グループB 日本×チャイニーズ・タイペイ
1stクォーター 1分20秒
JPN 8
TPE 0
日本、怒涛の連続得点。
森重・仙道に続く得点は、
ミスター・バスケットボールこと、佐戸健一。
道谷《日本代表、最高のスタートダッシュです!》
塚本《ここで佐戸君の得点、大きいですねえ!!》
観衆は総立ち。
「うおおおおおおーーーーー!!!!!!」
「強ええええ!!! 日本代表、強ええええ!!」
「どこからでも点が獲れる! 台湾を圧倒だ!!」
パンパンパン!!!!
佐戸、手を叩く。
「さあ、ディフェンス!!!!!」
「オウ!!!!!!」
ディフェンス陣の最前線に立つ、佐戸。
コート上で唯一のベテラン選手の、その背中から
力強く、そして熱いメッセージが伝わってくる。
ーー 絶対に勝つ
ビッ! ビッ!!
台湾、アウトサイドでボールを回す。
キュキュッ!!!
日本、ガード陣だろうがビッグマンだろうが、
誰がボールを持ってもシュートチェックに出る。
まだ試合開始から90秒しか経過していないが、
接戦の終盤のような激しいディフェンスを続ける。
ビッ! ビッ!
台湾、ボールを回すが、チャンスを作れない。
ショットクロックがただただ数字を減らしていく。
道谷《攻めあぐねています、台湾》
塚本《これは日本の守備が完全に効いていますよ》
レジェンド・岡浜は感心の表情。
《台湾はタイムアウトで、外から撃っていく作戦を
授けていたんじゃないでしょうか。今日の試合は、
インサイドでは日本の方に分がありそうですから》
道谷《しかし、このディフェンスです》
塚本《日本は相手の策を読み切ってましたね》
バッシイイイ!!!!!
トップから45度へのパスに、仙道が手を伸ばす。
「おおおおおおーーーーーーーーー!!!!!!」
ガタッ!!!
彦一 「仙道さん!!!!」
台湾、郭(クゥ)源治がすぐさま拾うが、
そこに日本のダブルチームが襲い掛かる。
キュキュッ!!!
道谷《佐戸と仙道で挟んだ!!!!》
町田 「おおおお!!! 旧・イサキコンビ!!」
弥生 「獲れるわよ、これ!!!」
そこに25人の声。
森尾 「逃がすな!!!」
宮ノ腹 「プレッシャーかけろ!!!」
キュッ!! キュキュッ!!
郭源、守備に圧されながらも、背中を当てつつ
ピボットを繰り返し、なんとかボールをキープ。
いまにもボールを落としそうな状態。
「おおおおおーーーーーーーー!!!!!!」
轟音のような日本の声援、そして要求。
「5秒だ、5秒行ける!!!」
「獲れるぞ!!!!」
ここで佐戸、一瞬、日本のゴールに目を向ける。
桜木と目が合う。
桜木 「…!!」
郭源、ここで強引なドリブル。
肩をぶつけ、ファウル覚悟で突破を試みる。
ダム!!!!!
押された佐戸が体勢を崩す。
天崎 「押した!!」
須形 「ファウルだ!!!」
笛は鳴らない。
「おいおいおい…!!!!!!」
「なんで…!!!?」
ビッ!!!
郭源は、このワンドリブルで佐戸が離れた瞬間、
インサイドへ強引にボールを放る。
佐戸 「残念」
郭源 「…!?」
バッシイイイイ!!!!!!!!
道谷《桜木が獲ったああああーーーーー!!!!》
ガタッ!!
台湾ベンチ、立ち上がる。
『なんだと…!!?』
「うおおおおおおーーーーーー!!!!!!」
「桜木!!!!!!!」
ダダッ!!!
瞬間、仙道が走る。
ビッ!!!
桜木、ボールを放り、吠える。
「オラアア!!! 行け、センドーーーー!!!」
洋平 「おお、花道からセンドー!!」
野間 「おおお……!!!!!」
ガッシイイ!!!!
