準決勝・第1試合
4thクォーター 残り10秒
深体大 76
三河M 75
牧のビハインド・ザ・バックパスから、
河田雅のスリーポイントが炸裂。
道谷《決まったああああーーーー!!!!!》
「逆転ーーーーーーーーーーー!!!!!!」
「深体大、逆転ーーーーーーー!!!!!!」
残り10秒、深体大1点リード。
タイムアウトはもうない。
「………!!!!!!!!!!」
コートサイドに立つプロ選手も、
記者席に陣取るプレス陣も、
同じような表情で目を見開く。
信じられない光景が、目の前のコートにある。
まさに会場、騒然。
「ミスター・バスケットボール」佐戸健一を筆頭に
名だたるスター選手を擁するBリーグ優勝候補、
列強・三河マーベリックスが追い詰められている。
大学生チームに追い詰められている。
観衆の声援と悲鳴、とてつもない轟音のなか、
ラスト10秒の戦い。
そして、
この信じられない逆転シュートからの10秒、
観戦する全員が、
さらに信じられない光景を目撃することとなる。
残り9秒、
エンドラインからのスローインを
佐戸健一が受け取る。
深体大ディフェンスが動く。
守り切れば勝ち。
時間をかけさせれば勝ち。
ダム!!
佐戸、ワンドリブルから深体大守備網の隙を突き、
大きなパスを前線に放る。
「……!!!!!!!!!」
森尾 「かいくぐった…!!!」
樽瀬 (上手い…!!!!)
残り7秒、
スリーポイントライン付近で、
チーム最年長の外川が受け取る。
浜崎 (外川さん…!!!)
杉山 (撃つか…!!!!)
ビッ!!
外川、小さなシュートフェイクを入れ、
マッチアップの大野の体勢を崩し、中へのパス。
森尾 「パス…!!!!!」
樽瀬 (絶妙…!!!)
残り5秒、
ゴール下でエリック・マッカーシーがキャッチ。
ダム!!!
マッカーシー、ワンドリブル。
河田美に体をぶつける。
そして、シュートへ。
桜木 (ゴール下…!!!!!!!!)
道谷《マッカーシーだ!!!!!!!!!》
塚本《来るか!!!!!!!!》
ここから数秒、
桜木は言葉を失う。
バッシイイイイ!!!!!!!!!
道谷《河田弟、ブローーーック!!!!!!》
塚本《おおおおーーーーーー!!!!!!!》
しかし、勝負は終わらない。
道谷《いや、アンダーソンが拾った!!!!》
バッシイイ!!!!!!!!!!!
道谷《河田雅史、ブローーーーック!!!!!》
塚本《うわああああああ!!!!!!!》
それでも終わらない。
道谷《こぼれ球は佐戸…!!!!!!!》
塚本《2秒!!!!!》
バシイイイイ!!!!!!!!!!!!!
道谷《牧が叩いた!!!!》
塚本《な……!!!!!!!》
残り0.8秒、
道谷《佐戸…!!!!!!!!!!!》
残り2秒で放ったシュートは牧に叩かれた。
だが、弾かれたボールは、
もう一度佐戸の手元に落ちてきた。
無理矢理放った。
「うわああああああーーーーーー!!!!!!」
『ビビーーーーーーーーーー!!!!!!!!』
タイムアップのブザーと、観衆の絶叫、
ふたつの大きな音の中でも、
そのボールがバックボードを叩く音は
コートに響いた。
バス!!!!!!!!
そして、リングをくぐった。
残り0秒
深体大 76
三河M 78
観衆が一斉に立ち上がった。
三河Mを推す者も、
深体大を推す者も、
関係なく、立ち上がった。
この試合最大の轟音が会場を包んだ。
そんななか、
桜木は変わらず言葉を失っていた。
「………。」
試合後、
佐戸健一は最後のシュートを苦笑いで語った。
「狙っていなかったわけじゃない」
「リングは見えたし、そこに向けて放った」
「だが、それが入ったことについては、
運がよかったとしか言いようがない」
外川も脱帽の表情だった。
「勝負としては完全に負け」
「最後あれだけ止められて勝ったのが不思議」
いつもインタビュアーを笑わせる左京が、
笑顔ひとつ見せなかった。
「正直、勝った気がしない」
「恐ろしい世代が参入してくることを
Bリーグ全選手が、肝に銘じる必要がある」
深体大選手への質問時間は、
勝者のそれよりも長かった。
牧、諸星、大野、河田雅、河田美、
さらには、最後の場面はベンチにいた
樋口や伊達健、そして唐沢監督も含め、
記者陣は最強の敗者を解放しなかった。
そして、VIPルームはこの日も慌ただしかった。
「これは、もしかしたら勝利するよりも衝撃的な
負け方だっといえるかもしれない」
「あの場面で3連続ブロックなど見たことがない」
「とはいえ、最後のシュートを決めてしまうのは、
さすがミスター・バスケットボールだな」
「運の要素は確かにあっただろうが、入ったのは
紛れもない事実。やはり持っているよ、佐戸は」
「あの天性の勝負強さ、日本の大きな武器ですね」
「しかし、代表の枠を争うサバイバルはどうやら
想像以上に熾烈になりそうだな」
劇的結末の余韻残るコート上、
次なるゲームは、東京ペイサーズ×大阪サンズ。
両チームが試合前のウォーミングアップで
汗を流す中、コート中央では森尾と樽瀬が談笑。
森尾 「また凄いものを見せられてしまったな」
樽瀬 「まいりましたよ、ホント」
森尾 「まあ、今後を考えれば頼もしい限りだ」
樽瀬 「いや、まだまだ若い者には」
森尾 「そうだな」
樽瀬 「そういえば、桜木は?」
森尾 「ん?」
樽瀬 「ずいぶん静かに見えましたが」
森尾、ニコリ。
「また何か火がついたかもしれない。
次の試合、覚悟した方がいいぞ」
樽瀬 「いや、まだまだ若い者には」
森尾 「フッ」
“籠球乱舞”と称された天皇杯、
ファイナル一つ目の椅子を勝ちとったのは
三河マーベリックス。
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1264) へのコメント一覧
Kさんいつもありがとうございます!
