グループB 日本×チャイニーズ・タイペイ
2ndクォーター開始
JPN 28
TPE 19
道谷《日本9点リードで第2クォーターに入ります》
塚本《どうやら選手が3人代わるようですね》
道谷《土屋、若穂、富沢が入りました》
ここで観客席から大きな声援。
「富沢ーーーーー!!!!!!!」
「富沢、頼むぞーーー!! 森重に負けるな!!」
桜木 「…!?」
道谷《名古屋所属の富沢に、場内大歓声です!》
岡浜、ニコリ。
《富沢選手にとってこのスパーズ・アリーナは
ホームですからね、盛り上げてもらいましょう》
桜木、ニヤリ。
「トミー、ゴール下は戦場だぜ」
富沢 「ああ、分かってる」
(トミーってなんだよ)
大浜は「辛抱強く」という指示を出した。
迎えた2ndクォーター、
その通りの展開が待っていた。
バス!!!!
2ndクォーター 15秒
JPN 28
TPE 22
道谷《台湾、スリーポイントシュート!》
塚本《うーん、外れてくれませんねえ…!!》
開始早々の一発。
若穂のチェックは決して甘くはなかったが、
台湾のフォワードが体勢を崩しながら強引に撃った
スリーポイントシュートは、バックボードを叩いて
リングをくぐった。
町田 「あああ、あんなのも入るのかよ…!!」
弥生 「狙ったバンクショットじゃないわね」
若穂 「チッ…」
桜木 「大人ゴリ、次だ、次!!」
若穂 「おう、オフェンス、行くぞ」
(大人ゴリ…)
「あああ…」
客席から、ため息。
「勘弁してくれよ、完全に外れたシュートだよ…」
「あんなのが入るのかよ…」
続く、日本のオフェンス。
ゴール下、大声援を背に、富沢が魅せる。
ダム!!!
211cmの体格を生かしたパワープレイ。
「よし!!!!!」
「行けええええーーーーーー!!!!!」
バス!!!!
ゴール下の肉弾戦。
相手を吹き飛ばすようなアタックで、
ワンハンドジャンパーをねじ込む。
道谷《決めました、富沢!!!!》
塚本《いや…》
『ピピピピピ……!!!!!』
レフェリーのホイッスル。
「……!!!!!」
3本指を差し出す。
『オーバータイム!!』
「えええええーーーーー!!!!!???」
「いや、ちょっと厳しいよ、審判…!!!」
道谷《ああっと、いまのシュートはノーカウント》
岡浜《ちょっと時間をかけすぎましたかね》
晴子 「ああーん、もう!!」
彩子 「勿体ないわね」
富沢 「クソ…」
そこに、佐戸の声。
「あれでいい」
富沢 「…?」
パシ!
佐戸、富沢の尻を叩く。
「1対1は完全に勝っていた、続けろ」
パシ!
ついでに桜木も富沢の尻を叩く。
「ミスターの言うとおりだ、戦うぜ、トミー」
佐戸 「ディフェンス!!!!」
「オウ!!!!!」
続く、台湾の攻撃。
バシイイイイ!!!!!
土屋の手がボールを叩く。
「おおおおおおーーーーーーー!!!!!」
「獲った!!!!」
一瞬のスキを突いたスティール。
荒石 「よっし、チャンス!!!!」
天崎 「走れ!!!!!」
が、
こぼれ球が台湾選手の背中に当たり、
予期せぬ方向に跳ねる。
「……!!!???」
荒石 「あああああーーーー!!!!!」
(なんで、そうなる…!!!!)
これを拾った台湾、
ゴール下にボールを送り、ラッキーな追加点。
バス!!!
2ndクォーター 1分
JPN 28
TPE 24
観客席の桜木軍団、頭を抱える。
高宮 「んだよ、チキショー…!!!!」
大楠 「ついてねえにも、ほどがあるだろ!!」
洋平 「怖いもんだな、勝負ってのは…」
町田 「あれよあれよで、もう4点差だ…」
彦一 「どうなっとるんや、この試合…」
「ああああ、頼むよ、日本!!!」
「なんとかしてくれえええええーーー!!!!」
悲痛な声援。
今日は、史上最強と称された日本代表の快勝劇を
目撃するために来たはずだった。
実際に立ち上がりはその期待通りの展開だった。
だが、10分が経過し、いま目の前の代表チームは
大苦戦を強いられている。
ネガティブな予感ばかりが浮かぶ。
(次のオフェンスも失敗する気がする)
(いまはシュートが入らないんじゃ…)
道谷《ここは取り返したい、日本…!!》
塚本《嫌な流れは断ち切りたいですね》
ここで佐戸の声。
「さあ、次、一本!!!!!!」
観客席にも聴こえるような大声。
「……!!!!???」
佐戸 「分かっていたことだ」
一同、再び大浜の言葉を思いだす。
―― 俺はこの試合、まだまだもつれるとみている
―― 勝ってる側の言い方じゃねえが、辛抱強くいけ
桜木 「次だな」
若穂 「一本、行こう」
佐戸、もう一度声を出す。
「一本!!!!!!!!」
「オウ!!!!!!!」
日本、仕切り直しとばかりに声を出す。
ボールがフロントコートに入った。
キュキュッ!!!
