男子バスケットボール日本代表
FIBAアジアカップ予選 強化合宿。
練習ゲーム/第1コート
Aチーム × Eチーム
センターラインを挟み、森重と浜崎が対峙。
残りの8人がサークルを囲うように立つ。
Aチーム
スターティングラインナップ
G / 01. 佐戸 健一(三河M / 179cm / 30歳)
G / 15. 土屋 淳 (千葉B / 192cm / 22歳)
F / 21. 矢野 貴修(新潟C / 201cm / 27歳)
F / 23. 赤木 剛憲(川崎K / 200cm / 22歳)
C / 30. 森重 寛 (青学大・千葉B / 208cm / 20歳)
Eチーム
スターティングラインナップ
G / 03. 沖野 政人(名古屋S / 176cm / 28歳)
G / 11. 三井 寿 (横浜N / 186cm / 22歳)
F / 22. 河田 雅史(川崎K / 200cm / 22歳)
F / 24. 桜木 花道(東京P / 199cm / 19歳)
C / 25. 浜崎 昭典(大阪S / 216cm / 33歳)
A〜Dチームのゲームは1度見ているため、
スタッフ陣は、第1コートに偏っている。
「これはちょっと楽しみなゲームだな」
「なんといっても注目は桜木だ。いまBリーグで
最も目立っている選手といっても過言じゃない」
桜木、ニヤリ。
「ほう、観衆はこっちに集まったか」
三井 「観衆じゃねえし」
河田雅 「コイツと同じチームになると忙しいな」
(突っ込むのが)
「さあ、始めよう」
レフェリーがボールをトス。
バシイイイ!!!!!!!
叩いたのは、森重。
大きく後方に弾く。
浜崎 「…!!」
「おっと、森重だ!!!」
「7フッターのジャマに競り勝ったぞ!!」
ボールをキャッチしたのは、
サークルから下がって陣取っていた佐戸。
浜崎 「ほう、あんなに跳ぶのか」
桜木 「負けてんじゃねえ、ジャマジャマ」
浜崎、ニコリ。
「こりゃ悪かった。ディフェンスで頑張るよ」
桜木、浜崎に軽く肘を入れる。
「オウよ、あんな若造にやられんじゃねえぞ」
三井 「オッケー、オッケー、ディフェンス」
パンパンパンと手を叩く。
河田雅 「……。」
(そうか、全部には突っ込まないのがコツか。
危うく「同い年だろ」と言いそうになった)
佐戸 「よし、一本!!」
人差し指を立ててボールを運ぶ。
キュキュッ!!
Eチームのディフェンスはマンツーマン。
佐戸に沖野、
土屋に三井、
矢野に河田雅、
赤木に桜木、
森重に浜崎。
「ポジション通りのマッチアップだな」
「最初の見どころは、やはりセンターかな」
「最長身のジャマと、大学バスケの怪物の対決だ」
ゴクリ…。
スタッフ陣は息を呑んで見守る。
ワクワクと共に、緊張感がある。
今日のゲームはどうやら普段とは違う。
ここまでの練習及びゲームでそれは分かっている。
だが、
先んじて動きを見せたのは別の場所だった。
キュキュッ!!!!
「おおおおーーーーーー!!!!??」
桜木と赤木、
相撲でもとっているかのような場所取り合戦。
休憩中のDチームも思わず注目。
深津 「激しいピョン」
花形 「赤木と桜木か」
杉山 「リーグでもやり合ってたよな、アイツら」
好ポジションを得ようとする赤木、
入れさせまいと立ちふさがる桜木。
体がぶつかり、腕が絡まる。
『ピピピッ!!!!』
レフェリーが慌てて止める。
「待て待て待て、どっちもファウルだ!」
「気合いが入るのはいいが、反則はダメだ!」
桜木 「ぬ」
赤木 「分かりました」
この様子を眺めながら、大浜はニヤリ。
「それでいいんだ、戦え」
ゲームが止まった第1コート。
そのとき、隣からどよめき。
「おおおおおーーーーーーー!!!!!!!」
「…!!?」
振り返る、Dチームメンバー。
Cチームの選手が手を叩いている。
「オッケー、仙道!!!!!」
「ナイスブロック!!!!!」
花形 「ブロック? 仙道か」
杉山 「何があった?」
神が牧に手を伸ばし、引き起こしている。
どうやらブロックを浴びたのは牧のようだ。
花形 「牧が…!?」
深津 「…」
牧、立ちあがり自分の尻をパンパンとはたく。
「最初からやってくれるわ」
すかさずコート外の樽瀬から声がかかる。
「牧! いまのタイミングじゃダメだ。国際試合で
ノーマークのゴール下などほぼないと思え!」
牧 「はい」
樽瀬 「よし、仕切り直して一本!!」
「樽瀬と牧を同じチームにした狙いはこれかな」
「次世代の司令塔を、NBA経験者の樽瀬が指導か」
「大浜さんも色々考えたもんだな」
樽瀬 (国際試合で、か…)
自分が発した言葉に、思わず苦笑い。
(仙道は国際試合クラスのディフェンスだったと
言ったようなもんだな、これ…)
ザシュ!!!!!
