準決勝・第2試合
東京ペイサーズ×大阪サンズ
「「「 桜木!!!!!!! 」」」
ガガガン!!
「「「 桜木!!!!!!! 」」」
ガガガン!!
「「「 桜木!!!!!!! 」」」
ガガガン!!
場内は、桜木・桜木の大歓声。
試合開始早々から、背番号99・桜木花道は
まさにフルスロットル状態だった。
攻守にわたりコートを縦横無尽に暴れまわり、
アシスト、スコアリング、リバウンドと、
計3度の攻防のすべての場面でキーマンに。
この桜木の活躍により、
東京Pは連続得点を記録していた。
1stクォーター 50秒
東京P 4
大阪S 0
だが、
大阪Sの司令塔・樽瀬勇太は不気味に笑った。
「ちょっと、面白くなくなったかな」
小場 「…!?」
樽瀬 「一本、一本行こう!」
「オウ!!!」
道谷《大阪サンズ、4点を追いかけます》
塚本《ここは一本返しておきたいですね》
ビッ! ビッ!!
ボールは、樽瀬、ワイアット、天月と回り、
ローポストに立つ浜崎へ。
道谷《さあ、ボールは浜崎です》
塚本《1対1の体制ですね》
216cmの長身を誇る32歳、長らく日本代表の
柱として活躍してきたベテランのセンター。
マッチアップするのは、25歳の杉山。
塚本《ここは新旧のセンター対決ですよ》
道谷《元・日本代表の浜崎と、現・日本代表の杉山》
ここで、VIPルームの会話。
「もう間もなく『元』日本代表ではなくなるかも
しれませんよ、浜崎さんは」
「久々の代表合宿招集で、随分と盛り上がっている
らしいじゃないか。まだまだ元気だよ」
「浜崎君のキャリアとサイズはやはり捨てがたい。
一方で、彼を相手に杉山がどれだけやれるのかも
このゲームの見どころだ」
キュッ!!
浜崎、ターンからリングへ向かう。
「さあ、1対1の勝負だ!!!」
「浜崎 vs 杉山!!!!」
キュッ!!!!!
杉山、素早い動きでコースに立ちはだかる。
「おおおおおーーーー!!!!!!!」
赤木 「入れさせない!」
花形 「ナイスディフェンス!!」
そこに、桜木が現れた。
瞬間、ダブルチームの形に。
浜崎 「…!!!」
杉山が浜崎の動きを制限している。
そして、桜木の手がボールに伸びる。
バッシイイ!!!!!!!
浜崎のボールが叩かれた。
樽瀬 「わお!」
(今度はスティールか…!!)
塚本《なんと…!!!!》
道谷《ここで桜木!!!!!》
このコボレ球をオズボーンが拾った。
大阪S、ターンオーバー。
東京Pボールに。
「おおおおおおーーーーーーーー!!!!!」
「また桜木だよ!!!!」
三井 「おいおいおい、マジかよ…!!」
木暮 「もはや桜木のひとり舞台だ…!!」
道谷《またしても桜木です!!》
塚本《凄い活躍ですねえ!!!》
VIPルームも息を呑む。
「また桜木か…」
「この試合、完全に桜木中心に動いていますよ。
とても19歳の選手とは思えない活躍ぶりです」
「そして、杉山との相性もいい。このふたりは
日本代表の強力な武器になりそうだぞ」
「しかし、まさかあの桜木が正統派タイプの杉山と
こうも上手く嚙み合うとは意外だったな」
「進化し続けてますよ、桜木は」
続く、東京Pのオフェンス。
小気味よくボールを回しつつ、
最後はオズボーンのゴール下でフィニッシュ。
バス!!!