選手が動く。
ビッ!! ビッ!!
ボールが動く。
左45度、佐戸に渡る。
ベンチの森尾から声が飛ぶ。
「行けえええええ!!!!! ケン!!!!」
ダム!!!!
佐戸、一発でディフェンスを抜く。
須形 「速い…!!!!!」
天崎 「おおおおお…!!!」
一気にゴール下へ。
キュキュッ!!!!
台湾デイフェンスが動く。
観客席から声。
「ここで外だ!!!!!」
「外が空いてるぞ!!!」
桜木 (行け、ミスター)
ガッシイイイ!!!!!
ゴール下のビッグマンと交錯。
ガン!!
強引に撃ったシュートはリングに嫌われるも、
フリースローを獲得。
「おおおおお……!!!!!」
道谷《日本、フリースローです》
塚本《いまのは強い意志が見えました》
岡浜《得点のチャンスですね》
ゴール下、尻もちの佐戸。
桜木が手を伸ばす。
「フリースローだぜ、ミスター」
グイッ。
桜木の手を握り、立ち上がる佐戸。
「おう」
そして、
佐戸 「辛抱の時間だ、喰らいつくぞ」
フリースローレーンに歩く。
「どんな形でもいい。点を獲ればいい。
取り返し続ければ、差は縮まらない」
ザシュ!!!
ザシュ!!!
佐戸、2投とも決める。
2ndクォーター 1分20秒
JPN 30
TPE 24
森尾 「よーーっし、いいぞ、ケン」
杉山 「さあ、ディフェンス」
しかし、
いまはどうやら「辛抱の時間」。
試合には流れがあるもの。
この第2クォーター、
台湾の攻撃に、好リズムが生まれ始める。
運がよい、という言葉で終わる話ではなかった。
攻撃が、良くなったのだ。
ザシュ!!!
小気味よいパス回しから、ノーマークのシュート。
2ndクォーター 1分40秒
JPN 30
TPE 26
道谷《台湾、これは見事というところでしょうか》
塚本《そうですね。いまのは完全にやられました》
道谷《前大会ベスト4の台湾、上向いてきたか》
ゲームはいま、明かな台湾ペース、台湾の流れ。
しかし、日本は前を向く。
ガン!!!!
富沢のゴール下シュートが外れる。
ガッシイ!!!!
しかし、このリバウンドを若穂が拾う。
ビッ!!
外に立つ佐戸に戻す。
若穂、手を叩く。
「オッケー、もう一丁、もう一丁!!!!」
道谷《日本の攻撃、続きます》
岡浜《いいですよ、粘り強く行きましょう》
ビッ!!
佐戸のパス、桜木が受け取る。
ベースライン沿い。ノーマーク。
「来た…!!!!」
「桜木…!!!!」
なんとなくの予感があった。
―― どうやら日本に風は吹いていないが、
―― 桜木だけは違うのでは?
桜木 (合宿シュゥッ!!!!!!!)
ビッ!!
桜木、ミドルシュート。
晴子 「桜木君!!!!」
木暮 「よし、来い!!!!!!」
桜木軍団、立ち上がる。
「来おおおーーーーーーーい!!!!!!!」
ガン!!!!
「……!!!!!!」
外れる。
「あああ…!!!!」
「桜木でもダメか…!!!!」
そこに、土屋が飛び込んできた。
ガシイ!!!!!
もぎ取るようなリバウンド。
「おおお…!!!!」
道谷《土屋、オフェンスリバウンド!!》
塚本《ナイス!!!!!》
ビッ!!
再び外へ。
土屋 「もう一丁!!!!!!」
佐戸 「よし、よく獲った!!!!」
「おおおおおーーーーーー!!!!!!」
「まだオフェンスが続くぞ!!!!!」
町田 「土屋らしからぬ…!!!」
弥生 「気迫で獲ったわ」
町田 「桜木のシュートに、土屋のリバウンドか」
弥生 「イメージとは逆ね」
彦一、コブシを握る。
「そういう時間か、文字通りの一丸戦や」
ダム!!!!
佐戸のドライブイン。
「佐戸…!!!!!」
「っしゃ、行けえええええーーーー!!!」
「決めろおおおーーー!!!!!!!!」
キュキュッ!!!
再び台湾ディフェンスの包囲網。
ビッ!!
チェックに出た台湾ディフェンスの背後にパス。
「おおおおお!!!!」
「上手い!!!!」
執念のようなプレイが続いていた日本、
台湾は強引なアタックを想定していた。
しかし、ここで佐戸はパスを出した。
荒石 「うっほおお!!」
須形 「上手ああああーーーい!!!!」
ゴール下、富沢。
裏をかかれた台湾、
チェックに来るが一歩遅い。
ガシイイ!!!!!!!!!
ファウルを受けるも、富沢ねじ込む。
『ピピーーーーーーーーーーー!!!!』
バス!!!!