第1コートは、佐戸のスリーポイントで幕開け。
ゴール下の争いが注目を集めるなか、
ポイントガードが涼しい顔で冷静に射貫く。
「おおおおーーー!! さすが!!!」
「佐戸健一、あのあたりは抜け目がない!」
大浜、ニヤリ。
「アレが佐戸だ。イサキは、アイツがもうひとりの
監督だったようなもんだからな」
続く、Eチームの攻撃、
さっそく桜木が吠える。
「獲られたら獲り返す、パーーッス!!!!」
ローポスト。
赤木を背負い、ボールを要求する。
瞬間、浜崎がハイポストに入る。
「へい、こっち!!」
ビッ!!
沖野から、その浜崎にボールが入る。
「中に入れた!!!」
「ハイとローに並んでるぞ!!!」
だが、浜崎には森重が激しいプレッシャー。
キュキュッ!!!
ゴールからはやや離れた位置だが、
パスもシュートも許さないという守備。
「あの森重が、あの位置であんな守備を…」
「やはり全員に火がついている」
桜木 「コラア! 捕まるなジャマジャマ!!」
浜崎 「うるせえなあ」
ビッ!!
浜崎、外にボールを戻す。
そして、ゴール下の赤木にスクリーン。
桜木へのディフェンスを剥がしにかかる。
「ほれ、お前が行けよ」
「おっと、ダウンスクリーン!!」
「今度は桜木がハイポに来るぞ!!」
桜木、場所を移す。
「よーーっし、こっちだ!!!」
が、
パスは来なかった。
外でボールを受け取ったのは、三井。
河田雅との連係でフリーになっていた。
土屋 (しもた…!)
桜木 「ああ…!!!」
ビッ!!!!
三井、スリーポイントシュート。
三井、ニヤリ。
「騒ぐなよ、桜木」
ザシュ!!!!!
三井 「この音が聴こえねえからよ」
「おおおおーーーーーー!!!! 三井!!!」
「佐戸のスリーに、スリーでお返し!!!」
「一本目からキッチリ決めた! これは大きい」
佐戸 「ほお…」
三井 「獲り返すなら、同じ点数のほうがいい」
佐戸 「そりゃその通りだ」
「さらに、ミスターに言い返した」
「図太さも一級品か」
「その手前の河田の動きもよかったぞ」
「ああ、あのスクリーンで三井がフリーになった。
本当に何でもできる男なんだな、彼は」
「主役にも脇役にもなれる。代表チームには
うってつけのプレイヤーといえるだろう」
スタッフ陣が三井と河田雅に感心するなか、
またもや隣のコートから声が上がる。
「おおおおおーーーーーーーー!!!!!」
「…!!?」
「仙道のスリー!!!」
「あの森尾をオトリに使った…!!?」
苦笑いの森尾、手を差し出す。
「おいおい、オレ完全に空いてたぜ。
いまのはパスくれてもいいだろ」
パチン!!
仙道がその手を叩く。
「ま、入ったからオッケーで」
桜木 「ぬ…」
パンパンパン!!!!
キャプテン・桜木、手を叩く。
「客の注目を渡すな!! 気合い入れろ!!」
河田雅 「別にそういう戦いじゃないぞ」
浜崎 「騒がしいキャプテンだ」
「仙道もちょっと熱くなってるかな」
「目立ってますね」
「さっきは森重も結構激しかったし」
「普段、静かなタイプも今日はそうじゃない」
大浜 「おう、感情むき出しでやってくれ」
(戦いってのはそういうもんだ)
その直後、
ゴール下で桜木と赤木がまたもや交錯。
『ピピーーーーッ!!!!!!!』
『ファウル!! E24番(桜木)』
赤木のゴール下のアタックへの守備だった。
空中での肉弾戦はファウルに。
激しい接触だったが、どちらも倒れなかった。
尻を突いたら負けとばかりに踏ん張った。
「………。」
体勢を立て直した両者が睨み合う。
桜木、ニヤリ。
「オウ」
コブシを差し出す。
ゴツン!!
