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  • 2024年05月16日20:14

スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(268) リメイク版

※この記事はリメイク版です
リメイクの経緯はコチラ
元記事はコチラ



関東学生トーナメント決勝戦


残り時間 22秒

深体大 90
青学大 93



タイムアウトの間、放送席、記者席、観客席では
様々な議論が展開されていた。



放送席の道谷、興奮の中で問う。

《塚本さん、3点差です。青葉が大きなリードを
奪いました。深体大はどう動くべきでしょうか》

塚本も興奮状態で返す。

《時間を使ってスリーで同点、延長戦を狙うか、
すぐに2点を獲り行き、2回攻撃する作戦に行くか。
2つの選択肢がありますね!》


道谷、もうひとりの解説者にも問う。

《森尾さんならどうしますか?》

森尾、返す。

《すぐに2点を獲りに行きますね。中は深体大が
有利なので、ゴール下に入れて確実に2点を獲り、
次のディフェンスを頑張ると…》


塚本《まずは10秒以内で決めたいですね》

森尾《いまチームファウルはいくつでしたっけ?》

道谷《互いに3つですね》


塚本、さらなるシミュレーション。

《ということは、あと2つでフリースローです。
これは、ファウルゲームもありえますね》


道谷《さあ、物凄く濃い22秒になりそうです!》



記者席の弥生も問いかける。

「この場面、中村君ならどうする?」


中村、しどろもどろで返す。 

「え…? ああっと、いきなり言われても…。
えっと、22秒で3点だから…」


弥生 「しゃきっとしなさい!

中村 「は、はい…!!」


弥生 「じゃあ、2点と3点、どっちを狙う?」


中村、少し考えて返す。

「3点差なんで、やっぱり3点ですかね。外から
諸星君のスリーポイントを狙うか、中ならば
牧君や河田君の3点プレーで同点に…」


弥生、ため息。

「はぁ…、ダメね…」 


中村 「え?」


弥生が呆れ顔で続ける。

「まだまだね、ファウルをもらっての3点プレイは
ありえないわ。2点を獲られても追いつかれない
状況で、青葉がファウルをするわけがない」

町田が続く。

「まあ、陸川監督もノーファウルについては、
強く指示しているでしょう。当たり前ですけど」


ズーーーン。

中村 (まだまだ……、当たり前……)



観客席、腕組みの杉山。

「ここはベンチワークも注目だ。2点を狙うなら
河田美紀男、3点を狙うなら伊達健太あたりの
投入があるかもしれない」

赤木が続く。

「青葉もしかり。前川を入れて中のディフェンスと
リバウンドの強化を図ってくる可能性がある。
特にリバウンドは大事だ」


桜木がニヤリ。

「リバウンド制す者はゲームを制す!」




『ビーーーーーーーーーーーー!!!!!』



タイムアウトが明けた。

そして両軍に残されたタイムアウトがなくなった。



道谷、立て続けの興奮実況。

《さあ、残り22秒、いよいよクライマックス!》


塚本《おっと、メンバーも代わってますよ!》


深体大、樋口を下げて、河田美を投入。

三井 「河田弟だ! 高さを強化してきた!」


青学大、家村を下げて前川を投入。

宮城 「青葉も代えてきた。中の選手を投入だ!」




コートに入る藤真。

(落ち着け、落ち着くんだ。もう少しで勝てる…)



(藤真……)

キャプテンの背中を後ろから見ている前川。



ポン!

そっと藤真の肩を叩いた。


藤真、振り向く。


前川が声を掛ける。

「ディフェンスはマンツーマン、
絶対ノーファウル、覚えとるか?」


藤真、気づく。 

(しまった、指示を聞いてない…!!)


前川、ニコリ 

「大丈夫、指示はそれだけやで。
とにかくしっかり守ろな」


「ふぅ…」 

藤真、一息。

(助かったよ、前川…)


それを見て、陸川がニコリ。

「藤真、緊張してるな。まあ、無理もないだろう」


(前川、ありがとう)



残り時間が2分を切っているため、
深体大はスローイン位置を選択可能。


深体大はハーフラインを選んだ。


レフェリーが諸星にボールを渡す。


道谷《さあ! 試合再開です!!》

塚本、守備陣形に注目。

《おっと、青葉はマンツーマンに変えました!
これは外のシュートを牽制していますね!》


諸星には天崎、牧には藤真、大野には神、
青学大は外のシューターをケア。


陸川 (3点だけは撃たせるなよ)



深体大、攻撃開始。


キュ!!!