2ndクォーター 2分20秒
JPN 32
TPE 26
『バスケットカウント・ワンスロー!!!!!』
富沢、吠える。
「っしゃああああああ!!!!」
桜木 「トミー!!!」
「……!!?」
富沢、鼻血。
『ピピピピッ!!』
レフェリーのホイッスル。
富沢、少し鼻をさする。
自分の出血に気づく。
そして、桜木にニヤリと笑った。
「なるほど、戦場だな」
桜木も笑い返した。
「戦いだ」
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1297) へのコメント一覧
チャレンジしなきゃ
ゲームメイクとかはしないけど勝利のために動いてる
勝利を目指して闘い続けてる
いつも更新ありがとうございます。
2ndクォーター 2分20秒
のところですが、
日本の得点が変わっていないような…?
2ndクォーター 1分40秒
のところから得点が入ったはずなのですが。
ご確認いただけますと幸いです。
もういいやろ
何も、桜木だけってわけじゃねぇ。
こっからだぜ、新生全日本は
いきなりあだ名で呼んでしまう桜木くんが原作通りで好きです
次の話で土屋がオフェンスで仕掛ける予感!
しかも花道と絡む予感!
言うて物語の中じゃ言い始めて5年そこらでしょ。
高1も20歳前後も男の頭の中ってそんな変わらないしね。
ゲームの「流れ」「運」って、「だめかも」ってマイナス思考になると悪くなるもので、そうさせる要素が試合中にたくさんあって、
下向きにならぬよう、特に桜木ら皆が声かけていく感じが、たくさん見れました。
すごくリアル。
それだけ花道にとって安西先生との合宿は思い入れがあるってことだからいいんじゃね
いやー、この日が楽しみで仕方ない!!
ところで、、、
富沢、少し鼻をさする。
自分の出血に気づく。
そして、桜木にニヤリと笑った。
「なるほど、戦場だな」
桜木も笑い返した。
「戦いだ」
ここのシーン、桜木も笑い返した、じゃなく富沢では?
土屋も頑張れぇ!!
基本が大事ですよ。ゆーてまだ4年しか経ってないし。
Kさんいつもありがとうございます!
日本VS台湾第1クォーターが終了し9点リードの日本!ほんと強いが、大浜監督は若手の仙道、雅史、森重を下げ土屋、若穂、富沢を投入して佐戸&花道は続行で挑む!
名古屋会場で富沢さんが応援される中、チェックに入るがスリーを決める台湾、富沢が相手を突き飛ばし決めるが3秒をとられ、土屋が相手ボールをカットするが、そのまま決められ4点差に!
運がわるいといえばそれまでだが嫌な流れが継続中。だが、ここで佐戸さんが果敢に仕掛けフリースローを2本沈めます。頼りになるミスターカッコいいです!
更に花道が仕掛けシュートが外れるが土屋が粘り強くリバウンドをとり、再度佐戸さんが仕掛けフリーになったトミーがバスカンを決めました!
ミドルのシュートを打った花道とリバウンドをとった土屋、役割が違うがこの2人のコンビプレイなども見れるかワクワクです!
早速天下のベテラン富沢さんと若穂をトミー、大人ゴリという花道に笑いました笑
寡黙な土屋にはなんてあだ名をつけるのだろうか?
日本代表頑張れ〜!
日本も選手層が厚い、やってくれるはず。みんな、漢をみせろ👊更新ありがとうございました。
こういうときは常に冷静沈着な深津や遊び心のある仙道を使うと楽に得点できそう
土屋のことは何て呼ぶんだろ?
「あの子は将来、このチームの中心になる」と言ってましたが、今では湘北の中心から日本の中心選手になりつつありますね!ベテラン選手とも上手く絡んでいます。そして目上の人間にもアダ名呼びする所は当時のまま(笑)。こんな桜木もいいですね!
確かまだ19歳とかでしたよね?
花道なら全然言ってても違和感ないですよ
合ってません?
読解力たいせつよ。
富沢が桜木に向かって笑って「なるほど、戦場だな」を発言
それを受けて桜木は富沢に笑い返して「戦いだ」
こういうのの積み重ねからまた流れがくるしね👊
日本のバスケファンのクオリティーがまだ低過ぎて
間違ってないんじゃないですかね
そして、桜木にニヤリと笑った。
「なるほど、戦場だな」
は、富田が笑った描写なので
笑い返すのは桜木でいいんじゃないかと。
そして、(※富沢は)桜木にニヤリと笑った。
に対する
桜木も笑い返した。
だから、合ってますね。
一文目を「桜木は」と読み違えているかと。
ツッチー
あとは容姿であだ名つけてるけど、原作見る限りでは土屋は誰かに似てるとかはないしw
こういう人でも意見出来る怖い世の中やね
ほんと読解力は大事!
ツッチーかキノコあたりと予想
ツッチー良いなぁ!
ミッチーみたいに花道と色々絡んで欲しい
パスアウトやドリブルで仕切り直しと捉えられたタイミングで適応されるはずです。
茶々入れてしまいすみません。
パスアウトやドリブルで仕切り直しと捉えられたタイミングで適応されるはずです。
茶々入れてしまいすみません。
コンビプレーしてほしい
顔のイメージは一瞬でできました笑