説明出来ない微妙な事を。
チームメイトはベテラン揃いなので、
花道ほどの身体能力が無くても、
それを体現出来るとか。
とは言え、
いつも展開予想しますが、
K様の描く展開を当てた事は一度もないんです。。
森重の逆襲はまだありそうですし、
本当にクローズ出来るかもわかりませんし、
次回が楽しみです♪
映画の再上映も1・2・3の日(笑)[2024/1/23]
断然花道の方が目立ってるけど、森重もすごいんだよな〜。
花道が抜けてどんな試合展開になるんだろう?
あ〜続きが楽しみ〜
青葉にも一矢報いてほしいが、やはり桜木を応援してしまう笑
宇野監督かっこいい。
Kさんの描く監督陣好きだ。
主人公だし出ずっぱり!とかせずに、プロスポーツと学生スポーツの差とか描いてくれるの楽しい。
深体大すらも圧倒しそう
これ青葉にワンチャンなくなりますね
1点ずつ返して土壇場で何か起これ作戦が通用しなくなる
ピュアシューターがいて大幅リードしてるなら神は無理に止めなくていいという判断もありなんでしょうか
後はオレが引き継ぎます。
宇野「持たせたな。いくぞ」
宮益「待ちくたびれましたよ」
弥生姉さんの高校生だったらのくだり、大学生だったらの間違いでは??
打ったのがエースのもーりー➕完璧なシチュエーションが故に、あえてワザとザシュ描かなかったんでしょきっと。
ザシュが描いてなくてもモーリーが打つシュートは、何か他の人が打つシュートとは筋が全く違う感じがしてて凄そうですね。ってか、K氏の表現力がヤバい👍✨