1stクォーター 1分30秒
東京P 6
大阪S 0
アシストを記録したのは、森尾。
そして、手前でオズボーンをフリーにしたのは、
桜木のスクリーンだった。
道谷《6‐0! 東京Pが走ります!!》
塚本《いまも桜木君がいい動きを見せましたね》
『ビビーーーーーーーーー!!!!』
ここで大阪Sがタイムアウト。
「おおおっと、ゲームを切った!!!!」
「わずか90秒で、タイムを…!!!!」
「東京が押せ押せだ!!!」
ベンチに戻る大阪Sメンバー。
開始早々に劣勢状態に陥りながらも、
しかし樽瀬勇太は笑顔。
「なるほどね」
一方、
茫然としているのは、記者席の彦一。
「桜木さん、凄すぎる…」
町田も大きく口を開けている。
「今シーズン最大のパフォーマンスじゃないか?
もう怖いくらいだ。青葉戦で何かが変わったのか、
あるいは、深体大のゲームを見て火がついたのか」
弥生、苦笑い。
「バスケ歴5年目の選手には見えないわね…」
パチン!!
東京Pベンチ、森尾が桜木の尻を叩く。
「おう、天才よ。少しはオジサン達にも
活躍の場をくれてもいいんだぞ」
ベンチからは棟川と与野も茶々。
「まったくだ」
「俺達は正月休みってか?」
桜木 「おうよ」
ガタッ。
鋭い目つきは変わらず。
コートを見つめながらベンチに腰を下ろす。
森尾 「あらら」
(気合いが入っているのは試合前から感じていたが、
これは随分なものだな…。深体大の最後の10秒は、
それほどの刺激となっていたか)
対する大阪Sベンチ。
最年長・34歳の天月は半ば呆れ顔。
「ふぅ…、開幕戦の時とは大違いだな」
浜崎も続く。
「ええ、あの得体の知れない謎の動きは
どこに行ったのやら…。いまの桜木は、
もはや一流のバスケ選手といっていい」
そこに樽瀬。
「それですよ、ジャマさん」
浜崎 「…?」
樽瀬、ニコリ。
「いま桜木が見せているのは、俺たちが知ってる
範囲のプレイなんじゃないですか?」
「……!!?」
『ビビーーーーーーーーーーー!!!』
タイムアウトが明けた。
同時に選手交代。
道谷《大阪サンズは、仲村を投入します。》
塚本《3年目のシューターですね》
道谷《交代はベテラン・天月です》
仲村直樹(ナカムラナオキ)
192cm / 85kg / 24歳
沖縄出身のシューター。那覇水産高校時代は、
その身体能力と得点力で全国に名を轟かせた。
町田 「ここは、オフェンスの強化かな」
弥生、頷く。
「どうやら、いまは老獪な天月さんの動きよりも、
スピードと得点力の仲村君を選んだようね」
樽瀬 「ナオキ、外から狙って行けよ」
仲村 「もちろんです」
樽瀬 「絶対に空くから」
仲村 「…?」
『ビビーーーーーーーーー!!!!!!』
大阪Sのオフェンスからゲーム再開。
道谷《さあ、今度こそ獲り返したい大阪》
塚本《仲村君の使い方にも注目ですよ》
そして15秒後、
仲村が空いた。
道谷《フリーだ!!》
塚本《撃つでしょう!!!》
ガン!!!
「ああっと、来ない…!!!!!」
「惜しい…!!!」
仲村 「チッ…」
道谷《いい形でしたが、外れました》
塚本《惜しかったですね》
赤木 「だが、フリーを作った」
三井 「俺なら決めた」
花形 「いまの攻撃のポイントはそこじゃない」
三井 「…!」
赤木、腕組み。
「ああ、まるで桜木を蚊帳の外に追い出したような
オフェンスだった。結果ノーマークを作り出した。
なにか新しい動きを見たな」
三井、ブツブツ…。
「でもよ、入らなきゃよ…。俺なら…」
木暮、ニコリ。
「その通りだよ、三井」
三井 「そう、俺は炎のシューター・三井」
木暮 「うんうん」
赤木・花形 (ここは任せたぞ、木暮)
赤木は「何かが変わった」と感じた。
それから約5分後、
バス!!!!