深体大VS三河、牧さんのビハインドザバックパスから河田雅史のスリーで1点リードの深体大。
ミスター佐戸さんを前にしても決める牧さん、雅史ら深体大の底力恐ろしいです。
追い詰めたという中、佐戸さんが大きなパスでスリー付近で外川さんに!フェイクを入れゴール下にボールを送り、ゴール下の戦い、美喜男、雅史、更に牧さんがブロック!
もうダメかと思う中、残り0.8秒で佐戸さんにボールが渡り無我夢中でシュートを放ち決めてゲームセット!三河マーベリックスが決勝に駒を進めました!
3連続ブロックを決めたがオジサン軍団三河が勝利を掴みました。
さて準決勝第2試合目はBリーグ開幕戦でも戦った東京ペイサーズVS大阪サンズ。あの時はペイサーズが勝利しましたが、ペイサーズはキャップとデビちんが抜けた状態の中、サンズは万全の体制!
これは見ものです!東京はNBA兄に対してどのように攻め守るか?大阪は樽瀬を中心にペイサーズの森尾・花道・杉山の3トリオをどうとめるか?
試合終了後の深体大の様子が気になります。
両チームとも最高の試合をありがとう!
続き楽しみにしてます!
外国人選手相手に引けを取らずに暴れ回る、もしくはベテラン選手に引導を渡すような活躍を期待したいです
ま、その前に準決勝
代表のセンターや大人ゴリ、外と中でそれぞれの持ち味の外国人Fとの対決楽しみにしています
沢北 お前、海南にいた奴だよな??
流川 どあほうを抑え込んだ あの人か?
? 俺を覚えてくれているのか?
木暮 お前も黄金世代なんだ
花形 そうだ!自信を持て
一同 宮益!
決勝は佐古さんにスポットをあてるのか、あるいは
キャップ、デビちんなしにして)負けているが深体大と三河は同格、
もともと4強は同格だったが桜木の成長で抜けた2人の穴も埋めている?
となると勝つのは東京、深体大が勝つにはもう一人怪我や監督が倒れた
(安西先生のオマージュで)などでなければ…
Kさんの書き方に超期待です。
そして、“勝負に勝って試合に負けた”的な展開で、深体大の勝利を予想するも、勝ったのは、三河マーベリックス
しかし、この後の大阪サンズとの試合と、決勝戦は、実に描き難い気がする
ということは、準決勝・決勝は、一気に飛ばして(優勝は、三河と予想)、日本代表選考会を兼ねた、“合宿編”に突入の流れかも
果して、そこに、流川や沢北は招集されるのだろうか…
東京と名利の試合で佐戸選手も桜木とやってみたいと言っていたので実現しそうですね!
桜木はこの後、樽瀬選手や佐戸選手といった日本バスケットのレジェンドとやる訳でアメリカNBAを目指すなら越えるべき壁と言うべきでしょうか?
そのパターンに期待してます!
でしょうね
これでみんな4年生は、引退かぁ
本当に凄すぎて!!!
いつも楽しませて下さって本当にありがとうございます(*^▽^*)
自分もこの予想です。
ブログオリジナルキャラクターも魅力的ですが、あくまで原作キャラの続きという理由で桜木高3のストーリーも飛ばしているので…
桜木が大暴れしたという彦一達の回想を挟んで、一気に代表合宿編に入るのではないかと予想します。
あと流川とフレッド回も作って
いつもドキドキします。
火がついた桜木の爆発をと〜〜〜って楽しみにしています。(>>11、>>21さんと同じく、準決勝と決勝は短縮版になりそうな気がしますが、桜木の活躍をたくさん、じっくり描いてくれる事を切に願います♪)
バスケット乱れ舞やぁ
ワイは相田彦一と晴子の子供
彦二やぁ
よろしゅう
ファーストスラムダンクを今日見たのでかなり前の宮城と沢北の絡みを今日納得できました、色々と衝撃な1日
おもしろい
ありがとうございます!
残り10秒で3回もブロックされるような時間に1本目のシュート打つのは違和感を感じました
この場面なら、10秒使い切って1本打つのが定石かと思ったので
すみません、バスケをちょっとかじっただけの素人がなんか言ってるわぐらいに思っておいてください😅
大学編以降は特にですが、スラムダンクの続編という枠を超えてバスケット主題の作品として完成された面白さだと思います。
あんまおもんないぞ
残るはペイサーズvsプロチームなので、"続き"の物語りとしては原作キャラ不足なのね駆け足ですかね。
大学4年生の彼らは全大会が終了。これから合宿、そしてプロ入りですね!!
楽しみです!!!
見本みせて下さいよ〜
ポテト兄さん 師匠 大統領
点数的に最後はスリーだったんですか?描写的に2点のような。。。