グループB 日本×チャイニーズ・タイペイ
2ndクォーター 残り3分50秒
JPN 45
TPE 37
樽瀬のノールックパスから、
桜木のボースハンドダンク。
日本、連続得点。
「うおおおおおーーーーーーーーー!!!!!!」
「来た、来た、来たああああーーー!!!!!!」
日本ベンチ、ベンチ裏、いっせいにコブシを握る。
「よおおーーーっし、桜木!!!!」
「ナイス、樽瀬さん!!!!!」
道谷、興奮実況。
《日本、ここでゲームのスピードを変えました!
ポイントガードの交代から、一気に連続得点!
不気味さも漂っていた均衡の展開を破りました》
塚本《やはり樽瀬くんが魅せてくれましたねえ》
岡浜《大浜監督、素晴らしい采配ですよ》
沸き立つ会場、沸き立つ放送席、
しかし、大浜はコートの選手たちに向けて、
手のひらで2・3度空気を押すような仕草。
言葉にすれば「落ち着け」だろうか。
ベンチから佐戸が声を飛ばす。
「ディフェンス!! 一本止めるぞ!!」
そう、この試合は台湾が神がかっているかのように
シュートを決め続けている。
どれだけ日本がスーパープレイを披露しても、
台湾はそのたびに、決め返してきている。
ダム!!
道谷《台湾、外から仕掛けます!!》
ガッシイイイ!!!!
道谷《おっと、ここでファウル!!》
塚本《樽瀬くんが手を出してしまいましたか》
ファウルを宣告された樽瀬、
頷きながら手を挙げる。
町田 「いまのは意図的だったか?」
弥生 「気持ちよく撃たせないため?」
岡浜、解説。
《樽瀬くんはどうやら守備でもゲームの雰囲気を
変えようとしてますね。ラッキーなシュートも
ほとんど決められているので、ファウルしてでも
オフェンスのリズムを崩す考えでしょうか》
何かを変えようとする日本。
そしてここで、大浜が動く。
『ビビーーーーーーーーー!!!!!!!』
道谷《日本、選手交代です》
塚本《ここで来ますか》
コートサイドには、背番号9・森尾毅彦。
桜木 「お、モーリー!」
「森尾、来たああああーーーーー!!!!!」
「ここで日本のエース、登場!!!!!!」
交代は若穂。
拍手を受けながらベンチに下がる。
「若穂、ナイスプレーーーー!!!!!!」
「樽瀬とのコンビ、完璧だったぞ!!!!」
荒石 「あの一本は大きかったぜ」
天崎 「最初の樽瀬さんのパスを得点に繋げた」
一方、台湾ベンチからは森尾警戒の声が飛ぶ。
『モリオだ! 外のシュートが来るぞ!』
『モリオをチェックだ!』
台湾は分かっている。
アウトサイドシュートが来る、と。
塚本、解説。
《ずっと日本代表に名を連ねている森尾君です。
プレイスタイルは台湾側も知り尽くしています。
当然、彼のシュートは警戒されるでしょう》
道谷、問う。
《となると、いかに名シューター・森尾といえども
簡単には撃たせてもらえないでしょうか》
塚本、返す。
《そうですね、台湾の知らないプレイとの連係が
カギになるかもしれませんね》
荒石 「なるほどな」
須形 「台湾が知らないプレイ、か…」
道谷《さあ、まずは一本止めたい日本》
エースシューターが入った日本のオフェンスに
注目が集まるが、まずはディフェンス。
森尾、さっそく動く。
『ピピーーーッ!!!!!』
道谷《おっと、ファウルです》
塚本《シュート中でしたかね》
台湾・呂(ルゥ)のシュートに対し、後方から森尾が
手を出した。これがファウルとなりフリースロー。
呂 『チッ…』
森尾 「ふぅ」
ひとつ息を吐き手を挙げる。
コートに入ってわずか5秒後のファウルだった。
桜木 「なんだ、モーリー、いきなり反則か」
森尾 「まあ、試合に参加したってことで」
樽瀬、手を叩く。
「オッケー、オッケー、リバウンド獲ろう」
樽瀬、森尾、ベテラン勢が立て続けにファウル。
そして台湾にフリースロー。
ガン!
