(リメイクの経緯はコチラ)
(元記事はコチラ)
湘北高校、
バスケ部新体制・初練習の翌日。
昼休み、学食のカウンターに並ぶ桜木と洋平。
洋平、ニヤリ。
「へえ、そんな面白いことがあったなら
見に行きゃよかったな」
「へえ、そんな面白いことがあったなら
見に行きゃよかったな」
眉間にシワの桜木。
「来なくていー。しかし、生意気な野郎だった」
「来なくていー。しかし、生意気な野郎だった」
どうやら、ひとりランニングを拒否した
長身の男について話している模様。
長身の男について話している模様。
そして、食堂の列は桜木の順番に。
桜木 「おばちゃん、いつもの」
洋平 「……。」
(今日もアレ食うのかよ)
(今日もアレ食うのかよ)
その学食のおばちゃんが返事。
「あら、またかい、お兄ちゃん。
ちょっと時間かかるよ?」
ちょっと時間かかるよ?」
桜木 「ぬ? そーなのか?」
洋平 「当たり前だろ」
渋々テーブルに歩く桜木。
そこに、宮城を発見。
ひとりで食事中。
ひとりで食事中。
桜木 「お、リョーちん!」
宮城 「ん?」
箸を止める。
ガタッ。
桜木、向かいの椅子に腰掛ける
桜木、向かいの椅子に腰掛ける
「はっはっは、ひとりでメシか。寂しい男だな」
「うるせーよ」
宮城、箸を進める。
宮城、箸を進める。
そして、手元には一冊の本。
桜木の横に洋平が座る。
「リョーちん、なに読んでんだ?」
「リョーちん、なに読んでんだ?」
宮城 「んだよ。なんでもいーだろ」
スッ、
桜木が本を取り上げる。
宮城 「お、おい! 花道、返せ!」
桜木、ニヤリ。
「フッフッフ。さてはエロ本だな?」
「フッフッフ。さてはエロ本だな?」
表紙を確認。
―― 部下の信頼を得る言葉の魔術
桜木 「なんだこりゃ?」
洋平が背表紙を覗く。
「東洋自動車社長・著?」
桜木、パラパラとめくる。
「なんだリョーちん。クルマ屋の
シャチョーになりたいのか?」
「なんだリョーちん。クルマ屋の
シャチョーになりたいのか?」
宮城 「は…?」
洋平 「なに言ってんだよ…」
(苦労してるみたいだな、キャプテンさんは)
バッ!!
宮城、本を取り返す。
宮城、本を取り返す。
「チッ。人の読書を邪魔すんなよ」
洋平、ニヤリ。
「そーいや、昨日は面白い1年が
入部したんだって?」
「そーいや、昨日は面白い1年が
入部したんだって?」
宮城、本に目を向けたまま返事。
「入部なんかしてねーよ。
あんな奴入れてたまるか」
あんな奴入れてたまるか」
桜木 「ぬ? 入れないのか?」
宮城、しかめっ面で箸を動かす。
「当たり前だ。あんな勝手なのがいたら
バスケ部の規律が乱れる」
「当たり前だ。あんな勝手なのがいたら
バスケ部の規律が乱れる」
洋平、チラリと横を見る。
「ハハハ。去年の誰かみたいだな」
「ハハハ。去年の誰かみたいだな」
桜木 「ぬ…」
宮城、箸を止める。
「まあ、去年の実績のおかげで、
いい選手はたくさんいそうだけどな」
いい選手はたくさんいそうだけどな」
洋平 「ふーん」
(やっぱ全国に出たってのはデカイか)
(やっぱ全国に出たってのはデカイか)
桜木 「ふーん」
(やっぱこの天才のチカラがデカイか)
(やっぱこの天才のチカラがデカイか)
宮城 「ああ、体力ある奴が多かったしな」
(特にあの天崎とかいう奴だな。ダントツで
帰ってきたうえに、ほぼ息も上がってなかった)
帰ってきたうえに、ほぼ息も上がってなかった)
湘北バスケ部の新体制初日、
宮城が課した、理不尽ともいえるランニングを、
新入生は全員クリアした。
その数、実に56人。
バスケ経験者が48人、
他スポーツ経験者が8人。
他スポーツ経験者が8人。
インターハイ出場、そして山王撃破の効果は
やはり大きく、例年なら海南や翔陽あたりを
選択していたであろう、有望な選手たちが、
ここ湘北に数多く集まっていたのだ。
やはり大きく、例年なら海南や翔陽あたりを
選択していたであろう、有望な選手たちが、
ここ湘北に数多く集まっていたのだ。
宮城、気付く。
「そーいやお前ら何しに来たんだ?
メシも食わねえで」
「そーいやお前ら何しに来たんだ?
メシも食わねえで」
洋平 「ああ、そろそろできるころだな」
まさにここで、カウンターから声がかかる。
「カツ丼大盛りとホイコーローと
サンマとラーメンの方ーー」
サンマとラーメンの方ーー」
桜木 「お! お呼びだ!」
ガタ!