「牧!」 

大野が藤真にスクリーン。


これで一瞬フリーになった牧にボールが入る。



同時に時計が動き出した。



塚本《さあ、牧君に入った!》


藤真がチェック。


「牧vs藤真!!!!!」



ダム!!!

牧のドリブル。


藤真は必死についていく。

(これで最後だ…!!! 絶対に抜かせん!!)


「ナイスディフェンス!!!!!」

「かわせないか!!!?」



キュ!!! 

牧、急ストップ。


ダム!!

そして、フロントチェンジ。


藤真をかわしハイポストにボールを放り込む。


弥生 (さっき失敗したプレーを…!!!)

彦一 (アンビリーバブル……!!)



そこには河田雅。


道谷《河田兄だ!! ハイポスト!!》

塚本《深体大は、中で勝負ですね》


キュ!! 

河田雅、その場でターン。


森重が目の前で右手を挙げている。



クイ!

河田雅が一瞬、シュートフェイクを入れる。


ピク!

森重がこの動きにわずかに反応。



ビッ!!!

河田雅、次の瞬間、ゴール下にボールを放る。


塚本《ハイ&ロー!!!!!》

道谷《ボールはゴール下へ!!》


赤木 (最もオーソドックスな中のプレイ…!)



残り15秒、

ローポストの河田美にボールが渡った。


道谷《河田美紀男だ!! ゴール下!!!》


弥生 「美紀男君…!!!」

(物凄い大仕事が回ってきたわよ!!
この重圧に勝てるか!?)



ディフェンスの前川、両手を挙げて体を寄せる。 

(ノーファウル!)


河田美、体をつけられた体勢でシュートへ。


赤木 (難しいぞ!! 決められるか!?)



河田雅 「美紀男、行けええーーーー!!!!」

(決めろ!! お前のほうがデカいんだ!!)



河田美 (決める!! ゴール下が僕の仕事だ!)



キュ!!!


ターンからワンハンドジャンパー。



バス!!!!


残り13秒

深体大 92
青学大 93



「……!!!!!!!!」



深体大、9秒で攻撃を成功させる。



塚本《よく決めた!!!!!》


森尾 (まずは第一関門突破……!!)




―― 1点差




深体大を推す者たちが雄叫びを上げる。


「よおおおーーーーーーーーーっっっし!!!!」

「美紀男!!! よく決めた!!!」



河田美 (やった……!!!!!)

河田雅 (よーーっし!! よくやった!)




藤真 (1点差……!!!!)


ドクン!!!!!!




青学大ボール。

エンドラインでボールを持つ神。


一度パスフェイクを入れる。

このアクションに対し、一瞬大野が動く。



次の瞬間、スローイン。



藤真に渡った。




ドクン!!!

(1点差……)



キュキュ!!!!

ディフェンスが寄ってくる。



藤真、動かない。




陸川 「藤真!!!!!!」

(どうした……!!?)





バスケ人生最大の緊張に襲われた藤真、

この時、頭の中は真っ白だった。




だが、



その無意識の状態が、

藤真にいつものプレイをさせた。




ダム!!!!!



突如ギアチェンジ。

スピードでディフェンスの間を抜く。



唐沢 「……!!!!?」

牧 「……!!!!」



陸川 「おお……!!!!」



これまでの努力、練習量、挫折、

全ての要素が、

無意識の藤真の体を動かした。



これまで積み上げてきた努力は
藤真を裏切らなかった。


これはおそらく、
意識があったらできない動きだった。

無意識だからこその、
最高のパフォーマンスだった。



道谷 《抜いたああ!!!!!!》

塚本 《す……、凄すぎる!!!!!》



ダム!!


スピードに乗ったドリブルで
続くディフェンスも抜き去る。


「おおおおおおおーーーーーーー!!!!!」

「速い……!!!!!」

「ディフェンスが追いつけない!!!!!」



藤真健司、まさかの単独突破。


深体大にとって完全に予想外の動きだった。

パスすらしないこの動きに対し、
深体大ディフェンスの対応が遅れた。



ガッシイイ!!!