一投目が外れる。
「お…!!!」
「台湾が外した!!」
与野 「流れが変わってきたか」
浜崎 「2本目はどうか」
呂、2投目。
ビッ!
桜木 「そっちだ、オスギ」
杉山 「…!」
ガン!!!!
「リバーーーーーン!!!!!!!!」
ガッシイイイ!!!!!!
杉山がもぎ取る。
完璧な位置取りだった。
「よーーーーーっし!!!!!!」
「ナイスリバン、杉山!!!!!!」
杉山、ボールを樽瀬に渡し、ため息。
(アイツのアレ、よく当たるもんだぜ)
町田 「これで台湾はまた無得点だ」
弥生 「さらなる連続得点のチャンスよ」
続く、日本のオフェンス。
ボールは樽瀬から、コーナーに立つ桜木へ。
「お、桜木!」
「あの位置、1対1があるぞ!!!」
道谷、実況。
《さあ、日本のファンにはお馴染みでしょう!
ここは桜木得意の位置です!!》
樽瀬 「へい、見せ場だぜ」
桜木 「フン!」
大きく鼻から息を吐く。
そして、
ダム!!!!!!
桜木、仕掛ける。
「行った!!!!!!!!!!!!」
「桜木…!!!!!!!!!」
塚本《おそらく台湾は知らないでしょう》
桜木、爆発的一歩目から一気にリングに向かう。
台湾ゴール下の守備陣が動く。
桜木が跳ぶ。
台湾守備陣も跳ぶ。
『チェック!!!!』
『潰せるぞ!!!』
塚本《あそこからのパスを》
桜木、空中で、ボールを止める。
『まさか…!!?』
『パスか…!!!』
台湾ディフェンス、反応。
予想外のパスモーションだったが、
パスとあらば、その先は予想がつく。
『モリオだ…!!!!!!』
キュキュッ!!!!
台湾ディフェンスは、
日本のエースシューターの位置を警戒。
その動きを桜木は「見た」。
そして、空中でパスを捌く。
ビッ!!!
森尾 (羨ましいぜ、見てから出せるなんてな)
ボールは、土屋へ。
『……!!?』
『モリオじゃない…!!?』
次の瞬間、杉山が森尾にスクリーン。
フリーになったところへ土屋のパス。
「おおおおおーーーーーーーー!!!!!!!!」
「ナイスパーーーーーーッス!!!!!!!!!」
天崎 「おおおおおおおーーーーー!!!!」
荒石 「出たぜ」
須形 「知らないプレイとの連係…!」
ビッ!!
森尾、スリーポイントシュート。
観衆、一斉に立ち上がる。
「スリーーーーーー!!!!!!!!!」
ザシュ!!!!
2ndクォーター 残り3分
JPN 48
TPE 37
「来たあああああーーーーーー!!!!!!!!」
「森尾のスリーーーーーー!!!!!!!!」
道谷《森尾、一発目を決めたああああーーー!!》
塚本《これは大きいーーーーーーー!!!!》
桜木 「よーーーーっし、モーリー!!!」
森尾 「オウ!!!」
バチン!!!!!!
激しく手を叩く。
森尾 (痛いんだよ、毎度)
続いて、桜木は土屋を指さす。
「よく見てたな」
土屋、苦笑い。
「いや、こっちのセリフや」
日本はここから走った。
何度も何度も食い下がってきた台湾を、
そして不気味に漂い続けた嫌な空気を、
ついにねじ伏せた。
バス!!!!
「樽瀬から杉山!!!!」
ザシュ!!!
