グループB 日本×チャイニーズ・タイペイ
1stクォーター 2分30秒
JPN 13
TPE 3
「来たああああーーーーーー!!!!!!」
「河田!!!!!!!!!!!」
道谷《河田雅史、ここでスリーポイント!!》
塚本《これは大きい!!!!》
岡浜《いやあ、素晴らしいですねえ》
いよいよ盛り上がる観客席と放送席。
お馴染み、道谷の興奮実況にも拍車がかかる。
《相手がスリーを決めた直後です! 間違いなく、
台湾にとってはダメージ大の一撃でしょう!!
日本、押しています! 台湾を圧倒しています!》
一方、日本ベンチの大浜は腕組み。
「このまま押し切れるならば、楽なんだがな…」
チームの将の不気味につぶやきに、
大騒ぎだったスタッフ陣が沈黙。
「……。」
「大浜さん…」
(なんなんだ!? 完全に押してるじゃないか)
(何か不安要素でもあるっていうのか…?)
続く、台湾の攻撃。
ガン!!
ミドルシュートが外れる。
佐戸の指示が、引き続き生きた。
あらゆる外角シュートに対してしっかり出る日本、
台湾に撃たせたタフショットはリングに弾かれた。
「よーーーーーーっし!!!!!!」
「ナイスディフェンス!!!!」
ガシイイ!!!!!
ゴール下、
桜木・森重がすぐさまスクリーンアウト。
ビッグマンとは思えない持ち前のスピードで
場所取り合戦を制す。
彦一、コブシを握る。
(オッケー、リバウンドはこっちのモンや!!)
が、
ボールは、予想外に跳ねた。
「……!!!!」
桜木たちの頭上を越え、大きく外へ。
バッチイイ!!!!
両軍選手の手が伸びる。再び弾かれる。
このボールが、
先ほどスリーポイントシュートを
決めた郭(クゥ)泰源の位置へ。
彦一 「え…!?」
弥生 「また…!!??」
(さっきも河田君が弾いたボールがあの位置に…)
日本ベンチ、スタッフ陣が息を呑む。
「ちょ…、ちょっと待て…!!」
「なんで…!!」
ザシュ!!!!!
1stクォーター 2分50秒
JPN 13
TPE 6
「ああああああーーーーー!!!!!!!」
「やられた…!!!!!」
台湾ベンチ、ガッツポーズ。
『よーーーっし、オッケーーーーー!!!!!』
『よく決めた!!!』
道谷《いやあ、これはまたもやアンラッキーか…》
塚本《うーん、》
大浜、苦笑い。
「ふぅ…、やれやれ」
杉山 「クソ…、ついてない…」
森尾 「そう思うか?」
杉山 「…?」
森尾、大浜と同じように苦笑い。
「ああいう運の要素も含めて、すべてが勝負なんだ。
あのルーズボールがどっちに転がるか、えてして
今日勝つ側のチームに行くもんなんだよな…」
「………。」
佐戸 「厄介なゲームになりそうだな…」
汗をぬぐう。
「なーんか、随分印象変わっちまったな」
「え…?」
天崎家。
テレビの前で腕組みの荒石。
「ちょっと前のスコアは、10-0だったんだよな。
ケッコーなリードに感じたもんだ、あの瞬間は」
須形 「はい」
千種 「私もそう思いました」
荒石 「いまは13-6だ。大した差には見えねえ」
天崎 「あ…」
須形 「たしかに……」
荒石、画面に映る台湾メンバーの顔を見る。
「もうすっかり焦りはなくなっちまってるぜ。
試合前の、やけに落ち着いた嫌な感じの顔だ」
「………。」
さらに、
「ラッキーな面も多分にあったと思うけどよ、
結果的としては、相手は狙い通りにスリーを
決めてんだよな、しかも立て続けに」
須形 「ちょ…、やめてくださいよ」
天崎 「お前の分析、怖いんだよ」
パンパンパン!!!!