台湾ディフェンス、たまらず手を出す。
『ピピーーーーッ!!!!!!』
ファウルで止める。
道谷《ここは台湾、ファウルで止めました》
塚本《いやあ、台湾はナイスファウルかな》
木暮 「躊躇なく止めに行ったな」
彩子 「ファウルも作戦のひとつになってますね」
木暮 「ああ、このレベルならば当然のことだ」
晴子 「はぁ…」
(なんだか、ついていけなくなってきたわ…)
佐戸、桜木に声をかける。
「おう、よく獲ったな」
桜木 「なんか合図みたいなのあったからな」
佐戸 「目が合っただけだぜ」
桜木 「天才だから分かる」
先ほどの攻防、
佐戸は台湾に敢えてパスコースを与えた。
守備隊形から、桜木の狙いが見えたからだ。
佐戸 (アイツはわざとパスコースを空けていた)
5秒も狙えたシチュエーションだっただけに、
ややチャレンジングなやり方だったといえるが、
桜木の狙いに賭けてみた。
結果、見事に桜木はボールを奪取して見せた。
「フッ…」
佐戸、目を瞑り、少し笑って息を吐く。
(桜木花道、まだまだキャリアは浅いものの、
どうやら勝負どころで抜群の嗅覚があるらしい)
「痛てて…」
腰をトントンと叩きながら仙道がボールを拾う。
佐戸 (お前が買うわけだ)
一方、桜木もまた、狙い通りに相手のパスを
誘導した佐戸に、自分にないものを感じていた。
桜木 (ミスターか…)
道谷《日本のスローインから試合再開です》
塚本《このオフェンス、決めれば二桁点差ですよ》
ダム!!!
佐戸がドリブルで仕掛ける。
「行った…!!!!!!」
「佐戸!!!!!!」
キュッ!!
瞬間、仙道がハイポストに飛び込む。
「……!!!!!!!」
ビッ!!!
佐戸、ドリブルの体勢からノールックパス。
これが仙道に渡る。
「おおおーーーーー!!!!」
バチン!!!
仙道が弾くようにゴール下に落とす。
「おおおおおおーーーーー!!!!!」
バス!!!!!
完璧なポジションで受けた森重がねじ込む。
「おおおおおおおおおーーーーー!!!!!!」
ボールが動くたびに、歓声。
その声は3段階にボリュームを上げ、
最後は全員のガッツポーズに。
「決まったあああああーーーーー!!!!!!」
「いまのはイイ!!! めちゃくちゃイイ!!!」
1stクォーター 2分
JPN 10
TPE 0
天崎 「すげえカッコいい…」
荒石 「ああ、気持ちよすぎるぜ」
道谷《素晴らしい攻撃が出ました!!!》
塚本《いやああああ、いまのは美しい!!!!》
道谷《日本の勢いが止まりません!!!》
岡浜《若手主体のスタメン、大成功ですね》
道谷《黄金世代が躍動しています!!!》
日本が二桁得点に乗せる。
台湾はいまだ無得点。
町田 「この上ないスタートだ」
彦一 「これ、すごい試合になるんじゃ…」
続く、日本のディフェンス。
バッシイイイイ!!!!!!!
今度は河田雅の手がボールを弾く。
「おおおおおお!!!!!!!!!!」
「また獲った…!!!?」
が、
このルーズボールは、台湾ボールに。
河田雅の手に当たった後、山なりに浮き、
そのままコーナーの郭(クゥ)泰源へ。
道谷《ああっと、ボールはまだ台湾です!》
塚本《これはアンラッキー…!》
ザシュ!!!!
フリーになった郭泰は、このコーナーからの
スリーポイントをしっかりと決めて見せた。
1stクォーター 2分20秒
JPN 10
TPE 3
「ああああ、やられた…!!!」
「ずっと止めてたのに…!」
「いまのはちょっと運が悪かったか…!」
道谷《台湾、初得点です》
岡浜《これで台湾も少し落ち着くかもしれません》
すかさず25人が吠える。
「次だ、次!! 決め返せば同じだぞ!!!」
「集中、集中!!! 決めるぞ!!!!」
「一本!!!!!!!!」
そして、
コートの5人は、
その声に呼応して見せる。
ザシュ!!!!!!
