準決勝・第1試合
4thクォーター 残り51秒
深体大 73
三河M 73
「同点ーーーーーーーー!!!!!!!!!!」
「深体大、追いついたあああーーーー!!!!」
「あと50秒!! 凄い試合になってきた!!!」
道谷、興奮実況。
《河田雅史、決めました! 見事なステップから
アンダーソンをかわしての得点です!!》
塚本、興奮解説。
《いやあ、驚きましたねえ! 左京君のスリーで
三河が流れを止めたと思ったのですが、深体大が
自慢の個人技で取り返しましたねえ》
道谷、続ける。
《個々の力はプロに勝るとも劣らないといわれる
深体大ですが、まさにその通りの一本でした!
NBAキャリアを持つアンダーソンからの得点!》
塚本、続く一本を占う。
《さあ、三河にはもうタイムアウトがありません。
ここからは選手のアイデアのみで戦っていかねば
ならない。自らを「オジサン軍団」と呼ぶ彼らの
経験と底力がここから問われますよ!》
ビッ!! ビッ!
三河Mはゆっくりボールを回す。
ベテラン選手らしく、この土壇場の場面においても
落ち着いた雰囲気で、オフェンスを組み立てる。
森尾、腕組み。
「桜木の言う1対1、先に見せたのは深体大か」
杉山 「しかし、今のは凄いプレイだった」
樽瀬 「だがまだ同点、次は佐戸さんの番だ」
桜木、ニヤリ。
「ミスターも黙っちゃいねえだろ」
キュキュッ!!!
その、「ミスター・バスケットボール」と
対峙するのは、深体大主将・牧紳一。
ベンチから再び声が飛ぶ。
「2番(佐戸)、来るぞ!!」
「牧さん、ディフェンス!!!!」
町田 「今度は自ら行くか、それともパスか」
弥生 「牧君は難しい2択を突き付けられてるわ」
牧 (次はどっちだ。来るのか、パスなのか…)
ダム!!!!
佐戸、ドリブル開始。
牧 (来た…!!!!!)
キュキュッ!!!!!
ダム!! ダダム!!!!!
佐戸が細かいドリブルを重ね、左右に体を振り、
牧の守備体勢を崩しにかかる。
完全な1対1。
桜木 「さあ、来たぜ!!」
森尾 「ケン(佐戸)が仕掛けるぞ!!」
「佐戸vs牧!!!!!!!!!」
「1on1!!!!!!!!!!」
ダム!!
ダダム!!!!
キュキュッ!!!!
佐戸のドリブルの音と、牧のシューズの音が
コートに響き渡る。
ショットクロックは残り8秒。
道谷《佐戸が仕掛けます!!》
塚本《時間的にも、これは勝負でしょう!》
ショットクロック残り6秒。
佐戸の視線が、一瞬ゴール下に向いた。
牧 (パスか…!!!)
そして、上体が沈む
牧 (と見せかけてドライブ、来る…!!)
次の瞬間、
ダン!!!!!!
佐戸がその場で跳んだ。
牧 「……!!!!」
タイミングを外された。
ビッ!!!
佐戸、ジャンプショット。
桜木 「おおおおお…!!!!」
樽瀬 「上手い…!!!!!」
「おおおおおーーーーーーーー!!!!!」
どよめきの中、ボールがボードを叩く。
バス!!!!
4thクォーター 残り31秒
深体大 73
三河M 75
「決めたあああああーーーーーーー!!!!!」
「ここで佐戸健一いいーーーー!!!!!!」
『ビビーーーーーーーーーー!!!!!!』
そして、ブザー。
深体大、タイムアウト。
道谷《佐戸、決めました!!!!》
塚本《1対1を制しましたねええ!!!!!!》
森尾 「ケン…!!!!」
杉山 「さすが…!!!!」
浜崎、ニコリ。
「これが佐戸だ」
深津 「…!!!」
藤真 「凄い…!!!」
宮城 「見せてもらったぜ、佐戸サン…!!!」
佐戸健一、ビッグショットで勝ち越し。
大歓声の中、両軍メンバーはベンチへ。
パチン! バチン!!