日本の攻撃を迎え撃つ台湾メンバーが手を叩く。
『さあ、止めるぞ!!』
『ディフェンス、しっかり!!』
日本ベンチ、
スタッフ陣が不安な表情に。
「ああ…、相手が生き返った…」
「これが国際試合の怖さなのか…」
―― 国際試合の怖さ
その言葉を証明するかのように、
ここからしばらくゲームは拮抗した。
互いに連続得点がなくなり、7点前後の差が
保たれたまま、時間が進んでいく。
1stクォーター 残り3分
JPN 19
TPE 12
道谷、問う。
《塚本さん、少し展開が落ち着いたでしょうか》
塚本、返す。
《そうですねえ、台湾から見れば「波が止んだ」
ような状態かもしれませんね。序盤の猛攻には
かなり面喰らっていたでしょうから》
町田 「うーん、出だしは完璧だったんだけど」
弥生 「ちょっと勢いが止まったかしら」
彦一 「……。」
(なんでや…、なんでこうなるんや…。
あんなにいいプレイが続いとったのに…)
ベンチ裏、ベテラン勢の顔が曇り始めてきた。
与野 「これだ、こういうことがあるんだ…」
浜崎 「上手くいかせてもらえないもんだな」
ガタッ!!!
「なーに言ってやがる!!」
与野・浜崎 「…?」
三井が立ち上がっていた。
そして、コートに向かって吠える。
「オラア!! 最初の勢いはどうしたよ!!!
落ち着いてんじゃねえ! 闘争心はどうした!
ねえなら俺と代われ、バカヤロー!!!」
桜木 「ぬ!」
さらに、赤木も吠える。
「戦え!! 戦うんだ!!!」
大浜 「ほう」
(そう来たか、若えの)
ビッ!!!!
コートでは、佐戸のスリーポイントシュート。
観衆が叫ぶ。
「ここで佐戸だ!!!!!!」
「来い!!!!!!」
「来おおおーーーーーい!!!!!!!!」
ガン!!!!!!!!!
道谷《うーん、来ません!!!!》
塚本《形は悪くないんですが…!!》
次の瞬間、
桜木が舞う。
「トーソーシン!!!!!!!!」
ガッシイイ!!!!!!
空中の肉弾戦で、相手を吹き飛ばしながら
リバウンドをもぎ取る。
「おおおおおおおーーーーーーーーー!!!!」
「出た!!!!!!!!!」
「桜木!!!!!!!!!」
激しい当たりだったが、ホイッスルは鳴らない。
道谷《日本、オフェンスリバウンド!!!》
岡浜《よく獲りました!》
塚本《さあ、もう一度チャンスですよ!!!》
桜木 「外してんじゃねえぞ、ミスター!!」
佐戸 「…!」
ビッ!!!
桜木、ボールを外に出す。
仙道が受ける。
「仙道だ!!!!」
「撃てええええええーーーーー!!!!!!」
桜木 「決めろ!! センドー!!」
ダム!!
仙道、シュートモーションからドリブル開始。
「…!!!!」
「ドライブか!!!!!」
桜木 「…!」
何かを感じ取る。
ビッ!!!!
仙道、ワンドリブルからゴール下へパス。
「いや、パスだ!!」
「ノールック!!!!」
桜木へ。
仙道 (お前が決めな)
彩子 「リターンパス!!」
木暮 「ここで仙道-桜木コンビ!!!!」
その一瞬、仙道のワンドリブルによって
台湾ディフェンスの位置取りがずれていた。
そこにボールが放り込まれる。
桜木は、相手守備の背後でボールを受けた。
杉山 「…!!」
(ボールが来るのを分かってたのか…!)
森尾 (桜木…!)
佐戸 (アイツ…!!)
道谷《ゴール下、桜木!!!!!!》
塚本《おおおおお…!!!!!!!》
晴子 「桜木君!!!!!!!!!!」
ガタッ!!!!!
赤木・三井 「行けええええーーーーー!!!!」
桜木 「喰らえ!!!!!!」
クイッ!!!
フェイク。
「……!!!!!!!!!!!!」
台湾センター・呂(ルゥ)明賜が跳んでいた。
放送席、岡浜が思わず唸る。
「上手い…!!!!」
ガシイイイイイ!!!!!!!!!!
桜木、呂と交錯しながらのシュート。
「フンガアアアアアアーーーー!!!!!!」
バス!!!!!!!!