赤木がコブシをぶつける。
桜木 「戦場だよな」
赤木 「戦場だ」
試合開始から3分後、
両者は初めて言葉を交わした。
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1287) へのコメント一覧
このレベルになると完全無欠な選手はいないですね。
Kさんいつもありがとうございます!
日本代表合宿が繰り広げられる中、三井&花道のチームと赤木のチームが激突!三井と赤木の試合はKの部屋初なのでは!Kさんこの展開やばいっす!
ジャンプボールはジャマさんから森重が競り勝ち佐戸さんがキャッチ。キーとなるのは、天才三井VSオールラウンダーの土屋の位置と先輩後輩の闘いの桜木VS赤木と予想。
早速キングコングの対決の中、涼しげに佐戸さんがスリーを沈めるが、負けじと三井がスリーで返しました!更に、隣のコートではあの牧さんを仙道さんがブロックし、モーリを囮にスリーを決めた〜!
なんでもそつなく高いレベルでこなす河田雅史。浜崎さんとも負けずやり合う森重。ゴール下はほんと戦場です!
相変わらず、コートの中でもうるさい花道、森尾さんを囮に使うせんさんに笑いました笑
代表決定戦は始まったばかり。三井&河田のコンビプレイや土屋のプレイやベテランのプレイなど、牧&神の最強コンビに絡む樽瀬をどうとめるか?藤真さん仙道さんのコンビプレイなど楽しみなことばかりです!最後の桜木と赤木の拳をぶつけたところ涙が出ました!
白熱した戦いを楽しみにしています!
ようやく、桜木の出番がやってきたかと思ったら
最初の試合では、全く触れられなかった仙道が、どうやら、“お目覚め”のご様子
同世代だけじゃなく、上と比べても、少なくとも、頭ひとつは抜けているようだ
桜木も、コレに続きたいところだろうが、相手が赤木となると、そうは簡単に譲ってはくれないし
森重だって、マッチアップの相手ではないにせよ、意識はしまくっているだろう
となると、日本代表のスタッフ陣から、
『何でもできる』
と高い評価を得た(更に、桜木への“ツッコミ”のコツまで、掴みつつある)河田兄が、“第二司令塔”というポジションを確立して、代表入りに一歩前進といったところか
まあ、桜木もただでは終わらないとは思うが、熱くなり過ぎて、久々に、“退場王”の称号を戴冠することだけは、勘弁願いたい
感慨深い。日本を背負って行くんですもんね!!!
そして、仙道、雅史、三井は、代表確定な予感ですね。
今回も最高でした!
代表確定か!
ここに仙道森重樽瀬森尾を足せば史上最強
サイズ考えたらミキオも入れたいところだが
なんとなくですが。
Kさんがおもしろいと思うもの
Kさんのペースで勝手に考え続けてください!
次の更新も楽しみにしています。
毎日でも更新してほしいのが本音ですが
バガボンドやハンターハンターみたいになるのがいちばん困る....
アメリカにいるカマラは大喜びで、流川は「来るなら来てみろ、どあほう」な感じですかね。
自分的には清田が下剋上を起こして代表候補に入るのが見たいです。
あと、アジアカップでは流川がいないから赤木、三井が落選して
桜木だけ代表入りして赤木、三井がこれまで以上に練習に身が入るとかだったら面白そう。まぁ、さすがに桜木は仙道と並んでキャプテンしてるし
怪我でもしなかったら代表入りは確定でしょ
嫌いじゃない
次への布石の回
嫌いじゃない
こういう回があってこそ
今後がおもしろくなる
赤木三井ときて桜木のプレイの幅を広げてくれる懐の深さすら感じる
代表には欠かせない
愚問だったな。
両試合とも目が離せへんで!
要チェックや!!
ホントそれね
話が進まないとか文句言うやついるけどこういう、元代表vs新世代とかそれをMIXした代表選考試合なんてめちゃくちゃおもしろい
バックボーン的な話がなくていきなり国際試合とかなっても意味わからんてなるのが普通ですよね
河田は桜木の取り扱いについて勉強中(*^▽^*)
続き楽しみです!!
完全に同意。
読み返したときに厚みが変わる。
単発ホームランだけ見てもつまらない。
満塁ホームランのためにも打者をためていかねば
そりゃ、よくよく考えたら、河田はガード〜センターまで全部やってるからなあ。明確に言われてないのシューターぐらいだし。それでもミドル以上高校からあったからね。