「森尾、また来た!!!!!」
道谷《さあ、日本の波が来ました!!!!》
塚本《いやあ、いいところで来ました!!!》
道谷《樽瀬投入からビッグウェーブ到来!!》
そして、前半終了までの3分で
さらにリードを5点拡げることに成功。
『ビビーーーーーーーーー!!!!』
2ndクォーター終了
JPN 56
TPE 40
「おおおおおーーーーー!!! やった!!!」
「前半の最後で突き放した!!!」
「すげえ!!! これが樽瀬マジックか!!!」
道谷《日本、16点のリード!!》
塚本、興奮解説。
《いやあ、なんとも難しい時間が続きましたが、
よく踏ん張りました! 前半の終わり方としては
素晴らしい内容でしたよ!!》
ゲームはハーフタイムへ。
両軍が控室に戻る。
ここで大浜、深津に声をかける。
「第3クォーターはお前だ」
深津 「はい」
「お…」
他メンバー、この会話に注目。
前半唯一出番のなかった深津への指示。
「まずは佐戸がゲームを作ってリードを奪った。
その後の相手の反撃の時間も佐戸が耐え続けた。
そして交代で入った樽瀬が流れを変えた。
結果、さらにリードを拡げて前半を終えた」
「……。」
大浜、続ける。
「後半は、あの手この手で仕掛けてくるだろうよ。
特にベテランは何か厄介なことをやってくるかも
しれねえ。難しいゲームになるはずだ。普通なら
ここで若いガードなんざ起用しねえ」
深津 「……。」
大浜 「だが、お前は動じねえよな」
桜木、ニヤリ。
(ほう、知ってるじゃねえか)
パシ!
大浜、深津の尻を叩く。
「第3クォーターの10分間、相手に主導権を渡すな。
このリードを保ち続けろ」
続く
--
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1299) へのコメント一覧
樽瀬が流れを持って来れるガードだから、深津は若手でも違う役割が期待されているということなのかな。
3クォーター開始のメンバーも気になる
深津もやってくれるの期待ですね!
やっぱり見てからのパスは熱い!
深津の活躍も楽しみです
次が楽しみでしょうがない
Kさんいつもありがとうございます!
樽瀬の山王仕込みの走るプレーで一気にリードを8点に広げた日本!NBA兄のプレーに合わせる若穂もすごいですが、オスギ、花道、ツッチーの若手の活躍も嬉しい!
樽瀬のノールックパスから花道がダンクを決める。あの時のリハビリのお姉さんのチャレンジを思い出し涙が…
ここで、日本は若穂が下がりエース森尾さんを投入!モーリー・ハナミチ・オスギの東洋3トリオきた〜!
相手に警戒される森尾さん。DFから仕掛けファウルで流れを引き寄せず、リバウンドはリバウンド王桜木が杉山さんに指示を出し、杉山さんがリバウンドをとりました!
オフェンスでも花道のコーナーからの1on1から、土屋に繋ぎ、杉山さんのスクリーンを使い森尾さんがスリーを決めました〜!
この嫌な空気を変え16点リードで折り返した日本!ここで、大浜監督から司令塔は深津にチェンジ。主導権を渡さず深津は10分間どのようなゲームメイクを見せるのだろうか?
第3クォーター深津が束ねる残りの4人は一体誰なのだろうか?気になる?田岡先生、ぜひこの日本代表の分析と台湾の不安要素を見つけてください笑
あと1話で念願の1300話!Kさん本当ありがとうございます!
日本代表頑張れ〜!
大浜監督は玄人好みの展開にしてくれますね!
日本代表でも欠かせないとか胸アツ過ぎる!
土屋との会話は、実際もきっとこういう感じでしょうね。メガネ君とかヤスとかと接するような時と同じような気がするなぁ。
今週もありがとうございました!
長らくスポットライトの当たらなかった
深津についに見せ場が!!!!
ベテランの日本代表、牧、藤真、宮城と。
PGは本当に激戦区だ。
バリおもろいやん
やっぱ「ツッチー」かな?
ユニバ出れなかった雪辱を晴らせピョン吉!!
細目とかかな。
1,2Q出突っ張りの桜木は流石に3Qはベンチかな
代わりに河田が出て山王コンビを見せてほしい
嬉しくなります。
リードを保ち続けろ
との指示でしたが、
深津にその気があるのか?