1stクォーター 残り2分45秒
JPN 21
TPE 12
「来たあああああーーーーーー!!!!!」
「バスケットカウント・ワンスローーーー!!!」
観客席が、記者席が、放送席が、
そして、日本ベンチとベンチ裏が、
いっせいに両手を挙げて立ち上がった。
「うおおおおおおーーーーーー!!!!!!!!」
「桜木!!!!!!!!!!!!!」
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1295) へのコメント一覧
【おまえが決めな】っていいね!
オカルトチックなのいらんな
勝つチームにボールがだの
単についてないでいい
パスが欲しければお前が動け
みたいなことを言われ、それからは流川からもオフボールの動きさえちゃんとしてればパスが入るという考えに変わっていった記憶がある。
あの時が懐かしい。高3のインターハイ編が楽しみだ。
>えてして今日勝つ側のチームに行くもんなんだよな
スポーツあるある過ぎるww
こういうの大好き!
最高すぎる涙
でも、花道が決めた方が良い流れになる事も理解してる。
花道も直感なりに、
仙道のパスを受ける動きをしている。
あの練習試合から何度も闘い、
時に神奈川代表で共闘し、
今は日本代表のチームメイト。楽し
来週は闘争心をもって仕事に励めそうです
うおおおおおおおお
すげーわかる。なんか冷めるんよな。
今で言う、エンドワンでOK?
選抜の時に仙道にゆわれたのを今は誰よりも早く実績できてるし最高ですね!
これからもゆっくりでも更新楽しみにしています!
ガチスポーツのことはよく分からないよね
自分も文化部なんで同意見です
スポーツやってるとそう思いたくなる時があるんですよねぇ。
たぶん経験者ならだれしも感じたことがあるかと。
そうかな?それがあるから
桜木のプレイに意味があると思うが。
Kさんの、長年の週末のこの努力がどれだけ凄いことか。
これからもよろしくお願い致します!
そろそろ、湘北5人での日本代表揃い踏み、見たいです!
待ってますよ!大舞台で!宮城と流川の成長も見たい!
ですよねー。
球技のあるあるなんですよねー。
花道の中で負け癖ついた老害認定されたか?w
大浜にしても肝が据わってないのが不安要素だな
それに応える桜木もスゴイ
すごすぎる
Kさんいつもありがとうございます!
雅史がスリーを決め10点リードの日本代表。佐戸さんが束ね、黄金世代の4人が決める、この展開最高です。
だが大浜監督が予想する中、佐戸が攻め相手を外させる、花道&森重がスクリーンアウトで相手を抑えるが、運悪く、相手がとりスリーを沈める。
この状況を明利の盾荒石が冷静に分析し、それに驚く天崎と須形。荒石の解説や分析凄い好きで、わかりやすくて良いっす!
荒石の予想どおり、日本の波がやみ、台湾が押し寄せるが三井と赤木が檄を飛ばし、それを受けた花道がリバウンドをむしりとる!
花道から仙道にボールが渡り、ノールックで再び仙道から上手い位置に入った花道がリョーチン直伝のフェイクをおりまぜバスカンを奪いました!
センさん&花道のコンビプレイきた〜!高2国体のときを思い出し涙がとまらない。
このメンバーを冷静に分析する荒石と檄を飛ばす三井&赤木に、それに応える天才コンビ花道&仙道さん。流石神奈川勢は骨のあるやつばかりっす!
いつか、仙道・三井・花道・荒石・赤木のようなチームも見てみたい。
日本代表頑張れ〜!
を思い出したぜ
そんな迷信じみたものに負けねらんねェよ!
なぁリョータ!!!
