準決勝・第2試合
東京ペイサーズ×大阪サンズ
3rdクォーター終了
東京P 55
大阪S 61
残すは、あと10分。
放送席の道谷が戦況を伝える。
《第3クォーターを終えて、大阪が6点をリード。
序盤こそ東京がロケットスタートを見せましたが、
その後、大阪が盛り返しました。優位に立つ大阪、
開幕戦の借りを返すことができるでしょうか》
そして、解説の塚本に問う。
《塚本さん、ここまでの展開としては、序盤の
時間帯を除き、概ね大阪がコントロールしてい
る雰囲気といってよいでしょうか?》
塚本、返す。
《そうですね。やはり樽瀬君が上手いのでしょう。
最高の立ち上がりだった東京が、その後なかなか
波に乗れないでいますね。最後の第4クォーターで
東京ベンチがどういう策を用いるか、注目ですよ》
道谷《さあ、最後の10分が始まります》
東京Pベンチ、森尾が立ち上がる。
「よし、行こうぜ、桜木」
桜木 「おうよ」
ガタッ!
立ち上がり、鋭い目つきでコートへ。
東京Pベンチ、
宇野監督が腕組み。
(間違いなく、今日の桜木は集中できている。
そのプレイは、黄金世代と呼ばれる男達の中でも
もはやトップレベルと言っていい)
(だが…)
『ビビーーーーーーーーーー!!!!!!!』
ブザーとともに、両軍メンバーがコートへ。
東京Pは、
小場、森尾、オズボーン、桜木、杉山。
大阪Sは、
樽瀬、天月、パーマー、ワイアット、若穂。
「さあ、ラスト10分!!」
「決勝進出は、東京か、大阪か!!!!」
道谷《東京ボールから始まります!》
塚本《最初の一本、注目ですよ!!》
宇野、桜木の背中を見つめる。
「ここまでの桜木は決して悪いプレイではない」
棟川、頷く。
「はい。しかし、何か物足りない気も」
宇野 「だが、数字的には過去最高レベル」
棟川 「難しい状況ですよ」
当然、なかなか流れを持ってこれない原因が、
桜木の変化にあることは分かっている。
だが一方で、スタッツ的には普段以上の数字を
叩きだしている桜木に、敢えて違った動きを
要求することも、またリスクと考えた。
宇野は、このまま行く形を選択した。
ビッ!!
ボールは、中外を動き、コーナーの桜木へ。
ここまでのボール回しのなかで、
他の4人は逆サイドに寄っている。
弥生 「ショットクロック、残り10秒」
町田 「1対1だ」
会場が沸く。
「さあ、第4クォーター、桜木登場!!!」
「今日は絶好調!!」
「得意の位置だ。ここは勝負だろう!!」
樽瀬 (さあ、来てみろ)
キュキュッ!!
マッチアップは、ワイアット。
桜木、構える。
佐戸 「1対1だ」
外川 「そして、そこからのパスもある」
ダム!!!!!!
桜木、仕掛ける。
「行った!!!!!!!!!」
「桜木!!!!!!!」
キュッ!!!
ワイアットが動く。
だが、桜木が一歩速い。
町田 「抜いた…!!!!!!!」
彦一 (爆発的一歩目!!!!!)
キュキュッ!!!
ヘルプディフェンスが寄る。
キュキュッ!!!
そこに突っ込む前に、桜木はストップ。
ワンドリブルから、左足・右足の順に止まる。
そして、ジャンプシュート。
ビッ!!
道谷《桜木のジャンプシュート!!》
塚本《きれいな形ですよ!!》
ガン!!!!!!
「ああああーーーーっと、入らない…!!!」
「1対1は制したが…!!!!」
ガッシイ!!!
リバウンドは、大阪。
杉山を抑え込み、若穂がもぎ取る。
樽瀬、ニコリ。
(いまのは分かりやすいテンポのシュートだ。
若穂も予測して上手く場所を獲れた)
ベンチの浜崎もニコリ。
「そう、いくらアイツが絶好調だといっても、
全てのシュートが入るわけじゃない。
しかし、この第4クォーターの最初の一本を
外してくれるとは、ありがたいな」
そして、
(それに、いまのは仮に入っていたとしても
スーパープレイじゃない。流れは変わらない)
左京 「いまのは決めたかったなあ」
外川、頷く。
「なーんか淡白な攻撃で終わっちゃったかなあ。
桜木クンには、もっとこう面白いことをやって
ほしいんだけどねえ」
佐戸 「……。」
(本来、シンプルなプレイというのは、
いいプレイである場合が多いものだが)
続く、大阪Sのオフェンス。
ザシュッ!!!