三河Mメンバーが次々に佐戸の手を叩く。
殊勲の司令塔を迎える。
パチパチパチパチ!!
一方の深体大ベンチも手を叩き声を出し
メンバーを迎え入れる。
「まだまだ!」「次を決めよう!」
そんな声が飛び交う。視線は常に、前。
道谷《これで両軍タイムアウトを使い切りました》
塚本《最後の作戦タイムですね!》
道谷《塚本さん、残り時間は31秒ですが》
塚本、解説。
《時間の残し方も絶妙ですねえ! 仮に次の攻撃で
深体大が一本返したとしても、三河にはある程度の
プレイタイムがありますよ》
町田 「最後の最後、三河有利な展開に」
弥生 「これがプロのゲームの作り方ね!」
彦一 「とはいえ、勝負は全然分からんで!!!」
「残り30秒、どうなるんだ、このゲーム!!!!」
「本当にどっちが勝つか分からねえ!!!!」
「メチャクチャ面白れええええ!!!!」
『ビビーーーーーーーーーー!!!!!!!!』
観衆の大歓声とブザー音の中、
両軍メンバーがコートに入る。
深体大、
牧、諸星、大野、河田雅、河田美。
三河M、
佐戸、左京、外川、マッカーシー、アンダーソン。
道谷《両チーム、選手交代はありません!!》
塚本《これが勝負を託された5人ですね!》
道谷、問う。
《塚本さん、残り31秒です。次の攻撃、深体大は
2点と3点、どちらを選ぶでしょうか》
塚本、返す。
《難しいですが、決めたとしても三河に攻撃権が
1回あることを考えると、一気に逆転まで行きたい
気持ちはあるでしょう。同点でベテランチームに
最後の攻撃を渡したくないですからね》
花形 「ここは3点が欲しいな」
赤木 「うむ、ギャンブル的な選択かもしれんが」
三井、ニヤリ。
「なーに言ってやがる、3点に決まってんだろ。
俺なら迷わねえぜ」
深体大はエンドラインからのスローインを選択。
ビッ!
諸星がコートに入れる。
牧がこれを受け取る。
牧 「さあ、一本!!!!!!!!!!!!」
「オウ!!!!!!!!!」
道谷《ラスト30秒、深体大のオフェンスです!》
塚本《さあ、どうなるでしょうか!!》
「ディーフェンス!!!!!!」
ガンガン!!!!!
「ディーフェンス!!!!!!」
ガンガン!!!!!
「一本!!!!!!!!」
ガンガン!!!!!
「一本!!!!!!!!」
ガンガン!!!!!
声が交錯する。
決めるか、守るか。
2点か、3点か。
1対1か、パスゲームか。
ショットクロック、残り7秒。
答えが見えた。
ダム!!!!!!!
「牧だ!!!!!!!!!」
「1対1!!!!!!!!!」
町田 「2点狙い!!!!!!!!」
弥生 「中に行った!!!!!!」
キュキュッ!!!!
佐戸、抜かせない。
喰らいつくディフェンス。
森尾 「させない!」
樽瀬 「ミスターはディフェンスも超一流!」
左サイド、スリーポイントラインのやや内側。
ダム!!!
キュッ!
牧、少し上体を上げる。
重心が後方に寄る。
佐戸 「…!!」
(ロッカーモーションから、ドライブ)
グッ!!
牧の体が前方に沈む。
ドライブの形。
佐戸 (やはり来た!)
が、次の瞬間、変わる。
(いや…!!)
(違う)
(コイツなら…)
佐戸は読んだ。
天皇杯準決勝、この極めて大きな舞台で、
黄金世代の中心人物ともいえる牧ならば、
敢えてこうするのではないか、と。
(さっきの俺と同じことをやってくる…!!)
(ドライブじゃない)
佐戸、シュートに狙いを定める。
キュッ!!!!!!