かつて、高校絶対王者の山王に対して
『オレたちゃ 悪者か』
と言い放っただけはある
格上だろうが、何だろうが
目の前に立ちはだかる相手は、倒すのみ
それにしても、仙道の頼もしさといったら
今までは、今ひとつ、チームメイトに恵まれていなかったが
この日本代表には、出会った時から
『面白い奴』
と、他のチームの選手や監督の中では、誰よりも早く買っていた桜木とコンビを組むことによって、その才能が、存分に発揮されつつある
しかも、この先、流川まで加わることになれば、更に、予想を超えるような化学反応まで起こすかも
この試合
“悪いが大浜さんの予想通りにはならん……”
ってね
後思いつくのは「足りない1つ」のお披露目はいつなんでしょうか(≧∇≦)
目に見えない、精神的な影響だから
全く気にしないで流せるのならそれが最善なのはそうだと思う
でも「ついてないな」と思った時点で、既に影響を受けちゃってるものでもあるから
気にしないのがこれほど難しいものもなかなかないとも思う
だからこそ、現実のトップオブトップのプレーヤーでも課題として挙げられることがあるわけだし
Kちゃん
この流れで行くんやったら、せめて3話くらいやらな
なんなら台湾が日本を逆転するくらい迄引っ張らなあきまへんで
今話の最後の桜木のバスケットカウントで台湾の流れも終わりかい?まるで台湾「噛ませ犬」確定やんか
せやから「オカルト」みたいな意見が出んねん。
ここからの試合がさらに楽しみです!
Kさん、更新ありがとうございます。
オカルトじゃない
運はバラつきながら均等に落ち着く
しかし、幸運に基づく1つの成功が選手を落ち着かせることはある
開幕からずっと無安打だった選手が、幸運な内野安打で落ち着いてそこからヒットを重ねていくとかね
試合に出てるメンバーでは立て直せなかったのが弱い
有識者ですか?
少し風呂敷を広げ過ぎたかな
ルーズボールやリングで跳ねたボールの行方、審判ジャッジひとつ、気合い入ったまたは油断したワンプレーで、流れが行ったり来たりするのがバスケの醍醐味なのに?
まさにそれ。スポーツやってないとわからんことは書かんでほしいわ。
そうじゃない
てか荒らし野郎は消えてくださいよ
なぜK氏はこれを承認するのか
花道君にはカタカナが似合う。ミッチーはそりゃ出たいしね、ヤキモキ感満載。バスカンもらって次への起爆剤になってほしいですね。花道よ、もっと魅せてくれ!
いつもありがとうございます。
そもそもオカルトって何?
語訳、怪奇だよね、
選ぶ言葉とか、少し考えたら、って
思っちゃう。。
なんか敵意より哀しみすら感じる。
そんでもってスポーツやってるやってないとか、経験則からくる予感、予想もあるけど、
当該スポーツ経験者でない観戦側の予感、予想も勿論あるよね。。
スポーツ経験者とか関係ないでしょ。
なーんか、狭いよね、あんたら。
荒らしてるとしか思えないし、
悲しい。。
でも、好きなんだよね、続きが、
あなた昔コメント欄を荒らしまくってた人でしょ。出てこないでくださいよ。
監督の予想が外れる伏線回と予想♪
タイトルを付けるなら、
「三井の檄」
「戦っているベンチ裏」
「新世代の心意気」
とか、、センス無いな、、
日本語がおかしい。
風呂敷を広げすぎたのなら現実よりフィクションが上回るのが普通。
消えろよ
ほんでもってこの後の展開・・・Kさん、凄すぎます!!
今年の日本代表は桜木がいる!!
湘北がいる!!
あの空気に飲み込まれないようにするためのベテラン勢かと思ってたが、やはり負け癖がついてしまっているのか?
三井、赤木の渇から桜木が奮起してからの、仙道→桜木のパス交換は痺れました。流れが変わって勢いに乗ってほしいです。
しっかりしろ
勝て!
背筋がゾクゾクってなるくらい、花道最高(T_T)
大浜も含めて負け犬が染みついてるのが不安要素
監督は高頭がよかったかもw安西先生は高齢すぎるから
普通に外国人監督でもいいけど
更新お疲れ様です!
間違いない。風呂敷広げるの意味わかってないなこれ
そういう意見が見当たらない
俺だけ?
桜木のフェイクもかかりすぎだよ。
とりあえず、Twitterでトレンド入りした
WBSC プレミア12 台湾代表の
吉力吉撈鞏冠(キチリキキチロウ・キョウカン)
なんか、適任だと思うんだが……
ちょっとしたツキなんて、スポーツじゃなくても普通にあるだろうに、その程度でオカルトとか笑っちゃうんだが。