ベテランの天月がミドルシュートを確実に決める。
4thクォーター 40秒
東京P 55
大阪S 63
道谷《大阪は決めます!!》
塚本《8点差、離れましたね》
若穂 (オッケー、オッケー)
先程のオフェンス、桜木は若穂のカッティングに
対応して動き、パスコースを完全に遮断していた。
若穂が、そうなるように動いたのだった。
(いいディフェンスだったよ、桜木。いまのは、
俺へのパスは絶対に通らなかった。おかげで
お前がシューターに向かうこともなかったがな)
赤木 「まだ流れは大阪だ」
花形 「どうしても東京は乗ってこないな」
木暮 「選択は何も間違っていないのに」
三井 「ああ…」
「………。」
三井 (桜木が、選択を間違えていない、か…)
流れは変わらない。
大阪のペースで試合は進む。
東京の波はやってこない。
時間が経過した。
4thクォーター 残り5分
東京P 65
大阪S 73
大阪S、変わらず8点のリード。
やはり流れは変わっていない。
佐戸、腕組み。
「5分で8点差は、決して大きな差ではない。
少しのキッカケですぐに縮まる数字だ」
外川、頷く。
「でも、そのキッカケがないんだよねえ」
左京 「樽瀬の試合運びもさすがに上手い」
佐戸 「ああ、完璧だ」
道谷《依然、大阪のリードです》
塚本《東京はやはり何か起爆剤が欲しいところ》
道谷《いつもなら、こういうときに桜木ですが》
塚本、少し首をかしげる。
《桜木君はいいプレイを続けてるんですがねえ。
バスケットボールは本当に難しい競技ですよ》
そのとき、東京Pベンチの宇野がつぶやく。
「決めた」
棟川 「…?」
納和 「監督…」
宇野、ニコリ。
「いいだろう、桜木と心中だ」
『ビビーーーーーーーーーーー!!!!』
東京P、ここでタイムアウト。
宇野 (ひとつ、思い出してもらおうかな)
「おおっと、東京がタイム!!」
「ゲームを切った!!」
「確かにここらで何とかしたいところ!!」
「このままじゃ大阪が逃げ切っちまうぜ!!」
会場の空気も、完全に大阪勝利の予感。
東京Pのファンは盛り上がってこない。
いつも彼らを興奮させる桜木が、どこか違う。
ファンもなにやら戸惑っているかのよう。
東京Pベンチ、
コートにいた選手5人が座り、
その前に宇野監督が立っている。
宇野、5人に告げる。
「ここから5分、桜木で勝負だ」
「……!!」
森尾 「おっと…」
杉山 (そう来ましたか…)
桜木 「……。」
宇野、ニコリ。
「桜木、プロのプレイをしてこい」
「……?」
突然、「お題」のような宇野の指示。
静寂に包まれるベンチ。
そこに、森尾。
「あ…」
杉山 「ん…?」
ポン。
森尾、桜木の肩を叩く。
「お前はその答えを知ってるよ」
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1268) へのコメント一覧
宇野監督も森尾さんもかっこよすぎます!!!!
次回の更新が楽しみ!!
宇野監督かっこいい…
桜木と心中とか言って、言葉がプロのプレイですか
更なる覚醒または、予測不能な動きで樽瀬をも驚かすプレイに期待します!!
森尾に言葉遣いを注意されながら、あとはいつも通り強気にいけとのアドレスを受けた桜木がメディアに発した言葉が
「見に来て損はさせない」
「日頃のストレスから解放されたかったら
バスケットボールを見に来て欲しい」
「断固たる決意でプロのゲームを見せる」
これを今一度見せてくれ!!
読書を含めた観客全員を「何か違う」というストレスから解放してくれ!!
そうでないとNBAでは通じないし、流川が買ってるのも桜木の想像の上を行くプレイと爆発力に他ならない。
選手としてワンランク上になったからこその壁をぶち破って更に上にいけ!!!
ここから更に駆け上れ!!
魅せてくれ!!
桜木ー!!!!
前にもコメントしましたが宇野監督めっちゃ好きです。
オリジナルキャラなのに雰囲気も想像できるし絶対イケメンw
どゆこと?(笑
バスケ未経験者には難しいお題です
てっきり今までと同じ桜木が最初からずっとすごいプレイをする試合と思ってたのに、まさかこんな展開にねるとは...
これは次が楽しみですねぇ。
「Kさん、続きが読みたいですッ」
ジャンプの名作レベルに次の展開が楽しみです!
が、お体は大切にしてください!
学生には出来ない・・・
天才のプレー
アンビリーバブル
キリ番間近!!
K様頼む。。。桜木の回を長くやってくれ〜〜!
心の声でしたw
そしてこの終わり方とは…Kさんズルすぎる!笑
宇野監督ほんまに桜木が好きですよねー嬉しくなります。
次楽しみすぎるけどお願いなんで東京勝ってください!