ふたり、席を立つ。
宮城 「ん? 他の仲間の分も頼んだのか?」
洋平、背中で返事。
「いや、ふたりだけ。で、俺はラーメンだけ」
「いや、ふたりだけ。で、俺はラーメンだけ」
宮城 「……。」
洋平 「ま、特訓中はもっと多かったけどな」
ふたりはカウンターへ。
おばちゃんが赤い頭に気付く。
「ああ、お兄ちゃん、お待たせ」
「ああ、お兄ちゃん、お待たせ」
盆をとる桜木。
「おお、相変わらずウマそーだな。
さすがおばちゃん!」
さすがおばちゃん!」
「ふふ」
おばちゃん、ニコリ。
おばちゃん、ニコリ。
そこへ、
「お、来た来た」
スッ、
桜木が盆に乗せようとしたカツ丼に
横から手が伸びる。
横から手が伸びる。
「……!?」
桜木、その手をおさえる。
「コラーー!! 人のメシをとるな!」
桜木、その手をおさえる。
「コラーー!! 人のメシをとるな!」
「あ?」
カツ丼に手を伸ばしていたのは、
昨日の長身の男だった。
昨日の長身の男だった。
桜木 「あ!」
男、ニヤリ。
「おおっと、桜木花道か。俺もカツ丼を
頼んだんだ。どうやらサービスで大盛りに
してくれたらしい」
頼んだんだ。どうやらサービスで大盛りに
してくれたらしい」
桜木 「オイ1年坊主、その大盛りは俺のだ」
洋平 (ん? もしかしてコイツが噂の新人?)
ザワザワ……。
二人の大男の対峙に、周囲が騒がしくなる。
宮城 「なんだ? 騒がしいな」
カウンターに目を向ける。
「……!!!」
桜木と昨日の男が並んでいる。
ガタッ!!
宮城、席を立つ。
「あのヤロー、何やってやがる」
「あのヤロー、何やってやがる」
洋平、桜木の肩を叩く。
「オイ、花道。お前他にもあるんだから
一旦譲ればいーじゃねえか」
「オイ、花道。お前他にもあるんだから
一旦譲ればいーじゃねえか」
桜木、手を払う。
「ならん! これはおばちゃんが
俺のために作ってくれたんだ」
「ならん! これはおばちゃんが
俺のために作ってくれたんだ」
洋平、呆れ顔。
(ったく…)
(ったく…)
そこに、宮城登場。
「オイオイ。騒がしーぞ、花道。
俺の読書の妨げになるだろうが」
俺の読書の妨げになるだろうが」
長身の男、ニヤリ。
「おっと、今度は理不尽キャプテンの登場か。
読書とはまた似合わない」
読書とはまた似合わない」
宮城 「あ? なんだテメエ、カンケーねえだろ」
ザワザワ……。
さらに周囲が騒がしくなる。
(ちょっとマズイな…)
洋平が前に出た。
「オイ、お前。そのへんにしとけ。
このふたりは血の気が多いからよ」
男 「アンタは少しは賢そうだな」
洋平 「お前、名前は?」
男が答える。
「荒石だ」
「荒石だ」
洋平、続ける。
「アラシ、か…。じゃあ、アラシくん、
悪いことは言わねえ、揉め事はやめな」
「アラシ、か…。じゃあ、アラシくん、
悪いことは言わねえ、揉め事はやめな」
荒石、ニヤリ。
「悪いが、俺はアンタと違って賢くねえんだ」
「悪いが、俺はアンタと違って賢くねえんだ」
ザワザワ……。
宮城、問う。
「お前、なんなんだ。
昨日はなぜバスケ部に来た?」
「お前、なんなんだ。
昨日はなぜバスケ部に来た?」
荒石が返す。
「バスケ? ああ、しょうがなくだよ、
しょうがなく」
しょうがなく」
ピク!
宮城 「しょうがなく?」
荒石、続ける。
「ホントは他の部に入りたかったんだけどよ。
残念ながら、その部がねーんだわ」
「ホントは他の部に入りたかったんだけどよ。
残念ながら、その部がねーんだわ」
桜木 「それよりカツ丼を返せ」
洋平 「それは後でいい」
荒石、さらに続ける。
「バスケなんかじゃ全然物足りねーけどよ、
まあ全国に行くようなチームってならば、
少しは運動になるかと思ってな」
まあ全国に行くようなチームってならば、
少しは運動になるかと思ってな」
宮城 「おい、物足りねーだと? 取り消せや」
荒石 「イチイチ怒ってんなよ、小者だな」
ザワザワ……。
「はぁ…」
荒石、ため息。
「バスケ選手ってのは口喧嘩が好きなのか?
全く軟弱な競技だぜ」
荒石、ため息。
「バスケ選手ってのは口喧嘩が好きなのか?
全く軟弱な競技だぜ」
(軟弱……!!!!!!!)
プチン!!!!!
宮城、叫ぶ。
「テメエ、上等だ!! そこまで言うなら
勝負してやろうか!!! 軟弱だかどうか
試してみやがれ!!!」
勝負してやろうか!!! 軟弱だかどうか
試してみやがれ!!!」
「……!!!!???」
桜木 「勝負…?」
洋平 (こ、この流れは…、一緒だ…)
そして、いつの間にか
集結している桜木軍団。
集結している桜木軍団。
揃ってニヤニヤ顔。
「お…、面白すぎる…!!」
「さすがはバスケ部…!!」
洋平 「……。」
(もしかして、これはバスケ部の伝統なのか?)
(もしかして、これはバスケ部の伝統なのか?)
続く
-
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(275) リメイク版 へのコメント一覧
細かくてすみません、、
宮城 「ん?」
端を止める。←箸ではないでしょうか
ガタッ。