前に出た。
牧はドリブルをしなかった。
森尾 「……!!!!!!」
杉山 (読んだ…!!!!)
が、
シュートでもなかった。
ビッ!!!
牧、背面に右腕を回す。
その手から、ボールが外に放られる。
佐戸 「……!!!!!!!!」
佐戸の予想は当たっていた。
牧は、確かに佐戸のプレイを返して見せた。
だがそれは、
ひとつ前のプレイ、ジャンプショットではなく、
さらにその前、
ビハインド・ザ・バックパスだった。
ボールは左コーナー。
河田雅史。
道谷《河田だあああああーーーーーーー!!!》
塚本《これは…!!!!!!!》
同じ現象が起きた。
牧の最初のドリブルインにより、三河Mの
ビッグマンは、ゴール下方向へやや偏っていた。
アウトサイドで、河田雅が空いていた。
左京 (そっちか…!!!)
目の前で左京が目を見開くなか、
諸星は不敵な笑みを浮かべた。
(ああ、空くならそっちだと思ったぜ)
諸星 「雅史!!!」
牧 「撃てええええええーーーー!!!!」
ビッ!!!
道谷《河田のスリーーーーーー!!!!!》
塚本《来るか……!!!!!!!!!》
三井 「おおお……!!!!」
赤木 「河田…!!!!!!」
深体大ベンチ、吠える。
「来おおおーーーーーーーーい!!!!!!!」
ザシュ!!!!!!!!
4thクォーター 残り10秒
深体大 76
三河M 75
道谷《決まったああああーーーー!!!!!》
「逆転ーーーーーーーーーーー!!!!!!」
続く
--

![]() |
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1263) へのコメント一覧
残り数分からしかこの試合の展開が書かれてないのに、すでに最初から観てた感覚に陥ってる…
K氏…アンタ…スゲェよ
頑張れ!深体大!
いやー、あと、10秒…、こっでらんに。
(佐古、ドリブル開始。になってます。)
牧かと思って読んでました!!
決めた河田もやばい!!
決勝は、桜木と、牧たちでやって欲しいな。
Kさんいつもありがとうございます!
深体大VS三河もデットヒート。佐戸さんがアドリブでパスを供給し左京さんがスリーを決め深体大も河田雅史がフェイダウェイからフェイクを入れ同点に!
お互いに後がない中、三河は落ち着いてボールを回し、2番のポジションで再び佐戸さんVS牧さんの1on1。パスかドリブルが難しい中、佐戸さんがドリブルで仕掛け、パスと見せかけ、帝王牧さんからその場でシュートを決めた〜!
宮城・藤真・深津が驚く中、深体大がタイムアウトをとり、両軍タイムアウトがない状態に。様々な選択肢が予想される中、三河・深体大もメンバーは同じ中、最後の攻防へ!Kさんこの展開やばいっす!
花形さん&赤木が2点or3点を予想する中、三井さんは3点を予想するが果たして?
エンドラインからのスタートで牧さんの必殺ペネトレイト、佐戸さんが予想する中、ペネトレイトからのビハインドパスで先ほど決めた河田雅史へボールを出しスリーを決めた〜!
凄い、あの行き詰まる中、佐戸さんを読み切りパスを出した牧さんとスリーを決めた河田雅史!ほんと恐ろしい。
残り10秒で1点ビハインドの三河、タイムアウトがない中絶体絶命だが、ミスターバスケットボールの佐戸さんがいる、佐戸さんならなんとかしてくれるはず!
天皇杯2回戦花道と佐戸さんがみていた1戦目三遠VS北海道と同じ残り10秒と同じことが起きるのか?それとも深体大が阻止し決勝へ進むのか?
読めん、全く読めんので田岡監督、この展開を予想してください!