以前、かつて、仲間やライバルであった“大学生”を相手に、盛んに、『プロだから』とアピールをしてはいたが
今の相手は、同じBリーグ(つまり、プロ)の大阪サンズ
Bリーグの開幕戦(対戦相手は、これまた、大阪サンズ)を思い出せ
ということなのだろうか…
BリーグNO.1プレイヤーになってNBAちょうせんだ❗
楽しみです
心無い言葉などもコメントではあるでしょうが、無理ないペースで頑張ってください!
Kさんの見据える桜木の「完成形」が凄過ぎる。
桜木がノリノリじゃないと、Kの部屋の読書もリズムに乗れないんだから、桜木もKさんもヤバいですほんと
スラムダンクしかない!!
ギラッ
やはりリバウンドを制すること!?
今の桜木のプレイは彼自身の言葉で言うと
『庶民のプレイ』スタイルになっている感じなので…
自称天才による爆発的かつエキサイティングな
ダンクやブロックショット等の流れを呼び込む
ビックプレイを期待したいです。
イメージ的に覚醒っていうより解放みたいな感じなのかな。
前話から思ってたけど、桜木は無駄のない動きで、成績も良いなら、負けてるのはチームの地力では?
桜木が予想外の動きをしないから、負けるのであれば、予想外の動きをする選手がいないチームは勝てないの?
相手チームは予想外の動きをしてるの?
普通に桜木以外のメンバーが相手メンバーに負けてるだけな気がする
なんでもかんでもスター選手のせいにするべきではない
これは脅威だねえ。
花道なら自分が流れを変えるプレーをしなきゃ逆転できないくらい気づけそうな・・・
それにしても花道以外のチームメイトが他人事のような発言が目立つ
おめえらがしっかり働かんから最年少の花道頼みになってるやんw
そうかもしれんけど、東京側は主力2人(司令塔と点取り屋)欠けてるんだから、それでベストメンバーの大阪相手に互角に戦ってるってことはいつものメンバーなら普通に勝てるでしょ。。。
そりゃあ東洋は怪我人いてベストメンバーではないと最初に言われてますし
こういうの好きです。
また言わせてくれ、「アンビリバーブルや」と
次回、楽しみにしてます(*^▽^*)
桜木頑張れ!!
そりゃNBAでもBリーグでも強いチームが全勝できるわけじゃないからなー
現時点で負けてる中で、試合に勝つために何かできないかと考えた結果、桜木の変化という結論にいたっただけで桜木の実力だけが負けてる原因って話じゃないでしょ
青学大戦で神に対応したように、樽瀬に何もさせないようにするのかな?
樽瀬への対処は、4Qで森尾がねじ伏せるんだと勝手に予想していました。
良き展開になることを期待しています。
あなたらしくない。
指示遅いぞ(笑)
あなたなら始まりに即それ言えたでしょ。
花道ラスト5分舞台が整いましたね!!
格の違いがでますね!
暴れっぷりを抑えてリーグトップレベル!
リミット切ったらNBAでも見れるレベル!
まさに規格外!?
ウェンビーは3分で17点
花道は一体??
次も期待してます!!
「日頃のストレスから解放されたかったら
バスケットボールを見に来て欲しい」
桜木のスマートなプレイももちろん良いけど、豪快で想像を超えるスカッとするプレイで僕もストレスから解放されたいです!!
観客を沸かせてこそプロバスケだな!
学生の勝ち負けだけでなく、花道も言った『夢と希望をみんなに見せる』プレイを思い出してくれ
次回、どんなプレーをするか楽しみ。
すごい良いこと書いてるのに、読者が読書になってるのが惜しすぎる。
観るものを魅了し、感動させる事がプロの動き…なのかな
ラスト5分!ワクワクするね。
Kさんいつもありがとうございます!
第3クォーター終了で6点ビハインドの東京ペイサーズ。花道が安定して点をとるか、爆発力が感じられない…
この悪い流れの中、ペイサーズは小場・森尾・ぼんちゃん・花道・杉山のメンバーで最終クォーターを戦います。
花道にボールが渡りドリブルで仕掛け、ヘルプディフェンスが来る前にうつが外れてしまう…対ししっかり回し天月が決めました!
まずい、これはまずい残り5分8点ビハインドの中、宇野監督の指示は花道中心で攻めろ!
宇野さん、いや監督これは期待しても良いですか?
ここは天皇杯3回戦大阪サンズVS拓翼大学での湘北高校の大先輩三井寿のようなプロ向きのような爆発力のあるプレーを花道には見せてほしい!
頑張れペイサーズ!
それは今までよく読んでないからそー思うんですよ
ちなみにこれ言ったの930話で、読み返すなら928からの3話でいいからいい思い出しで読めますね。
Bリーグ開幕の928〜930を意味してる可能性が高いかな。
まあ、ざっくりいうと、観客湧かせるプレイ→ダンク打ってこい!に私は感じました。
いつだって、彼の発破があったと思う。
らしくねーんじゃねーのか?
いちいち指摘しなくていいじゃん!?
感じ悪いよ・・・。
有能な采配等教えて下さい