点差をもっと広げてしまうような…
そんな期待もしちゃいます!
個人的には深津がいるってことは桜木との共演じゃなくて
杉山、河田で行ってほしい気がする
樽瀬が試合の流れを変えたが使ったオフェンスは桜木から
継続のため桜木を出すか?仙道&河田(兄)を出して深津の支配力を強調するか?
ひとつ下の宮城がユニバでの経験をキッカケに覚醒して藤真牧を倒して明利が全国制覇する。
悔しさしかないだろうからとてつもない活躍を見せてほしいね。
樽瀬が試合の流れを変えたが使ったオフェンスは桜木から
継続のため桜木を出すか?仙道&河田(兄)を出して深津の支配力を強調するか?
特に河田(兄)は今まで牧と同じチームかつ赤木のライバルとして描かれてたためある意味能力を制限された活躍とも言える
逆に深津ならかつて最強山王を象徴する二人で大暴れしてくれう(笑)
楽しみだピョン
第三Q、深津登場
希望の面子としては、やはり、山王ラインの河田兄
その河田兄とは、深体大では、先輩後輩の関係だった杉山
その杉山とは、ペイサーズでのチームメイト森尾
最後の一人は、怪我が問題無いようであれば、早々にベンチに下がった富沢(怪我の具合によっては、森重で)
あたりで
もし、チャイニーズ・タイペイの巻き返しを許すようであれば、オールラウンダーの仙道を投入(『まだ、慌てる時間じゃない』ってね)
相手が色々と仕掛けてきたとしても、Bリーグの選手すら手玉に取ってしまうような深津のことだもの、きっと、泡を食うのは向こう方
注目は、『ピョン』なのか、『ベシ』なのか、あるいは、新しい別の言葉を披露するのか
あとは、ここまで静かだった、牧と藤真の神奈川の二大巨頭が、どういう会話を繰り広げるのか
要チェックですな
問題は藤真が残っているか(泣)
樽瀬がいる限り藤真の
いろんなポジションをこなせるユーティリティは世界でも通用することがわかって嬉しい。
あとは花道と森重のコンビプレーも見てみたいもんだ。
熱すぎる。。
桜木が「ピョン吉」と呼ぶシーンの描写も楽しみにしてます笑
1200は後輩の翔北と山王の戦いで桜木が解説として話してた
今回は桜木はベンチ予想だけどどん話になるかな
ぴょん。
ぴにょん。
スター達を操る深津の姿を見るのは高校生深津のときぶりか
ん〜、最近は名前をもじるパターンだし、やっぱツッチーか意外とあっちゃんとかwあっちゃんはないか…
見た目でなんか呼び名あるかなぁ…
描いてもらいたい3Qのスタート
深津
土屋
仙道
河田
森重
深津は必須として。
バスケ脳が高い黄金世代で、
戦ったらどうなのかなって、
森重は現時点で花道より上な気がするので。
勘は花道が上だと思いますが。
これ、台湾も読めないですよね。
ん? それは、アジア予選を勝ち抜いた先の最終選考で、ベンチ入りできるか、どうかの話では?
今は、初戦の12人に選ばれなかった選手も、ベンチの後方に陣取っているはずだから(三井や赤木が叫んでいる)
黄金世代のPGで、いの一番に試合に出場することになった深津に対して、どういう心境なのかとか、実際のプレイを観ての感想とかを語るシーンが出てくるのではと
思っただけなんだが……
同じ大阪の南をカリメロと呼んでたからビッケとか?小さなバイキングビッケの
昭和50年頃のアニメが花道の頭に強くありそうだし
今回もありがとうございます。
着実に得点を重ねてくるのかなー期待してます!
愛知の星ではなかったでしょうか。
「第3クォーターはお前だ」
深津 「ピョン」
って深津が答えれるなら、深津は日本代表の正PGになるんだろうなあw
いやそれ諸星やろ
それ、諸星