両チームとも頑張れ〜
痺れますね。。
河田の印象って、
身体能力の高さもさることながら、
作中で一番冷静且つ、
肝がすわったキャラだと思うんですよね。
それでいて分析能力も高いですし、
うーん、、カッコいいわ、、
コレ、普通に考えると、10秒であれば、個人技や身体能力の高い深体大が、必死に食らいついて得点を許さず、時間切れで勝利になりそうな気がするのだが
深体大が、最後のタイムアウトを取ったことで、三河マーベリックスの方にも、考える時間ができたわけで
となると、残り10秒しかないのであれば、“セットプレイ“で来るのではないだろうか
そして、狙うとしたら、一番キャリアの浅い河田美紀男かと(最悪でも、ファウル→フリースローは取れるいう算段で)
ただし、それを、更に、読んだ兄の雅史がフォローに回って、深体大が決勝進出
と見た
結果だけでいい。
後、深体大が強い、深体大が勝つとか正直もう見飽きた。
3話でもうラスト10秒まで進んでるから十分早くね?
自分は主人公の桜木以外にも魅力的なキャラクターだらけなのがスラダンの凄さだと思ってるんですけどねー。相当読み込んでないとそういうの分かんないもんなんすかね?すみません生意気言って。
ちな深体大って青葉にも明利にも負けてて別に強すぎじゃないっすね。論破しちゃって申し訳ないっす。
こういうコメントが来るたびに疲れると思うよ。
書く側は書かれる側の気持ちなんて一切考えないからねえ
そして気づいたらプロが学生に負けるわけないという空気が消えているのも流石です!
早く次が見たい
3話でラスト10秒まで進んだ試合に魅力感じないから早よ終わってほしい
花道が好きなんですね!
でも花道の試合だけならすぐ話が終わってしまいそうです。
自分は出来るだけ長く続きを読み続けたいです!!
早く終わりそうな試合に対して「早よ終わってほしい」って、メチャクチャなクレームじゃない?管理人はどうすればいいの?
俺は三河Mに勝って欲しいかなぁ!笑
山王湘北戦では山王は残したタイムアウトを敢えて使わずに負けたけど、深体大のこのタイムアウトは、結果にどう関わるのか。
楽しみです。
俺が牧ならこういう
『あたれーーーー!!!』
その通り!なぜコメントするんかね?自分の思い通りにならないと発狂するなんて性質が悪い👎
仙道は最後止められましたがミスターバスケットはどうなるか?楽しみです!
あとは、この試合に限りですが、三河は深体大と完全に互角なんで名利と青葉にほぼ完勝した東京Pはやっぱり強いですね(^^;
描写見ると東京の監督は2戦とも余裕ありそうでしたし青葉とは棟川選手とデビット選手もいない状態でなので!
日本語とか漫画とかあんまわかんない方かな?
こういうのって巻きでやるならやるで1話くらいでいいんだよね
超同意。
でもミスターや樽瀬のようなベテランレジェンドらは、間を外したり、気をてらう見せ場が持ち味っぽいので、ネタ数的に短縮版になりそうなので、その意味でも深体大などが勝ち上がってほしいと思ってしまいます(><)
一個人の感想なんだから気にすることないのでは?
もし載せるに耐えないクレームって思うならKさんがコメント非表示とか何かしらの対応はしてると思う。
正直わたしも
あぁ、今回で終わらなかったのか…
って思ってしまいましたし。
アンタ誰?勝手に絡んでくるなよ
それは貴方の考え方ですよね?あたかも漫画の常識のように言ってますが。
あと「1話くらい」っていう日本語は完全に壊れています。日本語あまり分からない方ですか?
最初は何も言わなかったのに、あとから誰かのコメントに便乗して「私も駄目だとおもう」とか言いだすこういうタイプが一番ダサい。
味方すら欺いたキャンセル力って意味では佐戸が上っぽいけどなぁ
牧から河田はタイムアウトで生まれた作戦の可能性がある
いつぞやの大会でのテーマだった圧倒的な個の強さで言えば河田はこのフロアで頭一つ抜けてると思うんですが、どうなるんでしょうねぇ
これ通じないんですか?
どっちが良い悪いは置いといて雰囲気的にわかると思うのですが…