『ピーーーーーー!!!!!!』


藤真のドリブル開始からしばらくの後、
ディフェンスがやっと藤真を捕まえた。

勿論、意識的なファウルである。



残り時間 6.5秒



ファウルを宣告された河田雅が手を挙げる。

「……。」



道谷《ここで深体大がやっと止めました》


塚本、驚きの中で解説。

《藤真君、ひとりでフロントコートまで
一気に行ってしまいました。信じられません。
これは深体大も虚を突かれたでしょう》

森尾が頷く。

《ここで6秒も使われたのは、深体大としては
完全に誤算でしょうね》

(アイツ…、完全なファウル狙いの深体大相手に
ひとりで6秒もボールを保持するとは……)



花形 「藤真……」




藤真の意識がここで戻った。

膨大な量の汗をかいている。

「ハァッ ハァッ ハァッ……」



これに気づいた唐沢が牧を呼ぶ。

「藤真をファウル候補に入れろ。
精神的にかなり追い詰められている」


牧、静かにうなずく。

「……。」





『ビッビーーーーーーー!!!!!!』



ここでブザーが鳴る。

選手交代。


青学大、森重を下げて家村を投入。


杉山 「ファウルゲームに備えたか」

赤木 「フリースロー対策」



コートを見つめる陸川。

「藤真……」

(精神が完全に限界を超えている…。
踏ん張ってくれ…)



青学大のスローイン。


ボールを拾った神、笑顔で藤真に渡す。


「藤真さんが入れてください。俺に」



藤真、ボールを受け取る。

「神……」




唐沢 「……!?」

(神…!!?)



スローイン。


前川が河田雅にスクリーン。

これを使って、神がボールをもらいに来る。



ビッ!!

藤真から神にボールが入る。



ディフェンスが寄ってくる。



ダム!

神、少しのドリブルの後に捕まる。


『ピピーーーーーーーーッ!!!!!!』

深体大のファウル。


河田雅 (神……)

牧 (……。)



残り5秒、


深体大のファウルは5つ目。

青学大にフリースローが与えられる。



『ビッビーーーーーー!!!!!』



同時にブザーが鳴る。

再び選手交代。


青学大は、家村を下げて再び森重を投入。
守備力とリバウンドを強化した。

深体大は、河田美を下げて伊達健を投入。
シュート力を強化した。



シューターは神宗一郎。


藤真にスローインを託し、
この大役を自ら背負った。




道谷《残り5秒! 神のフリースローです》

塚本《決めれば、勝利がグッと近づきますよ!》



清田 「神さん……!!!」

福田 「ジンジン……」



キュッ…。


神、ゆっくりとフリースローレーンに向かっていく。



牧とすれ違った。

互いに目を合わせる。



牧 「……。」


神 「……。」



レフェリーがボールを渡す。

『ツーショット!』




一投目、



ザシュ!!!



深体大 92
青学大 94



道谷《決まったああーーーー!!!!!》

塚本《さすが神!!!!》

森尾《よく決めましたね!!》




『ワンショット』



二投目。



「ふぅ…」

神、ひと呼吸。



ゆっくりとボールを構える。



藤真 (神…)



―― 決めてくれ!!!



青学大ベンチのメンバーは両手を握って祈る。





神宗一郎


彼に才能はなかった。


持っていたのはきれいなシュートフォームのみ。



だが、



ただひたすらに努力を続けた男は、

日本を代表するシューターとなり、

いつしか、こう呼ばれるようになった。






―― ゴッド・ハンド






ザシュ!!!!!





残り5秒


深体大 92
青学大 95




道谷《決めたーーーーーーーー!!!!!!》

塚本《これがゴッド・ハンドだ!!!》




「神さん……!!」

清田、涙を浮かべて歯を食いしばる。 



桜木はただ呆然と見つめていた。

「……。」




「神ーーーーーーーーー!!!!!!!」

「うおおおおおーーーーー!!!!!!」


グッ!!!!

青学大メンバーが両コブシを握り締める。




すかさず陸川が声を出す。


「ディフェンス!!!!!」




「もう3点しかない!!!!!」

「深体大最後の攻撃!!!!!」





青葉学院大、執念のディフェンス。


攻撃をモットーとする彼らが意地で守った。





最後の望みを託されたボール、





諸星大による、ランニングしながらの
スリーポイントシュートが、





リングで跳ねた。







電光掲示板


00:00

深沢体育大学 92
青葉学院大学 95





藤真の視界がかすむ。



ぼやけたコートに青学大のメンバーが
なだれ込んでいた。




続く



-


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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(268) リメイク版 へのコメント一覧

  1. 1.
    • 読者・K
    • 2024年05月16日 22:52
    改めて見てもいい話ですね
    藤真が無意識でいつもの、最高のプレイをしたのが素晴らしいです
    あと、フリースローをしっかり決めた神の努力も


    「まだまね、ファウルをもらっての3点プレイは
    ありえないわ。2点を獲られても追いつかれない
    状況で、青葉がファウルをするわけがない」

    ここですが、出だしは「まだまだね」ではないでしょうか
  2. 2.
    • 神は神
    • 2024年05月18日 08:27
    この話が十六年前・・・だと。。。




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