道谷《樽瀬から浜崎!!!》
塚本《ナイスプレイ!!!》
1stクォーター 残り3分
東京P 15
大阪S 19
形勢は逆転していた。
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1266) へのコメント一覧
その名は
宮益
やっぱり樽瀬の思惑通りにいってるんですねーけど桜木はこっからですよね!
これから鳥肌立つようなのを期待してます!
奇想天外の動きがなかったら身体能力の高い選手ってことですもんね
武器が減ったてことかな
やれるよな? 花道
一番下は宮益♪
間に挟まれ木暮♪
メガネ3兄弟♪
Kさんいつもありがとうございます!
開始早々花道の活躍により4点リードのペイサーズ!大阪サンズ相手にほんと凄いです。
攻守を入れ替え素早くボールを回して浜崎VS杉山の新旧日本代表センター対決来た〜!
浜崎が攻めるが杉山がうまく守り隙をつき花道がスティール!ボールを奪い森尾さんのアシストでぼんちゃんが決め6点リードのペイサーズ!攻守に渡り活躍する花道ほんと嬉しいです。
タイムアウトをとった大阪サンズ。花道の動きに驚く中、冷静に判断するNBA兄、ほんと恐ろしい。ペイサーズはメンバーはそのままの中、サンズはベテラン天月さんが下がり沖縄シューター仲村が入り巻き返しを図ります。
仲村が入って時間が経過し残り3分で4点ビハインドのペイサーズ、一体この展開は?田岡監督!この展開を予想してください。
仲村がシュートをはずしたときのミッチーの反応とそれを見守る赤木・花形・木暮さんの神奈川メンバーのやりとりにこっちもほっこりしました。
花道の誕生日の更新ありがとうございます!更なる活躍をみたい!
頑張れペイサーズ!
桜木がバスケを始めて最初にプレイしてたのが正統派タイプの赤木先輩ですからね!
勉強
ハーフタイムやなんかのタイミングで流川の登場→なに縮こまってんだどあほう→とかだと面白いんですけどね
展開の速さに、いろんなことを想像させられます。まさにKマジック!
次がたのしみです。
元NBAを軽々超える能力を見せないと樽瀬の想像は超えられないってことかな。
三井寿は勉強は嫌いで出来ないけど、バスケIQに関してはとても高く赤城よりも上というのが個人的なイメージ。なので終盤の三井寿の「俺は炎のシューター」セリフや嗜められる扱いには違和感を感じる。
高頭監督が宮益を出した時に被る
それが意外性を無くすというのも納得。
どんな構想をもっているのか、これからも楽しみに読ませてもらいます。
信じてます!
頑張れ花道(*^o^*)
それにしても、やっぱりペイサーズのメンバーが楽しく好きです。
全然変わってない三井も好き。
Kさん、更新ありがとうございます!!
湘北OBの会話は何時も楽しい👍次も楽しみにしております。
土日の更新がされておらず、ご多忙かと思いきや
エイプリルフールと桑田真澄さんと同日の
主人公 誕生日に おそらく 敢えて更新してくるあたり
花道へのリスペクトにも感じます。
これからも閲覧を楽しみにしております。
この試合で何か掴むかな。
第4Q終盤で花道がさらなる覚醒し追い上げるor逆転するけど最後の最後で運が向かず負けるのもありえそう。
そして三井は炎の〜って堀田番長たちのを受け入れてるんだ
ただ、、花道の成長過程にそういう規格内に収まる時があるっていうのはいまいちピンと来ない
そして三井、、自分で炎のなんて言うほどダサイ男じゃないと思うけど どっちかと言うと宮城が言いそう
また今回の試合は、現役代表が揃うチームと、元NBAのPGが率いるチームとの対決構図という印象なので、過去の試合でいうと深体大vs専翔大に似てますかね。樽瀬が色々魅せてくれるつつも、東京Pが勝利する気がしてきました。
桜木の大活躍がたくさん見られる事を切に、切に願っております!!
ガンガレ
持論ですが、一流アスリートなら「考えながら」も「本能ないし直感的」に身体が動くでしょう!!
そんなセオリーが通じないんが花道。
今までのKの部屋ならそうなりそう。