道谷《河田のスリーーーーーーーー!!!!!》
塚本《来ましたねえええええーーー!!!!!》
1stクォーター 2分30秒
JPN 13
TPE 3
台湾がスリーポイントを決めた直後だった。
帳消しにせんばかりの河田雅の一撃。
「おおおおおーーーーーーー!!!!!!」
10秒前に一度静まった観衆が再び爆発。
両手を挙げて立ち上がる。
「うわああああ!!! すげえところで!!!」
「河田、味方ながら恐ろしい!!!!!」
「これ、台湾にとっては死ぬほど痛いだろ!!!」
河田雅、コブシを握り吠える。
「おおおおおおおおおーーーーー!!!!!!」
そして、仙道の手を叩く。
バチン!!!!!!
河田雅 「ナイスパス!!」
仙道 「どうも」
町田 「また仙道のアシストだよ」
弥生 「PGは佐戸さんだけど、ダブル司令塔ね」
先ほどの一本、日本は一度森重にボールを入れて
守備を収縮させ、そこからパスアウト。
これをトップで受けた仙道は、一度ドリブルを
仕掛けるモーションを見せたあと、コーナーの
河田雅に矢のようなパスを送ったのだった。
彦一 「魔法や!!! 魔法のパスや!!!」
(本物や、やっぱり仙道さんは本物のスターや。
田岡さん、見てますか。仙道さんは日本代表の
ユニフォームを着てもこの活躍ですよ…!!)
日本ベンチのスタッフ陣、胸の鼓動が収まらない。
「凄いぞ、この代表チームは本当に凄い!!」
「相手が初得点を記録した直後に、同じスリーで
取り返すなんて、なんとふてぶてしいプレイだ」
「今日は歴史的な船出になるぞ!!!」
大浜、ここで静かに問う。
「このまま日本のペースで圧倒する予感か?」
スタッフ陣、コブシを握る。
「これは行くでしょう!!」
「どちらが勝つ日か、それを示した一本ですよ!」
大浜、苦笑い。
「まあ、そうなりゃいいけどな」
「………。」
「大浜さん…?」
そして続ける。
「そうなってくれねえから、
俺たちはずっと負けてきたんだ」
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1294) へのコメント一覧
彦一が田岡先生じゃなくて田岡さんになっとるところは大人になったからかな??
リアルだわ!
ありがとうございます!
更新ありがとうございます。
毎回ワクワクしながら読ませてもらってます。
今回の内容、何回も読み直しました。
希望をいえば週一ではみたいです。物凄くいい内容なので待てません。
また次回の更新楽しみながら待ってます。
スロースターターな感じなのか??
楽しみだな!
いつも楽しみにしてます!!
でも新日本代表は今までとは違う!
このまま圧勝だ!
そして桜木と仙道が同じチームって滅茶苦茶胸熱!
オモロー。。
そして大浜の頼もしさ。
相手選手が新キャラの日本代表の試合をここまで面白くかけるKさん本当さすがすぎます…
Kさんのブログに出会ってから14年くらい?
大学生の頃から見てます!
何度も何度も読み返しましたが、まだまだ毎週続きが気になります!
ずっと応援してますので、これからもお体に気を付けて更新よろしくお願いします!!
おおはまさん、何言ってんですか!
あんたがそんなんじゃ駄目でしょ!
選手たちよ、150点ゲームで、蹴散らしてやって!
とはいえ、そりゃまあ、このまま終わるわけないよなぁ
彦一の「見てますか」がなんか亡くなった人相手のようでちょっと笑ってしまいましたw
国際試合での経験の多さや勝ち方を知っているのは日本より台湾なのでここから巻き返してきそうですね。
待ってました!!
Kさんいつもありがとうございます!
待ちくたびれましたよ笑
佐戸さんが指示を出し、相手オフェンスをとめ、仙道さん→雅史と繋ぎ我らがキャプテン佐戸さんが決め8点リードの日本!
ディフェンスでも、ポジション関係なしにとめ、佐戸さんと仙道さんのイサキのダブルチーム!
ここでミスターから花道へ視線が飛び、相手がパスをしたところ花道がボールを奪い、仙道から森重への高速パスで決めました〜!良いぞ〜!
さらに、相手にスリーを決められるが、返しに雅史がスリーを決め10点リードに広げました!
日本代表ほんとにすごいが、最後の大浜監督の言葉が気になる‥‥
だが、仙道、花道が揃っている中で相手に策はあるのか?
イサキコンビと仙道&花道のコンビが凄すぎてメガネさんみたいに泣きっぱなしです。この後の、森尾さんや樽瀬のプレーなどももっと見たい!
日本代表頑張れ〜!
これは、罠か?
これを打開出来る選手が居なかったから、負けていたと考えると、佐戸や森尾が突破口を開くのでは無く、仙道や桜木、河田兄らの力が、大きく作用するか?
台湾に苦戦してるぐらいだと中国には勝機ないな😅
谷沢、見ているか?
の安西をオマージュさせるね。
とゆーことは田岡は、、、
「仙道・・・。」
ご自身のペースで楽しんで書いてください
好きです、このブログ♥
はたまた大浜監督の想像をこえた活躍を黄金世代が魅せるのか
楽しみです。
🙋♂️
となると、今度こそ、選手交代となるのかな?
日本に縁のある選手で、実力者と言えば
日本ハムと巨人でプレーした 陽 岱鋼(ヨウ・ダイカン)
日本では、主に、中日などでプレーし、メジャーリーグでの経験もある 陳 偉殷(チェン・ウェイン)
の二人といったところになるんだろうけど
ひょっとすると、台湾人メジャーリーガーとして、史上最高の成績を持ち、現役バリバリでもある 張 育成(ジャン・ユーチェン)
あたりをぶっ込んでくるなんてこともあり得るのかも
今のところ、中でも、外でも、日本が優位に立っているだけに、本気で来るのであれば、コレくらいやってきてもらいたいし
その本気の台湾に、新生日本代表が真正面からぶつかり合って、打ち破ってほしい
きっと、黄金世代が加わった今の日本代表であれば、十分、それは可能なはずだ
いつも楽しみに待っております!
無理ない範囲でこれからもよろしくお願いいたします🙇
俺たちはずっと負けてきたんだ」
「だから、お前たちを呼んだ」
ふたりの男「待ちくたびれましたよ」
(本人の前で言っちゃった)
大浜「頼んだぞ!木暮、宮益」
読者の2割くらい同じこと思ってそう笑
(なんだか、ついていけなくなってきたわ…)
怪我は定期で草
14年間読んでるんですか?
なぜそこまで…
桜木の成長にびっくりしました。諸星みたくワザとパスコースを開けるなんて😆
相手にも流れが行きそうですが、バンバンメンバーを入れ替えてスカ勝ちしてくれぇ〜😆
単純にミスでは?
学生時代の恩師に社会人になってから会ったら、先生呼びするでしょ
この場合だと、監督呼びでもいいけど
大浜さんの予想を遥かに超える、黄金世代&ベテラン勢の融合で圧倒的に乗り越えてくれると信じてます!
お忙しい中更新ありがとうございます。
懲りないなぁ
むしろ尊敬に値するわ
遅いなあ。
一話前にもう予想は出てるんですよねえ。
残念。
好きだからに決まってる。
わざわざ否定的なコメントする意味が分からん
大浜監督も改めて黄金世代のポテンシャルの高さを再認識するのではないだろうか。
習慣?ジャンプみたいなものオラもなんだかんだ10年は過ぎてる(笑)
韓国、イラン、サウジとアジア独特の泥臭さというか勝つためには何でもするという姿勢が日本にはなかったからかなぁ。
スポーツとしては日本が正解とは思うが(笑)
そういう意味で言えば今回の闘争心をテーマに戦う日本代表がドーハ後の日本とかぶる
待っていました。花道と佐古のやり取り、しびれました。花道から仙道のパスも良かったです。良い流れからどうなるか、大浜監督の予感も気になります。
単純に驚いてるだけでは?
厳しいな
諦めたらそこで試合終了ですよ
良かったです♪
まさか体調崩したのでは、、
なんてネガティブな心配をしてしまいました。
お仕事が忙しいだけで良かった、、
大浜監督のコメント気になりますね、、
今回のパリ五輪の各国の試合でも感じましたが、
試合に絶対は無いですよね、、
アメリカでさえ危ない時間帯が、
ちょいちょいありましたし、
正直怪我ピンチは飽きた。
スタメンじゃない方で何かおこってほしいなあ。2ndと3rdで拮抗演出のラストはスタメンでトドメといこうや。
尊敬してくれたまえ
その通りだぜぇ〜
田岡さんに違和感あります
大人になっても田岡監督と呼んだ方が違和感ないです
今まで、“実力”で負けてたんだから、今回は、その実力で上回らないと意味ないやん